電験三種電力:変電・送電」一問一答(全46問)

第三種電気主任技術者(電験三種)の「電力:変電・送電」分野の練習問題です。「答えと解説を見る」を開くと正解と解説を確認できます。資格試験ドリルの編集・運営設備資格ドリル編集部が作成。4択の演習モードで解きたい方は電験三種のドリルへ。

問題データ最終更新 2026-08-09

1定格容量100 kV·Aの単相変圧器2台をV結線して三相負荷に電力を供給する。この場合に取り出せる三相出力の値[kV·A]として、最も近いものはどれか。

  1. a100 kV·A
  2. b141 kV·A
  3. c173 kV·A
  4. d200 kV·A
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正解:c. 173 kV·A

V結線の三相出力は単相変圧器1台の容量Pに対してP_V=√3P で表される。したがって√3×100≒173 kV·Aとなる。100 kV·Aとする値は変圧器1台分の容量そのものであり三相出力ではない。141 kV·Aは√2倍にあたる値で根拠がない。200 kV·Aは2台の容量の単純合計であり、これはV結線の利用率√3/2≒86.6 %を無視した値である。V結線は変圧器2台分の設備容量に対し173/200=0.866しか利用できない点が特徴である。

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2三相変圧器においてΔ結線を設けることの主な効果として、正しいものはどれか。

  1. a励磁突入電流を完全になくすことができる
  2. b第3調波励磁電流を巻線内で環流させ、誘導起電力の波形ひずみを抑えることができる
  3. c零相電流を線路側へ流出させ、地絡事故の検出感度を高めることができる
  4. d一次側と二次側の線間電圧の位相差を必ず30°にすることができる
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正解:b. 第3調波励磁電流を巻線内で環流させ、誘導起電力の波形ひずみを抑えることができる

変圧器の鉄心は磁気飽和のため励磁電流に第3調波を含む。Δ結線があるとこの第3調波電流が閉路内を環流でき、起電力波形のひずみが抑えられるため正しい。励磁突入電流は鉄心の残留磁束と投入位相で決まる現象であり、Δ結線でなくすことはできない。Δ結線は零相電流を内部で環流させて線路側へ出さない働きをするので、零相電流を流出させるという記述は逆である。線間電圧に30°の位相差が生じるのはY-Δ(Δ-Y)結線の場合であり、Δ-Δ結線では位相差は生じない。

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3三相変圧器を並行運転するための条件として、誤っているものはどれか。

  1. aパーセントインピーダンスが等しいこと
  2. b定格容量が互いに等しいこと
  3. c極性が一致していること
  4. d巻数比(変圧比)が等しいこと
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正解:b. 定格容量が互いに等しいこと

並行運転で必要なのは極性の一致、変圧比の一致、パーセントインピーダンスの一致(および抵抗とリアクタンスの比が等しいこと、三相では相回転と角変位の一致)である。定格容量そのものは等しくなくてもよく、各変圧器の定格容量に比例して負荷が分担されるため、容量が等しいことを必須条件とする記述は誤りである。なお極性が異なれば巻線内に大きな循環電流が流れ、変圧比が異なれば無負荷時にも循環電流が生じ、パーセントインピーダンスが異なれば負荷分担が容量比に比例しなくなる。

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4定格電圧72 kV、定格遮断電流20 kAの三相用遮断器の定格遮断容量[MV·A]として、最も近い値はどれか。

  1. a1440 MV·A
  2. b4320 MV·A
  3. c1250 MV·A
  4. d2490 MV·A
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正解:d. 2490 MV·A

三相遮断器の定格遮断容量は、定格電圧V[kV]と定格遮断電流I[kA]を用いてP=√3VI[MV·A]で求める。√3×72×20=1.732×1440≒2494となり、約2490 MV·Aが正しい。1440 MV·Aは√3を掛け忘れて72×20としたものである。1250 MV·Aは根拠のない値である。4320 MV·Aは3VI=3×72×20として係数を√3ではなく3としたもので、三相の遮断容量の定義に反する。

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5断路器に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. a充電された機器や母線を電源から確実に切り離し、保守作業の安全を確保する目的で使用する
  2. b開閉は原則として無負荷状態で行い、遮断器が開いていることを確認してから操作する
  3. c誤操作を防止するため、遮断器との間にインタロック(連動機構)を設ける
  4. d消弧装置を備えていないが、負荷電流や短絡電流を遮断できるように設計されている
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正解:d. 消弧装置を備えていないが、負荷電流や短絡電流を遮断できるように設計されている

断路器はアークを消す消弧装置をもたないため、負荷電流や短絡電流を遮断する能力はなく、無負荷の状態で開閉する機器である。したがって負荷電流や短絡電流を遮断できるとする記述が誤りである。回路を確実に開放して保守時の安全を確保することが本来の役割であり、そのため遮断器が開路していることを確認してから操作し、誤操作防止のために遮断器との間に機械的・電気的インタロックを設ける、という他の記述はいずれも正しい。

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6避雷器に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. a制限電圧とは、放電中に避雷器の端子間に現れる電圧の波高値のことである
  2. b酸化亜鉛(ZnO)形避雷器は直列ギャップが不可欠であり、ギャップなしでは使用できない
  3. c定格電圧は、系統に生じ得る商用周波電圧より低い値に選定する
  4. d雷サージを大地へ逃がした後も導通を続け、続流を遮断しない構造となっている
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正解:a. 制限電圧とは、放電中に避雷器の端子間に現れる電圧の波高値のことである

避雷器の制限電圧は、放電電流を流している間に端子間に現れる電圧の波高値であり、被保護機器の絶縁強度と比較して絶縁協調を図る基準となるので正しい。酸化亜鉛形は素子自体が優れた非直線抵抗特性をもつためギャップレス構造が主流であり、ギャップが不可欠とはいえない。避雷器はサージ電流を放電したあと続流を速やかに遮断して系統を正常状態に復帰させる必要がある。定格電圧は続流を確実に遮断できるよう、系統に生じ得る商用周波電圧より高い値に選定される。

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7調相設備に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. a静止形無効電力補償装置(SVC)は回転機であり、回転部の慣性によって高速な制御を行う
  2. b同期調相機は界磁電流の調整により、進相・遅相いずれの無効電力も連続的に調整できる
  3. c電力用コンデンサは進相無効電力を供給するが、その調整は開閉器による段階的なものとなる
  4. d分路リアクトルは、軽負荷時にフェランチ効果によって生じる受電端電圧の上昇を抑制する
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正解:a. 静止形無効電力補償装置(SVC)は回転機であり、回転部の慣性によって高速な制御を行う

静止形無効電力補償装置(SVC)は半導体素子でリアクトルやコンデンサを制御する静止機器であり、回転部をもたない。回転機であるとする記述は誤りである。電力用コンデンサは進相無効電力を供給し開閉器で段階的に調整すること、分路リアクトルは遅相無効電力を吸収して軽負荷時のフェランチ効果による電圧上昇を抑えること、同期調相機は界磁電流の加減により進相から遅相まで連続的に調整できることは、いずれも正しい記述である。

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8高圧・特別高圧の電力用コンデンサに直列リアクトルを設ける目的と、その標準的な容量に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. a基本波に対して回路を直列共振させるため、コンデンサ容量と等しい100 %のリアクタンスとする
  2. bコンデンサの端子電圧を定格値より低下させるため、コンデンサ容量の50 %程度のリアクタンスとする
  3. cコンデンサ回路に流入する第5調波電流を抑制するため、コンデンサ容量の6 %程度のリアクタンスとする
  4. dコンデンサ投入時の突入電流を増大させて接点の溶着を防ぐため、コンデンサ容量の1 %程度のリアクタンスとする
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正解:c. コンデンサ回路に流入する第5調波電流を抑制するため、コンデンサ容量の6 %程度のリアクタンスとする

直列リアクトルは、コンデンサ回路が第5調波に対して容量性となって高調波電流を拡大するのを防ぐために設ける。第5調波に対して誘導性となる条件は理論上4 %超であるが、余裕をみて6 %のものが標準的に使われるため正しい。直列リアクトルは突入電流を抑制するものであり増大させるという記述は逆である。基本波で直列共振させれば過大な電流が流れ危険であり目的として成り立たない。直列リアクトルを入れるとコンデンサ端子電圧はむしろ上昇するので、電圧を低下させるという記述も誤りである。

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9有効電力600 kW、力率0.6(遅れ)の負荷がある。この負荷の力率を0.8(遅れ)に改善するために必要な電力用コンデンサの容量[kvar]はいくらか。

  1. a250 kvar
  2. b350 kvar
  3. c450 kvar
  4. d800 kvar
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正解:b. 350 kvar

改善前の無効電力はQ1=P·tanθ1=600×(0.8/0.6)=800 kvar、改善後はQ2=P·tanθ2=600×(0.6/0.8)=450 kvarである。必要なコンデンサ容量は両者の差Qc=800−450=350 kvarとなる。250 kvarは差の計算を誤った値である。450 kvarは改善後に残る無効電力そのものであってコンデンサ容量ではない。800 kvarは改善前の無効電力全量であり、これを補償すると力率が1を超えて進み側になってしまうため適切でない。

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10ある変電所の受電点における合成パーセントインピーダンスが、基準容量10 MV·Aに対して4 %であった。この点の三相短絡容量[MV·A]はいくらか。

  1. a40 MV·A
  2. b2500 MV·A
  3. c400 MV·A
  4. d250 MV·A
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正解:d. 250 MV·A

短絡容量Psは基準容量Pnとパーセントインピーダンス%Zを用いてPs=Pn×100/%Zで求められる。10×100/4=250 MV·Aとなる。40 MV·Aは10×4として基準容量に%Zを掛けた誤った計算である。400 MV·Aは10×100/2.5に相当する値で、与えられた%Zと対応しない。2500 MV·Aは基準容量を100 MV·Aと取り違えた場合の値であり、いずれも短絡容量の定義式に合わない。

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11定格容量20 MV·A、自己容量基準のパーセントインピーダンスが12 %の変圧器がある。基準容量を10 MV·Aとしたときのパーセントインピーダンスの値[%]はいくらか。

  1. a3 %
  2. b6 %
  3. c12 %
  4. d24 %
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正解:b. 6 %

パーセントインピーダンスは基準容量に比例して換算されるので、%Z'=%Z×(新基準容量/旧基準容量)=12×(10/20)=6 %となる。3 %は基準容量を1/4にした場合の値であり条件と合わない。12 %は自己容量20 MV·A基準のままの値であって換算されていない。24 %は基準容量を2倍の40 MV·Aとした場合に相当し、比例関係を逆に適用した誤りである。

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12定格容量500 kV·Aの変圧器があり、鉄損は3.0 kW、全負荷時の銅損は6.0 kWである。力率1.0で全負荷運転したときの効率[%]として、最も近い値はどれか。

  1. a97.3 %
  2. b98.2 %
  3. c99.1 %
  4. d96.4 %
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正解:b. 98.2 %

力率1.0の全負荷出力は500 kWである。全損失は鉄損3.0 kWと全負荷銅損6.0 kWの和で9.0 kWとなる。効率η=出力/(出力+損失)=500/(500+9.0)=500/509≒0.9823すなわち約98.2 %である。96.4 %や97.3 %は損失を過大に見積もった場合の値であり、9.0 kWの損失に対しては小さすぎる。99.1 %は損失を約4.5 kWとした場合に相当し、鉄損か銅損の一方だけを算入した誤りに対応する。

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13鉄損が2.0 kW、全負荷時の銅損が8.0 kWである変圧器を一定力率で運転するとき、効率が最大となる負荷率[%]として正しいものはどれか。

  1. a100 %
  2. b25 %
  3. c71 %
  4. d50 %
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正解:d. 50 %

変圧器の効率が最大となるのは、負荷によらない鉄損と負荷率の2乗に比例する銅損とが等しくなるときである。負荷率をαとするとα²×8.0=2.0より α=√(2.0/8.0)=√0.25=0.5、すなわち50 %となる。25 %は平方根を取らずに損失の比をそのまま用いた誤りである。71 %は√0.5≒0.707に相当し、鉄損と全負荷銅損の比を1:2とした場合の値である。100 %は全負荷点で常に最大効率になるという誤った前提に基づく値である。

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14パーセント抵抗降下が1.5 %、パーセントリアクタンス降下が4.0 %の変圧器を、力率0.8(遅れ)で全負荷運転したときの電圧変動率[%]として、最も近い値はどれか。

  1. a3.6 %
  2. b4.4 %
  3. c2.7 %
  4. d3.0 %
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正解:a. 3.6 %

電圧変動率は近似式ε≒p·cosθ+q·sinθで求める。力率0.8(遅れ)よりcosθ=0.8、sinθ=0.6であるから、ε≒1.5×0.8+4.0×0.6=1.2+2.4=3.6 %となる。2.7 %や3.0 %は抵抗分とリアクタンス分の重み付けを取り違えた場合の値である。4.4 %は1.5+4.0×0.725のように係数を誤った値、あるいは力率を考慮せず単純に加算に近い扱いをした値であり、上記の近似式には合わない。

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15変圧器の内部故障保護に用いられる比率差動継電器に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. a励磁突入電流に多く含まれる第2調波成分を利用して、突入電流時に確実に動作させる
  2. b変圧器の外部で発生した短絡事故に対して優先的に動作するように整定する
  3. c変圧器の油温上昇と油面低下を検出して動作する機械的な継電器である
  4. d一次側と二次側の電流から求めた差電流が、抑制コイル電流に対する一定比率を超えたときに動作する
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正解:d. 一次側と二次側の電流から求めた差電流が、抑制コイル電流に対する一定比率を超えたときに動作する

比率差動継電器は変流器で得た一次側・二次側の電流の差(差電流)を、通過電流に比例する抑制量と比較し、その比率が整定値を超えたときに動作する。これにより変圧器内部の故障だけを選択的に検出できるので正しい。外部短絡は貫通電流となり差電流が生じにくいため、外部事故で優先的に動作させるのは選択性の考え方に反する。油温や油面を検出するのはブッフホルツ継電器などの機械的保護であり別物である。第2調波成分は励磁突入電流時に継電器を不必要動作させないようロックするために用いるものであり、動作させるという記述は逆である。

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16電力系統の保護継電方式に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. a距離継電器は、電圧と電流から求めたインピーダンスにより故障点までの距離を判別する
  2. b後備保護は主保護が動作しなかった場合に備えるものであり、主保護より短い動作時間に整定する
  3. c過電流継電器には、電流が大きいほど動作時間が短くなる反限時特性のものがある
  4. d地絡方向継電器は、零相電圧と零相電流の位相関係から地絡事故の方向を判別する
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正解:b. 後備保護は主保護が動作しなかった場合に備えるものであり、主保護より短い動作時間に整定する

後備保護は主保護が不動作のときにはじめて動作すべきものであるから、主保護より長い動作時間に整定して協調をとる。短い動作時間に整定するという記述は選択遮断の原則に反するため誤りである。反限時特性の過電流継電器、電圧と電流の比であるインピーダンスから故障点までの距離を判定する距離継電器、零相電圧と零相電流の位相関係から事故の方向を判定する地絡方向継電器の説明は、いずれも正しい。

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17変電所の母線方式に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. a二重母線方式では、母線相互を接続する母線連絡遮断器を設けてはならない
  2. b二重母線方式は、一方の母線を点検する際に回線を他方の母線へ切り換えて運転を継続できる
  3. c環状母線方式では、母線の一部が停止すると必ず全回線が停止する
  4. d単母線方式は設備が複雑で建設費が高いが、供給信頼度は最も低い
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正解:b. 二重母線方式は、一方の母線を点検する際に回線を他方の母線へ切り換えて運転を継続できる

二重母線方式は2組の母線をもち、断路器で回線の接続先を切り換えられるため、片方の母線を停止して点検しても供給を継続でき、運用の自由度と信頼度が高い。単母線方式は構成が最も簡単で建設費が安い方式であり、複雑で高価とする記述は誤りである。環状母線方式は母線が環状に構成されているため一部が停止しても他の経路から供給を継続でき、全回線停止となるわけではない。二重母線方式では母線間の切換えや事故時の運用のために母線連絡遮断器を設けるのが一般的であり、設けてはならないという記述も誤りである。

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18ガス遮断器(GCB)に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. a開閉時の騒音が空気遮断器に比べて小さい
  2. b消弧媒体としてSF6ガスを用い、空気に比べて優れた絶縁耐力と消弧能力をもつ
  3. cSF6ガスは可燃性であり、燃焼熱によってアークを冷却して消弧する
  4. dSF6ガスは地球温暖化係数が大きいため、回収・再利用など漏えい防止の管理が必要である
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正解:c. SF6ガスは可燃性であり、燃焼熱によってアークを冷却して消弧する

SF6ガスは不燃性・無色・無臭で化学的に安定な気体であり、燃焼によって消弧するものではない。アークはガスの吹付けと高い電気的負性(電子付着性)による絶縁回復で消弧されるため、可燃性で燃焼熱により冷却するという記述が誤りである。SF6が空気より高い絶縁耐力と消弧能力をもつこと、地球温暖化係数が大きく厳重な回収・管理を要すること、空気遮断器のような排気音がなく低騒音であることは、いずれもガス遮断器の正しい特徴である。

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19真空遮断器(VCB)に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. a消弧媒体として絶縁油を用い、油の分解ガスによってアークを冷却する
  2. b高真空中では電流零点付近での絶縁回復が速く、小形・軽量で保守が容易である
  3. c電流裁断による急峻な過電圧(サージ)は原理上まったく発生しない
  4. d主として500 kV級の超高圧系統における主遮断器として用いられる
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正解:b. 高真空中では電流零点付近での絶縁回復が速く、小形・軽量で保守が容易である

真空遮断器は高真空中の優れた絶縁回復特性を利用し、電流零点付近で速やかにアークを消弧する。小形軽量で消耗部が少なく保守が容易なため、高圧配電系統で広く使われており正しい。絶縁油の分解ガスで消弧するのは油遮断器の説明である。真空遮断器は電流を零点前に強制的に切る電流裁断によりサージ電圧を生じることがあり、まったく発生しないという記述は誤りである。超高圧系統の主遮断器にはガス遮断器が用いられるのが一般的で、真空遮断器の主な適用範囲ではない。

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20電力系統の絶縁協調に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. a系統各部の機器の絶縁強度を、避雷器の制限電圧によらず可能な限り高くし、建設費などの経済性を考慮せずに設計することをいう
  2. b雷サージや開閉サージは考慮せず、商用周波の耐電圧試験値のみを基準として系統各部の機器の絶縁強度を決定することをいう
  3. c変電所内のすべての機器の絶縁強度を、避雷器の制限電圧より低い値とし、事故時に機器側で先に放電させるよう設計することをいう
  4. d系統各部の絶縁強度を、避雷器の制限電圧に適切な裕度を加えた値を基準として、経済性を考慮しながら合理的に定めることをいう
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正解:d. 系統各部の絶縁強度を、避雷器の制限電圧に適切な裕度を加えた値を基準として、経済性を考慮しながら合理的に定めることをいう

絶縁協調とは、避雷器などの保護装置の性能(制限電圧)を基準に、系統各部の絶縁強度を安全性と経済性のバランスをとって合理的に決めることをいうので正しい。機器の絶縁強度を避雷器の制限電圧より低くすると、避雷器が動作する前に機器が絶縁破壊するため保護が成立せず誤りである。経済性を無視して絶縁を高くするだけでは設備が過大となり、絶縁協調の趣旨に反する。系統の絶縁設計では雷インパルス耐電圧(BIL)や開閉サージが支配的要因となるため、商用周波耐電圧のみで決めるという記述も誤りである。

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21中性点接地方式に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. a非接地方式は地絡電流が小さいため、通信線への誘導障害が小さい
  2. b消弧リアクトル接地方式は、線路の対地静電容量と並列共振させることで地絡電流を小さくする
  3. c抵抗接地方式は、直接接地方式に比べて地絡時の健全相の対地電圧上昇が小さい
  4. d直接接地方式は地絡電流が大きく、地絡故障の検出は容易だが通信線への誘導障害が大きい
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正解:c. 抵抗接地方式は、直接接地方式に比べて地絡時の健全相の対地電圧上昇が小さい

地絡時の健全相対地電圧の上昇が最も小さいのは直接接地方式であり、抵抗接地方式や非接地方式では中性点電位が移動して健全相の対地電圧が大きく上昇する。したがって抵抗接地方式のほうが電圧上昇が小さいとする記述は誤りである。直接接地方式で地絡電流が大きく検出が容易な反面、通信線への電磁誘導障害が大きいこと、非接地方式では地絡電流が小さく誘導障害も小さいこと、消弧リアクトル接地方式が対地静電容量との並列共振によって地絡電流をほぼ打ち消すことは、いずれも正しい。

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22負荷時タップ切換変圧器に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. aタップは電流の小さい二次巻線側にのみ設けられ、一次巻線側に設けることはない構造である
  2. bタップ切換えによって巻数比とともに変圧器の定格容量そのものを増減させる装置である
  3. c負荷電流を流したままタップを切り換えることができ、二次側電圧をほぼ一定に保つよう調整できる
  4. dタップの切換え中はアークが発生するため、必ず一次側の遮断器を開いて停電させてから行う
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正解:c. 負荷電流を流したままタップを切り換えることができ、二次側電圧をほぼ一定に保つよう調整できる

負荷時タップ切換変圧器は、限流抵抗や切換開閉器を用いて負荷電流を遮断することなくタップを切り換えられる装置であり、系統電圧の変動に応じて巻数比を変え二次電圧を一定に保つので正しい。停電させてから切り換えるのは無電圧タップ切換器の説明であって、負荷時タップ切換の特徴に反する。タップは電流が小さく絶縁上有利な一次(高圧)巻線の中性点付近に設けることが多く、二次側にのみ設けるという記述は誤りである。タップ切換は電圧を調整するものであり、変圧器の容量を増減させるものではない。

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23スコット結線変圧器に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. a三相交流を位相差90°の二つの単相(二相)に変換するもので、交流電気鉄道の変電所などに用いられる
  2. b三相交流を位相差120°の三つの単相に分けるもので、変換の前後で相数は変わらず、単相負荷の不平衡も生じない
  3. c単相変圧器2台を用いて三相電力を供給する結線であり、巻線の使い方や結線図もV結線と同一のものである
  4. d主座変圧器とT座(分路)変圧器の一次巻線の巻数比は等しく、いずれも中央から引き出した1対1のものである
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正解:a. 三相交流を位相差90°の二つの単相(二相)に変換するもので、交流電気鉄道の変電所などに用いられる

スコット結線は主座変圧器とT座変圧器の2台を組み合わせ、三相を互いに90°の位相差をもつ二つの単相に変換する結線であり、単相大容量負荷である交流電気鉄道の変電所などで用いられるので正しい。V結線は単相変圧器2台で三相を供給する結線であり、三相二相変換を行うスコット結線とは目的も構成も異なる。相数が変わらないという記述は三相二相変換という本質に反する。T座変圧器のタップは主座変圧器の巻数の√3/2の位置から取るため、両者の巻数比は等しくない。

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24変電所に施設する避雷器に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. a避雷器は、保護しようとする機器にできるだけ近い位置に設置する
  2. b常時から系統に大電流を流し続けることで、機器の電位を大地電位に固定する
  3. c公称放電電流は、系統の重要度や雷の頻度に応じて10 kA、5 kAなどの値から選定される
  4. d避雷器の接地線はできるだけ短くし、接地抵抗を低く保つ
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正解:b. 常時から系統に大電流を流し続けることで、機器の電位を大地電位に固定する

避雷器は常規の運転電圧に対してはきわめて高い抵抗を示してほとんど電流を流さず、雷サージなど異常電圧が加わったときだけ導通して電流を大地へ逃がす機器である。常時大電流を流し続けるという記述は避雷器の動作原理に反するため誤りである。被保護機器に近接して設置すると引下げ線のインダクタンスによる電圧上昇の影響が小さくなること、接地線を短く接地抵抗を低くすると残留電圧が下がり保護効果が高まること、公称放電電流を10 kA、5 kAなどから系統の重要度に応じて選ぶことは、いずれも正しい。

この問題のページ:変電所に施設する避雷器に関する記述として

25架空送電線路の線路定数に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. a電線の抵抗は、導体温度が上昇すると小さくなる。
  2. b作用静電容量は、電線の等価半径が大きいほど大きくなる。
  3. c線路定数は、抵抗、作用インダクタンス、作用静電容量、漏れコンダクタンスの四つである。
  4. d作用インダクタンスは、等価線間距離が大きいほど大きくなる。
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正解:a. 電線の抵抗は、導体温度が上昇すると小さくなる。

銅やアルミなどの金属導体は正の抵抗温度係数をもち、温度が上がると抵抗は増加する。したがって温度上昇で抵抗が小さくなるとする記述は誤りである。線路定数が抵抗・インダクタンス・静電容量・漏れコンダクタンスの四つであること、インダクタンスが等価線間距離Dと電線半径rの比の対数に比例するためDが大きいほど増加すること、静電容量が同じ比の対数に反比例するため電線が太い(等価半径が大きい)ほど増加することは、いずれも正しい記述である。

この問題のページ:架空送電線路の線路定数に関する記述として

26架空送電線の多導体方式(複導体を含む)に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. a作用インダクタンスが減少し、送電容量を大きくできる。
  2. b風圧荷重や着氷雪荷重が増加するため、支持物の強度を大きくする必要がある。
  3. c電線表面の電位の傾きが緩和され、コロナが発生しにくくなる。
  4. d作用静電容量が減少するため、充電電流が小さくなる。
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正解:d. 作用静電容量が減少するため、充電電流が小さくなる。

多導体は等価的な電線半径を大きくする効果があるため、作用インダクタンスは減少するが作用静電容量は逆に増加し、充電電流はむしろ大きくなる。よって静電容量が減少するとする記述は誤りである。等価半径増大により電線表面の電位傾度が下がりコロナ臨界電圧が高くなること、インダクタンス減少により送電容量が増すこと、電線本数増加で風圧・着氷雪荷重が増え支持物強度の増強が必要になることは、いずれも多導体の正しい特徴である。

この問題のページ:架空送電線の多導体方式(複導体を含む)に関する記述として

27ある送電線路において、無負荷時の受電端電圧が6900V、全負荷時の受電端電圧が6600Vであった。このときの電圧変動率[%]の値として最も近いものはどれか。

  1. a4.55
  2. b5.00
  3. c9.09
  4. d4.35
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正解:a. 4.55

電圧変動率は(無負荷時受電端電圧−全負荷時受電端電圧)÷全負荷時受電端電圧×100で定義される。(6900−6600)/6600×100=300/6600×100=4.545…となり、4.55が正しい。4.35は分母を無負荷時電圧6900としたもので定義に反する。5.00や9.09は300を6000や3300で割った値に相当し、いずれも定義どおりの基準電圧を用いていないため誤りである。

この問題のページ:ある送電線路において、無負荷時の受電端電圧が6900V、全…

28三相3線式送電線路に200Aの電流が流れている。線路1線当たりの抵抗が0.3Ωであるとき、線路で消費される全電力損失[kW]の値として最も近いものはどれか。

  1. a12
  2. b72
  3. c36
  4. d24
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正解:c. 36

三相3線式では3線それぞれに電流が流れるので、全電力損失はP=3I²Rで求める。3×200²×0.3=3×40000×0.3=36000W=36kWとなり36が正しい。12は1線分のI²R=12kWにとどまり3倍していないため誤り、24は2線分として扱った値で三相3線式には当てはまらず誤り、72は6線分に相当し実際の線条数と合わないため誤りである。

この問題のページ:三相3線式送電線路に200Aの電流が流れている。線路1線当…

29送電系統の定態安定度を向上させる対策として、適切でないものはどれか。

  1. a送電電圧を低くして線路電流を大きくする。
  2. b発電機に速応励磁方式を採用して端子電圧を速やかに保持する。
  3. c送電線に直列コンデンサを設置して線路の誘導性リアクタンスを打ち消す。
  4. d送電線を多回線化して系統のリアクタンスを小さくする。
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正解:a. 送電電圧を低くして線路電流を大きくする。

送電電力はP=Vs・Vr・sinδ/Xで表され、電圧が高いほど、またリアクタンスが小さいほど安定度は高くなる。送電電圧を下げれば送電可能電力が減り安定度は低下するので、この対策は適切でない。直列コンデンサによる線路リアクタンスの打消し、速応励磁による内部電圧の保持、多回線化による並列リアクタンスの低減は、いずれもXを小さくするかVを保つ働きをするため安定度向上に有効な正しい対策である。

この問題のページ:送電系統の定態安定度を向上させる対策として、適切でないもの

30送電系統の過渡安定度の向上対策に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. a故障区間を高速度で遮断し、高速度再閉路方式を採用する。
  2. b多導体の採用や直列コンデンサの設置により系統リアクタンスを小さくする。
  3. c中間開閉所に調相設備を設置して系統電圧を維持する。
  4. d発電機の単位慣性定数を小さくして回転子の応答を速める。
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正解:d. 発電機の単位慣性定数を小さくして回転子の応答を速める。

過渡安定度は事故時の回転子動揺の大きさに左右され、単位慣性定数が大きいほど動揺の加速が抑えられて安定度は高くなる。慣性定数を小さくすると動揺が激しくなり安定度は低下するため、この記述は誤りである。高速遮断と高速度再閉路による事故継続時間の短縮、中間開閉所の調相設備による電圧維持、多導体や直列コンデンサによるリアクタンス低減は、いずれも過渡安定度を高める正しい対策である。

この問題のページ:送電系統の過渡安定度の向上対策に関する記述として

31送電線の電力円線図に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. a円線図を用いると、受電端の電圧を一定に保つために必要な調相設備の容量を求めることができる。
  2. b円線図の半径は、線路のリアクタンスに反比例する。
  3. c円線図の半径は、送電端電圧と受電端電圧の積に比例する。
  4. d送電端電圧と受電端電圧を一定に保つとき、送電できる有効電力の最大値は円線図の半径とは無関係である。
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正解:d. 送電端電圧と受電端電圧を一定に保つとき、送電できる有効電力の最大値は円線図の半径とは無関係である。

電力円線図は両端電圧を一定としたとき受電端の有効電力・無効電力の軌跡が円になることを示すもので、半径はVs・Vr/Zに比例する。送電可能な有効電力の最大値はこの円の半径そのもので決まるため、半径と無関係とする記述は誤りである。半径が両端電圧の積に比例しリアクタンスに反比例すること、および受電端電圧一定の条件から必要な無効電力すなわち調相設備容量を読み取れることは、いずれも円線図の正しい性質である。

この問題のページ:送電線の電力円線図に関する記述として

32架空送電線のコロナ放電に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. a多導体方式の採用や太い電線の使用は、コロナの発生防止に有効である。
  2. bコロナ臨界電圧は、気圧が低いほど、また気温が高いほど低くなる。
  3. c雨、雪、霧などの悪天候時には、コロナ臨界電圧は晴天時より低くなる。
  4. dコロナが発生すると電力損失を生じるが、通信線への雑音障害は生じない。
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正解:d. コロナが発生すると電力損失を生じるが、通信線への雑音障害は生じない。

コロナ放電は電力損失(コロナ損)に加え、高周波の電磁波を放射して通信線やラジオ・テレビへの雑音障害を引き起こすため、雑音障害は生じないとする記述は誤りである。空気の相対密度は気圧に比例し絶対温度に反比例するので、低気圧・高温では臨界電圧が下がること、雨滴などが電線表面に付着すると局部的に電界が集中し臨界電圧が下がること、電線を太くしたり多導体として電位傾度を下げるとコロナ防止に有効であることは、いずれも正しい。

この問題のページ:架空送電線のコロナ放電に関する記述として

33径間200mの架空送電線において、電線の単位長さ当たりの荷重が20N/m、水平張力が25kNであるとき、電線のたるみ[m]の値として最も近いものはどれか。

  1. a4.0
  2. b3.0
  3. c5.0
  4. d2.0
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正解:a. 4.0

たるみはD=WS²/(8T)で求める。W=20N/m、S=200m、T=25000Nを代入すると、分子は20×200²=20×40000=800000、分母は8×25000=200000となり、D=800000/200000=4.0mとなるので4.0が正しい。2.0は分母を16Tとした場合、5.0は分母を8ではなく他の係数とした場合に相当し、3.0はいずれの計算とも一致せず、たるみの基本式に合わないため誤りである。

この問題のページ:径間200mの架空送電線において、電線の単位長さ当たりの荷…

34径間200m、たるみ4.0mの架空送電線において、電線の実長[m]の値として最も近いものはどれか。

  1. a200.05
  2. b200.11
  3. c200.21
  4. d200.43
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正解:c. 200.21

電線の実長は近似式L=S+8D²/(3S)で求める。8×4.0²=8×16=128、3×200=600なので、伸び分は128/600≒0.213mとなり、L≒200.21mとなるため200.21が正しい。200.43は伸び分を2倍にした場合、200.11は半分にした場合、200.05はさらに小さく見積もった場合に相当し、いずれも実長の近似式の値と一致しないため誤りである。たるみに対して実長の増加はごくわずかである点が特徴である。

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35架空送電線において、気温が上昇したときの電線のたるみと水平張力の変化として、正しいものはどれか。

  1. aたるみは大きくなり、水平張力は小さくなる。
  2. bたるみは小さくなり、水平張力は大きくなる。
  3. cたるみは大きくなり、水平張力も大きくなる。
  4. dたるみ、水平張力とも変化しない。
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正解:a. たるみは大きくなり、水平張力は小さくなる。

気温が上昇すると電線は熱膨張して実長が伸びる。支持点間の距離は変わらないため余った長さがたるみとなって現れ、たるみは増加する。D=WS²/(8T)の関係からたるみが大きくなることは水平張力Tが小さくなることを意味するので、たるみ増大かつ張力減少が正しい。たるみと張力がともに増加する、あるいはたるみが減少して張力が増加するという組合せは、この反比例関係に反するため誤り。電線は温度により伸縮するので変化しないとする記述も誤りである。

この問題のページ:架空送電線において、気温が上昇したときの電線のたるみと水平…

36中性点直接接地方式に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. a地絡電流が大きいので、地絡保護継電器を確実に動作させやすい。
  2. b我が国では主に6.6kV配電系統に採用されている。
  3. c1線地絡電流が大きいため、通信線への電磁誘導障害が大きくなる。
  4. d1線地絡時の健全相の対地電圧上昇が小さく、機器の絶縁レベルを低減できる。
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正解:b. 我が国では主に6.6kV配電系統に採用されている。

我が国で中性点直接接地方式が採用されているのは187kV以上の超高圧・UHV送電系統であり、6.6kV配電系統は非接地方式が一般的である。したがって6.6kV配電系統に採用されるとする記述は誤りである。中性点を直接接地すると地絡時の健全相電圧上昇がほとんどなく絶縁を低減できること、その反面地絡電流が大きく電磁誘導障害が大きいこと、大きな地絡電流により保護継電器の動作が確実になることは、いずれも直接接地方式の正しい特徴である。

この問題のページ:中性点直接接地方式に関する記述として

37中性点非接地方式に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. a1線地絡電流が小さく、地絡時にも健全相の電圧上昇に耐えられれば送電を継続しやすい。
  2. b地絡電流が大きいため、通信線への電磁誘導障害が最も大きい方式である。
  3. c地絡電流は主に線路の抵抗分によって決まる。
  4. d1線地絡時、健全相の対地電圧はほとんど変化しない。
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正解:a. 1線地絡電流が小さく、地絡時にも健全相の電圧上昇に耐えられれば送電を継続しやすい。

非接地方式では地絡電流の経路が対地静電容量のみとなるため地絡電流は小さく、健全相の電圧上昇に機器が耐えられれば運転を継続しやすい。よってこの記述が正しい。1線地絡時に健全相の対地電圧は線間電圧すなわち√3倍まで上昇するので変化しないとする記述は誤り。地絡電流が小さいので誘導障害が最も大きいとする記述も誤り。地絡電流は対地静電容量による進み電流であり、抵抗分で決まるとする記述も誤りである。

この問題のページ:中性点非接地方式に関する記述として

38消弧リアクトル接地方式に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. a設備が高価であり、系統構成の変更に応じてリアクタンスの調整が必要である。
  2. b中性点に接続したリアクトルと線路の対地静電容量とを並列共振させる。
  3. c1線地絡電流が非接地方式より大きくなり、地絡継電器の動作が容易になる。
  4. d地絡点のアークが自然消弧しやすく、1線地絡時に送電を継続できる場合がある。
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正解:c. 1線地絡電流が非接地方式より大きくなり、地絡継電器の動作が容易になる。

消弧リアクトル接地は対地静電容量による進み電流をリアクトルの遅れ電流で打ち消す並列共振を利用する方式で、1線地絡電流はきわめて小さくなる。その結果、地絡継電器の動作はむしろ難しくなるため、地絡電流が大きく動作が容易になるとする記述は誤りである。並列共振を利用すること、地絡電流が小さいためアークが自然消弧して送電継続が可能な場合があること、設備が高価で系統変更のたびに整定調整が必要なことは、いずれも正しい特徴である。

この問題のページ:消弧リアクトル接地方式に関する記述として

39中性点抵抗接地方式の目的として、最も適切なものはどれか。

  1. a1線地絡電流を零にして、地絡事故そのものをなくすため。
  2. b地絡電流を適度な大きさに抑えつつ、地絡保護継電器を確実に動作させるため。
  3. c線路の充電電流を打ち消して、フェランチ効果を防止するため。
  4. d健全相の対地電圧を線間電圧まで上昇させ、絶縁協調を容易にするため。
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正解:b. 地絡電流を適度な大きさに抑えつつ、地絡保護継電器を確実に動作させるため。

抵抗接地方式は中性点を数百Ω程度の抵抗を介して接地し、地絡電流を通信線への誘導障害が過大にならない程度に抑えながら、地絡継電器が確実に動作できる大きさを確保する折衷的な方式である。したがって誘導障害の抑制と保護の確実性を両立させる目的が正しい。地絡電流を零にするのは消弧リアクトル接地に近い考えで抵抗接地の目的ではない。健全相電圧を積極的に上昇させることは絶縁上不利であり目的ではない。充電電流の補償やフェランチ効果対策は分路リアクトルの役割であり誤りである。

この問題のページ:中性点抵抗接地方式の目的として

40送電線から通信線への電磁誘導障害に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. a送電線が完全にねん架されて平衡していれば、1線地絡事故時にも誘導電圧はまったく発生しない。
  2. b常時における送電線の対地電圧と、送電線・通信線間の静電容量によって生じ、線路電流とは無関係である。
  3. c通信線を送電線から遠ざけても相互インダクタンスは変化しないため、誘導電圧の大きさは変わらない。
  4. d主として1線地絡事故時に流れる零相電流と、送電線・通信線間の相互インダクタンスによって生じる。
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正解:d. 主として1線地絡事故時に流れる零相電流と、送電線・通信線間の相互インダクタンスによって生じる。

電磁誘導障害は、1線地絡時などに流れる大きな零相電流が送電線と通信線の相互インダクタンスを介して通信線に電圧を誘起する現象であり、この説明が正しい。対地電圧と静電容量で生じるのは静電誘導障害であって電磁誘導障害の説明ではない。三相が平衡していても地絡時には零相電流が流れて誘導電圧が発生するため、まったく発生しないとする記述は誤り。相互インダクタンスは離隔距離が大きいほど小さくなるので、遠ざけても変わらないとする記述も誤りである。

この問題のページ:送電線から通信線への電磁誘導障害に関する記述として

41送電線から通信線への静電誘導障害に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. a送電線と通信線の相互インダクタンスに比例して生じるもので、両者の離隔距離が小さく並行区間が長いほど大きくなる。
  2. b通信線を金属遮へい層で覆い、その遮へい層を接地すると通信線の対地静電容量が減少するため、障害はかえって増大する。
  3. c1線地絡事故時に流れる地絡電流の大きさに比例して発生するもので、平常時のように零相電流が流れないときには発生しない。
  4. d送電線の対地電圧と、送電線・通信線間および通信線・大地間の静電容量の比によって決まる電圧が通信線に現れる現象である。
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正解:d. 送電線の対地電圧と、送電線・通信線間および通信線・大地間の静電容量の比によって決まる電圧が通信線に現れる現象である。

静電誘導は送電線と通信線の間の静電容量と通信線・大地間の静電容量による分圧で通信線に電圧が現れる現象であり、この説明が正しい。静電結合による現象なので平常時の対地電圧でも発生し、地絡電流に比例して平常時には発生しないとする記述は誤り。相互インダクタンスが関与するのは電磁誘導障害であるため、その記述も誤り。通信線を金属遮へい層で覆って接地すれば電界が遮へいされ障害は軽減されるので、増大するとする記述も誤りである。

この問題のページ:送電線から通信線への静電誘導障害に関する記述として

42送電線から通信線への誘導障害を軽減する対策として、適切でないものはどれか。

  1. a架空地線に導電率の良い材料を用いて遮へい効果を高める。
  2. b送電線と通信線の離隔距離を大きくし、平行区間長を短くする。
  3. c中性点接地の接地抵抗を小さくして、1線地絡電流を大きくする。
  4. d故障の検出・遮断を高速化して、地絡電流の継続時間を短くする。
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正解:c. 中性点接地の接地抵抗を小さくして、1線地絡電流を大きくする。

電磁誘導電圧は零相電流の大きさに比例するため、接地抵抗を小さくして地絡電流を増大させると誘導障害はかえって大きくなる。したがってこの対策は適切でない。離隔距離を大きくして平行区間を短くすれば相互インダクタンスと結合が減ること、導電率の良い架空地線に還流電流を分流させれば遮へい効果で誘導が減ること、高速遮断により誘導電圧の継続時間を短縮できることは、いずれも有効で正しい対策である。

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43架空送電線のねん架(transposition)を行う主な目的として、最も適切なものはどれか。

  1. a電線に生じる微風振動やギャロッピングを抑制し、支持点付近の素線切れを防止する。
  2. b各相のインダクタンスと静電容量を平衡させ、中性点の残留電圧や通信線への誘導障害を軽減する。
  3. c電線表面の電位の傾きを下げてコロナ放電を抑え、コロナ損失や雑音障害を低減する。
  4. d各径間の電線のたるみを均一にし、支持物にかかる不平衡な水平荷重を平準化する。
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正解:b. 各相のインダクタンスと静電容量を平衡させ、中性点の残留電圧や通信線への誘導障害を軽減する。

電線の配置が非対称だと各相のインダクタンスと静電容量に差が生じ、三相が不平衡になって中性点に残留電圧が現れ、通信線への誘導障害の原因となる。ねん架は各相の位置を区間ごとに入れ替えて定数を平衡させる手法であり、この目的が正しい。コロナ低減は太い電線や多導体の役割、電線振動の抑制はダンパやスペーサの役割、たるみの均一化は架線施工上の管理事項であって、いずれもねん架の目的ではないため誤りである。

この問題のページ:架空送電線のねん架(transposition)を行う主な…

44導体の表皮効果に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. a交流電流が流れるとき、導体の表面よりも中心部ほど電流密度が高くなる現象である。
  2. b導体の透磁率が小さいほど内部の磁束が減るため、表皮効果は顕著となる。
  3. c周波数が高いほど顕著となり、導体の実効抵抗は直流のときより大きくなる。
  4. d導体の導電率が小さいほど渦電流が流れやすくなるため、表皮効果は顕著となる。
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正解:c. 周波数が高いほど顕著となり、導体の実効抵抗は直流のときより大きくなる。

表皮効果は交流電流が導体表面付近に偏って流れる現象で、電流の通る実効断面積が減るため実効抵抗は直流抵抗より大きくなり、周波数が高いほど顕著になる。よってこの記述が正しい。表皮の深さは導電率・透磁率・周波数が大きいほど小さくなり効果は強まるので、導電率や透磁率が小さいほど顕著とする記述は誤り。電流は表面ほど密になり中心部ほど疎になるので、中心部の電流密度が高いとする記述も誤りである。

この問題のページ:導体の表皮効果に関する記述として

45フェランチ効果に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. a1線地絡事故時に、健全相の対地電圧が線間電圧近くまで上昇する現象で、中性点を直接接地して電位上昇を抑えることが対策となる。
  2. b電線表面の電位の傾きが高くなって周囲の空気の絶縁が破れ、電力損失や雑音障害が増加する現象で、多導体や太い電線の採用が対策となる。
  3. c重負荷時に線路に流れる遅れ電流が増加してリアクタンス降下が大きくなり、受電端電圧が低下する現象で、直列コンデンサの設置が対策となる。
  4. d深夜などの軽負荷時に線路の静電容量による進み電流が流れ、受電端電圧が送電端電圧より高くなる現象で、分路リアクトルの投入が対策となる。
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正解:d. 深夜などの軽負荷時に線路の静電容量による進み電流が流れ、受電端電圧が送電端電圧より高くなる現象で、分路リアクトルの投入が対策となる。

フェランチ効果は軽負荷時や無負荷時に線路の対地静電容量による進み電流が流れ、線路リアクタンスによる電圧上昇のため受電端電圧が送電端電圧を上回る現象で、進み無効電力を吸収する分路リアクトルの投入が有効である。よってこの記述が正しい。重負荷時の電圧低下は通常の電圧降下であってフェランチ効果ではない。地絡時の健全相電圧上昇は中性点接地方式の問題、電線表面からの放電はコロナであり、いずれも別の現象なので誤りである。

この問題のページ:フェランチ効果に関する記述として

46こう長40kmの66kV三相3線式送電線がある。1線当たりの作用静電容量が0.005μF/km、周波数が50Hzであるとき、1線当たりの充電電流[A]の値として最も近いものはどれか。ただしπ=3.14、√3=1.73とする。

  1. a7.2
  2. b2.4
  3. c1.4
  4. d4.1
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正解:b. 2.4

1線当たりの作用静電容量はC=0.005×40=0.2μF=0.2×10⁻⁶F。ω=2×3.14×50=314[rad/s]なのでωC=314×0.2×10⁻⁶=6.28×10⁻⁵[S]。充電電流は対地電圧(相電圧)E=66000/1.73≒38150Vに対して流れるので、I=6.28×10⁻⁵×38150≒2.4Aとなり2.4が正しい。4.1は相電圧ではなく線間電圧66000Vを用いた誤り、7.2はさらに√3倍した値、1.4は相電圧をさらに√3で割った値であり、いずれも誤りである。

この問題のページ:こう長40kmの66kV三相3線式送電線がある。1線当たり…

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