ビル管理士空気環境の調整」一問一答(全38問)

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)の「空気環境の調整」分野の練習問題です。「答えと解説を見る」を開くと正解と解説を確認できます。資格試験ドリルの編集・運営設備資格ドリル編集部が作成。4択の演習モードで解きたい方はビル管理士のドリルへ。

1湿り空気に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. a絶対湿度は、湿り空気中の乾き空気1kgに対する水蒸気の質量で表す。
  2. b相対湿度は、ある湿り空気の水蒸気分圧と、同一温度における飽和水蒸気分圧との比である。
  3. c露点温度は、湿り空気を冷却していったとき、含まれる水蒸気が凝縮し始める温度である。
  4. d乾球温度を一定に保ったまま絶対湿度を上昇させると、露点温度は低下する。
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正解:d. 乾球温度を一定に保ったまま絶対湿度を上昇させると、露点温度は低下する。

誤りは4。絶対湿度(水蒸気量)が増えれば水蒸気分圧が高まり、凝縮を始める露点温度は上昇する(低下ではない)。1は絶対湿度、2は相対湿度、3は露点の正しい定義。

2建築物における衛生的環境の確保に関する法律(建築物衛生法)に基づく空気環境の管理基準として、誤っているものはどれか。

  1. a二酸化炭素の含有率は、1000ppm(100万分の1000)以下とする。
  2. b一酸化炭素の含有率は、6ppm(100万分の6)以下とする。
  3. c気流は、0.5m/s以下とする。
  4. d相対湿度は、30%以上70%以下とする。
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正解:d. 相対湿度は、30%以上70%以下とする。

誤りは4。管理基準の相対湿度は40%以上70%以下(30%以上ではない)。1のCO2は1000ppm以下、2のCOは令和4年改正で6ppm以下、3の気流0.5m/s以下はいずれも正しい。

3機械換気方式に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. a第1種機械換気は、給気・排気ともに送風機を用いる方式である。
  2. b第2種機械換気は、給気に送風機を用い、室内を正圧に保つ方式である。
  3. c第3種機械換気は、排気に送風機を用い、室内を負圧に保つ方式である。
  4. d第2種機械換気は室内が負圧になるため、便所や厨房などの汚染室に適する。
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正解:d. 第2種機械換気は室内が負圧になるため、便所や厨房などの汚染室に適する。

誤りは4。第2種は給気機のみで室内を正圧に保つため、清浄を要する室(手術室等)に適する。負圧にして汚染質の流出を防ぐ便所・厨房には第3種が適する。1〜3は各方式の正しい説明。

4室内の二酸化炭素許容濃度を1000ppm、外気の二酸化炭素濃度を400ppm、在室者1人当たりの二酸化炭素発生量を0.02m³/hとするとき、在室者1人当たりの必要換気量として最も近い値はどれか。

  1. a約20m³/h
  2. b約33m³/h
  3. c約50m³/h
  4. d約100m³/h
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正解:b. 約33m³/h

必要換気量 Q=CO2発生量/(室内許容濃度−外気濃度)=0.02/(0.001−0.0004)=0.02/0.0006≒33m³/h。1000ppm=0.001、400ppm=0.0004として計算する。よって約33m³/hが正しい。

5空気調和方式に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. a定風量単一ダクト方式(CAV)は、送風量を一定とし、給気温度を変化させて負荷に対応する。
  2. b変風量単一ダクト方式(VAV)は、給気温度を一定とし、送風量を変化させて負荷に対応する。
  3. cファンコイルユニット方式は、各室に設置したユニットにより個別制御が可能である。
  4. d変風量単一ダクト方式(VAV)は、定風量単一ダクト方式に比べて搬送動力が増大する。
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正解:d. 変風量単一ダクト方式(VAV)は、定風量単一ダクト方式に比べて搬送動力が増大する。

誤りは4。VAVは負荷に応じて送風量を絞れるため、常に定風量のCAVに比べて搬送動力(ファン動力)は減少し省エネとなる。1・2は両方式の制御の違い、3はFCUの特徴で正しい。

6熱源機器および冷却塔に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. a開放型冷却塔は、冷却水を大気に直接接触させ、水の蒸発潜熱により冷却する。
  2. b吸収冷凍機は、冷媒に水、吸収剤に臭化リチウム溶液を用いるものが一般的である。
  3. c冷却塔はレジオネラ属菌が繁殖しやすいため、定期的な清掃と水質管理が必要である。
  4. d遠心冷凍機(ターボ冷凍機)は圧縮機をもたず、加熱により冷媒を循環させて冷凍作用を得る。
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正解:d. 遠心冷凍機(ターボ冷凍機)は圧縮機をもたず、加熱により冷媒を循環させて冷凍作用を得る。

誤りは4。遠心冷凍機は遠心式圧縮機で冷媒を圧縮する蒸気圧縮式である。加熱源で冷媒(水)を循環させ圧縮機をもたないのは吸収冷凍機。1・2・3は正しい。

7送風機およびポンプに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. a送風機の回転数を2倍にすると、風量は2倍、静圧は4倍、軸動力は8倍になる。
  2. b遠心送風機は、軸流送風機に比べて高い静圧を得やすい。
  3. cポンプの実揚程は、吸込み側と吐出し側の水面の高低差に相当する。
  4. d送風機の特性曲線とダクト系の抵抗曲線との交点を、サージングという。
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正解:d. 送風機の特性曲線とダクト系の抵抗曲線との交点を、サージングという。

誤りは4。両曲線の交点は運転点(動作点)であり、そこで実際の風量・静圧が決まる。サージングは送風機が不安定になり脈動を生じる現象で別物。1は相似則、2は遠心/軸流の特性、3は実揚程の説明で正しい。

8エアフィルタ・空気清浄装置に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. aHEPAフィルタは、定格風量で粒径0.3μmの粒子に対し99.97%以上の捕集効率をもつ。
  2. b電気集じん器は、高電圧で粒子を帯電させ、静電気力によって捕集する方式である。
  3. cろ過式エアフィルタの圧力損失は、粉じんの捕集(目詰まり)が進むにつれて低下する。
  4. dエアフィルタの性能は、粒子捕集率・圧力損失・粉じん保持容量などで評価する。
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正解:c. ろ過式エアフィルタの圧力損失は、粉じんの捕集(目詰まり)が進むにつれて低下する。

誤りは3。ろ過式はダストを捕集して目詰まりが進むほど通気抵抗が増し、圧力損失は上昇する(低下ではない)。この上昇が更新の目安となる。1のHEPA定義、2の電気集じん器の原理、4の評価項目は正しい。

9湿り空気に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. a絶対湿度が一定のまま乾球温度を上昇させると、相対湿度は低下する。
  2. b乾球温度が一定のまま相対湿度が高くなると、露点温度は高くなる。
  3. c相対湿度が100%のとき、乾球温度・湿球温度・露点温度は一致する。
  4. d露点温度とは、湿り空気を加熱していったときに飽和に達する温度をいう。
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正解:d. 露点温度とは、湿り空気を加熱していったときに飽和に達する温度をいう。

正解は「露点温度=加熱で飽和」とする選択肢。露点温度は湿り空気を絶対湿度一定のまま「冷却」していき、飽和(相対湿度100%)に達する温度であって、加熱ではない。加熱すると相対湿度は下がり飽和から遠ざかる。選択肢0は正しい(飽和水蒸気圧が温度上昇で増えるため、水蒸気量一定なら相対湿度は下がる)。選択肢1も正しい(乾球一定で相対湿度が上がる=水蒸気量が増える=露点は上がる)。選択肢2も正しい(飽和状態では三者が一致する)。

10送風機の回転速度を変化させたときの特性に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。

  1. a風量は回転速度の2乗に比例する。
  2. b全圧は回転速度の2乗に比例する。
  3. c軸動力は回転速度の2乗に比例する。
  4. d全圧は回転速度に反比例する。
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正解:b. 全圧は回転速度の2乗に比例する。

送風機の相似則(比例法則)では、回転速度Nに対し、風量∝N(1乗)、全圧(圧力)∝N²(2乗)、軸動力∝N³(3乗)。したがって「全圧は回転速度の2乗に比例」が正しい。選択肢0は風量が1乗比例なので誤り。選択肢2は軸動力が3乗比例なので誤り。選択肢3は全圧が2乗に比例(反比例ではない)なので誤り。ポンプにも同じ相似則が成り立つ。

11冷凍機に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. a吸収冷凍機は、冷媒に水を、吸収液に臭化リチウム溶液を用いるものが一般的である。
  2. b遠心(ターボ)冷凍機は大容量に適するが、軽負荷時にサージングを生じやすい点に注意を要する。
  3. c吸収冷凍機は圧縮機を備え、その駆動に多量の電力を消費する。
  4. d容積圧縮式冷凍機には、往復動式・スクリュー式・スクロール式などがある。
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正解:c. 吸収冷凍機は圧縮機を備え、その駆動に多量の電力を消費する。

正解は吸収冷凍機に「圧縮機を備え多量の電力を消費」とする選択肢。吸収冷凍機は圧縮機を持たず、蒸気やガス燃焼などの加熱源で冷媒(水)を再生・循環させる方式で、消費電力は主に溶液ポンプ等に限られ小さい。電力より熱源(加熱エネルギー)を主に使う点が蒸気圧縮式との違い。選択肢0は正しい(冷媒=水、吸収液=臭化リチウム)。選択肢1も正しい(ターボは大容量向き・軽負荷でサージング注意)。選択肢3も正しい(容積式の代表例)。

12エアフィルタに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. aHEPAフィルタは、定格風量で粒径0.3μmの粒子に対し99.97%以上の粒子捕集率をもつものをいう。
  2. b電気集じん器は、高電圧で粉じんを荷電し、静電気力によって捕集する方式である。
  3. cろ過式エアフィルタの圧力損失は、粉じん保持量が増えるほど小さくなる。
  4. d計数法(粒径別捕集率で評価する試験)は、比較的高性能のフィルタの性能評価に用いられる。
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正解:c. ろ過式エアフィルタの圧力損失は、粉じん保持量が増えるほど小さくなる。

正解は「粉じんが溜まるほど圧力損失が小さくなる」とする選択肢。ろ材に粉じんが堆積すると通気抵抗が増すため、圧力損失は増大する。所定の最終圧力損失に達した時点が交換・清掃の目安となる。選択肢0は正しい(HEPAの定義:0.3μmで99.97%以上)。選択肢1も正しい(電気集じんの原理)。選択肢3も正しい(計数法は高性能フィルタの評価に用いる;粗いフィルタは質量法など)。

13在室者1人当たりの二酸化炭素発生量を0.018 m³/h、室内CO2許容濃度を0.10%、外気CO2濃度を0.04%とするとき、在室者1人当たりに必要な換気量として最も近い値はどれか。

  1. a18 m³/h
  2. b30 m³/h
  3. c45 m³/h
  4. d60 m³/h
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正解:b. 30 m³/h

必要換気量Q=発生量M÷(室内許容濃度Ci−外気濃度Co)で求める。濃度は割合に直すとCi=0.10%=0.0010、Co=0.04%=0.0004。差は0.0010−0.0004=0.0006。よってQ=0.018÷0.0006=30 m³/h。18は分母に外気濃度を引き忘れ(0.018÷0.0010=18)、45・60は濃度差の取り違えによる誤り。1人当たり約30 m³/hは在室者主体の必要換気量の目安とも整合する。

14空気調和設備の自動制御(フィードバック制御)に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. a比例動作(P動作)のみでは、制御量と目標値との間にオフセット(定常偏差)が残る。
  2. b積分動作(I動作)を加えると、オフセットを取り除くことができる。
  3. c二位置制御(オンオフ制御)は操作量が2値をとるため、制御量にハンチングを生じやすい。
  4. d微分動作(D動作)は、偏差の大きさそのものに比例して操作量を決める動作である。
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正解:d. 微分動作(D動作)は、偏差の大きさそのものに比例して操作量を決める動作である。

正解は微分動作の説明が誤っている選択肢。D動作(微分動作)は偏差の「変化速度(変化率)」に比例して操作量を加える動作で、応答を速め行き過ぎを抑える。偏差の大きさそのものに比例するのはP動作(比例動作)である。選択肢0は正しい(P動作単独ではオフセットが残る)。選択肢1も正しい(I動作でオフセットを除去)。選択肢2も正しい(オンオフ制御はハンチングを生じやすい)。

15冷凍サイクルの成績係数(COP)に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. aCOPは値が大きいほど、投入エネルギーに対する熱移動効率が良い
  2. bCOPは圧縮機の消費動力を冷凍能力で除して求める
  3. c同一運転条件では、ヒートポンプの暖房COPは冷房COPより小さくなる
  4. dCOPが1を超えることは原理的にありえない
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正解:a. COPは値が大きいほど、投入エネルギーに対する熱移動効率が良い

正解=0。COP(成績係数)は「得られる熱量(冷凍能力または加熱能力)÷投入した圧縮機動力」で、無次元。値が大きいほど少ない動力で多くの熱を移動でき効率が良い。1は分母分子が逆(正しくは冷凍能力÷消費動力)で誤り。2は逆で、暖房COP=冷房COP+1の関係により暖房COPの方が大きいので誤り。3はヒートポンプでは移動する熱に動力分が上乗せされCOPは通常1を大きく超えるため誤り。

16加湿方式に関する記述として、最も適当なものはどれか。

  1. a蒸気加湿は、加湿にともなう空気の乾球温度の低下がほとんどない
  2. b気化(水気化)式加湿は、蒸発潜熱を外部ヒーターから空気に供給して加湿する
  3. c水噴霧式加湿では、加湿にともなって空気の乾球温度が上昇する
  4. d蒸気加湿は水を沸騰させないので、他方式より微生物汚染の危険が大きい
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正解:a. 蒸気加湿は、加湿にともなう空気の乾球温度の低下がほとんどない

正解=0。蒸気加湿は水蒸気そのものを空気に混合するため、蒸発潜熱を空気から奪わず乾球温度はほぼ変化しない(むしろわずかに上昇)。1は誤りで、気化式・水噴霧式は水が蒸発する際に蒸発潜熱を空気自身から奪う(断熱・等エンタルピー的変化)ため乾球温度は低下する。よって2も温度上昇としており誤り(実際は低下)。4は逆で、蒸気加湿は水を加熱するため微生物汚染リスクが小さく、気化・水噴霧式のほうが汚染管理が重要となるため誤り。

17全熱交換器に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. a排気と外気との間で、顕熱(温度)と潜熱(湿度)の両方を回収する
  2. b顕熱のみを交換し、潜熱(水分)は交換しない
  3. c給気と排気を直接混合することで熱と水分を回収する
  4. d構造上、夏季の冷房時にのみ有効で冬季暖房時には利用できない
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正解:a. 排気と外気との間で、顕熱(温度)と潜熱(湿度)の両方を回収する

正解=0。全熱交換器は、透湿性のある素子(回転式または静止式)を介して排気と導入外気の間で顕熱(温度差)と潜熱(水分)の双方を交換し、外気負荷を軽減する。1は顕熱のみを交換する『顕熱交換器』の説明であり、全熱交換器としては誤り。3は排気と給気を混じり合わせず素子越しに熱・水分を移動させるのが特徴なので『直接混合』は誤り。4は夏季(高温多湿の外気を冷やし除湿方向に回収)も冬季(低温乾燥の外気を暖め加湿方向に回収)も有効なので誤り。

18ダクトの圧力損失に関する記述として、最も適当なものはどれか。

  1. a直管部の摩擦による圧力損失は、風速のほぼ2乗に比例して増加する
  2. bダクト内の圧力損失は、通過する風量に反比例して減少する
  3. c曲がり(エルボ)や分岐部では、局部の圧力損失は生じない
  4. d同一風量のまま断面積を大きくすると、単位長さあたりの摩擦損失は増加する
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正解:a. 直管部の摩擦による圧力損失は、風速のほぼ2乗に比例して増加する

正解=0。直管の摩擦圧力損失ΔPは ΔP=λ(l/d)(ρv²/2) で表され、風速vのほぼ2乗に比例して増える。1は風量が増えれば風速が上がり損失も増えるため『反比例』は誤り。2の曲がり・分岐・拡大縮小などでは局部抵抗による圧力損失が別途生じるため『生じない』は誤り。3は断面積を大きくすると同一風量なら風速が下がり、摩擦損失はむしろ減少するため『増加』は誤り。

19浮遊粉じんの測定に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. a光散乱式粉じん計は、質量濃度を測る標準的方法により較正して用いる必要がある
  2. b相対沈降法(質量濃度法)は、粒子による散乱光の強度から濃度を求める方式である
  3. c光散乱式粉じん計は、捕集した粒子の質量を直接秤量して濃度を求める
  4. d建築物の空気環境測定では、質量濃度法のみが認められ光散乱式は使用できない
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正解:a. 光散乱式粉じん計は、質量濃度を測る標準的方法により較正して用いる必要がある

正解=0。光散乱式(デジタル)粉じん計は粒子による散乱光量から相対濃度を得る相対濃度計であり、あらかじめ質量濃度を測定する標準的方法により較正して質量濃度に換算して用いる。1は散乱光を用いるのは光散乱式であって相対沈降法(質量法)ではないため誤り。2は光散乱式は質量を直接秤量せず散乱光で測るため誤り(質量を直接測るのは重量法)。3は建築物の空気環境測定では、較正された光散乱式粉じん計の使用が実務上認められているため『使用できない』は誤り。

20空調負荷における顕熱負荷と潜熱負荷に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  1. a照明器具からの発熱は、潜熱負荷として扱う
  2. b外気やすき間風(隙間風)の導入による負荷は、顕熱負荷と潜熱負荷の両方を含む
  3. c窓ガラスを透過する日射による負荷は、潜熱負荷である
  4. d室内の人体からの発熱は、顕熱負荷のみである
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正解:b. 外気やすき間風(隙間風)の導入による負荷は、顕熱負荷と潜熱負荷の両方を含む

正解は「外気・すき間風による負荷は顕熱・潜熱の両方を含む」。外気は室内と温度が異なるため顕熱負荷を、湿度(絶対湿度)が異なるため潜熱負荷を生じ、両方を含む。誤りの選択肢: 照明器具の発熱は温度上昇のみをもたらすため顕熱負荷(潜熱ではない)。日射の透過負荷も室温を上げる顕熱負荷であり潜熱ではない。人体からの発熱は輻射・対流による顕熱と、発汗・呼気の水分による潜熱の両方を含み、顕熱のみではない。

21送風機の相似則(比例法則)によれば、送風系の抵抗曲線が変わらない条件で回転数を1.2倍にしたとき、軸動力はおよそ何倍になるか。最も近いものはどれか。

  1. a約1.2倍
  2. b約1.44倍
  3. c約1.73倍
  4. d約2.07倍
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正解:c. 約1.73倍

正解は約1.73倍。送風機の相似則では、風量は回転数に比例(1乗)、圧力は回転数の2乗、軸動力は回転数の3乗に比例する。よって軸動力比は1.2^3=1.728≒1.73倍。誤り: 1.2倍は風量の変化率(1乗)、1.44倍は圧力の変化率(1.2^2=1.44、2乗)であり軸動力ではない。2.07倍は4乗相当で相似則に該当しない。

22ポンプのキャビテーションに関する記述のうち、正しいものはどれか。

  1. aキャビテーションは、吸込側の圧力が水の飽和蒸気圧より高くなったときに発生する
  2. bキャビテーションを防止するには、有効NPSH(利用可能な吸込ヘッド)を必要NPSHより大きくする
  3. cキャビテーションが発生すると、ポンプの揚程および効率は上昇する
  4. d吸込揚程(吸上げ高さ)を大きくするほど、キャビテーションは発生しにくくなる
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正解:b. キャビテーションを防止するには、有効NPSH(利用可能な吸込ヘッド)を必要NPSHより大きくする

正解は「有効NPSH>必要NPSHとすればキャビテーションを防止できる」。有効NPSH(available)が必要NPSH(required)を上回っていれば局部的な圧力低下でも蒸気圧に達せず気泡が生じない。誤り: キャビテーションは吸込側圧力が飽和蒸気圧より低くなったときに発生する(高くなったときではない)。発生すると気泡の崩壊により揚程・効率は低下し、騒音・振動・壊食を伴う(上昇ではない)。吸込揚程を大きくすると吸込側圧力が下がり、むしろ発生しやすくなる。

23室内の許容二酸化炭素濃度を1000ppm、外気の二酸化炭素濃度を400ppm、在室者1人あたりのCO2発生量を0.02 m3/h とするとき、在室者1人あたりに必要な換気量として最も近いものはどれか。

  1. a約20 m3/(h・人)
  2. b約33 m3/(h・人)
  3. c約50 m3/(h・人)
  4. d約100 m3/(h・人)
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正解:b. 約33 m3/(h・人)

正解は約33 m3/(h・人)。必要換気量 Q = CO2発生量 M ÷ (室内許容濃度 Ci − 外気濃度 Co)。濃度を体積比に直すと Ci=1000ppm=0.001、Co=400ppm=0.0004。Q = 0.02 ÷ (0.001−0.0004) = 0.02 ÷ 0.0006 ≒ 33.3 m3/(h・人)。誤り: 約20は分母を0.001(外気を差し引かない)とした場合の誤計算、約50・約100は発生量や濃度差の取り違えで一致しない。

24室内気流とドラフト(不快な局部気流)に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  1. aドラフトとは在室者が感じる不快な局部気流をいい、コールドドラフトは冷やされた空気の下降流によって生じる
  2. b冬季、窓ガラス面付近では、暖められた空気が下降してコールドドラフトが生じる
  3. c居住域の気流速度は、速いほど在室者の快適性が高まる
  4. d予想不満足者率(PD)は、ドラフトの評価とは無関係である
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正解:a. ドラフトとは在室者が感じる不快な局部気流をいい、コールドドラフトは冷やされた空気の下降流によって生じる

正解は「ドラフト=不快な局部気流で、コールドドラフトは冷やされた空気の下降流による」。冬季に冷たい窓面で空気が冷やされて重くなり、下降して足元に流れ込むのがコールドドラフト。誤り: 窓面付近では暖気ではなく冷やされた空気が下降する(暖気は上昇する)ので2番は逆。気流速度は速すぎると冷感・不快感を招き快適性が低下するため「速いほど快適」は誤り(一般に居住域はおおむね0.5 m/s以下が目安)。PDはドラフトによる不満足者の割合を表す指標であり、無関係ではない。

25建築物衛生法(建築物における衛生的環境の確保に関する法律)の施行規則に基づく、空気調和設備の冷却塔及び冷却水の水管の清掃頻度として、正しいものはどれか。

  1. a1年以内ごとに1回、定期に行う
  2. b3年以内ごとに1回、定期に行えばよい
  3. c5年以内ごとに1回、定期に行えばよい
  4. d建築物衛生法には清掃頻度の定めはない
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正解:a. 1年以内ごとに1回、定期に行う

正解=0。施行規則第3条の18で、冷却塔・冷却水の水管及び加湿装置の清掃は、それぞれ1年以内ごとに1回、定期に行うと定められている。1・2は頻度が長すぎて誤り。3は明確に法令で義務づけられており誤り。清掃(1年以内ごと)と汚れの点検(1月以内ごと)は頻度が異なる点に注意。

26建築物衛生法施行規則に基づく、空気調和設備の冷却塔・冷却水及び加湿装置の「汚れの状況の点検」の頻度として、正しいものはどれか。

  1. a使用開始時及び使用開始後、1月以内ごとに1回、定期に点検する
  2. b2月以内ごとに1回、定期に点検する
  3. c6月以内ごとに1回、定期に点検する
  4. d1年以内ごとに1回、定期に点検する
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正解:a. 使用開始時及び使用開始後、1月以内ごとに1回、定期に点検する

正解=0。冷却塔・冷却水・加湿装置・排水受け(ドレンパン)の汚れ及び閉塞の状況の点検は、使用開始時及び使用開始後1月以内ごとに1回、定期に行い、必要に応じて清掃・換水を行う。1(2月以内ごと)は空気環境の測定頻度であり点検頻度ではないためひっかけで誤り。3は飲料水の水質検査等の頻度、4は清掃の頻度であり、いずれも汚れの点検頻度としては誤り。

27レジオネラ属菌に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. aレジオネラ属菌は、おおむね20〜50℃の水温で増殖しやすい
  2. b感染は主として、菌を含むエアロゾル(微小な水滴)を吸入することによって起こる
  3. c冷却塔の冷却水や加湿装置の水は、レジオネラ属菌の感染源となりうる
  4. dレジオネラ症は、感染者から周囲の人へ次々に伝染する(ヒトからヒトへ感染する)
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正解:d. レジオネラ症は、感染者から周囲の人へ次々に伝染する(ヒトからヒトへ感染する)

正解(誤り)=3。レジオネラ症はヒトからヒトへは感染せず、汚染された水由来のエアロゾルの吸入(気道感染)によって発症するため3は誤り。0はレジオネラは20〜50℃(特に36℃前後)で増殖しやすく正しい。1は感染経路として正しい。2は冷却塔水・加湿器・給湯・循環式浴槽などが感染源となり正しい。

28HEPAフィルタに関する記述として、正しいものはどれか。

  1. a定格風量で、粒径0.3μmの粒子に対し99.97%以上の捕集効率をもつ
  2. b粒径10μm以上の粗大粒子のみを対象とする粗じん用フィルタである
  3. c捕集効率は質量法(重量法)で表示するのが一般的である
  4. d主に外気取入口の粗じん除去用プレフィルタとして単独で用いる
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正解:a. 定格風量で、粒径0.3μmの粒子に対し99.97%以上の捕集効率をもつ

正解=0。HEPAフィルタは定格風量で粒径0.3μmの粒子に対し99.97%以上の捕集効率をもつ高性能フィルタである。1は粗じん用ではなく微粒子用なので誤り。2は高性能フィルタの効率は計数法(粒子計数法)で評価するのが一般的で、質量法は粗じん用に用いるため誤り。3はHEPAはクリーンルーム等の最終段に用い、目詰まり防止のため前段にプレフィルタを置くのが通常で、単独プレフィルタ用途は誤り。

29エアフィルタの捕集効率の測定法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. a質量法(重量法)は、比較的粗い粒子を捕集する粗じん用フィルタの評価に用いられる
  2. b計数法(粒子計数法)は、HEPAフィルタなど高性能フィルタの評価に用いられる
  3. c比色法(変色度法)は、中性能フィルタの評価に用いられる
  4. d高性能(HEPA)フィルタの捕集効率評価には、質量法(重量法)を用いるのが最も適切である
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正解:d. 高性能(HEPA)フィルタの捕集効率評価には、質量法(重量法)を用いるのが最も適切である

正解(不適当)=3。高性能フィルタは捕集する質量がごくわずかで質量法では評価できず、微粒子を数える計数法(粒子計数法)を用いるため3は誤り。0は質量法が粗じん用フィルタ向けで正しい。1は計数法が高性能フィルタ向けで正しい。2は比色法(変色度法)が中性能フィルタ向けで正しい。捕集効率が高いほど計数法側を用いる。

30エアフィルタ(空気清浄装置)の種類と捕集の仕組みに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. aろ過式(ろ材形)フィルタは、さえぎり・慣性衝突・拡散などの作用で粒子を捕集する
  2. b静電式(電気集じん器)は、高圧電界で粒子を荷電させて捕集し、圧力損失が比較的小さい
  3. c自動巻取形フィルタは、ろ材を巻き取って更新することで長期間の連続使用ができる
  4. d静電式空気清浄装置はオゾンを全く発生せず、集じん効率は粉じんの堆積とともに向上し続ける
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正解:d. 静電式空気清浄装置はオゾンを全く発生せず、集じん効率は粉じんの堆積とともに向上し続ける

正解(不適当)=3。静電式は放電に伴いオゾンを発生することがあり、また堆積した粉じんの再飛散や電極の汚れで集じん効率は低下しうるため『オゾンを全く発生せず効率が向上し続ける』は誤り。0はろ過式の捕集機構として正しい。1は静電式が荷電捕集で圧力損失が小さいのは正しい。2は自動巻取形の特徴として正しい。

31室内気流の測定に関する記述として、最も適当なものはどれか。

  1. a室内の微風速(おおむね0.5m/s以下)の測定には、熱線風速計(熱式風速計)が適している
  2. bダクト内の高速気流測定に用いるピトー管は、室内の微風速測定に最も適する
  3. cベーン(風車)式風速計は、微風速ほど精度よく測定できる
  4. d建築物衛生法では、居室の気流は1.0m/s以下に管理することとされている
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正解:a. 室内の微風速(おおむね0.5m/s以下)の測定には、熱線風速計(熱式風速計)が適している

正解=0。低風速(微風速)の室内気流測定には、応答性のよい熱線風速計(熱式・サーミスタ式)が適する。1はピトー管は動圧が小さい微風速では精度が出ず高速ダクト向けなので誤り。2はベーン(風車)式は羽根車の慣性のため微風速では回転せず不向きで誤り。3は建築物衛生法の気流基準は0.5m/s以下であり1.0m/sは誤り(ひっかけ)。

32空気調和設備の保守における排水受け(ドレンパン)の衛生管理に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. a空気冷却器で生じた凝縮水を受ける排水受け(ドレンパン)は、汚れやすく微生物繁殖の温床となりうる
  2. b排水受け(ドレンパン)は、使用開始時及び使用開始後1月以内ごとに1回、汚れ・詰まりの状況を点検する
  3. cドレンパンの水が停滞・あふれると、空調空気を介して室内に微生物が拡散するおそれがある
  4. dドレンパンは密閉され微生物が繁殖しないため、点検・清掃の対象外とされている
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正解:d. ドレンパンは密閉され微生物が繁殖しないため、点検・清掃の対象外とされている

正解(誤り)=3。ドレンパンは湿潤で汚れやすく、レジオネラ属菌等の温床になり得るため、法令上も汚れ・閉塞の点検対象で、清掃・排水の確保が必要であり『対象外』は誤り。0は凝縮水がたまり汚れやすいので正しい。1は施行規則で1月以内ごとの点検対象とされ正しい。2は停滞水由来の微生物が空調気流に乗って拡散する懸念があり正しい。

33加湿装置の衛生管理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. a水噴霧式・気化式の加湿装置は、水中で微生物が増殖しやすく衛生管理が特に重要である
  2. b蒸気(スチーム)式加湿は、水を加熱・蒸発させるため一般に微生物汚染のリスクが小さい
  3. c加湿装置の汚れの点検は1月以内ごとに1回、清掃は1年以内ごとに1回、定期に行う
  4. d加湿装置に供給する水は、し尿を処理した中水(雑用水)を用いることが望ましい
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正解:d. 加湿装置に供給する水は、し尿を処理した中水(雑用水)を用いることが望ましい

正解(不適当)=3。加湿装置に供給する水は、水道法の水質基準に適合する水(飲料水)を用いることと規定されており、中水(雑用水)を加湿に用いるのは不適当で誤り。0は水噴霧式・気化式は循環水で微生物が繁殖しやすく正しい。1は蒸気式は加熱するため微生物リスクが小さく正しい。2は施行規則の点検(1月以内ごと)・清掃(1年以内ごと)の頻度として正しい。

34空気調和機(エアハンドリングユニット)を構成する機器に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. a送風機、冷温水コイル、加湿器、エアフィルタなどで構成される
  2. b冷温水コイルには、熱源機器でつくられた冷水または温水が供給される
  3. cエリミネータは、加湿や冷却で生じた水滴が気流とともに下流へ飛散するのを防ぐために設ける
  4. d機内に圧縮機と冷凍サイクルを内蔵し、冷媒によって直接空気を冷却する
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正解:d. 機内に圧縮機と冷凍サイクルを内蔵し、冷媒によって直接空気を冷却する

エアハンドリングユニット(AHU)は、送風機・エアフィルタ・冷温水コイル・加湿器・ダンパ・エリミネータなどで構成される中央式の空調機で、別置きの熱源機器(冷凍機・ボイラ等)でつくられた冷水・温水をコイルに通して空気を処理する。機内に圧縮機や冷凍サイクルを内蔵し冷媒で直接空気を冷やすのはパッケージ形空調機の構成であり、AHUの説明として誤り。他の3つはAHUの構成として正しい。

35ヒートポンプに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. a低温の熱源から熱をくみ上げ、より高温側へ熱を移動させる装置である
  2. b空気熱源ヒートポンプは、外気温度が低いほど暖房能力が低下しやすい
  3. c暖房時の成績係数(COP)は、同一条件の冷房時の成績係数より1だけ大きくなる
  4. d暖房時の成績係数(COP)は、投入電力より得られる熱量が小さいため常に1未満となる
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正解:d. 暖房時の成績係数(COP)は、投入電力より得られる熱量が小さいため常に1未満となる

ヒートポンプは、外部から投入した圧縮仕事(電力)に加えて低温熱源からくみ上げた熱を高温側へ放出するため、暖房時に得られる熱量は投入電力を上回り、COPは通常1を大きく超える(2〜5程度)。したがって『常に1未満』は明確に誤り。エネルギー保存から放熱量=吸熱量+仕事なので暖房COP=冷房COP+1であり選択肢3は正しい。低温熱源から高温側へ熱を移す点、外気温が低いほど暖房能力が下がる点もいずれも正しい。

36送風機の種類に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. a遠心送風機は、羽根車の軸方向から空気を吸い込み、半径方向へ吹き出す
  2. b軸流送風機は、一般に大風量・低静圧の用途に適し、換気扇などに用いられる
  3. c多翼送風機(シロッコファン)は軸流送風機の一種で、低圧・大風量に特化している
  4. d後向き羽根の遠心送風機(ターボファン)は、多翼送風機に比べて高い静圧が得られ効率も高い
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正解:c. 多翼送風機(シロッコファン)は軸流送風機の一種で、低圧・大風量に特化している

多翼送風機(シロッコファン)は羽根車の外周に多数の前向き羽根をもつ遠心送風機の一種であり、軸流送風機ではないため選択肢3が誤り。遠心送風機は軸方向に吸い込み半径方向へ吹き出す構造で比較的高い静圧が得られ、軸流送風機は空気が軸方向に流れ大風量・低静圧に適する。後向き羽根(ターボファン)は多翼形より高静圧・高効率という記述も正しい。

37空気調和設備のダクトの材質に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. a一般的な空気調和用ダクトには、亜鉛鉄板(亜鉛めっき鋼板)が最も広く用いられる
  2. b厨房排気など油や湿気で腐食しやすい箇所には、ステンレス鋼板が用いられる
  3. c硬質塩化ビニル製ダクトは耐食性に優れ、化学実験室などの腐食性ガス排気に用いられる
  4. d排煙ダクトには、高温で変形しにくいという理由から硬質塩化ビニル(塩ビ)製ダクトを用いる
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正解:d. 排煙ダクトには、高温で変形しにくいという理由から硬質塩化ビニル(塩ビ)製ダクトを用いる

排煙ダクトは火災時に高温の煙にさらされるため耐熱性のある鋼板製とするのが原則で、熱に弱く軟化・変形する硬質塩化ビニル(塩ビ)は用いない。よって選択肢4が誤り(理由も事実と逆)。一般空調ダクトは亜鉛めっき鋼板、厨房排気など腐食環境はステンレス鋼板、腐食性ガス排気には耐食性の高い硬質塩化ビニルを用いるという記述はいずれも正しい。

38外気の取り入れと省エネルギーに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. a外気冷房は、外気の温度やエンタルピーが室内空気より低い期間に外気導入量を増やし、冷房用エネルギーを削減する手法である
  2. b室内のCO2濃度を検知して必要最小限に外気量を制御することで、換気に伴うエネルギー消費を抑えられる
  3. c全熱交換器を用いると、排気から顕熱と潜熱を回収し外気の予冷・予熱・調湿ができ、外気負荷を軽減できる
  4. d導入する外気量を多くするほど、冷房・暖房のための空調負荷は常に減少する
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正解:d. 導入する外気量を多くするほど、冷房・暖房のための空調負荷は常に減少する

取り入れた外気は室内条件まで冷却・加熱・調湿する必要があるため、一般に外気量を増やすほど外気負荷(空調負荷)は増大し、エネルギー消費も増える。よって『多くするほど常に減少する』は誤り。外気が室内より低温・低エンタルピーの中間期・冬期に限り外気を多く取り入れて冷房負荷を減らすのが外気冷房であり、これは負荷が減る特別な条件下の手法。CO2濃度に応じた需要制御換気や全熱交換器による熱回収はいずれも正しい省エネ手法である。

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