ビル管理士ねずみ、昆虫等の防除」一問一答(全26問)

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)の「ねずみ、昆虫等の防除」分野の練習問題です。「答えと解説を見る」を開くと正解と解説を確認できます。資格試験ドリルの編集・運営設備資格ドリル編集部が作成。4択の演習モードで解きたい方はビル管理士のドリルへ。

問題データ最終更新 2026-08-09

1建築物内に生息するネズミの種類と習性に関する記述として、最も適当なものはどれか。

  1. aドブネズミは運動能力に優れ、垂直なパイプや壁を伝って高層階の天井裏に営巣することが多い。
  2. bクマネズミは警戒心が強く、殺鼠剤やトラップに対するかかりが悪いため防除が難しい。
  3. cハツカネズミは湿潤な環境を好み、下水管や厨房の床下・排水溝周辺に多く生息する。
  4. dクマネズミはドブネズミより大型で、成獣の体重は500gに達することが多い。
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正解:b. クマネズミは警戒心が強く、殺鼠剤やトラップに対するかかりが悪いため防除が難しい。

クマネズミは警戒心が強く新しい餌や器具を避ける傾向(新奇物警戒)があり、喫食性が悪く抵抗性個体(スーパーラット)も問題となるため防除困難。よって、クマネズミは警戒心が強く殺鼠剤やトラップのかかりが悪いため防除が難しいとする記述が正しい。垂直移動が得意で高所に営巣するのはドブネズミではなくクマネズミなので、ドブネズミが垂直なパイプや壁を伝って高層階の天井裏に営巣するとする記述は誤り。下水・厨房など湿った低所に多いのはドブネズミで、ハツカネズミは小型で乾燥に強く狭所を好むため、ハツカネズミが湿潤な環境を好み下水管や厨房の床下・排水溝周辺に多く生息するとする記述は誤り。大型で体重が大きいのはドブネズミ(クマネズミは概ね100〜200g)であり、クマネズミがドブネズミより大型で成獣の体重が500gに達するとする記述も誤り。

この問題のページ:クマネズミの警戒心と防除の難しさ

2蚊の生態および防除に関する記述として、最も適当なものはどれか。

  1. aチカイエカは地下街や高層ビルの浄化槽・汚水槽などで発生し、冬季でも吸血・活動する。
  2. bヒトスジシマカは主に夜間に吸血し、河川や池などの大規模な水域で発生する。
  3. cアカイエカは日本脳炎ウイルスを媒介する主要な種である。
  4. d蚊の防除は成虫対策が基本であり、幼虫(ボウフラ)の発生源対策は効果が乏しい。
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正解:a. チカイエカは地下街や高層ビルの浄化槽・汚水槽などで発生し、冬季でも吸血・活動する。

チカイエカはビルの地下汚水槽・浄化槽などで周年発生し、低温期でも休眠せず活動、初回産卵を無吸血で行う点が特徴であり、チカイエカが地下街や高層ビルの浄化槽・汚水槽などで発生し冬季でも吸血・活動するとする記述が正しい。ヒトスジシマカは昼間吸血で、空き缶・古タイヤ・墓地の花立てなど小さな溜水で発生するため、ヒトスジシマカが主に夜間に吸血し河川や池などの大規模な水域で発生するとする記述は誤り。日本脳炎の主要媒介種はコガタアカイエカ(水田等)でアカイエカではないため、アカイエカを日本脳炎ウイルスの主要な媒介種とする記述も誤り。蚊防除は幼虫の発生源(水域)対策が基本であり、成虫対策が基本で幼虫(ボウフラ)の発生源対策は効果が乏しいとする記述も誤り。

この問題のページ:蚊の発生環境と吸血特性

3ゴキブリの生態および防除に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. aチャバネゴキブリは他種に比べ低温に弱く、暖房設備のある屋内(厨房等)に生息する。
  2. bゴキブリは糞などに含まれる集合フェロモンにより、特定の狭所に集合する習性をもつ。
  3. cチャバネゴキブリの雌は卵鞘を産み落とさず、ふ化直前まで腹端に保持する。
  4. dゴキブリ用の食毒剤(ベイト剤)は速効性が高く、設置後ただちに生息数が激減する。
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正解:d. ゴキブリ用の食毒剤(ベイト剤)は速効性が高く、設置後ただちに生息数が激減する。

ベイト剤(食毒剤)は遅効性で、喫食した個体を介した二次的効果もあり、効果の発現には時間を要するため、ベイト剤が速効性が高く設置後ただちに生息数が激減するとする記述が誤りで、これが答え。チャバネゴキブリは低温に弱く暖かい屋内に集中するため、チャバネゴキブリが低温に弱く暖房設備のある厨房等の屋内に生息するとする記述は正しい。ゴキブリは集合フェロモンによる集合性をもつため、糞などに含まれる集合フェロモンにより狭所に集合するとする記述も正しい。チャバネゴキブリの雌は卵鞘をふ化直前まで腹端に保持する点も正しい。

この問題のページ:ゴキブリの生態と防除法

4殺虫剤の作用・性状に関する記述として、最も適当なものはどれか。

  1. a昆虫成長制御剤(IGR)は成虫に対して速効的な致死効果を示す。
  2. bピレスロイド剤は速効性を有し、致死量以下でも昆虫を麻痺させるノックダウン効果をもつ。
  3. c有機リン系殺虫剤はアルカリ性下でも安定で、分解しにくい。
  4. d乳剤は、水に溶けにくい有効成分を粉末担体に吸着させた製剤である。
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正解:b. ピレスロイド剤は速効性を有し、致死量以下でも昆虫を麻痺させるノックダウン効果をもつ。

ピレスロイド剤は速効性が高く、致死に至らない量でも昆虫を麻痺させるノックダウン(仰転)効果や忌避効果をもつため、ピレスロイド剤が速効性を有し致死量以下でも昆虫を麻痺させるノックダウン効果をもつとする記述が正しい。IGRは幼虫の脱皮・羽化阻害や不妊化を作用機序とし、成虫への速効的致死効果はないので、昆虫成長制御剤(IGR)が成虫に対して速効的な致死効果を示すとする記述は誤り。有機リン剤はアルカリ性で加水分解を受けやすいため、有機リン系殺虫剤がアルカリ性下でも安定で分解しにくいとする記述は誤り。乳剤は油溶性有効成分を溶剤に溶かし乳化剤を加えた液状製剤(水で希釈し乳濁)で、粉末担体に吸着させたものではないため、乳剤を粉末担体に有効成分を吸着させた製剤とする記述も誤り。

この問題のページ:殺虫剤の作用と性状

5総合的有害生物管理(IPM)における管理水準に関する記述として、最も適当なものはどれか。

  1. a措置水準とは、ねずみや害虫の発生・目撃が多く、すぐに防除作業が必要な状況をいう。
  2. b許容水準とは、明らかに問題のある状況で、ただちに薬剤による防除を要する水準である。
  3. cIPMでは、生息の有無にかかわらず定期的に薬剤を空間散布することを基本とする。
  4. d警戒水準は、許容水準よりも良好で安定した状態を示す水準である。
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正解:a. 措置水準とは、ねずみや害虫の発生・目撃が多く、すぐに防除作業が必要な状況をいう。

厚生労働省のマニュアルでIPMの措置水準は『発生・目撃が多く、直ちに防除措置が必要な状況』を指すため、措置水準をねずみや害虫の発生・目撃が多くすぐに防除作業が必要な状況とする記述が正しい。許容水準は環境衛生上良好で維持すべき状態であり『直ちに防除』は措置水準の説明なので、許容水準を明らかに問題のある状況でただちに薬剤による防除を要する水準とする記述は誤り。IPMは発生源・環境整備を中心に、必要時に最小限の薬剤を用いる考え方で、無差別・定期の空間散布を基本とはしないため、生息の有無にかかわらず定期的に薬剤を空間散布することを基本とするとの記述は誤り。水準の良好さは許容>警戒>措置の順で、警戒水準は許容水準より悪化した状態なので、警戒水準を許容水準よりも良好で安定した状態とする記述も誤り。

この問題のページ:IPMの管理水準の分類

6ねずみ・昆虫等の防除に用いる薬剤と関係法規に関する記述として、最も適当なものはどれか。

  1. a人体に対する作用が緩和な殺虫剤・殺そ剤は、医薬品医療機器等法上、防除用医薬部外品として扱われる。
  2. b防除用医薬品は、医薬品医療機器等法の規制対象外である。
  3. c防除用医薬部外品は、製造販売にあたり承認を受ける必要がない。
  4. d殺虫剤の効果判定に用いる生息指数は、値が大きいほど防除効果が高いことを示す。
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正解:a. 人体に対する作用が緩和な殺虫剤・殺そ剤は、医薬品医療機器等法上、防除用医薬部外品として扱われる。

ハエ・蚊・ゴキブリ・ねずみ等の駆除目的で人体に対する作用が緩和なものは、医薬品医療機器等法上の『防除用医薬部外品』に区分されるため、人体に対する作用が緩和な殺虫剤・殺そ剤を防除用医薬部外品として扱うとする記述が正しい。防除用医薬品も同法の規制対象(承認等が必要)であり、防除用医薬品を医薬品医療機器等法の規制対象外とする記述は誤り。医薬部外品も製造販売には承認が必要なため、防除用医薬部外品は製造販売にあたり承認を受ける必要がないとする記述は誤り。生息指数(トラップ指数等)は値が大きいほど生息数が多い=防除効果が低いことを意味し、防除により低下することが効果の指標なので、生息指数は値が大きいほど防除効果が高いとする記述も誤り。

この問題のページ:防除用医薬部外品の法的区分

7ハエ類の発生源に関する記述として、最も適当なものはどれか。

  1. aチョウバエ類の幼虫は、浄化槽や汚水槽、排水口内壁のスカム(ヘドロ状の汚泥)など、有機物を含む湿潤な場所で発生する。
  2. bイエバエは清浄な流水中でのみ幼虫が発生し、生ごみや家畜のふんからは発生しない。
  3. cノミバエ類は乾燥した室内のほこりの中だけで発生し、水分や腐敗物とは無関係である。
  4. dチョウバエは大型で飛翔力が強く、数km離れた屋外の池から飛来して屋内に侵入する。
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正解:a. チョウバエ類の幼虫は、浄化槽や汚水槽、排水口内壁のスカム(ヘドロ状の汚泥)など、有機物を含む湿潤な場所で発生する。

正しいのは、チョウバエ類の幼虫が浄化槽・汚水槽・排水口内壁のスカムなど有機物を含む湿潤な場所で発生するとする記述。チョウバエ(オオチョウバエ・ホシチョウバエ等)の幼虫は、浄化槽・汚水槽・排水管内壁のスカム(有機物汚泥)など湿った有機質の場所で発生し、防除は発生源となる排水系の清掃が基本となる。イエバエが清浄な流水中でのみ幼虫が発生するとする記述は誤り——イエバエの主な発生源は生ごみ・厨芥・家畜ふん・堆肥などの腐敗有機物である。ノミバエ類が乾燥した室内のほこりの中だけで発生するとする記述は誤り——ノミバエ類は腐敗した動植物質・汚物・生ごみなど湿った有機物で発生する。チョウバエが大型で飛翔力が強く数km離れた池から飛来するとする記述は誤り——チョウバエは小型で飛翔力が弱く、発生源は屋内の排水系そのものであって遠距離飛来はしない。

この問題のページ:ハエ類の発生源の基礎知識

8建築物内でみられるダニ類の生態と健康影響に関する記述として、最も適当なものはどれか。

  1. aイエダニはネズミに寄生して吸血し、宿主のネズミが死んだり巣を離れたりすると人を吸血して皮膚炎を起こす。
  2. bヒョウヒダニ(チリダニ類)は、人を刺して吸血することで気管支喘息などのアレルギーを引き起こす。
  3. cツメダニは植物の汁を吸う植食性で、人や他のダニ類には全く関与しない。
  4. dイエダニ対策としては室内の清掃・除湿が最も根本的であり、ネズミの防除は効果がない。
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正解:a. イエダニはネズミに寄生して吸血し、宿主のネズミが死んだり巣を離れたりすると人を吸血して皮膚炎を起こす。

正しいのは、イエダニがネズミに寄生して吸血し、宿主のネズミが死んだり巣を離れたりすると人を吸血して皮膚炎を起こすとする記述。イエダニはネズミ(主にドブネズミ・クマネズミ)に寄生する吸血性のダニで、宿主が死亡・移動すると人を吸血して皮膚炎を起こすため、根本対策はネズミの防除である。ヒョウヒダニが人を刺して吸血することでアレルギーを起こすとする記述は誤り——ヒョウヒダニ(コナ・ヤケヒョウヒダニ)は人を刺さず、その死骸や糞がアレルゲンとなって喘息・鼻炎を引き起こす。ツメダニを植食性で人や他のダニに関与しないとする記述は誤り——ツメダニは他のダニや微小昆虫を捕食する捕食性で、大発生時にはまれに人を刺すことがある。イエダニ対策には清掃・除湿が根本でネズミの防除は効果がないとする記述も誤り——イエダニの根本対策はネズミの防除であり、寄生・吸血の性質と矛盾する。

この問題のページ:イエダニの寄生生態と吸血

9ネズミの建築的な侵入防止(防そ)に関する記述として、最も適当なものはどれか。

  1. a侵入口の閉塞には、ネズミがかじり破りやすい発泡ウレタンや木材を用いるのが最も効果的である。
  2. b換気口や通気口に張る防そ用金網の網目は、おおむね1cm以下とする。
  3. cクマネズミやドブネズミは体が大きいため、直径5cm以上の隙間がなければ屋内に侵入できない。
  4. dネズミは登はん・跳躍が不得手なので、外壁を伝う侵入経路は考慮しなくてよい。
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正解:b. 換気口や通気口に張る防そ用金網の網目は、おおむね1cm以下とする。

正しいのは、換気口や通気口に張る防そ用金網の網目をおおむね1cm以下とするとする記述。ネズミの侵入防止では、金網の網目をおおむね1cm(10mm)以下とする(ハツカネズミ対策ではより細かくする)。侵入口の閉塞に発泡ウレタンや木材を用いるのが効果的とする記述は誤り——これらはネズミにかじり破られやすく、侵入口の閉塞には金属板・金網・モルタル等のかじられにくい材料を用いる。直径5cm以上の隙間がなければ侵入できないとする記述は誤り——クマネズミ・ドブネズミは1.5cm程度(親指が入る程度)の隙間があれば侵入でき、5cmは過大。ネズミは登はん・跳躍が不得手で外壁を伝う経路を考慮しなくてよいとする記述は誤り——クマネズミは登はん・垂直移動が得意で、配管や外壁を伝って高所からも侵入するため経路対策が必要。

この問題のページ:ネズミの侵入防止対策

10殺虫剤の剤型と使用法に関する記述として、最も適当なものはどれか。

  1. aULV処理(高濃度少量散布)は、原液または高濃度の薬剤を水でほとんど希釈せず、微小な粒子として少量を空間散布する方法である。
  2. b粉剤(ダスト剤)は、あらかじめ水で所定の倍率に希釈したうえで噴霧器を用いて散布する製剤であり、そのまま撒くことはできない。
  3. c水和剤は、水ではなく灯油等の油に溶かして用いる油溶性の液剤で、ガラス面など平滑面への残留噴霧に適する製剤である。
  4. d加熱煙霧法は、薬剤を空間に浮遊させる方法ではなく、有効成分を粉末のまま加熱して床面に撒いて処理する方法である。
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正解:a. ULV処理(高濃度少量散布)は、原液または高濃度の薬剤を水でほとんど希釈せず、微小な粒子として少量を空間散布する方法である。

正しいのは、ULV処理を高濃度の薬剤をほとんど希釈せず微小な粒子として少量を空間散布する方法とする記述。ULV(超微量/高濃度少量)処理は、高濃度の薬剤を水や溶剤でほとんど希釈せず、微小な霧状粒子にしてごく少量を空間散布する方法である。粉剤(ダスト剤)を水で希釈して噴霧器で散布する製剤とする記述は誤り——粉剤は希釈せずそのまま、ネズミの通り道や隙間などに散布する。水和剤を油に溶かして用いる油溶性の液剤とする記述は誤り——水和剤は有効成分を固体担体とともに微粉末化し、水に懸濁させて用いる製剤で、ざらつき面・多孔質面への残留噴霧に適し、油溶性の液剤ではない。加熱煙霧法を粉末のまま床面に撒く方法とする記述は誤り——加熱煙霧法は有効成分を熱で微粒子化し煙状にして空間へ拡散させる方法で、粉末を撒くものではない。

この問題のページ:殺虫剤の剤型と使用法

11殺虫剤を用いた防除作業の安全管理に関する記述として、最も適当なものはどれか。

  1. a有機リン剤やカーバメート剤による中毒は、体内のコリンエステラーゼの働きが阻害されることによって起こる。
  2. b空間噴霧作業では作業後ただちに室内を密閉し、換気は行わないのが原則である。
  3. c液体の殺虫剤は、誤飲を防ぐため飲料用のペットボトルに移し替えて保管するとよい。
  4. d残留噴霧作業では皮膚からの薬剤吸収はないので、手袋や保護衣は着用しなくてよい。
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正解:a. 有機リン剤やカーバメート剤による中毒は、体内のコリンエステラーゼの働きが阻害されることによって起こる。

正しいのは、有機リン剤・カーバメート剤による中毒がコリンエステラーゼの働きの阻害によって起こるとする記述。両剤はいずれもコリンエステラーゼ(アセチルコリン分解酵素)の働きを阻害することで殺虫作用と中毒を生じ、ヒトの中毒には縮瞳・流涎・発汗等がみられ、解毒にはアトロピン等が用いられる。空間噴霧作業の後はただちに密閉し換気を行わないとする記述は誤り——噴霧の後は薬剤を屋外へ排出するため十分に換気する。液体の殺虫剤を飲料用のペットボトルに移し替えて保管するとよいとする記述も誤り——飲料容器への移し替えは誤飲事故の原因となり厳禁で、元容器・専用容器で施錠保管する。残留噴霧作業では皮膚からの吸収がないので手袋や保護衣は不要とする記述も誤り——殺虫剤は経皮吸収されるため、手袋・保護衣・保護具の着用が必要である。

この問題のページ:殺虫剤防除作業の安全管理

12殺虫剤の毒性や効力を表す指標に関する記述として、最も適当なものはどれか。

  1. aLD50(半数致死量)は、値が大きいほど毒性が強いことを示す。
  2. bKT50(半数ノックダウン時間)は、値が小さいほど速効性が高いことを示す。
  3. c共力剤(ピペロニルブトキシド等)は、それ自体に強い殺虫作用をもつ主剤である。
  4. dIGR(昆虫成長制御剤)は、ヒトなどの哺乳類にも昆虫と同程度の強い急性毒性を示す。
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正解:b. KT50(半数ノックダウン時間)は、値が小さいほど速効性が高いことを示す。

正しいのは、KT50は値が小さいほど速効性が高いとする記述。KT50は供試虫の半数がノックダウン(仰転)するまでの時間で、値が小さいほど効きが速い=速効性が高いことを示す。LD50は値が大きいほど毒性が強いとする記述は誤り——LD50(体重当たりの半数致死量)は値が小さいほど少量で致死する=毒性が強く、大きいほど毒性は弱い。共力剤をそれ自体に強い殺虫作用をもつ主剤とする記述も誤り——共力剤(ピペロニルブトキシド等)は単独ではほとんど殺虫作用をもたず、昆虫体内の解毒(分解)を阻害して主剤の効力を高める補助剤である。IGRが哺乳類にも昆虫と同程度の強い急性毒性を示すとする記述も誤り——IGRは昆虫特有の脱皮・変態の機構に作用するため、哺乳類への急性毒性は低い(選択毒性が高い)。

この問題のページ:殺虫剤の毒性指標の基礎

13建築物内でみられるゴキブリの種類に関する記述として、最も適当なものはどれか。

  1. aチャバネゴキブリは大型種で、卵鞘を物陰に産みつけてから離れる。
  2. bクロゴキブリは低温に強く、屋外の落ち葉の下でのみ生息して屋内には侵入しない。
  3. cワモンゴキブリは大型の暖地性種で、前胸背板に淡黄色の輪状の紋があり、ビルの地下や下水道などでみられる。
  4. dヤマトゴキブリは南方系で寒さに極めて弱く、北日本には分布しない。
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正解:c. ワモンゴキブリは大型の暖地性種で、前胸背板に淡黄色の輪状の紋があり、ビルの地下や下水道などでみられる。

正しいのは、ワモンゴキブリを大型の暖地性種とし前胸背板に淡黄色の輪状紋があると述べる記述。ワモンゴキブリは体長30〜40mmに達する大型の暖地性種で、前胸背板に淡黄色の輪状紋をもち、暖かく湿ったビルの地下・下水道・厨房などで発生する。チャバネゴキブリを大型種とし卵鞘を物陰に産みつけて離れるとする記述は誤り——チャバネゴキブリは体長10〜15mm程度の小型種で、卵鞘を産み落とさずふ化直前まで腹端に保持する。クロゴキブリが屋外の落ち葉の下でのみ生息し屋内に侵入しないとする記述も誤り——クロゴキブリは屋内で最も普通にみられる大型種で、屋外にも生息するが屋内へも侵入する。ヤマトゴキブリを南方系で寒さに極めて弱いとする記述も誤り——ヤマトゴキブリは日本在来で低温に強く、本州以北や屋外にも分布する。

この問題のページ:建築物に生息するゴキブリの識別

14蚊が媒介する感染症とその媒介種に関する記述として、最も適当なものはどれか。

  1. aマラリアは、アカイエカによって媒介される。
  2. bデング熱やチクングニア熱は、国内ではヒトスジシマカが媒介する。
  3. c日本脳炎は、ヒトスジシマカが主要な媒介種である。
  4. d黄熱やジカウイルス感染症は、蚊ではなくマダニによって媒介される。
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正解:b. デング熱やチクングニア熱は、国内ではヒトスジシマカが媒介する。

正しいのは、デング熱やチクングニア熱を国内ではヒトスジシマカが媒介すると述べる記述。デング熱・チクングニア熱・ジカウイルス感染症は、国内ではヒトスジシマカ(ヤブカ属)が媒介する(ネッタイシマカは国内に定着していない)。マラリアをアカイエカが媒介するとする記述は誤り——マラリアを媒介するのはハマダラカ属(アノフェレス)であり、アカイエカではない。日本脳炎の主要な媒介種をヒトスジシマカとする記述も誤り——日本脳炎の主要媒介種は水田等で発生するコガタアカイエカである。黄熱やジカウイルス感染症をマダニが媒介するとする記述も誤り——黄熱・ジカウイルス感染症はいずれもヤブカ属の蚊が媒介する感染症で、マダニ媒介ではない。

この問題のページ:蚊が媒介する感染症と媒介種

15建築物における総合的有害生物管理(IPM)に基づく防除計画に関する記述として、最も適当なものはどれか。

  1. a防除はまず生息実態調査を行って発生状況を把握し、環境整備・発生源対策を優先したうえで、必要に応じて薬剤を用いる。
  2. b防除効果の評価は作業の直後にのみ行えばよく、一定期間後の再調査は不要である。
  3. cIPMでは、生息の有無にかかわらず化学的防除(薬剤散布)を最優先し、環境整備は補助的に行う。
  4. d発生源対策よりも先に、まず建物全体へ薬剤を一律に空間散布することが基本である。
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正解:a. 防除はまず生息実態調査を行って発生状況を把握し、環境整備・発生源対策を優先したうえで、必要に応じて薬剤を用いる。

正しいのは、まず生息実態調査を行って発生状況を把握し、環境整備・発生源対策を優先したうえで必要に応じて薬剤を用いると述べる記述。IPMは、まず生息実態調査で発生状況・原因を把握し、清掃・整理整頓・侵入防止などの環境的/物理的防除(発生源対策)を優先し、必要な場合に限り最小限の薬剤を用いるという段階的な考え方をとる。効果の評価は作業直後にのみ行えばよく再調査は不要とする記述は誤り——処置後に一定期間をおいて再調査を行い効果を評価・記録する(PDCAで継続改善)ことが不可欠である。化学的防除(薬剤散布)を最優先し環境整備を補助的とする記述も誤り——化学的防除の最優先はIPMの理念に反し、環境整備こそが基本である。発生源対策より先に建物全体へ薬剤を一律に空間散布するのが基本とする記述も誤り——生息の有無にかかわらない一律の空間散布はIPMが避ける手法である。

この問題のページ:IPMに基づく防除の進め方

16建築物衛生法に基づくねずみ・昆虫等の防除に関する記述として、最も適当なものはどれか。

  1. aねずみ・昆虫等の発生・生息状況の調査は、被害や苦情が生じたときにのみ行えばよく、定期的に実施することは求められていない。
  2. bねずみ・昆虫等の調査の結果にかかわらず、6か月以内ごとに1回、殺虫剤等の薬剤の散布を必ず行わなければならない。
  3. c食品を取り扱う区域や排水槽など、ねずみ・昆虫等が発生しやすい場所は、生息状況の調査の対象から除外して差し支えない。
  4. dねずみ・昆虫等の発生・生息状況の調査は、6か月以内ごとに1回、定期に統一的に実施し、その結果に基づいて必要な措置を講じる。
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正解:d. ねずみ・昆虫等の発生・生息状況の調査は、6か月以内ごとに1回、定期に統一的に実施し、その結果に基づいて必要な措置を講じる。

正しいのは、発生・生息状況の調査を6か月以内ごとに1回、定期に統一的に実施し、その結果に基づいて必要な措置を講じるとする記述。建築物環境衛生管理基準にそのように定められている。問題が発生したときにのみ調査すればよいとする記述は誤り——問題発生時のみではなく定期的な調査が義務づけられている。調査結果にかかわらず毎回必ず薬剤を散布するとする記述は誤り——講じる措置は調査結果に基づき必要に応じて行うもので、毎回一律の薬剤散布が求められるわけではない。食品を扱う区域や排水槽などを調査対象から除外してよいとする記述は誤り——食料取扱い区域や排水槽等はむしろ重点的な調査・防除の対象で、除外はできない。

この問題のページ:ねずみ・昆虫等の調査頻度

17殺虫剤の抵抗性と薬剤選択に関する記述として、最も適当なものはどれか。

  1. a同一系統の薬剤を連用すると抵抗性個体が選択されやすいため、作用機序の異なる薬剤をローテーションして使用する。
  2. bいったん抵抗性を獲得した個体群は、以後すべての系統の薬剤に対して等しく抵抗性を示す。
  3. cチャバネゴキブリでは薬剤抵抗性の発達は報告されておらず、薬剤選択で考慮する必要はない。
  4. d抵抗性対策として最も有効なのは、単一の強力な薬剤を高濃度で繰り返し使用することである。
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正解:a. 同一系統の薬剤を連用すると抵抗性個体が選択されやすいため、作用機序の異なる薬剤をローテーションして使用する。

正しいのは、作用機序の異なる薬剤をローテーションして使用するとする記述。同一系統(同一作用機序)の薬剤を連用すると抵抗性をもつ個体が選択・増殖しやすいため、作用機序の異なる薬剤を組み合わせてローテーション使用することが抵抗性対策の基本である。いったん抵抗性を獲得した個体群がすべての系統の薬剤に等しく抵抗性を示すとする記述は誤り——交差抵抗性は主に同じ作用機序をもつ薬剤群の間で生じ、すべての系統に等しく及ぶわけではない。チャバネゴキブリでは抵抗性の発達が報告されていないとする記述は誤り——チャバネゴキブリはピレスロイド剤等に対する抵抗性の発達が広く知られ、薬剤選択上の重要な考慮事項である。単一の強力な薬剤を高濃度で繰り返し使用するのが最も有効とする記述は誤り——単一薬剤の高濃度連用は選択圧を高め、かえって抵抗性の発達を促す。

この問題のページ:殺虫剤抵抗性への対処法

18ねずみ・害虫の生息調査法に関する記述として、最も適当なものはどれか。

  1. aネズミのトラッキング法は、通路に粘着餌を置いて喫食量を測る方法である。
  2. b蚊の幼虫(ボウフラ)の発生調査には、ライトトラップ(誘虫灯)を用いる。
  3. cゴキブリの生息状況は粘着トラップで調べ、1トラップ・1日あたりの捕獲数(ゴキブリ指数)で密度を評価する。
  4. dゴキブリ指数は、値が小さいほど生息密度が高いことを示す。
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正解:c. ゴキブリの生息状況は粘着トラップで調べ、1トラップ・1日あたりの捕獲数(ゴキブリ指数)で密度を評価する。

正しいのは、ゴキブリの生息状況を粘着トラップで調べ、1トラップ・1日あたりの捕獲数(ゴキブリ指数)で密度を評価するとする記述。粘着トラップを一定期間設置して捕獲数を数え、この指数で生息密度を評価する。トラッキング法を通路に粘着餌を置いて喫食量を測る方法とする記述は誤り——トラッキング法は通り道に無毒の粉(トラッキングパウダー)を撒いて足跡の有無で生息を調べる方法で、喫食量を測るものではない。ボウフラの発生調査にライトトラップ(誘虫灯)を用いるとする記述は誤り——ボウフラの発生調査は柄杓(ひしゃく/ディッパー)等で水面をすくって幼虫数を調べる方法で、ライトトラップは成虫の調査に用いる。ゴキブリ指数は値が小さいほど生息密度が高いとする記述は誤り——ゴキブリ指数は値が大きいほど生息密度が高いことを示す。

この問題のページ:ゴキブリ指数による密度評価

19ネズミの生息を示す痕跡(ラットサイン)に関する記述として、最も適当なものはどれか。

  1. aかじり跡は柱や配線・食品包装などにみられるが、ハツカネズミだけに特有でクマネズミには生じない。
  2. bラブサインは、ネズミが体をこすりつけて通る壁や配管などにみられる黒ずんだ汚れである。
  3. c糞は種によらず形や大きさが同一であり、糞から種を推定することはできない。
  4. d新しい足跡や糞はラットサインとは呼ばず、生息調査の指標にはならない。
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正解:b. ラブサインは、ネズミが体をこすりつけて通る壁や配管などにみられる黒ずんだ汚れである。

正しいのは、ラブサイン(こすり跡)を壁や配管などにみられる黒ずんだ汚れとする記述。ラブサイン(ラブマーク/こすり跡)は、ネズミが決まった通り道で体をこすりつけることにより、体表の脂と汚れが壁・配管・すき間などに黒ずんだ汚れとして残ったもので、常用経路の判定に役立つ。かじり跡がハツカネズミだけに特有でクマネズミには生じないとする記述は誤り——かじり跡はドブネズミ・クマネズミを含む各種のネズミがつくり、ハツカネズミだけに特有ではない。糞は種によらず形や大きさが同一で種を推定できないとする記述は誤り——糞は種によって大きさや形が異なり(ドブネズミは太い紡錘形、クマネズミは細長い、ハツカネズミは小さい)、糞から種の推定が可能である。新しい足跡や糞はラットサインと呼ばず生息調査の指標にならないとする記述は誤り——新しい足跡・糞・かじり跡などはいずれもラットサインであり、生息の有無や活動場所を知る重要な指標となる。

この問題のページ:ネズミの生息痕跡の見分け方

20殺そ剤(ネズミの防除に用いる薬剤)に関する記述として、最も適当なものはどれか。

  1. a抗凝血性殺そ剤(第一世代のワルファリン等)は数日間の連続摂取で効果を発揮する遅効性で、誤食時の解毒にはビタミンK1が用いられる。
  2. b抗凝血性殺そ剤(ワルファリン等)は速効性の薬剤であり、1回の摂取で直ちにネズミを致死させることができるため連続摂取を要しない。
  3. c急性殺そ剤(リン化亜鉛等)は、ネズミに忌避されにくく抵抗性も生じないため、抗凝血性殺そ剤に優先して常に第一選択として用いられる。
  4. d殺そ剤による駆除では、死そ(死んだネズミ)は速やかに分解し悪臭や害虫の発生源とならないため、その回収は不要である。
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正解:a. 抗凝血性殺そ剤(第一世代のワルファリン等)は数日間の連続摂取で効果を発揮する遅効性で、誤食時の解毒にはビタミンK1が用いられる。

正しいのは、抗凝血性殺そ剤(ワルファリン等)を数日間の連続摂取で効く遅効性とし、誤食時の解毒にビタミンK1を用いるとする記述。この薬剤は血液の凝固を妨げる作用をもち、数日間くり返し摂取させることで効き、ヒトが誤食した場合の解毒(拮抗)にはビタミンK1が用いられる。抗凝血性殺そ剤を速効性で1回の摂取で直ちに致死させるとする記述は誤り——速効性ではなく、単回摂取では十分な効果が得られない(だから連日摂取させる)。急性殺そ剤(リン化亜鉛等)は忌避されにくく抵抗性も生じないため常に最優先で選ぶとする記述は誤り——リン化亜鉛などの急性殺そ剤は独特のにおいなどで警戒され毒餌を食べなくなる(毒餌警戒)ことがあり、危険性も高く、無条件に最優先とはならない。死そ(死んだネズミ)の回収は不要とする記述は誤り——死そを放置すると腐敗による悪臭やハエ・イエダニの発生源となるため、回収・処理が必要である。

この問題のページ:抗凝血性殺そ剤の特徴

21蚊(幼虫・成虫)の防除に関する記述として、最も適当なものはどれか。

  1. a空き缶・古タイヤ・雨水ますなどの小さなたまり水は、水量が少ないため蚊の発生源にはならない。
  2. b蚊の防除は成虫の空間散布だけで十分で、幼虫(ボウフラ)の発生源対策は不要である。
  3. cチカイエカは屋外の広い水田で発生するため、ビル内は防除対象にならない。
  4. dボウフラ対策として水面に石油乳剤などで油膜を張る方法があり、幼虫や蛹の呼吸(気門・呼吸管)をふさいで窒息させる。
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正解:d. ボウフラ対策として水面に石油乳剤などで油膜を張る方法があり、幼虫や蛹の呼吸(気門・呼吸管)をふさいで窒息させる。

正しいのは、水面に石油乳剤などで油膜を張り、幼虫や蛹の呼吸(気門・呼吸管)をふさいで窒息させるとする記述。ボウフラ(幼虫)や蛹は呼吸管・気門を水面に出して大気呼吸をするため、油膜を張ると呼吸が妨げられて窒息死する(古典的な発生源対策の一つ)。空き缶・古タイヤ・雨水ますなどの小さなたまり水は発生源にならないとする記述は誤り——空き缶・古タイヤ・雨水ます・墓地の花立てなどの小さなたまり水はヒトスジシマカ等の主要な発生源であり、除去が重要である。成虫の空間散布だけで十分で幼虫の発生源対策は不要とする記述は誤り——蚊の防除は水域における幼虫の発生源対策が基本で、成虫の空間散布だけでは不十分である。チカイエカは屋外の水田で発生しビル内は防除対象にならないとする記述は誤り——チカイエカはビルの地下汚水槽・湧水槽など建物内の滞留水で周年発生するため、まさにビル内が防除対象となる。

この問題のページ:蚊の幼虫・成虫の防除法

22トコジラミ(ナンキンムシ)の生態および防除に関する記述として、最も適当なものはどれか。

  1. aトコジラミは完全変態を行う昆虫で、幼虫はボウフラのように水中で発育する。
  2. bトコジラミの吸血は産卵前の雌成虫に限られ、雄成虫や幼虫は吸血しない。
  3. cトコジラミは幼虫・成虫とも雌雄を問わず吸血し、夜間に活動して昼間はすき間などに潜む。
  4. d近年はピレスロイド剤がよく効くようになり、トコジラミの薬剤抵抗性はまったく問題になっていない。
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正解:c. トコジラミは幼虫・成虫とも雌雄を問わず吸血し、夜間に活動して昼間はすき間などに潜む。

正しいのは、幼虫・成虫とも雌雄を問わず吸血し、夜間に活動して昼間は家具や壁のすき間などに潜むとする記述。トコジラミは不完全変態の昆虫で、夜間に人を吸血して昼間はベッド・家具・壁のすき間や継ぎ目などの狭所に潜む。完全変態を行い幼虫がボウフラのように水中で発育するとする記述は誤り——トコジラミは卵→幼虫→成虫と進む不完全変態で、幼虫は水中ではなく成虫と同じ生活場所で育つ。吸血が産卵前の雌成虫に限られるとする記述は誤り——雌成虫だけでなく雄成虫も幼虫も吸血する(吸血しないと発育・産卵できない)。ピレスロイド剤がよく効くようになり薬剤抵抗性は問題になっていないとする記述は誤り——ピレスロイド剤に対する抵抗性をもつ系統(いわゆるスーパートコジラミ)の広がりが近年の防除上の大きな問題となっている。

この問題のページ:トコジラミの吸血・生態

23ヒトに寄生するシラミ類に関する記述として、最も適当なものはどれか。

  1. aアタマジラミは発疹チフスを媒介するため、発見時には抗生物質の内服による治療が必要である。
  2. bコロモジラミは衣類の縫い目などにひそみ、発疹チフスなどのリケッチア感染症を媒介する。
  3. cヒトに寄生するシラミはイヌやネコにも同じ種が寄生し、ペットを介して人にうつる。
  4. dシラミは完全変態の昆虫で、幼虫は宿主を離れて土中で発育する。
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正解:b. コロモジラミは衣類の縫い目などにひそみ、発疹チフスなどのリケッチア感染症を媒介する。

正しいのは、コロモジラミが衣類の縫い目などにひそみ発疹チフスなどのリケッチア感染症を媒介するとする記述。ヒトに寄生するシラミにはアタマジラミ・コロモジラミ・ケジラミがあり、このうちコロモジラミは衣類の縫い目などに潜んで発疹チフス・回帰熱・塹壕熱などのリケッチア/細菌感染症を媒介する。アタマジラミが発疹チフスを媒介し抗生物質の内服治療が必要とする記述は誤り——アタマジラミは感染症を媒介せず、対策は駆除(専用のくしや駆除剤)であって抗生物質の内服治療ではない。ヒトのシラミがイヌやネコにも寄生しペットを介して人にうつるとする記述は誤り——シラミは宿主特異性が高く、ヒトのシラミはイヌやネコには寄生せず、ペットから人へうつることはない。シラミを完全変態とし幼虫が土中で発育するとする記述は誤り——シラミは蛹の時期をもたない不完全変態で、幼虫・成虫とも宿主上で吸血して生活し、土中では育たない。

この問題のページ:ヒトに寄生するシラミの種類と特徴

24ねずみ・昆虫等の防除に用いる機器に関する記述として、最も適当なものはどれか。

  1. aミスト機は粒径1μm以下の極微粒子だけをつくる機器で、残留噴霧には使用できない。
  2. bULV機は、薬剤を大きく粗い粒子にして床面に厚く付着させるための機器である。
  3. c手動蓄圧式噴霧器や電動噴霧器は空間噴霧専用で、残留噴霧には使用できない。
  4. d誘虫用のライトトラップは、多くの昆虫が近紫外線(波長360nm前後)に強く誘引される性質を利用して捕獲する。
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正解:d. 誘虫用のライトトラップは、多くの昆虫が近紫外線(波長360nm前後)に強く誘引される性質を利用して捕獲する。

正しいのは、ライトトラップが近紫外線への誘引性を利用して昆虫を捕獲するとする記述。多くの飛翔性昆虫は近紫外線(ブラックライト、波長おおむね360nm前後)に強く誘引されるため、ライトトラップ(誘虫灯)はこの走光性を利用して昆虫を誘い、粘着紙や電撃・捕虫ファンで捕獲する。ミスト機が極微粒子だけをつくり残留噴霧に使えないとする記述は誤り——ミスト機がつくる粒子はおおむね20〜100μm程度で、1μm以下だけをつくるわけではない。ULV機が薬剤を粗い粒子にして床面に厚く付着させる機器だとする記述は誤り——ULV(高濃度少量)機は薬剤を数十μm程度の微小粒子にして空間に浮遊・拡散させる機器で、粗い粒子を床面に厚く付着させるものではない。蓄圧式・電動の噴霧器を空間噴霧専用とする記述は誤り——これらの噴霧器はノズルや希釈を変えることで残留噴霧にも用いられ、空間噴霧専用ではない。

この問題のページ:防除に用いる機器の特徴

25殺虫剤・殺そ剤の製剤(剤型)に関する記述として、最も適当なものはどれか。

  1. aマイクロカプセル剤(MC剤)は有効成分を微小な膜で包んだ製剤で、残効性が長く、多孔質面でも効力が持続しやすい。
  2. b樹脂蒸散剤は、有効成分を水に溶かして希釈し、噴霧器を用いて対象面に散布して用いる液状の製剤である。
  3. c油剤は、有効成分を水に溶かした水性の製剤であり、使用時に所定の倍率まで水で希釈して散布して用いる。
  4. dフローアブル剤(懸濁剤)は、有効成分を油に溶かした油性の製剤であり、水で希釈せずそのまま用いる。
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正解:a. マイクロカプセル剤(MC剤)は有効成分を微小な膜で包んだ製剤で、残効性が長く、多孔質面でも効力が持続しやすい。

正しいのは、マイクロカプセル剤(MC剤)が残効性が長く多孔質面でも効力が持続しやすいとする記述。マイクロカプセル剤は有効成分を微小なカプセル(膜)に封入した製剤で、コンクリートや木材などの多孔質面に吸着されても効力が失われにくく、残効性が長い・臭気や刺激・忌避性が低いといった特徴をもつ。樹脂蒸散剤を水に溶かして噴霧する液状の製剤とする記述は誤り——樹脂蒸散剤は有効成分(ジクロルボス等)を樹脂に練り込み、常温で徐々に気化させて密閉空間で効かせる製剤で、水に溶かして噴霧するものではない。油剤を水で希釈して用いる水性の製剤とする記述は誤り——油剤は有効成分を灯油などの油に溶かした油性製剤で、原則として希釈せずそのまま用い、水希釈の水性製剤ではない。フローアブル剤(懸濁剤)を油に溶かした油性の製剤とする記述は誤り——フローアブル剤は有効成分の微粒子を水に懸濁させた製剤で、水で希釈して用いる水性製剤であって油性ではない。

この問題のページ:殺虫剤・殺そ剤の剤型の特徴

26ゴキブリの発育・習性に関する記述として、最も適当なものはどれか。

  1. aゴキブリは完全変態の昆虫で、幼虫はハエのうじのように成虫とはまったく別の場所で発育する。
  2. bゴキブリは強い正の走光性をもち、明るく開けた場所に集まる習性がある。
  3. cゴキブリは蛹の時期をもたない不完全変態の昆虫で、幼虫も成虫と同じ場所に生息する。
  4. dゴキブリは昼間に活発に活動し、夜間はほとんど動かない昼行性の昆虫である。
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正解:c. ゴキブリは蛹の時期をもたない不完全変態の昆虫で、幼虫も成虫と同じ場所に生息する。

正しいのは、ゴキブリを蛹の時期をもたない不完全変態の昆虫とし幼虫も成虫と同じ場所に生息するとする記述。ゴキブリは卵(卵鞘)→幼虫→成虫と進み蛹の時期をもたない不完全変態で、幼虫も成虫とほぼ同じ場所に生息し同じものを食べる雑食性である。ゴキブリを完全変態とし幼虫がハエのうじのように成虫と別の場所で発育するとする記述は誤り——ゴキブリは不完全変態であり、うじ(幼虫)と成虫で生活の場が大きく異なるハエのような完全変態ではない。強い正の走光性をもち明るく開けた場所に集まるとする記述は誤り——ゴキブリは負の走光性を示し、暗く狭く暖かい場所(潜み場所)を好んで明るい場所を避ける。昼間に活発で夜間はほとんど動かない昼行性とする記述は誤り——ゴキブリは夜行性で、夜間に活動し昼間は物陰やすき間に潜む。

この問題のページ:ゴキブリの発育と習性

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