問1有効落差100 m、使用水量20 m³/sの水力発電所がある。水車効率が88 %、発電機効率が96 %であるとき、発電機出力に最も近い値はどれか。
- a約19.6 MW
- b約17.2 MW
- c約16.6 MW
- d約18.8 MW
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正解:c. 約16.6 MW
理論水力はP0=9.8QH=9.8×20×100=19600 kW。これに両効率を乗じて19600×0.88×0.96≒16558 kW≒16.6 MWとなるので約16.6 MWが正しい。19.6 MWは効率を全く考慮しない理論水力そのものであり誤り。17.2 MWは水車効率だけを乗じた値(19600×0.88=17248 kW)で発電機効率が抜けており誤り。18.8 MWは発電機効率だけを乗じた値(19600×0.96=18816 kW)で水車効率が抜けているため誤りである。
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問2総落差120 m、損失水頭が総落差の5 %である水力発電所が、使用水量15 m³/sで運転している。水車と発電機を合わせた総合効率を85 %とするとき、発電機出力に最も近い値はどれか。
- a約13.5 MW
- b約15.0 MW
- c約16.8 MW
- d約14.2 MW
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正解:d. 約14.2 MW
有効落差H=120×(1-0.05)=114 m。出力P=9.8QHη=9.8×15×114×0.85≒14244 kW≒14.2 MWとなるので約14.2 MWが正しい。15.0 MWは損失水頭を無視して総落差120 mで計算した値(9.8×15×120×0.85≒14994 kW)であり誤り。16.8 MWは有効落差は正しいが効率を乗じていない理論水力(9.8×15×114≒16758 kW)で誤り。13.5 MWは損失を10 %と誤って計算した値であり誤りである。
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問3定格出力20000 kWの水力発電所の年間発電電力量が8.76×10⁷ kW·hであった。この発電所の年間の設備利用率[%]として最も近い値はどれか。ただし1年を8760時間とする。
- a50 %
- b60 %
- c40 %
- d25 %
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正解:a. 50 %
定格出力で1年間連続運転した場合の電力量は20000×8760=1.752×10⁸ kW·h。設備利用率は実際の発電電力量との比であるから8.76×10⁷÷1.752×10⁸=0.50、すなわち50 %となる。25 %は分母を2倍に取り違えた場合の値であり、実際の比とは一致しないため誤り。40 %および60 %も8.76×10⁷/1.752×10⁸という比の計算結果と一致せず、いずれも誤りである。
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問4有効落差100 m、出力10000 kW、回転速度500 min⁻¹の水車の比速度[m·kW]に最も近い値はどれか。
- a約50 m·kW
- b約500 m·kW
- c約316 m·kW
- d約158 m·kW
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正解:d. 約158 m·kW
比速度はns=n·P^(1/2)/H^(5/4)で表される。√P=√10000=100、H^(5/4)=H×H^(1/4)=100×√√100=100×√10≒100×3.162=316.2。よってns=500×100/316.2≒158となる。500は落差の指数を5/4ではなく1として割った誤りの値。50は落差の指数を3/2(100^1.5=1000)とした誤り。316は分母のH^(5/4)の値そのものであって比速度ではないため誤りである。
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問5全揚程200 m、揚水量30 m³/sで運転する揚水発電所がある。ポンプ効率85 %、電動機効率95 %のとき、電動機の入力に最も近い値はどれか。
- a約72.8 MW
- b約47.5 MW
- c約69.2 MW
- d約58.8 MW
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正解:a. 約72.8 MW
揚水入力は理論水力を効率で割って求める。P=9.8QH/(ηp·ηm)=9.8×30×200/(0.85×0.95)=58800/0.8075≒72817 kW≒72.8 MWが正しい。58.8 MWは効率を考慮しない理論水力9.8×30×200=58800 kWで誤り。47.5 MWは効率を割るべきところを乗じた誤り(58800×0.8075)。69.2 MWはポンプ効率だけで割った値(58800/0.85)で電動機効率が抜けており誤りである。
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問6有効落差60 m、使用水量10 m³/sで運転している水力発電所の発電機出力が4900 kWであった。この発電所の水車と発電機を合わせた総合効率に最も近い値はどれか。
- a約80.0 %
- b約87.5 %
- c約83.3 %
- d約75.0 %
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正解:c. 約83.3 %
理論水力はP0=9.8QH=9.8×10×60=5880 kW。総合効率は実際の出力との比であるからη=4900/5880≒0.833、すなわち約83.3 %となる。75.0 %は分母を6533 kW程度と取り違えた場合の値であり5880 kWを用いた計算と合わない。80.0 %では出力が5880×0.8=4704 kWとなり4900 kWにならない。87.5 %でも5880×0.875=5145 kWとなり与えられた出力と一致しないため、いずれも誤りである。
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問7有効貯水量1.8×10⁶ m³の貯水池をもつ水力発電所がある。有効落差を50 m、水車と発電機の総合効率を80 %で一定とするとき、この貯水量をすべて使い切ったときに得られる発電電力量に最も近い値はどれか。
- a約1.57×10⁵ kW·h
- b約2.45×10⁵ kW·h
- c約2.0×10⁴ kW·h
- d約1.96×10⁵ kW·h
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正解:d. 約1.96×10⁵ kW·h
電力量はW=9.8VHη/3600=9.8×1.8×10⁶×50×0.8/3600=7.056×10⁸/3600≒1.96×10⁵ kW·hとなる。2.45×10⁵ kW·hは効率0.8を乗じ忘れた値で誤り。1.57×10⁵ kW·hは効率を二重に乗じた値(2.45×10⁵×0.8×0.8)で誤り。2.0×10⁴ kW·hは係数9.8を乗じ忘れた値であり、水の重量に相当する項が抜けているため誤りである。
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問8水車の種類と特性に関する記述として、誤っているものはどれか。
- aペルトン水車は高落差・小流量の地点に適した衝動水車である。
- bカプラン水車は低落差・大流量に適し、負荷に応じてランナ羽根の角度を変えることができる。
- cプロペラ水車の比速度は、ペルトン水車の比速度より小さい。
- dフランシス水車は中落差の地点に広く用いられる反動水車である。
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正解:c. プロペラ水車の比速度は、ペルトン水車の比速度より小さい。
比速度は低落差・大流量向きの水車ほど大きく、ペルトン水車が最も小さくプロペラ水車が最も大きい。したがってプロペラ水車の比速度がペルトン水車より小さいとする記述は大小関係が逆であり誤りである。ペルトン水車が高落差・小流量に適する衝動水車であること、フランシス水車が中落差用の反動水車であること、カプラン水車が低落差・大流量用で可動羽根をもつことはいずれも正しい記述である。
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問9ペルトン水車に関する記述として、誤っているものはどれか。
- aノズルから噴出させた高速の噴流をバケットに当て、その運動エネルギーによって回転力を得る。
- b負荷遮断時にはデフレクタで噴流をそらし、水圧管路の圧力上昇を抑える。
- cランナは常に水中に没しており、ランナ出口に吸出し管を設けて落差を回収する。
- d出力の調整はニードル弁の開度を変え、噴流の流量を加減して行う。
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正解:c. ランナは常に水中に没しており、ランナ出口に吸出し管を設けて落差を回収する。
ペルトン水車は衝動水車で、ランナは大気中に置かれ吸出し管をもたない。ランナが水中に没し吸出し管で落差を回収するのはフランシス水車などの反動水車の特徴であるため、この記述は誤りである。噴流をバケットに当てて回転力を得ること、ニードル弁で流量を加減して出力を調整すること、負荷遮断時にデフレクタで噴流をそらして急閉による圧力上昇を防ぐことは、いずれもペルトン水車の正しい説明である。
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問10反動水車に設けられる吸出し管の役割として、最も適切なものはどれか。
- a取水口から水圧管路へ流入する土砂やごみを沈殿させて分離し、水車の摩耗を防ぐ。
- b負荷遮断時に水圧管路内に生じる水撃圧を吸収し、管路内の圧力上昇を抑制する。
- c発電機の回転速度の変化を検出し、ガイドベーンの開度を変えて流入水量を調整する。
- dランナ出口から放水面までの落差と出口の速度エネルギーを回収し、有効落差として利用する。
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正解:d. ランナ出口から放水面までの落差と出口の速度エネルギーを回収し、有効落差として利用する。
吸出し管はランナ出口と放水面との間の落差、およびランナ出口に残る速度エネルギーを圧力に回復させて有効落差として利用するための末広がりの管であり、この説明が正しい。水撃圧を吸収するのはサージタンクの役割であるとする対象を取り違えた記述は誤り。土砂やごみの除去は沈砂池や除じん機の機能であり誤り。回転速度を検出して水量を調整するのは調速機(ガバナ)の機能であるため誤りである。
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問11水車のキャビテーション対策に関する記述として、誤っているものはどれか。
- aランナの表面を平滑に仕上げ、壊食に強い材料を用いる。
- b部分負荷や過負荷での長時間の運転をできるだけ避ける。
- c必要以上に大きな比速度の水車を選定しない。
- d吸出し管の高さ(吸出し高さ)をできるだけ高くとる。
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正解:d. 吸出し管の高さ(吸出し高さ)をできるだけ高くとる。
吸出し高さを高くするとランナ出口付近の圧力が低下して飽和蒸気圧に近づき、キャビテーションが発生しやすくなる。したがって吸出し高さを高くとることを対策とする記述は逆であり誤りである。比速度を過大にしないこと、ランナ表面を平滑に仕上げて耐壊食材料を用いること、効率の低い部分負荷や過負荷での長時間運転を避けることは、いずれも有効なキャビテーション対策として正しい。
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問12水車の調速機(ガバナ)の働きに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- a水車軸の異常振動や軸受温度の上昇を検出し、非常調速機を動作させて機械を安全に停止させる保護装置である。
- b回転速度の変化を検出し、ガイドベーンやニードル弁を操作して流入水量を加減し、回転速度を規定値に保つ装置である。
- c水圧管路の途中に設けられ、負荷遮断時に生じる水撃圧を吸収して管路の圧力上昇を抑える水槽である。
- d発電機の端子電圧の変化を検出し、界磁電流を増減させて励磁を調整し、端子電圧を規定値に保つ装置である。
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正解:b. 回転速度の変化を検出し、ガイドベーンやニードル弁を操作して流入水量を加減し、回転速度を規定値に保つ装置である。
調速機は水車発電機の回転速度(すなわち系統周波数)を検出し、その偏差に応じてガイドベーンやニードル弁の開度を操作して流入水量を加減し、回転速度を規定値に保つ装置であるから、この説明が正しい。界磁電流を調整して電圧を一定に保つのは自動電圧調整器(AVR)の働きであり誤り。水撃圧を吸収する水槽はサージタンクであり誤り。異常振動による非常停止は保護装置の機能で、調速機の役割ではないため誤りである。
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問13ある水車発電機を単独で運転したところ、定格出力のとき周波数は50.0 Hzであり、出力を定格の50 %に減少させると周波数は50.75 Hzに上昇した。この発電機の速度調定率[%]として最も近い値はどれか。ただし定格周波数は50.0 Hzとする。
- a0.75 %
- b1.5 %
- c3.0 %
- d6.0 %
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正解:c. 3.0 %
速度調定率は(周波数変化率)÷(出力変化率)で求める。周波数変化率は(50.75-50.0)/50.0=0.015、出力変化率は(100-50)/100=0.5であるから、R=0.015/0.5=0.03、すなわち3.0 %となる。1.5 %は周波数変化率0.015のみを百分率とし、出力変化率で割っていない誤り。0.75 %は周波数差0.75 Hzをそのまま百分率とみなした誤り。6.0 %は出力変化率を0.25として計算した誤りである。
この問題のページ:ある水車発電機を単独で運転したところ、定格出力のとき周波数… →
問14水撃作用(ウォータハンマ)に関する記述として、誤っているものはどれか。
- aガイドベーンの閉鎖時間が短いほど、生じる圧力上昇は大きくなる。
- b水撃圧の伝播速度は、水圧管路が長いほど速くなる。
- cサージタンクを設けると、水撃圧が上流の圧力水路へ伝わることを防ぐことができる。
- d負荷遮断によりガイドベーンが急激に閉じると、水圧管路内の圧力が上昇する。
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正解:b. 水撃圧の伝播速度は、水圧管路が長いほど速くなる。
水撃圧の伝播速度は水の体積弾性係数と密度、管の材質・管厚・管径で決まる値であり、管路の長さには無関係である。したがって管路が長いほど伝播速度が速くなるとする記述は誤りである。急閉によって圧力が上昇すること、閉鎖時間が短いほど圧力上昇が大きくなること、サージタンクが水撃圧を吸収して上流の圧力水路への伝播を防ぐことは、いずれも正しい記述である。
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問15ある純揚水発電所は、揚水時の全揚程が300 m、発電時の有効落差が285 mである。ポンプ効率88 %、水車効率90 %、電動機および発電機の効率をいずれも98 %とするとき、この揚水発電所の総合効率に最も近い値はどれか。
- a約84 %
- b約65 %
- c約72 %
- d約78 %
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正解:c. 約72 %
総合効率は落差比と各機器効率の積で求められる。η=(285/300)×0.88×0.90×0.98×0.98=0.95×0.792×0.9604≒0.723、すなわち約72 %となる。78 %は落差比を考慮せず機器効率だけを掛けた値(0.792×0.9604≒0.761)に近く、揚程と落差の差を無視しており誤り。84 %や65 %はいずれもこの積と一致せず、効率の掛け方を誤った値であるため正しくない。
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問16揚水発電所に関する記述として、誤っているものはどれか。
- a総合効率はおおむね70 %程度であり、発電電力量は揚水に要した電力量より少ない。
- b軽負荷時の余剰電力を利用して下池から上池へ揚水し、ピーク負荷時に発電する。
- c同一の水量に対して、揚水運転時の全揚程は発電運転時の有効落差より小さい。
- d純揚水式発電所は、上池への河川からの自然流入がほとんどない地点に建設される。
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正解:c. 同一の水量に対して、揚水運転時の全揚程は発電運転時の有効落差より小さい。
揚水時は上下池の実揚程に管路等の損失水頭を加えたものが全揚程となり、発電時は実落差から損失水頭を差し引いたものが有効落差となる。したがって全揚程は有効落差より大きく、小さいとする記述は誤りである。余剰電力で揚水しピーク時に発電すること、総合効率が70 %程度で発電電力量が揚水電力量より少ないこと、純揚水式が自然流入のほとんどない地点に設けられることは、いずれも正しい。
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問17可変速揚水発電システムの特徴として、最も適切なものはどれか。
- a揚水運転中でも入力(揚水電力)を調整でき、夜間の周波数調整に寄与できる。
- b揚水運転中は回転速度が常に一定に保たれるため、入力を調整することができない。
- c発電運転専用の方式であり、揚水運転を行うことはできない。
- d回転機を用いないため、系統に同期させる必要がない。
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正解:a. 揚水運転中でも入力(揚水電力)を調整でき、夜間の周波数調整に寄与できる。
可変速揚水発電では二次励磁により回転速度を可変とすることで、揚水運転中でも入力を連続的に調整でき、従来は困難であった夜間軽負荷時の周波数調整に貢献できる点が最大の特徴であり、この記述が正しい。回転速度が一定で入力調整ができないのは定速機の特徴であり誤り。可変速機も揚水運転を行うため発電専用とする記述は誤り。回転機を用いる同期機ベースの装置であり、系統に同期しないとする記述も誤りである。
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問18水力発電所の運用面からみた分類に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- a流込み式(自流式)は、河川の自然流量をそのまま発電に利用する方式で、出力は河川流量に左右される。
- b貯水池式は、河川の流量を1日以内の短時間だけ貯留し、日負荷の変動にのみ対応して発電する方式である。
- c調整池式は、豊水期の河川流量を大規模に貯留し、年間の季節的な流量変動を調整して発電する方式である。
- d揚水式は、ポンプによる揚水を行わず、上池への自然流入水だけを利用してピーク時に発電する方式である。
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正解:a. 流込み式(自流式)は、河川の自然流量をそのまま発電に利用する方式で、出力は河川流量に左右される。
流込み式は貯留設備をもたず河川の自然流量をそのまま利用するため、出力が河川流量に直接左右される。これが正しい説明である。年間の季節変動を調整するのは貯水池式であり、これを調整池式とする記述は誤り。1日から1週間程度の負荷変動に対応するのが調整池式であり、これを貯水池式とする記述も誤り。揚水式は下池から揚水した水を利用する方式であるため、自然流入水だけを利用するとする記述も誤りである。
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問19圧力水路と水圧管路との接続点付近に設けられ、負荷変動時に生じる水量の過不足を補うとともに、水撃圧が上流の圧力水路へ伝わるのを防ぐ設備の名称として正しいものはどれか。
- a除じん機
- bデフレクタ
- cサージタンク
- dスピードリング
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正解:c. サージタンク
圧力水路と水圧管路の接続部に設けられ、負荷変動時の水量の過不足を水面の昇降で吸収し、同時に水撃圧が上流の圧力水路へ伝わるのを防ぐ設備はサージタンク(調圧水槽)であり、これが正しい。除じん機は取水口でごみを除去する設備であり誤り。デフレクタはペルトン水車で噴流をそらす装置であり誤り。スピードリングは反動水車のケーシングとガイドベーンの間にある構造部材で、水撃圧の吸収機能はないため誤りである。
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問20水力発電所の落差に関する記述として、誤っているものはどれか。
- a損失水頭には、水路や水圧管路の摩擦損失、屈曲や断面変化による損失などが含まれる。
- b有効落差は、総落差から取水口から放水口までの各種損失水頭を差し引いたものである。
- c総落差は、取水口の水面と放水口の水面との高低差である。
- d有効落差は、総落差に水車の効率を乗じたものである。
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正解:d. 有効落差は、総落差に水車の効率を乗じたものである。
有効落差は総落差から水路・水圧管路などで生じる損失水頭を差し引いた落差であり、効率を乗じて求めるものではない。効率は理論水力から実際の出力を求める段階で用いるものであるから、総落差に水車効率を乗じたものとする記述は誤りである。総落差が取水口水面と放水口水面の高低差であること、損失水頭に摩擦損失や屈曲・断面変化による損失が含まれること、有効落差が総落差から損失水頭を差し引いたものであることは、いずれも正しい。
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問21水車の比速度に関する記述として、誤っているものはどれか。
- a比速度が大きい水車ほど、同じ落差・出力に対して回転速度を高くでき、水車と発電機を小形にできる。
- b比速度を大きくするほど、キャビテーションは起こりにくくなる。
- c落差が高い地点ほど、採用できる比速度の上限は小さくなる。
- d比速度は、対象の水車と幾何学的に相似な水車を、単位落差で単位出力を発生させたときの回転速度に相当する量である。
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正解:b. 比速度を大きくするほど、キャビテーションは起こりにくくなる。
比速度を大きくするとランナ内部の流速が高くなって局部的な圧力低下が生じやすくなり、キャビテーションはかえって発生しやすくなる。したがって比速度を大きくするほどキャビテーションが起こりにくいとする記述は誤りである。比速度が相似水車を単位落差・単位出力で運転したときの回転速度に相当する量であること、比速度が大きいほど機器を小形化できること、高落差ほど採用可能な比速度の上限が小さくなることは、いずれも正しい。
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問22全揚程250 mの揚水発電所において、電動機入力100 MWで揚水運転を行っている。ポンプと電動機を合わせた総合効率を85 %とするとき、揚水量に最も近い値はどれか。
- a約48.0 m³/s
- b約40.8 m³/s
- c約29.5 m³/s
- d約34.7 m³/s
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正解:d. 約34.7 m³/s
揚水入力はP=9.8QH/ηで表されるから、Q=ηP/(9.8H)=0.85×100000/(9.8×250)=85000/2450≒34.7 m³/sとなる。40.8 m³/sは効率を考慮せずQ=P/(9.8H)=100000/2450として求めた値で誤り。48.0 m³/sは効率を乗じるべきところを割った値(40.8/0.85)で誤り。29.5 m³/sは効率を二重に乗じた値(40.8×0.85×0.85)であるため誤りである。
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問23水車を比速度の小さいものから大きいものへ順に並べたものとして、正しいものはどれか。
- aプロペラ水車 → 斜流水車 → フランシス水車 → ペルトン水車
- bフランシス水車 → ペルトン水車 → 斜流水車 → プロペラ水車
- cペルトン水車 → フランシス水車 → 斜流水車 → プロペラ水車
- dペルトン水車 → 斜流水車 → フランシス水車 → プロペラ水車
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正解:c. ペルトン水車 → フランシス水車 → 斜流水車 → プロペラ水車
比速度は適用落差が高い水車ほど小さく、低落差・大流量の水車ほど大きい。高落差用のペルトン水車が最も小さく、中落差用のフランシス水車、やや低い落差に適する斜流(デリア)水車と続き、低落差・大流量用のプロペラ水車が最も大きい。したがってペルトン、フランシス、斜流、プロペラの順が正しい。プロペラ水車を最小としペルトン水車を最大とする順序は大小関係が完全に逆であり誤り。フランシス水車をペルトン水車より小さいとする順序、および斜流水車をフランシス水車より小さいとする順序も、適用落差との対応から誤りである。
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問24水車の部分負荷における効率特性に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- aペルトン水車は、ノズルの数が少ないものほど部分負荷における効率特性が優れている。
- b羽根が固定されたプロペラ水車は、部分負荷になっても効率はほとんど低下しない。
- cフランシス水車は、負荷が小さくなるほど効率が高くなる特性をもつ。
- dカプラン水車はランナ羽根の角度を負荷に応じて変えられるため、部分負荷でも効率の低下が小さい。
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正解:d. カプラン水車はランナ羽根の角度を負荷に応じて変えられるため、部分負荷でも効率の低下が小さい。
カプラン水車はガイドベーン開度に合わせてランナ羽根の角度を変えられるため、広い負荷範囲で流入角を最適に保て、部分負荷でも効率低下が小さい。これが正しい記述である。羽根固定のプロペラ水車は最高効率点を外れると効率が急激に低下するため、ほとんど低下しないとする記述は誤り。ペルトン水車は多ノズル化して使用ノズル数を切り換えるほど部分負荷特性が良くなるため、ノズルが少ないほど優れるとする記述は誤り。フランシス水車も定格付近で効率が最大となり部分負荷では低下するため誤りである。
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問25汽力発電の基本サイクルであるランキンサイクルにおいて、給水ポンプ、ボイラ(過熱器を含む)、蒸気タービン、復水器で生じる理想的な状態変化の組合せとして、正しいものはどれか。
- a給水ポンプ:断熱圧縮、ボイラ:等圧受熱、蒸気タービン:断熱膨張、復水器:等圧放熱
- b給水ポンプ:等温圧縮、ボイラ:等積受熱、蒸気タービン:断熱膨張、復水器:等温放熱
- c給水ポンプ:断熱圧縮、ボイラ:等積受熱、蒸気タービン:等圧膨張、復水器:等圧放熱
- d給水ポンプ:等圧圧縮、ボイラ:断熱受熱、蒸気タービン:等温膨張、復水器:断熱放熱
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正解:a. 給水ポンプ:断熱圧縮、ボイラ:等圧受熱、蒸気タービン:断熱膨張、復水器:等圧放熱
理想ランキンサイクルは、給水ポンプでの断熱圧縮、ボイラでの等圧受熱、タービンでの断熱膨張、復水器での等圧放熱の四つの過程で構成される。ボイラを断熱受熱や等積受熱とする記述は、ボイラでは圧力がほぼ一定に保たれたまま外部から熱を受け取るので誤りである。タービンを等温膨張あるいは等圧膨張とする記述も、タービンでは熱の出入りなしに圧力と温度がともに下がる断熱膨張であるため誤りである。
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問26汽力発電所で再熱サイクルを採用する主な目的として、最も適切なものはどれか。
- a高圧タービンで膨張した蒸気をボイラの再熱器で再び加熱して低圧タービンへ送り、最終段の湿り度を下げるとともに熱効率を高める
- b空気予熱器を用いてボイラへ送る燃焼用空気を煙道の排ガスの余熱で加熱し、排ガス損失を減らしてボイラ効率を高める
- c復水器へ送る冷却水の温度を高めて復水器の真空度を上げ、タービンの熱落差を大きくすることで熱効率を高める
- dタービンの中間段から蒸気を抽出して給水加熱器で給水を加熱し、ボイラでの必要加熱量を減らして熱効率を高める
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正解:a. 高圧タービンで膨張した蒸気をボイラの再熱器で再び加熱して低圧タービンへ送り、最終段の湿り度を下げるとともに熱効率を高める
再熱サイクルは、高圧タービンの排気を再熱器で再加熱して低圧タービンに導く方式であり、膨張終わりの湿り度を下げて翼のエロージョンを防ぐとともに熱効率を高める。抽気で給水を加熱するのは再生サイクルの説明であり別方式である。復水器は冷却水温度が低いほど真空度が高くなるので、冷却水温度を高めれば効率は逆に低下する。燃焼用空気を排ガスで加熱するのは空気予熱器の役割であって、再熱の目的ではない。
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問27再生サイクル(抽気再生)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- a抽気によって復水器へ流入する蒸気量が増加するので、復水器で捨てる熱量が増え、冷却水量も増加する
- bタービンの中間段から抽気した蒸気で燃焼用空気を加熱するので、排ガス温度が下がりボイラ効率が向上する
- cタービンの中間段から蒸気を抽出して給水加熱器で給水を加熱するので、復水器で捨てる熱量が減り熱効率が向上する
- dタービンの中間段から抽気した蒸気を再熱器で再び加熱してから低圧タービンへ送るので、最終段の湿り度が下がる
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正解:c. タービンの中間段から蒸気を抽出して給水加熱器で給水を加熱するので、復水器で捨てる熱量が減り熱効率が向上する
再生サイクルはタービン中間段からの抽気で給水を加熱する方式で、ボイラでの加熱量が減るうえ復水器へ流れる蒸気量が減って捨てる熱量が小さくなるため、熱効率が向上する。抽気で燃焼用空気を加熱するというのは空気予熱器と混同した記述で誤り。抽気すれば復水器への流入蒸気は減るので冷却水量が増えるという記述も誤り。抽気蒸気を再熱器で加熱するという説明は再熱サイクルの内容であり、再生サイクルの説明ではない。
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問28汽力発電所の復水器に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- aタービン排気を冷却して凝縮させ、排気側の圧力を大気圧より低い真空に保つことでタービンで利用できる熱落差を大きくする
- bタービン排気を大気圧まで昇圧してから冷却水で凝縮させ、復水の圧力を高めることで給水ポンプの所要動力を減らす
- cタービン排気の熱でボイラ給水をあらかじめ加熱して蒸発しやすくし、ボイラでの燃料消費を減らして熱効率を高める
- dタービン排気に含まれる塩類や溶存酸素などの不純物を化学的に分解して、ボイラや給水系統の腐食を防ぐ
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正解:a. タービン排気を冷却して凝縮させ、排気側の圧力を大気圧より低い真空に保つことでタービンで利用できる熱落差を大きくする
復水器は冷却水でタービン排気を凝縮させる装置で、蒸気が凝縮すると体積が急減して器内が高真空となり、タービン出口圧力が下がって熱落差が大きくなるため出力と効率が向上する。排気を大気圧まで昇圧するという記述は、復水器がむしろ真空を作る装置であるため誤り。給水の加熱は給水加熱器や節炭器の役割である。不純物の化学的分解は復水脱塩装置や水処理設備が担うもので、復水器の目的ではない。
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問29ボイラの付属設備に関する記述として、正しいものはどれか。
- a節炭器は、煙道の低温部に設けて燃焼用空気を排ガスの余熱で加熱し、火炉へ送る装置であって、給水の加熱には関与しない
- b空気予熱器は、タービンの中間段から抽気した蒸気によってボイラ給水を加熱する装置であって、燃焼用空気の加熱は行わない
- c節炭器はボイラ給水を排ガスの熱で加熱する装置であり、空気予熱器は燃焼用空気を排ガスの熱で加熱する装置である
- d過熱器は、ドラムから出た飽和蒸気を復水器の冷却水で冷却して湿り蒸気に戻す装置であって、蒸気温度の上昇には用いない
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正解:c. 節炭器はボイラ給水を排ガスの熱で加熱する装置であり、空気予熱器は燃焼用空気を排ガスの熱で加熱する装置である
節炭器(エコノマイザ)は煙道の低温部で排ガスの余熱により給水を加熱し、空気予熱器はさらに低温側で燃焼用空気を加熱する。いずれも排ガス熱の回収によりボイラ効率を高める。節炭器が燃焼用空気を加熱するという記述は空気予熱器の働きと取り違えており誤り。空気予熱器が抽気蒸気で給水を加熱するという記述も給水加熱器の説明であり誤り。過熱器は飽和蒸気をさらに加熱して過熱蒸気にする装置なので、冷却して湿り蒸気にするという記述も誤りである。
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問30ボイラの形式に関する記述として、誤っているものはどれか。
- a自然循環ボイラは、降水管内の水と蒸発管内の気水混合物との密度差を利用して水を循環させる
- b貫流ボイラはドラム内で気水分離を行うため給水の水質管理が容易で、比較的低純度の給水でも使用できる
- c貫流ボイラは蒸気ドラムをもたず、超臨界圧のプラントにも適用できる
- d強制循環ボイラは循環ポンプで水を強制的に循環させるため、蒸発管の管径を小さくでき、起動時間を短縮しやすい
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正解:b. 貫流ボイラはドラム内で気水分離を行うため給水の水質管理が容易で、比較的低純度の給水でも使用できる
貫流ボイラはドラムをもたず、給水が管内を一貫して流れる間に加熱・蒸発・過熱されるため気水分離ができず、給水中の不純物がそのまま蒸気側に持ち込まれる。したがって高純度の給水と厳格な水質管理が必要であり、ドラム内で気水分離するので水質管理が容易とする記述は誤りである。密度差による自然循環、循環ポンプを用いる強制循環の特徴、およびドラムがないため超臨界圧に適用できるという記述は、いずれも正しい。
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問31定格出力 600 MW の汽力発電所が定格出力で運転しているとき、発熱量 44 000 kJ/kg の重油を毎時 120 t 消費した。この発電所の発電端熱効率[%]として、最も近い値はどれか。
- a34.1
- b40.9
- c45.5
- d49.1
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正解:b. 40.9
発電電力量を熱量に換算すると、600 000 kW×3 600 s=2.16×10^9 kJ/h となる。燃料の供給熱量は 120 000 kg/h×44 000 kJ/kg=5.28×10^9 kJ/h である。したがって発電端熱効率は 2.16×10^9÷5.28×10^9=0.409、すなわち約 40.9 % となる。34.1 % や 45.5 %、49.1 % は燃料量や発熱量の換算を誤ったり、3 600 倍の換算を落としたりした場合に生じる値であり、正しい計算結果とはならない。
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問32発電端熱効率 40 %、発電端出力 200 MW で運転している汽力発電所がある。燃料の発熱量を 40 000 kJ/kg とするとき、1 時間当たりの燃料消費量[t]として最も近い値はどれか。
- a45
- b72
- c36
- d18
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正解:a. 45
燃料消費量 B は B=3 600P/(ηH) で求められる。P=200 000 kW、η=0.40、H=40 000 kJ/kg を代入すると、分子は 3 600×200 000=7.2×10^8 kJ/h、分母は 0.40×40 000=1.6×10^4 kJ/kg となり、B=7.2×10^8÷1.6×10^4=45 000 kg/h=45 t である。18 t は効率を掛けてしまった場合、72 t は効率を無視した場合、36 t は換算係数を誤った場合の値であり、いずれも正しくない。
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問33汽力発電所の復水器の真空度が低下(真空が悪化)した場合に生じる現象として、誤っているものはどれか。
- aタービンで利用できる熱落差が減少し、出力が低下する
- bタービンの排気圧力が上昇する
- c復水器内の飽和温度が低下し、復水の温度が下がる
- dプラントの熱効率が低下する
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正解:c. 復水器内の飽和温度が低下し、復水の温度が下がる
真空度の低下は復水器内の絶対圧力が上昇することを意味するので、その圧力に対応する飽和温度は上昇し、復水温度も上がる。したがって飽和温度が低下し復水温度が下がるという記述は誤りである。圧力が上がればタービン排気圧力が上昇して膨張による熱落差が減り、出力と熱効率がともに低下するため、他の記述はいずれも正しい。真空度低下の原因には冷却水量の不足、冷却管の汚れ、空気漏込みなどがある。
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問34ある汽力発電所において、ボイラ効率 90 %、熱サイクル効率 45 %、タービン効率 88 %、発電機効率 98 % であるとき、発電端熱効率[%]に最も近い値はどれか。
- a37.1
- b31.4
- c40.5
- d34.9
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正解:d. 34.9
発電端熱効率は各段階の効率の積で表され、η=0.90×0.45×0.88×0.98 で計算する。0.90×0.45=0.405、0.405×0.88=0.3564、0.3564×0.98=0.3493 となるので、約 34.9 % である。40.5 % は発電機効率とタービン効率を掛け忘れた値、37.1 % や 31.4 % は一部の効率を落としたり余分に掛けたりした値であり、四つの効率をすべて掛け合わせた結果とは一致しない。
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問35発電端熱効率が 45 % の汽力発電所における発電端熱消費率[kJ/(kW·h)]として、最も近い値はどれか。
- a1 620
- b3 600
- c8 000
- d9 000
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正解:c. 8 000
熱消費率は 1 kW·h の電力量を発生させるのに必要な熱量であり、1 kW·h=3 600 kJ であることから、熱消費率=3 600/η で求められる。η=0.45 を代入すると 3 600÷0.45=8 000 kJ/(kW·h) となる。1 620 は 3 600 に 0.45 を掛けてしまった値、3 600 は効率 100 % のときの値、9 000 は熱効率 40 % のときの値であり、いずれも効率 45 % に対応する熱消費率ではない。
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問36ある復水器に毎時 360 t の蒸気が流入しており、その比エンタルピーは 2 400 kJ/kg である。復水器出口の復水の比エンタルピーを 300 kJ/kg、冷却水の比熱を 4.2 kJ/(kg·K)、冷却水の温度上昇を 6 K とするとき、必要な冷却水量[t/h]に最も近い値はどれか。
- a4.5×10^4
- b1.5×10^4
- c3.0×10^4
- d6.0×10^4
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正解:c. 3.0×10^4
蒸気が復水器で放出する熱量は、流量 360 000 kg/h に比エンタルピー差(2 400-300)=2 100 kJ/kg を掛けて 7.56×10^8 kJ/h となる。冷却水 1 kg が持ち去る熱量は 4.2×6=25.2 kJ/kg なので、必要冷却水量は 7.56×10^8÷25.2=3.0×10^7 kg/h、すなわち 3.0×10^4 t/h である。1.5×10^4 は温度上昇を 12 K とした場合、6.0×10^4 は 3 K とした場合の値、4.5×10^4 は比エンタルピー差の取り違えによる値であり正しくない。
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問37ガスタービンの熱効率が 34 % であり、そのガスタービンの排熱を回収する蒸気タービン側が回収した熱に対して 30 % の熱効率で発電するコンバインドサイクル発電設備がある。補機損失などを無視するとき、全体の熱効率[%]に最も近い値はどれか。
- a53.8
- b46.0
- c64.0
- d10.2
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正解:a. 53.8
全体効率は η=ηG+ηS(1-ηG) で表される。ηG=0.34、ηS=0.30 を代入すると、蒸気タービン側の寄与は 0.30×(1-0.34)=0.30×0.66=0.198 となり、全体では 0.34+0.198=0.538、すなわち約 53.8 % である。64.0 % は二つの効率を単純に足し合わせた値、10.2 % は単純に掛け合わせた値、46.0 % は排熱量の扱いを誤った値であり、いずれも組合せ効率の式に基づく結果ではない。
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問38火力発電所の排煙脱硫装置として広く用いられている湿式石灰石‐石こう法に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- a排ガスにアンモニアを注入し、触媒上で二酸化硫黄を窒素と水に還元して大気へ放出する
- b石灰石スラリーによって排ガス中の二酸化硫黄を吸収し、酸化して石こうとして回収する
- c排ガスを露点以下まで冷却して二酸化硫黄だけを液体として凝縮させ、ドレンとして分離する
- d放電極に高電圧を加えて二酸化硫黄を負に帯電させ、集じん極に吸着させて捕集する
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正解:b. 石灰石スラリーによって排ガス中の二酸化硫黄を吸収し、酸化して石こうとして回収する
湿式石灰石‐石こう法は、吸収塔で石灰石スラリーを排ガスに接触させて二酸化硫黄を吸収し、空気で酸化して石こうとして回収する方式で、回収した石こうは建材などに利用される。アンモニアと触媒を用いて窒素と水に還元するのは硫黄酸化物ではなく窒素酸化物を対象とする脱硝の説明である。高電圧で帯電させて捕集するのは、ばいじんを対象とする電気集じん器の説明である。二酸化硫黄を冷却凝縮して分離する方式は実用されておらず、いずれも誤りである。
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問39火力発電所の窒素酸化物(NOx)対策に関する記述として、誤っているものはどれか。
- aサーマル NOx は燃料中に含まれる窒素分が酸化して生成するもので、燃焼温度が高いほど生成量が減少する
- b二段燃焼法は、燃焼用空気を二段階に分けて供給し、燃焼温度と局所的な酸素濃度を抑えて NOx の生成を減らす
- c排ガス再循環法は、燃焼用空気に排ガスの一部を混合して酸素濃度と燃焼温度を下げ、NOx の生成を減らす
- dアンモニア接触還元法は、排ガスにアンモニアを注入し、触媒の作用で NOx を窒素と水に還元して除去する
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正解:a. サーマル NOx は燃料中に含まれる窒素分が酸化して生成するもので、燃焼温度が高いほど生成量が減少する
サーマル NOx は燃焼用空気中の窒素が高温で酸化して生成するもので、燃焼温度が高いほど、また高温域での滞留時間が長いほど生成量は増加する。燃料中の窒素分に由来するものはフューエル NOx と呼ばれ、両者を取り違えたうえ温度依存の向きも逆にしている記述は誤りである。燃焼温度と酸素濃度を下げる二段燃焼法や排ガス再循環法、触媒とアンモニアを用いる接触還元法は、いずれも実際に用いられている正しい対策である。
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問40火力発電所で用いられる電気集じん器に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- aダストを含む排ガスを水中に通し、ダストを化学的に溶解して除去する
- bろ布によってダストをこし取る方式であり、電気は付属機器の駆動にのみ用いる
- c交流高電圧を加えてダストを振動させ、慣性力によって分離する
- d直流高電圧によるコロナ放電でダストを帯電させ、静電気力で集じん極に捕集する
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正解:d. 直流高電圧によるコロナ放電でダストを帯電させ、静電気力で集じん極に捕集する
電気集じん器は放電極に直流高電圧を加えてコロナ放電を起こし、排ガス中のダストを帯電させて静電気力により集じん極へ吸着捕集する装置で、捕集したダストは槌打などで払い落とす。交流高電圧で振動させて慣性分離するという記述は原理が異なり誤り。水に通して溶解除去するのは湿式洗浄装置の考え方であり、ダストは一般に水に溶けない。ろ布でこし取るのはバグフィルタの原理であって、電気集じん器の説明ではない。
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問41汽力発電所の給水系統に設けられる脱気器の主な目的として、最も適切なものはどれか。
- a蒸気中に含まれる水滴を除去して、タービン翼のエロージョンを防ぐこと
- b給水中の硬度成分を除去して、ボイラ内のスケール生成を防ぐこと
- c給水中に溶存する酸素などの気体を除去して、系統の腐食を防ぐこと
- d給水を高い圧力まで昇圧して、ボイラへ送り込むこと
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正解:c. 給水中に溶存する酸素などの気体を除去して、系統の腐食を防ぐこと
脱気器は抽気蒸気と給水を直接接触させて加熱し、溶存酸素や二酸化炭素を追い出して大気へ放出する装置で、給水系統やボイラの腐食防止を主目的とする。硬度成分の除去は純水装置や軟化装置が行うもので脱気器の役割ではない。ボイラへの昇圧は給水ポンプの役割である。蒸気中の水滴除去は気水分離器や湿分分離器が担うものであり、いずれも脱気器の目的とは異なる。
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問42汽力発電所の熱効率を向上させる対策として、誤っているものはどれか。
- a再熱サイクルおよび再生サイクルを採用する
- bタービン入口の蒸気圧力および蒸気温度を高くする
- c復水器の真空度を高くして、タービンの排気圧力を低くする
- d節炭器や空気予熱器を撤去して、煙道の通風抵抗を小さくする
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正解:d. 節炭器や空気予熱器を撤去して、煙道の通風抵抗を小さくする
節炭器と空気予熱器はいずれも排ガスの余熱を給水や燃焼用空気の加熱に回収する装置であり、これらを撤去すれば煙突から捨てる熱量が増えてボイラ効率が大きく低下するため、効率向上策とはならず誤りである。蒸気の圧力と温度を高めること、復水器の真空度を高めて排気圧力を下げること、再熱・再生を採用することは、いずれも熱落差の増大や捨て熱の低減により熱効率を高める代表的な手法であり正しい。
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問43蒸気タービンに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- a反動タービンは静翼(ノズル)内だけで蒸気が膨張し、動翼内では膨張が生じないため、動翼の前後に圧力差は生じない
- b衝動タービンは主にノズル(静翼)内で蒸気を膨張させて高速の噴流をつくり、その運動量の変化により動翼に力を与える
- c復水タービンは、タービンの排気をそのまま大気中へ放出する方式であり、排気圧力が大気圧となるため熱落差を大きくとれる
- d背圧タービンは、タービンの排気を復水器で凝縮させて真空に保つ方式であり、排気をプロセス用蒸気として利用できない
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正解:b. 衝動タービンは主にノズル(静翼)内で蒸気を膨張させて高速の噴流をつくり、その運動量の変化により動翼に力を与える
衝動タービンはノズルで蒸気を膨張させて高速の噴流とし、その噴流が動翼に衝突して向きを変える際の運動量変化で仕事を得る。反動タービンは静翼だけでなく動翼内でも膨張が生じ、その反動力も利用するので、動翼で膨張しないとする記述は誤り。復水タービンは排気を復水器で凝縮させて真空にする方式であり、背圧タービンは排気を大気圧以上の圧力で取り出して工場用蒸気などに利用する方式なので、両者を入れ替えた記述も誤りである。
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問44ランキンサイクルの熱効率に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- a復水器の圧力を下げると、タービン最終段における蒸気の湿り度は小さくなる
- b復水器の圧力を下げるとタービンで利用できる熱落差が大きくなり、熱効率は向上する
- cタービン入口の蒸気温度を高くしても、蒸気圧力が一定であれば熱効率は変化しない
- d給水ポンプの所要動力は、タービン出力とほぼ同程度の大きさである
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正解:b. 復水器の圧力を下げるとタービンで利用できる熱落差が大きくなり、熱効率は向上する
復水器圧力を下げるとタービン出口の圧力が下がって膨張による熱落差が増えるため、熱効率は向上する。蒸気温度を高くすれば平均受熱温度が上がって効率も上がるので、圧力一定なら変化しないという記述は誤り。復水器圧力を下げると膨張の終点はより湿り側へ移るため最終段の湿り度は増大し、小さくなるという記述も誤り。給水ポンプの動力は液体を加圧するだけでタービン出力に比べてごくわずかであり、同程度とする記述も誤りである。
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問45微粉炭燃焼方式の石炭火力発電所に関する記述として、誤っているものはどれか。
- a排ガス中のばいじんは電気集じん器などによって除去される
- b石炭は重油に比べて水素分が多いため、同じ発生電力量当たりの二酸化炭素排出量が少ない
- c石炭を微粉炭機(ミル)で細かい粉状にし、燃焼用空気とともにバーナからボイラ内へ吹き込んで燃焼させる
- d灰の一部はボイラ底部からクリンカアッシュとして排出され、残りはフライアッシュとして排ガスとともに流れる
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正解:b. 石炭は重油に比べて水素分が多いため、同じ発生電力量当たりの二酸化炭素排出量が少ない
石炭は重油や天然ガスに比べて炭素分の割合が高く水素分が少ないため、同じ発熱量あるいは同じ発生電力量当たりの二酸化炭素排出量は逆に多くなる。したがって水素分が多く二酸化炭素排出量が少ないとする記述は誤りである。石炭をミルで微粉化して空気とともにバーナから吹き込むこと、灰がクリンカアッシュとフライアッシュに分かれること、ばいじんを電気集じん器で除去することは、いずれも実際の設備の構成として正しい。
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問46汽力発電所の給水加熱器に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- a給水加熱器はすべて表面(間接)接触形であり、蒸気と給水を直接混合するものは存在しない
- b抽気蒸気と給水を直接混合して加熱する直接接触形の加熱器があり、その代表例が脱気器である
- c給水加熱器で給水を加熱すると、ボイラでの必要加熱量が増加するので熱効率は低下する
- d給水の加熱には、必ず主蒸気管から取り出した高圧蒸気を用いる
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正解:b. 抽気蒸気と給水を直接混合して加熱する直接接触形の加熱器があり、その代表例が脱気器である
給水加熱器には管を隔てて熱交換する表面接触形と、蒸気と給水を直接混合する直接接触形があり、直接接触形の代表が脱気器である。したがってすべて表面接触形であるとする記述は誤り。給水を加熱しておけばボイラで与える熱量は減り、復水器で捨てる熱量も減るので熱効率は向上するため、効率が低下するという記述も誤り。加熱源はタービンの各段から取り出す抽気蒸気であり、必ず主蒸気を用いるという記述も誤りである。
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問47排熱回収形コンバインドサイクル発電に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- a蒸気タービンの排気を燃焼用空気としてガスタービンへ送り込む
- bガスタービンの排ガス温度は 100 ℃ 程度と低いため、蒸気を発生させるには補助燃料の燃焼が不可欠である
- cガスタービンの高温の排ガスを排熱回収ボイラへ導いて蒸気を発生させ、その蒸気で蒸気タービンを駆動する
- dガスタービンの排ガスをいったん大気に放出したのち、別に石炭を燃焼させて蒸気タービンを駆動する
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正解:c. ガスタービンの高温の排ガスを排熱回収ボイラへ導いて蒸気を発生させ、その蒸気で蒸気タービンを駆動する
排熱回収形は、ガスタービンから出る数百 ℃ の高温排ガスを排熱回収ボイラへ導いて蒸気をつくり、その蒸気で蒸気タービンを駆動して二段階に発電する方式で、高い総合熱効率が得られる。排ガスを大気に放出して別燃料で蒸気をつくるのでは排熱回収にならず誤り。蒸気タービン排気を燃焼用空気に用いるという構成は存在しない。ガスタービン排ガス温度は 100 ℃ 程度ではなく十分高温であり、補助燃料なしで蒸気を発生できるので、その記述も誤りである。
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問48ボイラの通風方式に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- a誘引通風は、煙道に設けた送風機で排ガスを吸い出す方式であり、炉内の圧力は大気圧より高くなる
- b自然通風は送風機を用いて強い通風力を得るため、大容量ボイラに適している
- c押込通風は、押込送風機で燃焼用空気を炉内へ押し込む方式であり、炉内の圧力は大気圧より高くなる
- d平衡通風は、押込送風機だけを用いて炉内圧力を大気圧付近に保つ方式である
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正解:c. 押込通風は、押込送風機で燃焼用空気を炉内へ押し込む方式であり、炉内の圧力は大気圧より高くなる
押込通風は押込送風機で空気を炉内へ送り込む加圧燃焼方式であり、炉内は大気圧より高い正圧となる。誘引通風は煙道側の送風機で排ガスを吸い出すため炉内は負圧になるので、大気圧より高くなるという記述は誤り。平衡通風は押込送風機と誘引通風機を併用して炉内圧をほぼ大気圧に保つ方式であり、押込送風機だけとする記述も誤り。自然通風は煙突内外の空気密度差による浮力を利用し送風機を用いないので、大容量には適さない。
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問49電気出力1000 MW、熱効率33.3 %(熱出力の1/3が電気出力になるものとする)の原子力発電所を1日連続運転するとき、核燃料に生じる質量欠損[g]に最も近い値はどれか。真空中の光速を3×10⁸ m/s とする。
- a2.88 g
- b0.96 g
- c1.92 g
- d8.64 g
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正解:a. 2.88 g
熱出力は1000 MW÷(1/3)=3000 MW=3×10⁹ W。1日は86400 sなので発生熱量は3×10⁹×86400=2.592×10¹⁴ J。E=mc²よりm=2.592×10¹⁴÷(3×10⁸)²=2.592×10¹⁴÷9×10¹⁶=2.88×10⁻³ kg=2.88 g。0.96 gは電気出力1000 MWだけを熱量とみなした場合の値、1.92 gは熱出力を2000 MWと誤った場合の値、8.64 gは光速の2乗ではなく光速で割った桁の取り違えに相当し、いずれも誤りである。
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問50軽水炉の型式に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- a加圧水型原子炉の制御棒は、炉心の上部から挿入される。
- b沸騰水型原子炉では、炉心で発生した蒸気を蒸気発生器で二次系の水と熱交換させ、二次系の蒸気をタービンへ送る。
- c加圧水型原子炉では、一次冷却材を加圧器によって高い圧力に保ち、炉心で沸騰させないようにしている。
- d沸騰水型原子炉では、タービン系にも放射性物質が移行するため、タービン建屋にも放射線遮へいを施す必要がある。
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正解:b. 沸騰水型原子炉では、炉心で発生した蒸気を蒸気発生器で二次系の水と熱交換させ、二次系の蒸気をタービンへ送る。
蒸気発生器を備えて一次系と二次系を分離するのは加圧水型であり、沸騰水型は炉心で直接蒸気を発生させてタービンへ送る直接サイクルであるから、沸騰水型が蒸気発生器を用いるとする記述は誤りである。直接サイクルゆえに蒸気が放射化物質を含みタービン側の遮へいが必要になること、加圧水型が加圧器で沸騰を抑えること、加圧水型の制御棒が上部から挿入されることはいずれも正しい。
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問51加圧水型原子炉(PWR)の出力調整に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- aタービン入口の蒸気加減弁の操作だけで出力を調整し、炉心側の操作は一切行わない。
- b再循環ポンプの流量を変えて炉心内のボイド(気泡)量を調節することで出力を調整する。
- c給水の温度を変化させて炉心内の沸騰量を増減させることで出力を調整する。
- d制御棒の操作に加え、一次冷却材に溶かしたほう素の濃度を変えることで出力を調整する。
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正解:d. 制御棒の操作に加え、一次冷却材に溶かしたほう素の濃度を変えることで出力を調整する。
加圧水型では制御棒による調整に加え、中性子を吸収するほう素を一次冷却材に溶かし、その濃度(ケミカルシム)を変えて緩やかな出力調整や燃焼度の補償を行う。再循環流量でボイドを増減させるのは沸騰水型の方式であり加圧水型には当てはまらない。加圧水型の一次系は加圧されており炉心で沸騰しないため、給水温度で沸騰量を調整するという説明も成り立たない。蒸気加減弁だけで炉心側の操作を行わないという記述も実際とは異なるため誤りである。
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問52原子炉に用いられる材料に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- a重水は軽水に比べて中性子の吸収が少なく、天然ウランを燃料とする原子炉の減速材として用いられる。
- b軽水炉では、軽水が減速材と冷却材の両方の役割を兼ねている。
- c減速材には中性子を吸収しにくく質量数の大きい物質が適しており、鉛が広く用いられている。
- d制御棒には、中性子を吸収しやすいほう素、カドミウム、ハフニウムなどが用いられる。
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正解:c. 減速材には中性子を吸収しにくく質量数の大きい物質が適しており、鉛が広く用いられている。
中性子は自身と質量の近い軽い原子核との衝突で効率よく減速されるため、減速材には水素や炭素など質量数の小さい物質(軽水・重水・黒鉛)が用いられる。質量数の大きい鉛が減速材として適するとする記述は誤りである。制御棒材料としてほう素・カドミウム・ハフニウムが用いられること、軽水炉で軽水が減速材と冷却材を兼ねること、重水は中性子吸収が少なく天然ウランでも臨界を維持できることは、いずれも正しい。
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問53原子炉における減速材の主な役割として、最も適切なものはどれか。
- a中性子を吸収して核分裂の連鎖反応を停止させる。
- b炉心から漏れ出る放射線を遮へいして人体を保護する。
- c核分裂によって生じた熱を炉心の外へ運び出す。
- d核分裂で生じた高速中性子の速度を落として熱中性子にする。
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正解:d. 核分裂で生じた高速中性子の速度を落として熱中性子にする。
ウラン235は速度の遅い熱中性子に対して核分裂を起こす確率(断面積)が大きいため、核分裂で生じた高速中性子を減速材との衝突で熱中性子に減速し、連鎖反応を持続させる。中性子を吸収して連鎖反応を止めるのは制御棒の役割、熱を炉外へ運ぶのは冷却材の役割、放射線を遮って人体を守るのは遮へい体の役割であり、いずれも減速材の主な役割ではないため誤りである。
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問54軽水炉の核燃料に関する記述として、正しいものはどれか。
- a天然ウラン中のウラン235は約7 %であり、軽水炉では濃縮せずにそのまま用いる。
- b使用済燃料から回収したプルトニウムをウランと混合したMOX燃料は、軽水炉では使用できない。
- c軽水炉の燃料は金属ウランの棒であり、被覆管を用いずに直接冷却材に接触させる。
- d天然ウラン中のウラン235は約0.7 %であり、軽水炉ではこれを3〜5 %程度に濃縮した燃料を用いる。
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正解:d. 天然ウラン中のウラン235は約0.7 %であり、軽水炉ではこれを3〜5 %程度に濃縮した燃料を用いる。
天然ウランの大部分はウラン238で、核分裂しやすいウラン235は約0.7 %しか含まれない。軽水は中性子をある程度吸収するため、軽水炉では3〜5 %程度に濃縮した燃料を用いる。約7 %とする記述は数値が一桁大きく誤り。軽水炉の燃料は二酸化ウランを焼き固めたペレットをジルコニウム合金の被覆管に密封したものであり、被覆管を用いないとする記述も誤り。MOX燃料を軽水炉で燃やすプルサーマルは実施されているため、使用できないとする記述も誤りである。
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問55風車の出力は風速の3乗に比例するものとする。風速が6 m/sから9 m/sに増加したとき、出力は何倍になるか。最も近い値を選べ。
- a3.38倍
- b1.50倍
- c2.25倍
- d4.50倍
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正解:a. 3.38倍
風速の比は9÷6=1.5であり、出力は風速の3乗に比例するので1.5³=3.375≒3.38倍となる。1.50倍は風速の比そのもの、2.25倍は風速の2乗(1.5²=2.25)としたもの、4.50倍は1.5×3として比に3を掛けたものであり、いずれも3乗の比例関係を正しく適用していないため誤りである。風力発電では風速のわずかな差が出力に大きく影響する点が重要である。
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問56面積2.0 m² の太陽電池モジュールに1.0 kW/m² の日射があるとき、モジュールの出力が300 Wであった。このときの変換効率[%]として正しいものはどれか。
- a20 %
- b15 %
- c30 %
- d60 %
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正解:b. 15 %
モジュールに入射する太陽エネルギーは1.0 kW/m²×2.0 m²=2.0 kW=2000 W。変換効率は出力÷入射エネルギーで求められ、300÷2000=0.15すなわち15 %となる。20 %や30 %は入射エネルギーを1500 Wや1000 Wと誤った場合の値、60 %は出力を入射エネルギーの一部と取り違えた場合の値であり、いずれも計算が成り立たない。結晶シリコン太陽電池の実用的な変換効率は概ね15〜20 %程度である。
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問57系統に連系した太陽光発電システムのパワーコンディショナが備える機能に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- a系統からの交流を直流に変換し、太陽電池に並列接続した蓄電池を充電することが主たる機能である。
- b系統が停電した際にも運転を継続し、単独運転によって系統側へ電力を送り出し続ける機能を備えている。
- c太陽電池の動作電圧を制御し、最大電力点で運転させる最大電力点追従(MPPT)制御を行う。
- d太陽電池が発生する交流電圧を変圧器で昇圧し、系統電圧と同じ大きさに合わせることが主たる機能である。
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正解:c. 太陽電池の動作電圧を制御し、最大電力点で運転させる最大電力点追従(MPPT)制御を行う。
太陽電池の出力は日射強度や温度で変化し、最大電力を取り出せる動作点も移動するため、パワーコンディショナは動作電圧を制御して最大電力点で運転させるMPPT制御を行う。太陽電池が発生するのは直流であるから、交流を昇圧するという記述や、交流を直流に変換するのが主機能とする記述は誤り。また系統停電時は作業者の安全のため単独運転検出機能により速やかに解列するので、発電を継続して送電し続けるという記述も誤りである。
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問58燃料電池の形式とその代表的な作動温度の組合せとして、最も適切なものはどれか。
- a溶融炭酸塩形(MCFC) — 約80 ℃
- bりん酸形(PAFC) — 約650 ℃
- c固体高分子形(PEFC) — 約200 ℃
- d固体酸化物形(SOFC) — 約1000 ℃
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正解:d. 固体酸化物形(SOFC) — 約1000 ℃
固体酸化物形はセラミックス電解質を用い、およそ700〜1000 ℃の高温で作動するため約1000 ℃という組合せが正しい。りん酸形の作動温度は約200 ℃であって約650 ℃ではなく、固体高分子形は約80 ℃であって約200 ℃ではない。また溶融炭酸塩形は溶融した炭酸塩を電解質とするため約650 ℃の高温で作動し、約80 ℃という組合せは成立しない。高温形は排熱の利用価値が高くコンバインド発電にも適する。
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問59燃料電池に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- a燃料極に水素、空気極に酸素(空気)を供給し、水の電気分解と逆の反応によって直接電気エネルギーを取り出す。
- b発電によって得られる電力は交流であるため、系統に連系する際に変換装置は不要である。
- c熱機関を介さないためカルノーサイクルの効率による制約を受けず、比較的高い発電効率が期待できる。
- d発電に伴って主に水が生成し、硫黄酸化物やばいじんの排出がほとんどない。
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正解:b. 発電によって得られる電力は交流であるため、系統に連系する際に変換装置は不要である。
燃料電池が発生するのは直流電力であり、系統連系にはインバータによる直流から交流への変換が必要であるから、交流が得られて変換装置が不要とする記述は誤りである。水素と酸素から水が生成する電気化学反応で直接発電すること、硫黄酸化物やばいじんの排出がほとんどないこと、熱機関を経由しないためカルノー効率の制約を受けず高い発電効率が期待できることは、いずれも燃料電池の正しい特徴である。
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問60バイオマス発電に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- a植物由来燃料の燃焼で放出される二酸化炭素は、その植物が成長過程で吸収したものとみなされ、カーボンニュートラルとして扱われる。
- b家畜ふん尿や生ごみをメタン発酵させて得られるガスは、主成分が二酸化炭素で可燃性がないため、ガスエンジンによる発電には利用できない。
- cバイオマス発電は木質チップなどを直接燃焼させない発電方式であるため、火力発電で用いるようなボイラや蒸気タービンを使用することはない。
- dバイオマス燃料は長い年月をかけて地下に埋蔵された化石資源であり、太陽光や風力と異なり再生可能エネルギーには分類されない。
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正解:a. 植物由来燃料の燃焼で放出される二酸化炭素は、その植物が成長過程で吸収したものとみなされ、カーボンニュートラルとして扱われる。
バイオマスは大気中の二酸化炭素を光合成で取り込んだ生物資源であり、燃焼して放出される二酸化炭素は成長時に吸収した分と相殺されるとみなされるため、カーボンニュートラルとして扱われる。バイオマスは化石資源ではなく再生可能エネルギーに分類されるので化石資源とする記述は誤り。木質チップの直接燃焼によるボイラ・蒸気タービン方式が広く用いられており燃焼を伴わないという記述も誤り。メタンは可燃性ガスでありガスエンジン燃料として利用できるため、利用できないとする記述も誤りである。
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問61原子力発電所の蒸気タービンに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- a回転速度は毎分3000〜3600回転の2極機が用いられ、火力用より高速である。
- b火力発電に比べて高温・高圧の過熱蒸気を用いるため、同一出力では火力用より小形になる。
- c飽和蒸気に近い低温・低圧の蒸気を用いるため同一出力では火力用より大形となり、湿分分離器を設ける。
- d蒸気の湿り分が少ないため、タービン翼の壊食(エロージョン)対策は不要である。
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正解:c. 飽和蒸気に近い低温・低圧の蒸気を用いるため同一出力では火力用より大形となり、湿分分離器を設ける。
軽水炉から得られる蒸気は火力に比べ低温・低圧の飽和蒸気であるため、同一出力を得るには蒸気量が多く必要でタービンは大形になり、湿り蒸気による翼の壊食を防ぐため湿分分離加熱器を設ける。したがって高温・高圧で小形になるとする記述は誤り。湿り分が多く壊食対策が必要であるから対策不要とする記述も誤り。大形化に伴う遠心力を抑えるため回転速度は毎分1500〜1800回転の4極機が主流であり、火力用より高速とする記述も誤りである。
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問62原子炉の実効増倍率 k に関する記述として、正しいものはどれか。
- ak=1 の状態を臨界といい、核分裂の連鎖反応が一定の割合で継続する。
- bk=1 の状態を臨界超過といい、原子炉の出力は時間とともに増加していく。
- ck<1 の状態を臨界といい、核分裂の連鎖反応が一定の割合で持続する。
- d実効増倍率は、原子炉の熱出力を電気出力で割った値である。
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正解:a. k=1 の状態を臨界といい、核分裂の連鎖反応が一定の割合で継続する。
実効増倍率は、ある世代の中性子が次の世代に何倍になるかを表す値で、k=1のとき核分裂の連鎖反応が一定の割合で継続する臨界状態となる。k<1は未臨界で連鎖反応が次第に減衰する状態であるから、これを臨界とする記述は誤り。k>1が臨界超過で出力が増加する状態であり、k=1を臨界超過とする記述も誤り。また実効増倍率は中性子の増倍を表す量であって熱出力と電気出力の比ではないため、その記述も誤りである。
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問63原子炉を緊急停止した直後も炉心の冷却を続けなければならない理由と、その対策に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- a炉心内の冷却材が温度低下によって凍結し流路を閉塞するのを防ぐためであり、停止後もヒータによる加熱を継続する。
- b核分裂生成物の放射性崩壊による崩壊熱が発生し続けるためであり、非常用炉心冷却装置(ECCS)などによって冷却を維持する。
- c停止後もタービンの慣性回転による摩擦熱が炉心へ伝わり続けるためであり、ターニング装置を回して均一に冷却する。
- d制御棒を全挿入しても核分裂の連鎖反応が止まらず出力が上昇し続けるためであり、ほう酸水を注入して反応を停止させる。
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正解:b. 核分裂生成物の放射性崩壊による崩壊熱が発生し続けるためであり、非常用炉心冷却装置(ECCS)などによって冷却を維持する。
制御棒の挿入で連鎖反応が停止しても、炉内に蓄積した核分裂生成物の放射性崩壊による崩壊熱が発生し続けるため、非常用炉心冷却装置などで冷却を継続して燃料の損傷を防ぐ必要がある。制御棒挿入で連鎖反応は停止するため、止まらないとする記述は誤り。冷却材の凍結防止は軽水炉の停止直後の課題ではなく、タービンの摩擦熱は炉心冷却の必要性とは無関係であるため、これらの記述も誤りである。
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問64風力発電に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- a定格風速を超える強風時には、翼の取付角を変えるピッチ制御などにより出力を抑制する。
- b理論上、風がもつ運動エネルギーの100 %を風車によって取り出すことができる。
- cプロペラ形風車は水平軸形に分類され、大形の風力発電設備に広く用いられている。
- dダリウス形風車は垂直軸形であり、風向きに関係なく回転することができる。
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正解:b. 理論上、風がもつ運動エネルギーの100 %を風車によって取り出すことができる。
風車が風から取り出せる動力には理論上の上限があり、ベッツの限界と呼ばれる約59.3 %を超えることはできない。風のエネルギーを100 %取り出せるとする記述は誤りである。プロペラ形が水平軸形で大形機に広く使われること、ダリウス形が垂直軸形で風向きに左右されず回転できること、強風時にピッチ制御などで出力を抑制して過回転や過負荷を防ぐことは、いずれも正しい記述である。
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問65定格出力2000 kWの風力発電設備の年間発電電力量が3504 MW·hであった。1年を8760時間とするとき、この設備の設備利用率[%]として正しいものはどれか。
- a25 %
- b40 %
- c10 %
- d20 %
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正解:d. 20 %
定格出力で1年間連続運転した場合の電力量は2000 kW×8760 h=17 520 000 kW·h=17 520 MW·h。設備利用率は実際の発電電力量をこの値で割ればよく、3504÷17 520=0.20すなわち20 %となる。10 %は年間時間を2倍に取り違えた場合、25 %や40 %は定格出力や年間時間を誤って設定した場合の値であり、与えられた数値からは導かれないため誤りである。
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問66太陽電池の特性に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- a短絡電流はほぼ日射強度に比例し、セル温度の上昇に伴って開放電圧は低下する。
- b太陽電池は交流を発生するため、直流機器に接続するには整流器が必要である。
- cセル温度が上昇すると、取り出せる最大電力は増加する。
- d短絡電流は日射強度にほとんど影響されず、常にほぼ一定である。
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正解:a. 短絡電流はほぼ日射強度に比例し、セル温度の上昇に伴って開放電圧は低下する。
太陽電池では光の量に応じて生成するキャリヤが増えるため短絡電流はほぼ日射強度に比例し、一方でセル温度が上がると開放電圧が低下して最大電力も減少する。したがって短絡電流が日射に影響されないとする記述や、温度上昇で最大電力が増加するとする記述は誤り。また太陽電池が発生するのは直流であり交流ではないので、整流器が必要とする記述も誤りである。夏季の高温時に出力が伸びにくいのはこの温度特性による。
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問67出力3.0 kWの住宅用太陽光発電設備の設備利用率を12 %とするとき、年間発電電力量[kW·h]に最も近い値はどれか。1年を8760時間とする。
- a2100 kW·h
- b3150 kW·h
- c1050 kW·h
- d4200 kW·h
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正解:b. 3150 kW·h
年間発電電力量は、定格出力×年間時間×設備利用率で求められる。3.0 kW×8760 h×0.12=3153.6 kW·h となり、約3150 kW·hが最も近い。1050 kW·hは設備利用率を4 %とした場合、2100 kW·hは8 %とした場合、4200 kW·hは16 %とした場合に相当する値であり、与えられた12 %という条件からは導かれないため誤りである。太陽光発電の設備利用率は日射条件により概ね12 %程度である。
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問68沸騰水型原子炉(BWR)の出力調整に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- a制御棒は炉心の上部から重力によって挿入する方式であり、日常の出力微調整に用いられる。
- b再循環流量を増やすと炉心内のボイド(気泡)が減少して中性子の減速が進み、原子炉出力は増加する。
- c一次冷却材に溶かしたほう素の濃度を調整することによって出力を制御する。
- d再循環流量を増やすと炉心内のボイドが増加し、原子炉出力は減少する。
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正解:b. 再循環流量を増やすと炉心内のボイド(気泡)が減少して中性子の減速が進み、原子炉出力は増加する。
沸騰水型では再循環流量を増やすと炉心の気泡が押し流されてボイド率が下がり、減速材である水の密度が増すため中性子の減速が進み、出力が増加する。したがって流量を増やすとボイドが増えて出力が減少するという記述は逆であり誤り。ほう素濃度による調整は加圧水型の方式である。また沸騰水型の制御棒は炉心下部から水圧で駆動して挿入するため、上部から重力で挿入するという記述も誤りである。
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問69燃料電池発電システムに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- a負荷変動に対する応答が比較的速く、部分負荷における効率の低下が小さい。
- b都市ガスや天然ガスを改質器で水素に転換し、燃料極へ供給する方式が実用化されている。
- c発電時に生じる排熱は温度が低く利用価値がないため、コージェネレーションには適さない。
- d回転する部分が少ないため、騒音や振動が小さい。
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正解:c. 発電時に生じる排熱は温度が低く利用価値がないため、コージェネレーションには適さない。
燃料電池は発電に伴う排熱を給湯や暖房に利用でき、発電効率と熱利用を合わせた総合効率を高められるため、コージェネレーションに適している。排熱が利用できずコージェネレーションに適さないとする記述は誤りである。都市ガスや天然ガスを改質して水素を得る方式が実用化されていること、回転部分が少なく低騒音・低振動であること、部分負荷でも効率低下が小さいことは、いずれも燃料電池の正しい特徴である。
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問70バイオマスエネルギーの利用に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- a木質バイオマスをガス化して可燃性ガスを取り出し、ガスエンジンやガスタービンの燃料として利用する方式がある。
- b木質チップや建設廃材などを直接燃焼させ、ボイラで蒸気を発生させて蒸気タービンで発電する方式がある。
- c下水汚泥や家畜ふん尿をメタン発酵させて得られたガスを、ガスエンジンなどの燃料として利用する方式がある。
- dバイオマス燃料は化石燃料に比べ単位質量当たりの発熱量が大きく、収集や輸送も容易であるため、大規模集中発電に最も適している。
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正解:d. バイオマス燃料は化石燃料に比べ単位質量当たりの発熱量が大きく、収集や輸送も容易であるため、大規模集中発電に最も適している。
バイオマスは一般に含水率が高く単位質量当たりの発熱量が化石燃料より小さいうえ、広い地域に薄く分散して存在するため収集・輸送のコストがかさみ、比較的小規模で分散型の設備に適する。発熱量が大きく大規模集中発電に最も適するという記述は誤りである。直接燃焼による蒸気タービン発電、メタン発酵ガスのガスエンジン利用、ガス化ガスの利用は、いずれも実用化されているバイオマス利用形態であり正しい。
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問71原子炉の構成要素に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- a原子炉格納容器は、炉心で発生した中性子を減速させることを主な目的として設けられる。
- b遮へい体は、炉心から放出される中性子やガンマ線を遮り、外部への漏えいを防ぐ。
- c反射体は、炉心から漏れ出ようとする中性子を炉心へ反射して戻し、中性子の損失を減らす。
- d原子炉圧力容器は、炉心や炉内構造物を収め、高温高圧の冷却材を保持する。
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正解:a. 原子炉格納容器は、炉心で発生した中性子を減速させることを主な目的として設けられる。
原子炉格納容器は、事故時に放射性物質が外部環境へ放出されるのを防ぐ閉じ込め機能を担う設備であり、中性子の減速を主目的とするものではない。中性子の減速は減速材の役割であるから、格納容器が減速を主目的とする記述は誤りである。反射体が中性子を炉心へ戻して損失を減らすこと、圧力容器が炉心を収めて高温高圧の冷却材を保持すること、遮へい体が中性子やガンマ線を遮ることは、いずれも正しい説明である。
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