問1直流機の構造と原理に関する記述として、誤っているものはどれか。
- a電機子巻線に誘導される起電力は、極数に反比例し、1極当たりの磁束にも反比例する。
- b電機子鉄心には、渦電流損を低減するため表面を絶縁したけい素鋼板を積み重ねた成層鉄心が用いられる。
- c整流子とブラシは、電機子巻線に生じる交流起電力を外部回路に対して直流として取り出す働きをする。
- d界磁巻線に流す電流を大きくすると、磁気飽和を無視すれば主磁束は増加する。
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正解:a. 電機子巻線に誘導される起電力は、極数に反比例し、1極当たりの磁束にも反比例する。
直流機の誘導起電力は E = pZΦN/(60a) で表され、極数 p と 1 極当たりの磁束 Φ の両方に比例する。したがって、極数と磁束の双方に反比例するとした記述は式の関係を取り違えており誤りである。電機子鉄心を絶縁したけい素鋼板の成層構造とするのは渦電流損の低減が目的で正しく、整流子とブラシが電機子内部の交流起電力を外部で直流に整流する機械的整流器として働くことも正しい。また磁気飽和を無視すれば起磁力に比例して主磁束が増えるため、界磁電流の増加で磁束が増すという記述も正しい。
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問2極数 6、波巻の直流発電機がある。全導体数 300、1 極当たりの磁束 0.03 Wb、回転速度 1 200 min⁻¹ で運転しているとき、誘導起電力[V]の値として最も近いものはどれか。
- a540
- b1 080
- c270
- d180
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正解:a. 540
誘導起電力は E = pZΦN/(60a)。波巻の並列回路数は極数によらず a = 2 であるから、E = 6×300×0.03×1 200/(60×2) = 64 800/120 = 540 V となる。180 V は並列回路数を極数と同じ 6(重ね巻)と取り違えた場合の値、270 V は並列回路数を 4 とした場合の値、1 080 V は並列回路数を 1 とした場合の値であり、いずれも波巻の並列回路数 a = 2 を誤って扱ったもので正しくない。
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問3直流機の電機子反作用に関する記述として、正しいものはどれか。
- a直流発電機では、電機子反作用により電気的中性軸が回転方向へ移動する。
- b電機子反作用による起磁力の大きさは、負荷電流の大小に関係なくほぼ一定である。
- c電機子反作用は、主磁極が作る全磁束を常に増加させる作用をもつ。
- d直流電動機では、電機子反作用により電気的中性軸が回転方向へ移動する。
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正解:a. 直流発電機では、電機子反作用により電気的中性軸が回転方向へ移動する。
電機子電流が作る起磁力は主磁束と直交する交差磁化作用を生じ、磁束分布が偏る結果、電気的中性軸は発電機では回転方向へ、電動機では回転方向と逆向きへ移動する。したがって発電機で回転方向へ移動するという記述が正しい。電動機で回転方向へ移動するとした記述は向きが逆であり誤り。電機子反作用の起磁力は電機子電流に比例するので負荷電流に無関係とする記述も誤り。また磁極片の片側で磁束が増え反対側で減るが、増える側は磁気飽和のため増加分が抑えられるので全磁束はむしろ減少する傾向にあり、常に増加させるという記述も誤りである。
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問4直流機の補極および補償巻線に関する記述として、正しいものはどれか。
- a補償巻線は界磁巻線と直列に接続され、負荷電流の大小によらず一定の起磁力を生じる。
- b補償巻線は電機子鉄心のスロットに収められ、界磁巻線の起磁力を打ち消す働きをする。
- c補極の巻線は電機子巻線と並列に接続され、負荷電流の一部を分流する。
- d補極は、整流中のコイルに生じるリアクタンス電圧を打ち消す向きの起電力を誘起させ、整流を改善する。
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正解:d. 補極は、整流中のコイルに生じるリアクタンス電圧を打ち消す向きの起電力を誘起させ、整流を改善する。
補極は主磁極の中間に置かれ、その巻線を電機子巻線と直列に接続することで負荷電流に比例した磁束を作り、整流中のコイルに生じるリアクタンス電圧を打ち消す向きの起電力を誘起させて火花を抑える。したがってリアクタンス電圧を打ち消すとする記述が正しい。補償巻線も補極も電機子巻線と直列に接続して負荷電流に応じた起磁力を得るものなので、界磁巻線と直列で一定起磁力とする記述、電機子巻線と並列とする記述はいずれも誤り。また補償巻線は主磁極の磁極片に設けたスロットに収めて電機子起磁力を打ち消すものであり、電機子鉄心に収めて界磁起磁力を打ち消すという記述も誤りである。
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問5直流機の整流に関する記述として、正しいものはどれか。
- a不足整流(遅れ整流)では、ブラシの後端付近で火花を生じやすい。
- bブラシの接触抵抗が小さいほど、抵抗整流による整流改善の効果は大きくなる。
- c整流期間中にコイルに生じるリアクタンス電圧は、電流の反転を助け整流を良好にする。
- d整流曲線としては、直線整流よりも不足整流のほうが火花が少なく望ましい。
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正解:a. 不足整流(遅れ整流)では、ブラシの後端付近で火花を生じやすい。
整流の遅れによって整流終了直前に電流が急変する不足整流では、ブラシの後端(整流子片がブラシから離れる側)に電流が集中し火花を生じやすい。よってブラシ後端で火花を生じやすいとする記述が正しい。リアクタンス電圧は電流の反転を妨げて整流を遅らせる原因そのものであり、整流を助けるという記述は誤り。整流曲線は直線整流が理想であり、不足整流のほうが望ましいとする記述も誤り。抵抗整流はブラシの接触抵抗を利用して電流を分配する方法で、接触抵抗が大きいほど効果が大きいため、小さいほど効果が大きいとする記述も誤りである。
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問6直流分巻発電機の電圧確立に関する記述として、正しいものはどれか。
- a自励により電圧を確立するには、主磁極に残留磁気が存在することが必要である。
- b界磁巻線の接続の向きは、電圧が確立するかどうかには影響しない。
- c界磁回路の全抵抗が臨界界磁抵抗より大きいほど、確立する端子電圧は高くなる。
- d無負荷飽和曲線は原点を通る直線であり、界磁抵抗線との交点は常に一意に定まる。
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正解:a. 自励により電圧を確立するには、主磁極に残留磁気が存在することが必要である。
分巻発電機は残留磁気による小さな起電力が界磁電流を流し、それが磁束を増やして電圧を積み上げる自励作用で電圧を確立する。したがって残留磁気が必要とする記述が正しい。界磁回路の抵抗が臨界界磁抵抗を超えると界磁抵抗線が飽和曲線と原点付近でしか交わらず電圧が確立しないので、抵抗が大きいほど電圧が高くなるという記述は誤り。界磁巻線を逆に接続すると残留磁気を打ち消す向きに電流が流れ電圧が確立しなくなるため、接続の向きが無関係とする記述も誤り。無負荷飽和曲線は残留磁気のため原点を通らず、また磁気飽和により曲線となるので、原点を通る直線とする記述も誤りである。
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問7直流直巻電動機の特性に関する記述として、正しいものはどれか。
- a無負荷に近づくと回転速度が著しく低下し、やがて停止する。
- b界磁巻線は電機子巻線と並列に接続され、界磁電流は負荷によらずほぼ一定である。
- c磁気飽和しない範囲では、発生トルクは電機子電流の 2 乗に比例する。
- d負荷トルクが増加しても回転速度はほとんど変化せず、定速度電動機として扱われる。
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正解:c. 磁気飽和しない範囲では、発生トルクは電機子電流の 2 乗に比例する。
直巻電動機では界磁巻線が電機子と直列であるため磁束が電機子電流にほぼ比例し、T = KΦIa より T は電機子電流の 2 乗に比例する。よって 2 乗に比例するという記述が正しい。無負荷では電機子電流が小さくなり磁束も減るため回転速度が異常に上昇して危険であり、速度が低下して停止するという記述は誤り。界磁巻線が電機子と並列というのは分巻電動機の構成であり誤り。直巻電動機は負荷が増すと速度が大きく下がる直巻特性を示すので、定速度電動機とする記述も誤りである。
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問8端子電圧 210 V、電機子抵抗 0.5 Ω の直流分巻電動機がある。電機子電流が 20 A のとき回転速度は 1 200 min⁻¹ であった。界磁磁束が一定に保たれたまま電機子電流が 40 A になったときの回転速度[min⁻¹]の値として最も近いものはどれか。
- a600
- b1 200
- c1 260
- d1 140
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正解:d. 1 140
逆起電力は E = V − Ia·Ra で求める。Ia = 20 A のとき E₁ = 210 − 20×0.5 = 200 V、Ia = 40 A のとき E₂ = 210 − 40×0.5 = 190 V。磁束一定なら N ∝ E なので N₂ = 1 200×190/200 = 1 140 min⁻¹ となる。600 min⁻¹ は回転速度が電機子電流に反比例すると誤ったときの値、1 200 min⁻¹ は電機子抵抗降下の変化を無視して速度が変わらないとした値、1 260 min⁻¹ は逆起電力の比を 200/190 と逆にとった値であり、いずれも正しくない。
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問9端子電圧 200 V、電機子抵抗 0.25 Ω の直流電動機を始動するとき、始動電流を 50 A に制限するために電機子回路に直列に挿入すべき始動抵抗[Ω]の値として、正しいものはどれか。
- a0.25
- b4.00
- c4.25
- d3.75
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正解:d. 3.75
始動直後は回転していないため逆起電力が零であり、電機子回路には端子電圧がそのまま加わる。電流を 50 A に制限するのに必要な電機子回路の全抵抗は 200/50 = 4.00 Ω。このうち電機子巻線自体が 0.25 Ω をもつので、直列に挿入する始動抵抗は 4.00 − 0.25 = 3.75 Ω となる。4.00 Ω は電機子抵抗を差し引かずに全抵抗をそのまま答えた値、4.25 Ω は電機子抵抗を差し引くべきところを加えた値、0.25 Ω は電機子抵抗そのものであり、いずれも必要な始動抵抗ではない。
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問10直流電動機の始動に関する記述として、誤っているものはどれか。
- a始動時には界磁抵抗器の抵抗を最小にして磁束を最大にし、始動トルクを大きくする。
- b始動直後は逆起電力がほぼ零であるため、電機子回路に直列抵抗を挿入して電流を制限する。
- c始動抵抗は界磁巻線と直列に接続し、界磁電流を制限することによって始動電流を抑える。
- d回転速度の上昇に伴って始動抵抗を段階的に短絡し、最終的に零にする。
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正解:c. 始動抵抗は界磁巻線と直列に接続し、界磁電流を制限することによって始動電流を抑える。
始動抵抗は過大な始動電流が流れる電機子回路に直列に挿入するものであり、界磁巻線と直列に入れて界磁電流を制限するという記述は接続位置も働きも誤りである。むしろ始動時は界磁抵抗器を最小にして磁束を最大とし、T = KΦIa より大きな始動トルクを得るのが正しい扱いである。また始動直後は回転していないため逆起電力が零で、電機子抵抗が小さい直流機では過大電流が流れるので直列抵抗による制限が必要であり、速度上昇に伴い逆起電力が増えるため始動抵抗を順次短絡して零にするという記述も正しい。
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問11直流分巻電動機の速度制御に関する記述として、誤っているものはどれか。
- a界磁制御では、界磁電流を増加させるほど回転速度は高くなる。
- b電機子回路に直列抵抗を挿入する方法は、抵抗での損失により効率が低下する。
- c電機子電圧制御は磁束を一定に保ったまま電圧を変えるため、おおむね定トルクの制御となる。
- d界磁を弱めて基底速度より高い速度で運転する領域は、おおむね定出力の特性となる。
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正解:a. 界磁制御では、界磁電流を増加させるほど回転速度は高くなる。
回転速度は N = (V − Ia·Ra)/(KΦ) で表され磁束に反比例するため、界磁電流を増やして磁束を強めると速度は低くなる。したがって界磁電流を増やすほど速度が高くなるという記述は関係が逆で誤りである。電機子電圧制御は磁束が一定なのでトルク能力が変わらず定トルク制御となること、直列抵抗による制御は抵抗で電力を消費するため効率が悪いこと、界磁を弱めた高速域では磁束の減少に伴い許容トルクが下がり出力がほぼ一定となることは、いずれも正しい記述である。
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問12直流電動機の速度制御方式に関する記述として、正しいものはどれか。
- aワード・レオナード方式は速度制御範囲が零付近まで広げられず、始動時に電機子へ全電圧が加わるため大きな突入電流を伴う。
- bワード・レオナード方式は、電機子回路に可変抵抗器を直列に挿入し、その電圧降下を加減して電動機の速度を制御する方式である。
- c静止レオナード方式は、電動機と直流発電機を組み合わせた回転機セットにより可変直流電圧を得る方式であり、半導体素子は用いない。
- dワード・レオナード方式は、直流発電機の界磁を調整して発電電圧を変え、これを直流電動機の電機子に加えて速度を制御する方式である。
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正解:d. ワード・レオナード方式は、直流発電機の界磁を調整して発電電圧を変え、これを直流電動機の電機子に加えて速度を制御する方式である。
ワード・レオナード方式は、駆動用電動機で回した直流発電機の界磁電流を調整して発電電圧を連続的に変え、その電圧を主電動機の電機子に供給して速度を制御する方式である。よって発電機の界磁調整により電機子電圧を変えるという記述が正しい。可変抵抗器の挿入は抵抗制御であって別方式なので誤り。静止レオナード方式は回転機を用いずサイリスタ整流器などの静止形変換器で可変直流電圧を得る方式であり、回転機セットとする記述は誤り。ワード・レオナード方式は零から広範囲に滑らかな制御ができ、始動抵抗なしで低電圧から始動できるので突入電流が大きいという記述も誤りである。
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問13複巻直流機に関する記述として、誤っているものはどれか。
- a差動複巻電動機は、負荷の増加とともに磁束が増加するため回転速度が急激に低下する。
- b差動複巻発電機は、負荷電流の増加とともに端子電圧が大きく低下する垂下特性を示す。
- c和動複巻発電機は、負荷電流の増加に伴って直巻界磁の起磁力が分巻界磁を助けるため、端子電圧の低下を抑えることができる。
- d和動複巻電動機は、直巻界磁があるため始動トルクが大きく、分巻界磁があるため無負荷でも危険速度に達しない。
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正解:a. 差動複巻電動機は、負荷の増加とともに磁束が増加するため回転速度が急激に低下する。
差動複巻電動機では直巻界磁の起磁力が分巻界磁を打ち消す向きに働くため、負荷が増えるほど合成磁束は減少する。速度は磁束に反比例するので、速度はほぼ一定に保たれるか場合によっては上昇する。したがって磁束が増加して速度が急激に低下するという記述は誤りである。和動複巻発電機で直巻界磁が分巻界磁を助け電圧降下を補うこと、差動複巻発電機が垂下特性を示すこと、和動複巻電動機が大きな始動トルクをもちながら分巻界磁のおかげで無負荷でも危険な高速にならないことは、いずれも正しい。
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問14端子電圧 200 V の直流分巻発電機が負荷電流 48 A を供給している。分巻界磁回路の抵抗は 100 Ω、電機子巻線の抵抗は 0.1 Ω である。ブラシの電圧降下および電機子反作用を無視するとき、電機子の誘導起電力[V]の値として正しいものはどれか。
- a200
- b205
- c195
- d210
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正解:b. 205
分巻界磁電流は If = 200/100 = 2 A。分巻発電機では電機子電流が負荷電流と界磁電流の和になるので Ia = 48 + 2 = 50 A。発電機では誘導起電力から電機子抵抗降下を差し引いたものが端子電圧なので E = V + Ia·Ra = 200 + 50×0.1 = 205 V となる。195 V は電機子抵抗降下を差し引いた値で、電動機の関係を発電機に当てはめた誤り。200 V は電機子抵抗降下を無視した値、210 V は電機子抵抗を 0.2 Ω と取り違えた値であり、いずれも正しくない。
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問15端子電圧 200 V の直流分巻電動機が、電機子電流 45 A、界磁電流 5 A で運転している。電機子巻線の抵抗は 0.4 Ω、鉄損と機械損の合計は 400 W である。この電動機の効率[%]の値として最も近いものはどれか。
- a76.0
- b77.9
- c81.9
- d87.9
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正解:b. 77.9
入力は電源から流れ込む全電流で計算し、200×(45 + 5) = 10 000 W。電機子銅損は 45²×0.4 = 810 W、界磁銅損は 200×5 = 1 000 W、鉄損と機械損が 400 W なので損失合計は 2 210 W。出力は 10 000 − 2 210 = 7 790 W となり、効率は 7 790/10 000 = 77.9 % である。87.9 % は界磁銅損を計上し忘れた値、76.0 % は電機子電流を 50 A として銅損を過大に見積もった値、81.9 % は出力と入力を取り違えて 10 000/12 210 と計算した値であり、いずれも正しくない。
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問16直流機の損失に関する記述として、正しいものはどれか。
- a鉄心の渦電流損は、鉄心板を薄くするほど増加する。
- b風損や軸受の摩擦損は、回転速度に関係なく一定である電気的損失である。
- c電機子巻線の銅損は、電機子電流の 2 乗に比例する負荷損である。
- d分巻界磁巻線の銅損は、負荷電流の 2 乗に比例して増減する負荷損である。
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正解:c. 電機子巻線の銅損は、電機子電流の 2 乗に比例する負荷損である。
電機子巻線の銅損は Ia²·Ra で表され、負荷の増減に伴って電機子電流の 2 乗に比例して変化する負荷損(可変損)である。よってこの記述が正しい。分巻界磁巻線には端子電圧をその抵抗で割った電流が流れ、電圧一定なら負荷にかかわらずほぼ一定なので、負荷電流の 2 乗に比例するという記述は誤り。渦電流損は鉄心板厚の 2 乗に比例するため成層して薄くすれば減少し、薄くするほど増加するという記述も誤り。風損や摩擦損は機械損であって回転速度に依存して変化するので、電気的損失で一定とする記述も誤りである。
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問17直流機の効率が最大となる条件として、正しいものはどれか。
- a負荷が定格の 2 分の 1 になったとき。
- b負荷損が無負荷損の 2 倍になったとき。
- c無負荷損(固定損)と負荷損(可変損)が等しくなったとき。
- d常に定格全負荷で運転しているとき。
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正解:c. 無負荷損(固定損)と負荷損(可変損)が等しくなったとき。
効率を負荷率の関数として表すと、損失のうち負荷率によらない固定損と負荷率の 2 乗に比例する可変損の和を最小化する条件から、両者が等しいときに効率が最大になる。したがって固定損と負荷損が等しいときという記述が正しい。負荷損が固定損の 2 倍という条件はこの最大効率条件を満たさず誤り。最大効率となる負荷率は固定損と可変損の比によって機器ごとに異なるため、定格の 2 分の 1 で必ず最大になるとする記述も、全負荷で必ず最大になるとする記述も誤りである。
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問18直流機の電機子巻線に関する記述として、誤っているものはどれか。
- a重ね巻の並列回路数は極数に等しく、低電圧・大電流の機械に適する。
- b重ね巻では各並列回路の起電力に差が生じにくいため、均圧結線を設ける必要はない。
- c波巻の並列回路数は、極数によらず 2 である。
- d同じ導体数・同じ磁束・同じ回転速度であれば、波巻のほうが高い誘導起電力が得られる。
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正解:b. 重ね巻では各並列回路の起電力に差が生じにくいため、均圧結線を設ける必要はない。
重ね巻では並列回路が極ごとに分かれ、磁極間の磁束の不ぞろいによって各並列回路の起電力に差を生じ、循環電流が流れてブラシの火花の原因となる。これを防ぐために均圧結線(均圧環)を設けるのが一般的であり、必要がないとする記述は誤りである。波巻の並列回路数が極数によらず 2 であること、重ね巻の並列回路数が極数に等しく並列数が多いため低電圧・大電流機に適すること、同条件では並列回路数の少ない波巻のほうが E = pZΦN/(60a) の分母が小さく高い起電力が得られることは、いずれも正しい。
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問19直流分巻電動機の回転方向を反転させる方法として、正しいものはどれか。
- a電源に接続する 2 本の線を入れ替えて、電源の極性を逆にする。
- b電機子巻線と界磁巻線の両方の接続を同時に逆にする。
- c電機子巻線または界磁巻線のいずれか一方の接続だけを逆にする。
- d界磁抵抗器の抵抗値を最大から最小まで変化させる。
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正解:c. 電機子巻線または界磁巻線のいずれか一方の接続だけを逆にする。
直流電動機のトルクの向きは磁束の向きと電機子電流の向きの組合せで決まるため、いずれか一方だけを反転させれば回転方向が反転する。よって片方の接続だけを逆にするという記述が正しい。両方を同時に逆にすると磁束と電流の向きが同時に反転してトルクの向きは変わらないので誤り。分巻電動機で電源の極性を入れ替えると電機子電流と界磁電流の向きが同時に反転するため、これも回転方向は変わらず誤り。界磁抵抗器の調整は磁束の大きさを変えて速度を変えるだけで向きは変えられないので誤りである。
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問20定格出力 11 kW、定格回転速度 1 050 min⁻¹ の直流電動機がある。定格運転時の軸トルク[N·m]の値として最も近いものはどれか。
- a629
- b105
- c10.5
- d100
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正解:d. 100
角速度は ω = 2πN/60 = 2×3.14×1 050/60 ≒ 110 rad/s。トルクは T = P/ω = 11 000/110 ≒ 100 N·m となる。10.5 N·m は出力を回転速度[min⁻¹]でそのまま割った値で、角速度への換算をしていない誤り。105 N·m は回転速度を 1 000 min⁻¹ と概算した場合の値で、与えられた 1 050 min⁻¹ を用いていない。629 N·m は 2π を掛け忘れて 11 000×60/1 050 と計算した値であり、いずれも正しくない。
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問21直流発電機の外部特性に関する記述として、誤っているものはどれか。
- a分巻発電機の出力端子を短絡すると界磁電流も失われるため、短絡電流は比較的小さな値に落ち着く。
- b他励発電機は、負荷電流の増加に伴う電機子抵抗降下と電機子反作用によって端子電圧が緩やかに低下する。
- c直巻発電機は、無負荷では残留磁気による電圧しか得られず、負荷電流が増すにつれて端子電圧は単調に低下する。
- d分巻発電機は、端子電圧の低下が界磁電流の減少を招くため、他励発電機に比べて電圧降下が大きい。
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正解:c. 直巻発電機は、無負荷では残留磁気による電圧しか得られず、負荷電流が増すにつれて端子電圧は単調に低下する。
直巻発電機は界磁巻線が負荷と直列であるため、負荷電流が増えるほど磁束が増して誘導起電力が上昇し、磁気飽和に達するまで端子電圧はむしろ上昇する。したがって負荷電流の増加に伴い単調に低下するという記述は誤りである。他励発電機が電機子抵抗降下と電機子反作用によって緩やかに電圧を下げること、分巻発電機では電圧低下が界磁電流の減少を通じてさらに電圧を下げるため他励より降下が大きいこと、分巻発電機の短絡時には界磁電流が失われて残留磁気分の起電力しか残らず短絡電流が比較的小さくなることは、いずれも正しい。
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問22直流機の電機子反作用による影響に関する記述として、正しいものはどれか。
- a交差磁化作用は磁極片の片側で磁束を増し反対側で減らすが、磁気飽和があると 1 極当たりの全磁束は増加する。
- bブラシを移動後の電気的中性軸の位置に合わせると、電機子起磁力の一部が主磁束を弱める減磁作用として働く。
- c電機子反作用が生じても、電機子表面における磁束密度の分布は一様なまま変化しない。
- d電機子反作用によって中性軸が移動しても、ブラシ位置をそのままにしておけば火花の原因にはならない。
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正解:b. ブラシを移動後の電気的中性軸の位置に合わせると、電機子起磁力の一部が主磁束を弱める減磁作用として働く。
ブラシを移動後の電気的中性軸に合わせると、電機子起磁力は主磁束と直交する成分のほかに主磁極軸方向の成分をもち、この成分が主磁束を弱める減磁作用として働く。よってこの記述が正しい。交差磁化作用では磁束が増える側が磁気飽和のため増加分を伸ばせず、減る側の減少が上回るので全磁束は減少する傾向にあり、増加するという記述は誤り。電機子反作用の本質は磁束分布の偏りなので、分布が一様なまま変わらないという記述も誤り。中性軸がずれたままブラシを動かさなければ短絡コイルに起電力が誘起されて火花の原因となるので、その記述も誤りである。
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問23直流分巻電動機の特性に関する記述として、誤っているものはどれか。
- a運転中に界磁回路が断線すると磁束が急激に減少し、回転速度が異常に上昇するおそれがある。
- b磁束が一定であれば、発生トルクは電機子電流に比例する。
- c分巻電動機は負荷の変化に対する速度変動率が大きく、可変速度電動機に分類される。
- d端子電圧と界磁電流が一定のもとで負荷が増すと、電機子抵抗降下が増えるため回転速度はわずかに低下する。
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正解:c. 分巻電動機は負荷の変化に対する速度変動率が大きく、可変速度電動機に分類される。
分巻電動機は界磁が電源電圧で励磁されるため磁束がほぼ一定で、負荷が変わっても速度の変化は電機子抵抗降下による数 % 程度にとどまる。したがって速度変動率が大きい可変速度電動機とする記述は誤りで、実際には定速度電動機に分類される。負荷増加時に逆起電力が下がってわずかに減速すること、T = KΦIa より磁束一定なら電機子電流に比例したトルクを発生すること、界磁回路が断線すると磁束がほぼ残留磁気だけとなり N ∝ 1/Φ から速度が異常上昇して危険であることは、いずれも正しい記述である。
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問24端子電圧 100 V、電機子抵抗 0.1 Ω の他励直流電動機が、電機子電流 50 A、回転速度 1 000 min⁻¹ で運転している。負荷トルクを一定に保ったまま界磁磁束をもとの 80 % に弱めたときの回転速度[min⁻¹]の値として最も近いものはどれか。
- a1 230
- b1 000
- c1 250
- d800
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正解:a. 1 230
トルク T = KΦIa が一定で磁束が 0.8 倍になるので電機子電流は 50/0.8 = 62.5 A に増える。逆起電力は変化前が 100 − 50×0.1 = 95 V、変化後が 100 − 62.5×0.1 = 93.75 V。回転速度は N ∝ E/Φ なので N₂ = 1 000×(93.75/95)×(1/0.8) ≒ 1 230 min⁻¹ となる。1 250 min⁻¹ は電機子抵抗降下の増加による逆起電力の低下を無視し磁束比だけで求めた値、800 min⁻¹ は磁束比を逆に掛けた値、1 000 min⁻¹ は速度が変わらないとした値であり、いずれも正しくない。
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問25巻数比 a = N1/N2 = 20 の単相変圧器がある。二次巻線の抵抗が 0.03 Ω であるとき、これを一次側に換算した値として最も近いものはどれか。
- a0.000075 Ω
- b0.6 Ω
- c0.0015 Ω
- d12 Ω
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正解:d. 12 Ω
二次側の量を一次側へ換算するとき、インピーダンスは巻数比の2乗倍となる。r2' = a^2・r2 = 20^2 × 0.03 = 400 × 0.03 = 12 Ω である。0.6 Ω は巻数比を1乗しただけの値で換算則を誤っている。0.0015 Ω は巻数比で除した値、0.000075 Ω は巻数比の2乗で除した値であり、いずれも一次側から二次側へ換算する向きの操作になるため誤り。電圧は a 倍、電流は 1/a 倍で換算される点も併せて押さえたい。
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問26変圧器の励磁電流に関する記述として、誤っているものはどれか。
- a鉄損電流は印加電圧とほぼ同相の成分である。
- b励磁電流は鉄損電流と磁化電流とのベクトル和で表される。
- c励磁電流は正弦波であり、高調波成分をほとんど含まない。
- d磁化電流は主磁束をつくる成分で、印加電圧より約90°遅れる。
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正解:c. 励磁電流は正弦波であり、高調波成分をほとんど含まない。
励磁電流は鉄心の磁気飽和とヒステリシス特性のために大きくひずみ、特に第3調波を多く含むひずみ波となる。したがって正弦波で高調波をほとんど含まないとする記述は誤りである。励磁電流が鉄損電流と磁化電流のベクトル和であること、磁化電流が主磁束をつくり印加電圧より約90°遅れること、鉄損電流が印加電圧とほぼ同相であることはいずれも正しく、等価回路では励磁コンダクタンスとサセプタンスの並列回路で表される。
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問27定格二次電圧 6600 V の単相変圧器を全負荷から無負荷にしたところ、二次端子電圧が 6864 V になった。この変圧器の電圧変動率として最も近い値はどれか。
- a3.6 %
- b4.4 %
- c4.0 %
- d5.0 %
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正解:c. 4.0 %
電圧変動率は無負荷時二次電圧 V20 と定格二次電圧 V2n を用いて ε = (V20 − V2n)/V2n × 100 で定義される。(6864 − 6600)/6600 × 100 = 264/6600 × 100 = 4.0 % となる。3.6 % や 4.4 % は電圧差 264 V と対応しない値である。5.0 % は電圧差を 330 V とした場合の値であり与条件と一致しない。なお分母を無負荷電圧 6864 V にとるのは定義の誤りで、その場合は約 3.8 % となってしまう。
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問28鉄損が 1.0 kW、全負荷時の銅損が 4.0 kW である変圧器がある。効率が最大となる負荷率として正しいものはどれか。
- a50 %
- b71 %
- c80 %
- d25 %
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正解:a. 50 %
変圧器の効率は鉄損と銅損が等しくなる負荷で最大になる。負荷率を α とすると銅損は α^2 × 4.0 kW となり、これが負荷によらず一定の鉄損 1.0 kW に等しいので α^2 = 1.0/4.0 = 0.25、α = 0.5 すなわち 50 % である。25 % は損失比 0.25 をそのまま負荷率としたもの、71 % は √0.5 に相当し比の取り方が逆、80 % は根拠のない値である。銅損が負荷電流の2乗に比例することが計算の要点となる。
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問29単相変圧器を並行運転するための条件に関する記述として、誤っているものはどれか。
- a各変圧器の百分率インピーダンス降下が等しいこと。
- b各変圧器の極性が一致していること。
- c各変圧器の変圧比(巻数比)が等しいこと。
- d各変圧器の定格容量が互いに等しいこと。
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正解:d. 各変圧器の定格容量が互いに等しいこと。
並行運転に必要なのは、極性が一致していること、変圧比(巻数比)が等しいこと、百分率インピーダンス降下が等しいこと、巻線抵抗とリアクタンスの比が等しいことなどである。定格容量が等しいことは必要条件ではなく、容量が異なっていても百分率インピーダンスが等しければ各機は容量に比例して負荷を分担し支障なく運転できる。したがって容量が等しいことを条件とする記述が誤りである。
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問30三相変圧器の並行運転に関する記述として、誤っているものはどれか。
- aΔ-Δ結線の変圧器と Δ-Y 結線の変圧器は並行運転できる。
- b並行運転するには各変圧器の相回転(相順)が一致している必要がある。
- cΔ-Y 結線の変圧器と Y-Δ 結線の変圧器は並行運転できる。
- dΔ-Δ結線の変圧器と Y-Y 結線の変圧器は並行運転できる。
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正解:a. Δ-Δ結線の変圧器と Δ-Y 結線の変圧器は並行運転できる。
三相変圧器の並行運転では、相回転が一致することに加えて一次と二次の線間電圧の角変位(位相差)が一致していなければならない。Δ-Δ と Y-Y はともに角変位が 0° なので組み合わせられ、Δ-Y と Y-Δ はともに 30° なので組み合わせられる。これに対し Δ-Δ と Δ-Y は角変位が 0° と 30° で異なり、電圧差により大きな循環電流が流れるため並行運転できない。よってこの組合せを可能とする記述が誤りである。
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問31百分率インピーダンスが 4 %、定格電流が 50 A の変圧器において、定格電圧を加えた状態で二次側端子が短絡したときに流れる短絡電流として最も近い値はどれか。ただし電源側のインピーダンスは無視する。
- a625 A
- b2000 A
- c200 A
- d1250 A
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正解:d. 1250 A
短絡電流は Is = In × 100/%Z で求められる。したがって Is = 50 × 100/4 = 1250 A となる。200 A は定格電流を単に 4 倍した値で、百分率インピーダンスの意味を取り違えている。625 A は %Z を 8 % とした場合、2000 A は %Z を 2.5 % とした場合の値であり与条件と合わない。百分率インピーダンスが小さいほど短絡電流は大きくなるという関係を押さえておくとよい。
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問32基準容量 5 MVA において百分率インピーダンスが 6 % である変圧器がある。この値を基準容量 10 MVA に換算した百分率インピーダンスとして正しいものはどれか。
- a12 %
- b15 %
- c6 %
- d3 %
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正解:a. 12 %
百分率インピーダンスは基準容量に正比例して換算される。%Z' = 6 × (10/5) = 12 % となる。3 % は容量比を逆にとって 6 × (5/10) と計算した誤り、6 % は換算せずそのまま用いた誤り、15 % は根拠のない値である。%Z はインピーダンスを定格電流と定格電圧で正規化した量なので、基準容量を大きくとれば同じインピーダンスでも %Z の値は大きくなることを理解しておく。
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問33三相変圧器の Δ-Y 結線に関する記述として、誤っているものはどれか。
- a一次側の Δ 結線内を第3調波励磁電流が環流するため、電圧波形のひずみを抑えられる。
- b昇圧が容易であり、送電端の主変圧器などに広く用いられる。
- c二次側が Y 結線であるため中性点を接地することができる。
- d一次側の線間電圧と二次側の線間電圧との間には位相差が生じない。
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正解:d. 一次側の線間電圧と二次側の線間電圧との間には位相差が生じない。
Δ-Y 結線では一次側線間電圧と二次側線間電圧との間に 30° の角変位(位相差)が生じる。したがって位相差が生じないとする記述が誤りである。二次側が Y 結線であるため中性点を接地でき、線間電圧が相電圧の √3 倍となるので昇圧に適し送電端の主変圧器に用いられること、一次 Δ 内を第3調波励磁電流が環流して起電力のひずみを抑えられることは、いずれも Δ-Y 結線の正しい特徴である。
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問34定格容量 50 kVA の単相変圧器 2 台を V 結線して三相負荷に供給するとき、取り出せる三相出力として最も近い値はどれか。
- a86.6 kVA
- b57.7 kVA
- c100 kVA
- d50.0 kVA
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正解:a. 86.6 kVA
V 結線の三相出力は変圧器 1 台の容量の √3 倍であるから 50 × 1.732 ≒ 86.6 kVA となる。50.0 kVA は 1 台分の容量そのものである。100 kVA は 2 台の容量を単純に加えた値だが、V 結線では利用率が √3/2 ≒ 86.6 % に下がるため取り出せない。57.7 kVA は、同じ変圧器 3 台を Δ 結線したときの出力 150 kVA に対する V 結線出力の比率 57.7 % を容量と混同した値であり誤りである。
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問35単相変圧器 3 台を用いて Y-Δ 結線とし、一次側の線間電圧を 6600 V とした。各変圧器の巻数比が 30 であるとき、二次側の線間電圧として最も近い値はどれか。
- a127 V
- b73.3 V
- c381 V
- d220 V
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正解:a. 127 V
一次側は Y 結線なので相電圧は線間電圧の 1/√3 となり、6600/1.732 ≒ 3810 V である。1 台の巻数比が 30 なので二次側の相電圧は 3810/30 = 127 V。二次側は Δ 結線であるから線間電圧は相電圧に等しく 127 V となる。220 V は一次線間電圧をそのまま 30 で除した値で一次側の √3 を考慮していない。381 V は √3 を乗除逆に扱った値、73.3 V は二次側にも重ねて √3 を適用した誤りである。
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問36単巻変圧器を用いて 6000 V を 6600 V に昇圧し、負荷(線路)容量 660 kVA を供給している。この単巻変圧器の自己容量(固有容量)として最も近い値はどれか。
- a6.0 kVA
- b100 kVA
- c60 kVA
- d600 kVA
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正解:c. 60 kVA
単巻変圧器の自己容量は直列巻線の電圧と線路電流の積で求まる。線路電流は 660000/6600 = 100 A、直列巻線に加わる電圧は 6600 − 6000 = 600 V であるから、自己容量は 600 × 100 = 60 kVA となる。600 kVA は直列巻線電圧 600 V を容量の数値と取り違えた値、100 kVA は線路電流の値をそのまま容量とした誤り、6.0 kVA は桁を誤った値である。線路容量に比べ自己容量が小さくできることが単巻変圧器の利点である。
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問37単巻変圧器に関する記述として、誤っているものはどれか。
- a巻線の一部を一次と二次で共用するため、同じ線路容量の複巻変圧器より小形軽量にできる。
- b変圧比が 1 に近いほど自己容量が小さくなり経済的である。
- c百分率インピーダンスが小さくなるため、短絡電流が大きくなりやすい。
- d一次巻線と二次巻線が電気的に絶縁されているため、一次側の高電圧が二次側に及ぶことはない。
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正解:d. 一次巻線と二次巻線が電気的に絶縁されているため、一次側の高電圧が二次側に及ぶことはない。
単巻変圧器は一次巻線と二次巻線の一部(分路巻線)を共用する構造であり、一次側と二次側は電気的に絶縁されない。そのため一次側の高電圧が二次側に及ぶおそれがあり、絶縁されているとする記述が誤りである。巻線を共用することで自己容量が線路容量より小さくなり小形軽量・低損失にできること、変圧比が 1 に近いほど経済的であること、百分率インピーダンスが小さく短絡電流が大きくなりやすいことは、いずれも正しい特徴である。
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問38変圧器の鉄損に関する記述として、正しいものはどれか。
- a渦電流損は鉄心の積層板の厚さの 1 乗に比例し、板を薄くしても低減できない。
- b渦電流損は周波数の 1 乗に比例し、最大磁束密度や鉄心の抵抗率には関係しない。
- cヒステリシス損は鉄心材料の抵抗率に反比例し、周波数には関係しない。
- dヒステリシス損は周波数に比例し、最大磁束密度のおよそ 1.6 乗に比例する。
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正解:d. ヒステリシス損は周波数に比例し、最大磁束密度のおよそ 1.6 乗に比例する。
ヒステリシス損は周波数に比例し、最大磁束密度のおよそ 1.6 乗に比例する(スタインメッツの実験式)ので、この記述が正しい。渦電流損は積層板の厚さの 2 乗に比例するため厚さに比例するとするのは誤りであり、成層鉄心で薄板を用いるのはこのためである。また渦電流損は周波数と最大磁束密度の積の 2 乗に比例するので 1 乗比例ではない。抵抗率に反比例するのは渦電流損であり、ヒステリシス損ではない。
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問39変圧器の損失と効率に関する記述として、誤っているものはどれか。
- a鉄損は印加電圧と周波数で決まり、負荷の大小にはほとんど影響されない。
- b鉄損と銅損が等しくなる負荷のとき、効率が最大となる。
- c銅損は負荷電流に比例して増加する。
- d無負荷損の大部分は鉄損である。
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正解:c. 銅損は負荷電流に比例して増加する。
銅損は巻線抵抗による損失で P = I^2 R と表され、負荷電流の 2 乗に比例して増加する。したがって負荷電流に比例するとする記述が誤りである。鉄損が印加電圧と周波数で決まり負荷の大小にほとんど影響されないこと、無負荷損の大部分が鉄損であること、負荷によらない損失と負荷の 2 乗に比例する損失が等しくなる点すなわち鉄損=銅損で効率が最大になることは、いずれも正しい説明である。
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問40定格容量 22 kVA、6600/220 V の単相変圧器がある。一次側の定格電流として最も近い値はどれか。
- a3.33 A
- b100 A
- c5.77 A
- d30.0 A
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正解:a. 3.33 A
一次定格電流は定格容量を一次定格電圧で除して求める。22000/6600 ≒ 3.33 A である。100 A は二次定格電流 22000/220 の値であり一次側の値ではない。5.77 A や 30.0 A は単相回路であるにもかかわらず √3 を用いたり巻数比をそのまま電流としたりした誤りである。巻数比が 6600/220 = 30 であることから、電流比は 1/30 となり二次 100 A に対して一次 3.33 A となることとも一致する。
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問41変圧器の無負荷試験および短絡試験に関する記述として、誤っているものはどれか。
- a無負荷試験は一方の巻線に定格電圧を加え、他方を開放して行い、主として鉄損を測定する。
- b短絡試験は低圧側を短絡し、高圧側にインピーダンス電圧を加えて定格電流を流して行う。
- c短絡試験で測定される損失は、その大部分が鉄損である。
- d短絡試験で測定される電力をインピーダンスワットといい、全負荷銅損に相当する。
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正解:c. 短絡試験で測定される損失は、その大部分が鉄損である。
短絡試験では定格電流を流すのに必要な電圧(インピーダンス電圧)が定格電圧の数 % 程度と小さく、鉄心中の磁束もその程度に小さいため鉄損はほとんど発生しない。よって測定損失の大部分が鉄損とする記述が誤りである。無負荷試験で鉄損を測定すること、短絡試験を低圧側短絡・高圧側加圧で行うこと、そこで測定される電力をインピーダンスワットと呼び全負荷銅損に相当することは、いずれも正しい。
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問42定格一次電圧 6600 V、百分率インピーダンスが 5 % の変圧器において、一次側から見たインピーダンス電圧として正しいものはどれか。
- a660 V
- b132 V
- c330 V
- d1320 V
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正解:c. 330 V
インピーダンス電圧とは、二次側を短絡した状態で一次側に定格電流を流すのに必要な電圧であり、定格電圧に百分率インピーダンスを乗じた値になる。6600 × 0.05 = 330 V である。132 V は %Z を 2 % とした場合、660 V は 10 % とした場合、1320 V は 20 % とした場合に相当し、与えられた条件と一致しない。インピーダンス電圧は短絡試験で測定され、そのときの電力がインピーダンスワットである。
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問43百分率抵抗降下が 1.5 %、百分率リアクタンス降下が 3.5 % の変圧器を、力率 0.8(進み)で全負荷運転したときの電圧変動率として最も近い値はどれか。
- a−2.1 %
- b3.3 %
- c−0.9 %
- d0.9 %
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正解:c. −0.9 %
進み力率では電圧変動率の近似式は ε ≒ p・cosθ − q・sinθ となる。cosθ = 0.8 のとき sinθ = 0.6 だから ε = 1.5 × 0.8 − 3.5 × 0.6 = 1.2 − 2.1 = −0.9 % である。3.3 % は遅れ力率として両項を加えた 1.2 + 2.1 の値であり進み力率には当てはまらない。0.9 % は符号を誤った値、−2.1 % は百分率抵抗降下の項を落とした値である。進み力率では負荷時の二次電圧が無負荷時より高くなり、変動率が負になり得る。
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