ビル管理士建築物の環境衛生」一問一答(全37問)

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)の「建築物の環境衛生」分野の練習問題です。「答えと解説を見る」を開くと正解と解説を確認できます。資格試験ドリルの編集・運営設備資格ドリル編集部が作成。4択の演習モードで解きたい方はビル管理士のドリルへ。

問題データ最終更新 2026-08-09

1温熱環境指標に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. a湿球黒球温度(WBGT)は、暑熱環境における熱中症予防の指標として用いられる。
  2. b屋内および屋外で日射のない場合のWBGTは、0.7×自然湿球温度+0.3×黒球温度で求められる。
  3. c有効温度(ET)は、気温・湿度・気流の3要素を総合した温熱感覚の指標である。
  4. d予測平均申告(PMV)は、気温・湿度・気流・放射の4つの環境要素のみで決定される。
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正解:d. 予測平均申告(PMV)は、気温・湿度・気流・放射の4つの環境要素のみで決定される。

PMV(Fangerの予測平均申告)は、気温・平均放射温度・気流・湿度の4環境要素に加え、代謝量(活動量)と着衣量の合計6要素で決まるため、環境4要素のみで決定されるとする記述が誤り。WBGTを暑熱環境の熱中症予防指標とする記述、屋内・日射なしのWBGTを0.7×自然湿球+0.3×黒球で求めるとする算定式の記述、ETを気温・湿度・気流の3要素を総合した温熱感覚の指標とする記述はいずれも正しい。

この問題のページ:PMVの構成要素

2建築物における衛生的環境の確保に関する法律(建築物衛生法)に基づく空気環境の管理基準値として、正しいものはどれか。

  1. a二酸化炭素の含有率は、1000ppm以下であること。
  2. b浮遊粉じんの量は、空気1m³につき0.015mg以下であること。
  3. c相対湿度は、30%以上60%以下であること。
  4. d気流は、1.0m/s以下であること。
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正解:a. 二酸化炭素の含有率は、1000ppm以下であること。

建築物衛生法の空気環境基準では二酸化炭素は1000ppm(0.1%)以下で正しい。浮遊粉じんは0.15mg/m³以下(0.015は一桁誤り)、相対湿度は40%以上70%以下、気流は0.5m/s以下であり、いずれの数値も誤っている。

この問題のページ:空気環境管理基準値の内容

3一酸化炭素(CO)の健康影響および管理に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. a一酸化炭素は、無色・無臭の気体である。
  2. bヘモグロビンとの結合親和性は、酸素の約200〜250倍である。
  3. c血液の酸素運搬能力を低下させ、組織を低酸素状態にする。
  4. d建築物衛生法に基づく一酸化炭素の管理基準値は、100ppm以下である。
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正解:d. 建築物衛生法に基づく一酸化炭素の管理基準値は、100ppm以下である。

建築物衛生法の一酸化炭素の管理基準は6ppm以下(令和4年4月改正、それ以前は10ppm以下)であり、100ppm以下は明確に誤り。無色無臭であること、ヘモグロビンへの親和性が酸素の約200〜250倍であること、酸素運搬能低下による組織低酸素はいずれも正しい。

この問題のページ:一酸化炭素の健康影響と管理

4二酸化炭素(CO2)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. a大気中の二酸化炭素濃度は、通常約4%程度である。
  2. b二酸化炭素は、室内空気の汚染度(換気の良否)を示す指標として用いられる。
  3. c室内の二酸化炭素濃度が0.1%(1000ppm)を超えると、直ちに意識障害を起こす。
  4. d二酸化炭素は、赤血球中のヘモグロビンと結合して一酸化炭素中毒を起こす。
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正解:b. 二酸化炭素は、室内空気の汚染度(換気の良否)を示す指標として用いられる。

二酸化炭素は在室者の呼気等で増加し、室内空気汚染・換気状態の総合指標として用いられるため正しい。大気中濃度は約0.04%(約400ppm)で『約4%』は誤り。1000ppmは管理基準であって直ちに意識障害を起こす濃度ではない。ヘモグロビンと結合して中毒を起こすのは一酸化炭素であり二酸化炭素ではない。

この問題のページ:二酸化炭素に関する基礎知識

5ホルムアルデヒドおよびシックビル(シックハウス)症候群に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. aホルムアルデヒドは、合板や接着剤、家具などから放散され、室内空気を汚染する。
  2. b建築物衛生法に基づくホルムアルデヒドの管理基準値は、0.1mg/m³以下である。
  3. cホルムアルデヒドは、シックハウス症候群の原因物質の一つとされている。
  4. dホルムアルデヒドは常温では液体で揮発性がなく、室内空気を汚染することはない。
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正解:d. ホルムアルデヒドは常温では液体で揮発性がなく、室内空気を汚染することはない。

ホルムアルデヒドは常温で気体の揮発性物質であり、建材・接着剤等から放散して室内空気を汚染するため、『常温では液体で揮発性がなく汚染しない』は誤り。建材からの放散、管理基準0.1mg/m³以下、シックハウス症候群の原因物質であることはいずれも正しい。

この問題のページ:ホルムアルデヒドの揮発性

6人体の体温調節に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. a核心温度は、外気温が変動しても約37℃にほぼ一定に保たれる。
  2. b体温調節の中枢は、間脳の視床下部にある。
  3. c高温環境では、皮膚血管が収縮して体表からの放熱を促進する。
  4. d高温環境では、発汗による気化熱が重要な放熱手段となる。
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正解:c. 高温環境では、皮膚血管が収縮して体表からの放熱を促進する。

高温環境では皮膚血管は『拡張』して体表への血流を増やし放熱を促進するのが正しく、『収縮して放熱を促進』は誤り(血管収縮は寒冷時に放熱を抑える反応)。核心温が約37℃で保たれること、体温調節中枢が視床下部にあること、発汗の気化熱による放熱はいずれも正しい。

この問題のページ:高温環境下の皮膚血管反応

7建築物における飲料水(給水)の衛生管理に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. a給水栓における水の遊離残留塩素は、0.1mg/L以上に保持しなければならない。
  2. b遊離残留塩素の保持基準は、通常0.4mg/L以上である。
  3. c受水槽・高置水槽の清掃は、5年に1回行えばよい。
  4. d貯水槽水道の水質検査は、10年に1回行えばよい。
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正解:a. 給水栓における水の遊離残留塩素は、0.1mg/L以上に保持しなければならない。

給水栓末端で遊離残留塩素0.1mg/L以上(結合残留塩素の場合は0.4mg/L以上)の保持が求められるため正しい。0.4mg/L以上は結合残留塩素の基準であり遊離残留塩素の基準ではない。貯水槽(受水槽・高置水槽)の清掃は1年以内ごとに1回で『5年に1回』は誤り。水質検査も定期に実施が必要で『10年に1回』は誤り。

この問題のページ:飲料水衛生管理の基準数値

8温熱環境指標に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. a有効温度(ET)は、気温・湿度・気流の3要素を総合した指標であり、放射(輻射)熱の影響は含まない。
  2. bWBGT(湿球黒球温度)は、屋内外を問わず、乾球温度・自然湿球温度・黒球温度の3つを常に測定して求める。
  3. cPMV(予測平均温冷感申告)は、温熱6要素のうち気温・放射・気流・湿度の4つの環境要素だけで決まる。
  4. d不快指数(温湿度指数)は、気温・湿度・気流の3要素から算出される。
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正解:a. 有効温度(ET)は、気温・湿度・気流の3要素を総合した指標であり、放射(輻射)熱の影響は含まない。

正解は、有効温度(ET)を気温・湿度・気流を総合した指標で放射(輻射)熱の影響は含まないとする記述。有効温度(ヤグローのET)は気温・湿度・気流を総合した体感指標で、放射熱を加味したものは修正有効温度(CET)と区別される。WBGTを屋内外を問わず乾球温度・自然湿球温度・黒球温度の三つを常に測定して求めるとする記述は誤り——屋内(日射なし)のWBGTは乾球温度を用いず『0.7×自然湿球温度+0.3×黒球温度』で求め、乾球温度を含むのは屋外(日射あり)の式(0.7×自然湿球+0.2×黒球+0.1×乾球)である。PMVを気温・放射・気流・湿度の環境要素だけで決まるとする記述は誤り——PMVはこれら環境要素に加え代謝量・着衣量の人体側要素を含む計六要素で決まる。不快指数を気温・湿度・気流から算出するとする記述は誤り——不快指数は気温と湿度のみから求め、気流は含まない。

この問題のページ:温熱環境指標の基礎知識

9ヒトの体温調節と熱放散に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. a人体からの熱放散には、放射(輻射)、対流、伝導、蒸発の4つの経路がある。
  2. b気温が皮膚温を上回る高温環境では、放射・対流・伝導による熱放散は期待できず、主に発汗による蒸発で放熱する。
  3. c核心温度(身体深部温度)は、環境温度の変化に対して外殻温度(皮膚温)よりも変動しやすい。
  4. d発汗には温熱性発汗と精神性発汗があり、体温調節に主に関与するのは温熱性発汗である。
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正解:c. 核心温度(身体深部温度)は、環境温度の変化に対して外殻温度(皮膚温)よりも変動しやすい。

誤っているのは、核心温度(身体深部温度)のほうが外殻温度(皮膚温)よりも変動しやすいとする記述。恒常性(ホメオスタシス)により核心温度は約37℃前後に安定して保たれ、環境温に応じて変動しやすいのは外殻温度(皮膚温・四肢末梢)であり、核心と外殻の関係が逆になっている。人体からの熱放散が放射・対流・伝導・蒸発の4経路であると述べる記述は正しい。気温が皮膚温を上回る高温環境では主に発汗による蒸発で放熱すると述べる記述も正しく、この条件では乾性放熱(放射・対流・伝導)が働かず、発汗の蒸発潜熱が主放熱手段となる。体温調節に主に関与するのは温熱性発汗とする記述も正しく、精神性発汗は緊張時に手掌・足底等に生じる。

この問題のページ:体温調節と熱放散の仕組み

10建築物環境衛生管理基準(令和4年4月改正後)における空気環境の基準に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. a一酸化炭素の含有率は、100万分の10(10ppm)以下と定められている。
  2. b二酸化炭素の含有率は、100万分の5000(5000ppm)以下と定められている。
  3. c居室における温度の基準は、18℃以上28℃以下である。
  4. d相対湿度の基準は、30%以上80%以下である。
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正解:c. 居室における温度の基準は、18℃以上28℃以下である。

正しいのは、居室における温度の基準を18℃以上28℃以下とする記述。令和4年4月の改正で温度の下限が17℃から18℃に引き上げられ、この基準となった。一酸化炭素の含有率を10ppm以下とする記述は誤り——同改正で一酸化炭素は10ppmから6ppm以下に強化された。二酸化炭素の含有率を5000ppm以下とする記述は誤り——二酸化炭素は1000ppm(0.1%)以下であり、5000ppmは許容濃度の水準で管理基準ではない。相対湿度の基準を30%以上80%以下とする記述も誤り——相対湿度の基準は40%以上70%以下である。

この問題のページ:居室温度の管理基準(改正後)

11建築物の給水・給湯設備の衛生管理に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. a給水栓における遊離残留塩素は、平常時に0.1mg/L以上を保持しなければならない。
  2. b残留塩素を結合残留塩素で保持する場合は、0.4mg/L以上とする。
  3. cレジオネラ属菌は概ね20〜50℃で繁殖しやすく、消毒不十分な冷却塔水・循環式浴槽水・給湯水で問題となる。
  4. dレジオネラ症対策として、給湯は貯湯槽内で40℃程度に維持することが望ましい。
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正解:d. レジオネラ症対策として、給湯は貯湯槽内で40℃程度に維持することが望ましい。

誤っているのは、レジオネラ症対策として給湯を貯湯槽内で40℃程度に維持することが望ましいとする記述。40℃前後はレジオネラ属菌の増殖至適域に近く、むしろ危険である。対策として貯湯槽内は60℃以上、末端の給湯栓でも55℃以上を保つのが原則で、逆効果の温度設定であり誤り。給水栓における遊離残留塩素を平常時0.1mg/L以上とする記述、および結合残留塩素で保持する場合を0.4mg/L以上とする記述はいずれも正しい。レジオネラ属菌が概ね20〜50℃で繁殖しやすいとする記述も正しく、至適約36℃で増殖し、エアロゾルを生じる冷却塔・浴槽・給湯系で問題となる。

この問題のページ:給水給湯設備の衛生管理

12音の伝搬と騒音に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. a点音源から放射される音は、音源からの距離が2倍になるごとに音圧レベルが約6dB減衰する。
  2. b同じ音圧レベルの無相関な2つの音源が重なると、合成音圧レベルは元より約3dB増加する。
  3. c線音源(連続した道路交通など)では、距離が2倍になるごとに約3dB減衰する。
  4. d音圧レベルが10dB増加すると、音の強さ(音響エネルギー)は約2倍になる。
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正解:d. 音圧レベルが10dB増加すると、音の強さ(音響エネルギー)は約2倍になる。

誤っているのは、音圧レベルが10dB増加すると音の強さ(音響エネルギー)が約2倍になるとする記述。音圧レベルはL=10log10(I/I0)で表され、10dBの増加は音の強さ(エネルギー)が10倍になることを意味する(音の強さが2倍になるのは約3dBの増加)。なお心理的な音の大きさ(ラウドネス)が約2倍になる目安が10dBであり、これとエネルギーを混同させたひっかけ。点音源が距離2倍ごとに約6dB減衰するとする記述は正しい(逆二乗則)。同レベルの無相関な2音源が重なると約3dB増加するとする記述も正しい(エネルギー2倍)。線音源が距離2倍ごとに約3dB減衰するとする記述も正しい。

この問題のページ:音の伝搬と騒音の基礎

13感染症の感染経路に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. a結核、麻疹(はしか)、水痘は、いずれも空気感染(飛沫核感染)する。
  2. bレジオネラ症は、感染者の咳やくしゃみを介してヒトからヒトへ飛沫感染する。
  3. cインフルエンザの主な感染経路は、空気感染(飛沫核感染)である。
  4. dノロウイルスは、主に空気感染により伝播する。
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正解:a. 結核、麻疹(はしか)、水痘は、いずれも空気感染(飛沫核感染)する。

正しいのは、結核・麻疹(はしか)・水痘がいずれも空気感染(飛沫核感染)するとする記述。これらは飛沫核が長時間空気中を漂う空気感染をする代表的3疾患である。レジオネラ症が咳やくしゃみでヒトからヒトへ飛沫感染するとする記述は誤り——レジオネラ症は冷却塔水・浴槽水等の汚染エアロゾルの吸入で感染し、ヒトからヒトへは感染しない。インフルエンザの主な感染経路を空気感染とする記述は誤り——インフルエンザの主経路は飛沫感染(および接触感染)で、飛沫核による空気感染ではない。ノロウイルスが主に空気感染で伝播するとする記述も誤り——ノロウイルスは汚染された食品・水や吐物等を介した経口(糞口)・接触感染が主で、空気感染が主経路ではない。

この問題のページ:感染症の感染経路の基礎知識

14騒音レベル(音圧レベル)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. a同じ音圧レベルの独立した騒音源が2つ重なると、合成レベルは約2dB増加する
  2. b同じレベルの独立した騒音源が2つ重なると、合成レベルは約3dB増加する
  3. c同じ音圧レベルの独立した騒音源が2つ重なると、合成レベルは約6dB増加する
  4. d同じ音圧レベルの独立した騒音源が2つ重なると、合成レベルは変化しない
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正解:b. 同じレベルの独立した騒音源が2つ重なると、合成レベルは約3dB増加する

デシベルはエネルギー(音の強さ)の対数量。同レベルの独立音源が2つ重なると音のエネルギーが2倍になり、増加分は10×log10≒3.0dBとなるため、合成レベルが約3dB増加するとする記述が正しい。約6dB増加するとする記述は、音圧そのものが2倍(エネルギー4倍=10×log10≒6dB)になった場合の値であって、同レベルの音源が2つ重なった場合ではない。約2dB増加するとする記述や、合成レベルは変化しないとする記述は、いずれも対数合成の関係に合致しない。

この問題のページ:騒音レベルの合成による増加量

15室内照明のグレア(まぶしさ)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. a減能グレアは、まぶしさによって対象を見る能力(視認性)を低下させるグレアである
  2. b反射グレアとは、光源を直接視野に入れて見ることによって生じるグレアである
  3. cグレアは照度を高くすればするほど必ず軽減される
  4. dVDT(ディスプレイ)作業ではグレアは問題とならない
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正解:a. 減能グレアは、まぶしさによって対象を見る能力(視認性)を低下させるグレアである

グレアは影響面から減能グレア(視認性・視作業能力を低下させる)と不快グレアに分けられ、まぶしさによって対象を見る能力を低下させるグレアを減能グレアとする記述は、その定義として正しい。反射グレアは光沢面での反射光によって生じるもので、光源を直接見て生じるのは直接グレアであるから、反射グレアを光源を直接視野に入れて生じるものとする記述は誤り。照度を高めるとかえって高輝度部が増えグレアが増大しうるので、照度を高くするほど「必ず軽減」されるとする記述は誤り。ディスプレイへの映り込みや周囲高輝度はVDT作業で代表的なグレア障害要因であり、VDT作業ではグレアが問題とならないとする記述も誤り。

この問題のページ:室内照明のグレアの基礎

16建築物内の電離放射線に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. a実効線量を表す単位はグレイ(Gy)である
  2. bラドンは主に地盤や建材から発生し、吸入により肺の被ばく源となる
  3. c紫外線は電離放射線に含まれ、DNAを直接電離させる主要な電離放射線である
  4. dγ(ガンマ)線は透過力が弱く、紙一枚で容易に遮蔽できる
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正解:b. ラドンは主に地盤や建材から発生し、吸入により肺の被ばく源となる

屋内の自然放射線被ばくで主要となるのはラドン(222Rn)で、地盤や一部建材から発生し、吸入により肺への内部被ばく源となるため、ラドンが主に地盤や建材から発生し吸入により肺の被ばく源となるとする記述が正しい。実効線量の単位はシーベルト(Sv)であり、グレイ(Gy)は吸収線量の単位なので、実効線量を表す単位をグレイとする記述は誤り。紫外線は一般に非電離放射線に分類され、電離放射線はX線・γ線や粒子線が該当するため、紫外線を主要な電離放射線とする記述は誤り。遮蔽は透過力の順に、α線は紙、β線はアルミなど薄い金属板、γ線・X線は鉛や厚いコンクリートを要し、γ線は透過力が弱く紙一枚で遮蔽できるとする記述は誤り。

この問題のページ:建築物内の電離放射線の基礎

17建築物に関わる水系感染症に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. aレジオネラ属菌は、汚染水の経口摂取による腸管感染で発症するのが主体である
  2. bクリプトスポリジウムは、原虫のオーシスト形態をとり、塩素消毒に強い抵抗性を示す
  3. cレジオネラ属菌は60℃以上の高温域で最も活発に増殖する
  4. dクリプトスポリジウムは細菌であり、通常の抗菌薬(抗生物質)投与が有効な対策となる
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正解:b. クリプトスポリジウムは、原虫のオーシスト形態をとり、塩素消毒に強い抵抗性を示す

クリプトスポリジウムは原虫で、耐久性の高いオーシストを形成し塩素消毒に強い抵抗性を示すため、除去には凝集・ろ過等が重要であり、原虫のオーシスト形態をとり塩素消毒に強い抵抗性を示すと述べる記述が正しい。レジオネラ属菌は冷却塔水や循環式浴槽などで生じたエアロゾルの吸入により肺炎(レジオネラ症)を起こすのが主体で、汚染水の経口摂取による腸管感染が主体とする記述は誤り。レジオネラは概ね20〜50℃で増殖し、60℃以上では死滅に向かうため、高温域で最も活発に増殖するとする記述は誤り。クリプトスポリジウムは細菌ではなく原虫であり、細菌であって一般の抗菌薬投与が有効な対策とする記述も誤り。

この問題のページ:クリプトスポリジウムの塩素耐性

18室内空気中のアレルゲン(ダニ・真菌)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. aチリダニ類の主要な発生・増殖環境は、低温で乾燥した低湿度の条件である
  2. bダニによるアレルギーは、主に生きたダニが人体に咬着することで直接起こる
  3. c室内の相対湿度をおおむね50%程度以下に保つと、チリダニ類の増殖が抑制される
  4. d真菌(カビ)の室内での発生は、室内の湿度環境とはほとんど関係しない
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正解:c. 室内の相対湿度をおおむね50%程度以下に保つと、チリダニ類の増殖が抑制される

チリダニ類(ヒョウヒダニ等)は高温多湿を好み、相対湿度をおおむね50%程度以下に保つと増殖が抑えられるため、室内の相対湿度を50%程度以下に保つと増殖が抑制されると述べる記述が正しい。発生源は乾燥ではなく高温多湿環境であり、低温で乾燥した低湿度条件を主要な発生・増殖環境とする記述は誤り。ダニアレルギーは咬着ではなく、主にダニの死骸や糞に含まれるアレルゲンの吸入等によって生じるため、生きたダニが咬着することで直接起こるとする記述は誤り。真菌は結露や高湿度で発生・繁殖しやすく、湿度と密接に関係するため、室内の湿度環境とはほとんど関係しないとする記述も誤り。

この問題のページ:湿度管理によるダニ増殖抑制

19温熱指標である作用温度(OT、効果温度)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. a作用温度は、気温と平均放射温度を総合した温熱指標であり、湿度の影響は含まない。
  2. b作用温度は、気温・湿度・気流の3要素から求められ、放射(周壁)の影響は含まない。
  3. c気流のない室内では、作用温度はおおむね気温と平均放射温度の差(気温−平均放射温度)に等しい。
  4. d作用温度は、主に発汗による蒸発熱放散の大きさを評価するための指標である。
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正解:a. 作用温度は、気温と平均放射温度を総合した温熱指標であり、湿度の影響は含まない。

正しいのは、気温と平均放射温度を総合した指標であり湿度の影響は含まないとする記述。作用温度(OT)は気温(乾球温度)と平均放射温度を対流熱伝達率・放射熱伝達率で加重平均した指標で、放射環境を取り込む一方、湿度は考慮しない点が有効温度(ET)との大きな違いである。気温・湿度・気流の3要素から求められ放射の影響を含まないとする記述は誤り——作用温度はむしろ放射を主要因として含み、湿度は含まない。気流のない室内で気温と平均放射温度の『差』に等しいとする記述も誤り——この場合の作用温度は両者の『平均(和の1/2)』に近似される。発汗による蒸発熱放散の大きさを評価する指標とする記述も誤り——蒸発熱放散を評価するのは湿度を含む指標(ETやWBGT系)の役割で、作用温度は乾性放熱(放射・対流)に着目した体感温度である。

この問題のページ:作用温度(OT)の構成要素

20室内の視環境に用いる測光量と演色性に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. a輝度の単位はcd/m²であり、光源面や被照面の明るさ感(まぶしさ)を表す。
  2. b照度の単位はカンデラ(cd)であり、光源から特定方向へ放射される光の強さを表す。
  3. c平均演色評価数(Ra)は、数値が小さいほど基準光源に近い自然な色の見え方が得られることを示す。
  4. d光束の単位はルクス(lx)であり、単位面積に入射する光の量を表す。
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正解:a. 輝度の単位はcd/m²であり、光源面や被照面の明るさ感(まぶしさ)を表す。

正しいのは、輝度の単位をcd/m²とし光源面や被照面の明るさ感を表すとする記述。輝度は面の明るさを表す量で単位はcd/m²、ディスプレイや窓面など見える面の明るさ・グレア評価に用いる。照度の単位をカンデラ(cd)とする記述は誤り——照度の単位はルクス(lx=lm/m²)で、カンデラは光度(特定方向への光の強さ)の単位である。平均演色評価数Raを数値が小さいほど基準光源に近い自然な色の見え方が得られるとする記述も誤り——Raは最大100で、値が大きいほど基準光源に近い自然な色再現が得られることを示し、小さいほど色ずれが大きい。光束の単位をルクス(lx)とする記述も誤り——ルクスは照度の単位であり、光束の単位はルーメン(lm)である。

この問題のページ:視環境の測光量の基礎

21室内空気汚染物質としての二酸化窒素(NO₂)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. a屋内では、ガスこんろや開放型石油・ガスストーブなどの燃焼器具の使用によって発生する。
  2. b水に溶けにくいため、上気道よりも肺の深部(細気管支・肺胞)に達して影響を及ぼしやすい。
  3. c光化学オキシダント(光化学スモッグ)の生成に関与する原因物質の一つである。
  4. d無色・無臭で化学的に安定な気体であり、人体に対する刺激性はほとんどない。
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正解:d. 無色・無臭で化学的に安定な気体であり、人体に対する刺激性はほとんどない。

誤りは、二酸化窒素を『無色・無臭で化学的に安定な気体であり、刺激性はほとんどない』とする記述。二酸化窒素は赤褐色で刺激臭のある気体であり、呼吸器を刺激する有害物質で、『無色・無臭・刺激性なし』は明確に誤り。ガスこんろや開放型石油・ガスストーブなどの燃焼器具の使用によって発生すると述べる記述は正しく、屋内では未換気の燃焼器具(ガスこんろ・開放型ストーブ)やたばこ煙が主な発生源となる。水に溶けにくく肺の深部に達しやすいとする記述も正しく、NO₂は水溶性が低いため上気道で吸収されにくく肺深部まで達しやすい(高水溶性のSO₂が上気道を刺激するのと対照的)。光化学オキシダントの生成に関与する原因物質の一つとする記述も正しく、窒素酸化物は紫外線下で光化学オキシダントを生成する前駆物質である。

この問題のページ:二酸化窒素の性状と刺激性

22室内空気汚染物質としてのオゾン(O₃)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. a複写機(コピー機)やレーザープリンター、電気集じん器などの機器から発生することがある。
  2. b還元作用が強く、室内では他の汚染物質を無害化する働きしかもたない。
  3. c無臭であるため、発生しても人がにおいで気付くことはできない。
  4. d化学的にきわめて安定で、常温では他の物質とほとんど反応しない。
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正解:a. 複写機(コピー機)やレーザープリンター、電気集じん器などの機器から発生することがある。

正しいのは、複写機やレーザープリンター、電気集じん器などの機器から発生することがあるとする記述。オゾンは高電圧のコロナ放電や紫外線を伴う機器——複写機・レーザープリンター・電気集じん器(静電式空気清浄機)など——から発生し、室内汚染源となる。『還元作用が強く他の汚染物質を無害化する働きしかない』とする記述は誤り——オゾンは強い酸化作用をもつ物質で、目・のど・気道を刺激する有害物質であり『無害化する働きしかない』は誤り。『無臭でにおいでは気付けない』とする記述も誤り——オゾンは特有の刺激臭(生臭いにおい)をもち、低濃度でも臭気で感知されやすい。『きわめて安定で常温ではほとんど反応しない』とする記述も誤り——オゾンは反応性・酸化力が高く不安定で、常温でも分解・反応しやすい。

この問題のページ:オゾンの発生源となる機器

23飲料水中の化学物質と健康影響に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. a硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素は、乳児が多量に摂取するとメトヘモグロビン血症(ブルーベビー症候群)を起こすおそれがある。
  2. bヒ素の慢性的な摂取は、皮膚の色素沈着・角化や発がんなどの慢性中毒を引き起こすことがある。
  3. c水道水質基準では、ヒ素及びその化合物は0.01mg/L以下と定められている。
  4. d硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素の主な由来は工場排水中の重金属であり、農地の施肥や生活排水・し尿とは無関係である。
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正解:d. 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素の主な由来は工場排水中の重金属であり、農地の施肥や生活排水・し尿とは無関係である。

誤りは、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素の主な由来を工場排水中の重金属とし、農地の施肥や生活排水・し尿とは無関係とする記述。硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素は窒素化合物であって重金属ではなく、その主な発生源は化学肥料の施用、家畜のふん尿、生活排水・し尿などであり、『重金属由来で農地・生活排水とは無関係』は誤り。乳児が多量に摂取するとメトヘモグロビン血症(ブルーベビー症候群)を起こすおそれがあると述べる記述は正しく、乳児が高濃度の硝酸・亜硝酸性窒素を摂取するとヘモグロビンが酸素運搬能を失いメトヘモグロビン血症を起こす。ヒ素の慢性的な摂取が皮膚の色素沈着・角化や発がんを引き起こすとする記述も正しく、ヒ素の慢性摂取は皮膚の色素沈着・角化や皮膚がん等の慢性中毒をもたらす。水道水質基準でヒ素及びその化合物を0.01mg/L以下とする記述も正しい(硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素は10mg/L以下)。

この問題のページ:飲料水中化学物質の健康影響

24室内空気中の浮遊粉じんの粒径と健康影響に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. a粒径のより小さい粉じんほど、気道の奥(肺胞領域)まで到達して沈着しやすい。
  2. b建築物衛生法の浮遊粉じんの量の基準は、粒径が10μmを大きく超える粗大粒子を主な対象としている。
  3. c粉じんの人体への有害性はその化学的性質のみで決まり、粒径の大小はまったく関係しない。
  4. d浮遊粉じんの量の測定には、専ら大きく重い粒子だけを選んで捕集する方法が用いられる。
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正解:a. 粒径のより小さい粉じんほど、気道の奥(肺胞領域)まで到達して沈着しやすい。

正しいのは、粒径のより小さい粉じんほど肺胞領域まで到達して沈着しやすいとする記述。粒径が小さい粒子ほど沈降しにくく長く浮遊し、上気道で捕捉されずに肺胞領域まで到達・沈着しやすい(4μm前後以下が呼吸性粉じん)。粗大粒子を主な対象としているとする記述は誤り——建築物衛生法の浮遊粉じん量(0.15mg/m³以下)は相対沈降径がおおむね10μm以下の粒子を対象とし、粗大粒子が主対象ではない。有害性は化学的性質のみで決まり粒径は無関係と述べる記述は誤り——有害性は化学的性質だけでなく粒径(到達・沈着部位)にも依存する。大きく重い粒子だけを選んで捕集するとする記述は誤り——測定はおおむね10μm以下の吸入性粒子を捕集対象とする。

この問題のページ:浮遊粉じんの粒径と健康影響

25石綿(アスベスト)の性状と健康影響に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. a吸入すると石綿肺(じん肺)や肺がんのほか、胸膜や腹膜に生じる悪性中皮腫の原因となる。
  2. b石綿は常温で水溶性のガス状物質であり、吸入されてもすぐ体外へ排出され体内に蓄積しない。
  3. c石綿による健康影響は曝露後数日以内に必ず現れ、潜伏期間は存在しない。
  4. d現在の日本では、石綿は安全な建材として新規使用が広く推奨されている。
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正解:a. 吸入すると石綿肺(じん肺)や肺がんのほか、胸膜や腹膜に生じる悪性中皮腫の原因となる。

正しいのは、石綿肺や肺がんのほか胸膜・腹膜に生じる悪性中皮腫の原因となるとする記述。石綿は天然の繊維状けい酸塩鉱物で、吸入された繊維が肺に長期残留し、石綿肺・肺がん・悪性中皮腫(胸膜・腹膜)を引き起こす。常温で水溶性のガス状物質であり体内に蓄積しないとする記述は誤り——石綿はガスではなく繊維状の固体粒子で、肺に沈着・残留して蓄積する。曝露後数日以内に必ず現れ潜伏期間は存在しないとする記述は誤り——中皮腫は潜伏期がおおむね20〜50年ときわめて長い。安全な建材として新規使用が広く推奨されているとする記述は誤り——日本では石綿の製造・使用等が原則全面禁止されている。

この問題のページ:石綿による中皮腫リスク

26室内空気中の揮発性有機化合物(VOC)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. a厚生労働省は、総揮発性有機化合物(TVOC)の室内濃度に関する暫定目標値を400μg/m³としている。
  2. bVOCは無機化合物であり、塗料や接着剤には含まれない。
  3. cトルエンやキシレンはVOCには含まれず、室内空気を汚染することはない。
  4. dVOCは沸点がきわめて高く常温ではまったく揮発しないため、室内空気汚染とは無関係である。
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正解:a. 厚生労働省は、総揮発性有機化合物(TVOC)の室内濃度に関する暫定目標値を400μg/m³としている。

正しいのは、総揮発性有機化合物(TVOC)の室内濃度の暫定目標値を400μg/m³としているとする記述。厚生労働省は個別化学物質の指針値に加え、総揮発性有機化合物(TVOC)の暫定目標値を400μg/m³と定めている。VOCは無機化合物で塗料や接着剤に含まれないとする記述は誤り——VOCは有機化合物であり、塗料・接着剤・建材等に含まれ放散する。トルエンやキシレンはVOCに含まれず室内空気を汚染しないとする記述は誤り——トルエン・キシレンは代表的なVOCで、いずれも室内濃度指針値が定められた汚染物質である。沸点がきわめて高く常温ではまったく揮発しないとする記述は誤り——VOCは常温で容易に揮発する性質をもつためにこの名がある。

この問題のページ:室内VOCの基礎知識

27水道法に基づく水質基準における微生物に係る項目に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. a大腸菌は、検出されないこと(不検出)と定められている。
  2. b一般細菌は、1mLの検水中に1000個以下であればよいと定められている。
  3. c大腸菌は、1mLあたり100個以下であれば基準に適合するとされている。
  4. d一般細菌や大腸菌は、水道水質基準の項目には含まれていない。
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正解:a. 大腸菌は、検出されないこと(不検出)と定められている。

正しいのは、大腸菌は検出されないこと(不検出)と定められているとする記述。大腸菌はふん便汚染の指標であり、水質基準では『検出されないこと』とされている。一般細菌は1mLの検水中に1000個以下であればよいとする記述は誤り——一般細菌は1mLの検水で形成される集落数が100以下と定められている(1000個ではない)。大腸菌は1mLあたり100個以下であれば適合とする記述は誤り——大腸菌は個数の許容ではなく不検出が基準である。一般細菌や大腸菌は水質基準の項目に含まれていないとする記述は誤り——一般細菌・大腸菌はいずれも水質基準の必須項目である。

この問題のページ:大腸菌の水質基準(不検出)

28水道法に基づく水質基準における理化学的な項目に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. apH値は、5.8以上8.6以下であることと定められている。
  2. b濁度は、20度以下であればよいと定められている。
  3. c色度は、50度以下であればよいと定められている。
  4. d味及び臭気については、水質基準では特に定めがない。
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正解:a. pH値は、5.8以上8.6以下であることと定められている。

正しいのは、pH値は5.8以上8.6以下と定められているとする記述。pH値の基準は5.8以上8.6以下である。濁度は20度以下であればよいとする記述は誤り——濁度の基準は2度以下である。色度は50度以下であればよいとする記述は誤り——色度の基準は5度以下である。味及び臭気については特に定めがないとする記述は誤り——味・臭気はいずれも『異常でないこと』と定められている。

この問題のページ:水質基準のpH許容範囲

29感染症法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)の感染症分類に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. aレジオネラ症は、四類感染症に分類されている。
  2. b結核は、五類感染症に分類されている。
  3. cエボラ出血熱は、三類感染症に分類されている。
  4. d感染症法では、感染症を危険性に応じて一類から三類までの3区分のみに分類している。
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正解:a. レジオネラ症は、四類感染症に分類されている。

正しいのは、レジオネラ症を四類感染症とする記述。レジオネラ症は、動物・飲食物等を介してヒトに感染しうる四類感染症に分類される。結核を五類感染症とする記述は誤り——結核は二類感染症である。エボラ出血熱を三類感染症とする記述は誤り——エボラ出血熱は最も危険性の高い一類感染症である。感染症を一類から三類までの3区分のみに分類しているとする記述は誤り——感染症法は一類から五類に加え、新型インフルエンザ等感染症・指定感染症・新感染症の区分を設けており、三類までではない。

この問題のページ:感染症法の分類基準

30感染症の病原体(生物学的要因)の分類に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. aインフルエンザの病原体はウイルスであり、結核の病原体は細菌である。
  2. bレジオネラ症の病原体は、ウイルスの一種である。
  3. c白癬(水虫)やカンジダ症の病原体は、いずれも細菌である。
  4. dクリプトスポリジウム症の病原体は、細菌の一種である。
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正解:a. インフルエンザの病原体はウイルスであり、結核の病原体は細菌である。

正しいのは、インフルエンザの病原体はウイルスで結核の病原体は細菌とする記述。インフルエンザはインフルエンザウイルスによる、結核は結核菌(細菌)による感染症である。レジオネラ症の病原体をウイルスの一種とする記述は誤り——レジオネラ属菌は細菌であり、ウイルスではない。白癬やカンジダ症の病原体をいずれも細菌とする記述は誤り——白癬菌やカンジダは真菌であって細菌ではない。クリプトスポリジウム症の病原体を細菌の一種とする記述は誤り——クリプトスポリジウムは原虫(寄生虫)であり、細菌ではないため一般の抗菌薬は無効で塩素消毒にも抵抗性を示す。

この問題のページ:感染症病原体の分類基礎

31温熱環境と作業に用いる人体側の要素(代謝量・着衣量)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. a着衣量の単位はclo(クロ)で、1cloは背広上下を着用した程度の着衣量に相当する。
  2. b代謝量の単位metは、1metが激しい運動時の代謝量を表す。
  3. c着衣量が多い(cloの値が大きい)ほど、人体からの熱放散は促進される。
  4. dmet(代謝量)やclo(着衣量)は温熱環境の物理量であり、人体側の要素とは無関係である。
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正解:a. 着衣量の単位はclo(クロ)で、1cloは背広上下を着用した程度の着衣量に相当する。

正しいのは、着衣量の単位がcloで1cloが背広上下を着用した程度に相当するとする記述。着衣量の単位cloは1cloが背広上下相当(約0.155m²・K/W)の断熱性を表す。1metが激しい運動時の代謝量を表すとする記述は誤り——1metは安静座位時の代謝量(約58W/m²)を基準とし、激しい運動時ではない。着衣量が多いほど人体からの熱放散が促進されるとする記述は誤り——着衣量が多いほど断熱性が高まり、人体からの熱放散はむしろ抑制される。met・cloが温熱環境の物理量で人体側の要素とは無関係とする記述は誤り——met・cloはPMV等で用いる人体側の要素(活動量・着衣量)であり、環境物理量とは区別される。

この問題のページ:温熱環境の人体側要素

32高温環境下での作業と熱中症予防に用いるWBGT基準値に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. a身体作業強度(代謝量)が大きい作業ほど、熱中症予防のためのWBGT基準値は低く(厳しく)設定される。
  2. b作業強度が大きい作業ほど、WBGT基準値は高く設定される。
  3. cWBGT基準値は作業強度に関係なく、常に一定の値とされている。
  4. d暑熱順化していない人のWBGT基準値は、暑熱順化した人より高く設定される。
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正解:a. 身体作業強度(代謝量)が大きい作業ほど、熱中症予防のためのWBGT基準値は低く(厳しく)設定される。

正しいのは、身体作業強度(代謝量)が大きい作業ほどWBGT基準値が低く(厳しく)設定されるとする記述。身体作業強度が大きいほど体内での産熱が増えるため、同じ暑さでも熱中症の危険が高まり、基準となるWBGT値は低く設定される。作業強度が大きいほど基準値は高く設定されるとする記述、および作業強度に関係なく常に一定とする記述はいずれも誤り——向きが逆または不適切である。暑熱順化していない人の基準値を順化した人より高く設定するとする記述も誤り——暑熱順化していない人は暑さに弱いため、基準値は順化した人より低く設定される。

この問題のページ:代謝量とWBGT基準値の関係

33室内の温熱環境と健康影響に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. aヒートショックは、冬季に暖かい居室と寒い脱衣室・浴室・トイレとの間の温度差によって血圧が急変動し、心筋梗塞や脳卒中などを誘発する現象である。
  2. b高齢者は皮膚の温度感覚や体温調節機能が低下しており、暑さ・寒さを自覚しにくく、熱中症や低体温症のリスクが高い。
  3. c室内の相対湿度が低いと、皮膚や気道粘膜が乾燥しやすく、ウイルスの生存も長引くため感染症のリスクが高まる。
  4. d冬季のヒートショック対策としては、脱衣室や浴室を居室よりも低い温度に保ち、居室との温度差を大きくすることが有効である。
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正解:d. 冬季のヒートショック対策としては、脱衣室や浴室を居室よりも低い温度に保ち、居室との温度差を大きくすることが有効である。

誤りは、脱衣室や浴室を居室より低い温度に保ち温度差を大きくすることが有効とする記述。ヒートショックは居室と非暖房室(脱衣室・浴室・トイレ)の温度差が引き金となるため、対策は脱衣室・浴室をあらかじめ暖めて居室との温度差を『小さく』することが基本であり、温度差を大きくするのは逆効果で誤り。居室と脱衣室・浴室等の温度差で血圧が急変動し心筋梗塞や脳卒中を誘発するとの記述は正しく、冬季の入浴中急死の一因として温度差による急激な血圧変動が知られる。高齢者は温度感覚や体温調節機能が低下し熱中症・低体温症のリスクが高いとする記述も正しく、暑さ寒さを自覚しにくい。相対湿度が低いと感染症のリスクが高まるとする記述も正しく、低湿度は粘膜の乾燥防御力低下やウイルスの生存延長を招き感染リスクを高める。

この問題のページ:室内温熱環境と健康影響

34騒音および振動による健康影響に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. a騒音性難聴は、初期に4000Hz付近の聴力低下(オージオグラム上のc5ディップ)が現れるのが特徴である。
  2. b騒音性難聴は、まず125〜250Hzの低音域が障害され、初期から日常会話が著しく困難になる。
  3. cチェーンソーや電動工具などによる手腕への局所振動を長期に受けても、指の血行障害(白ろう病・レイノー現象)が生じることはない。
  4. d全身振動による不快感や動揺病は振動の周波数とは無関係であり、人体が特定の周波数で共振する現象は起こらない。
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正解:a. 騒音性難聴は、初期に4000Hz付近の聴力低下(オージオグラム上のc5ディップ)が現れるのが特徴である。

正しいのは、騒音性難聴で初期に4000Hz付近の聴力低下(c5ディップ)が現れるとする記述。騒音性難聴は初期に4000Hz付近の聴力が選択的に低下する『c5ディップ』を示し、会話音域より高い周波数から障害が始まるのが特徴である。低音域が先に障害され初期から会話が著しく困難になるとする記述は誤り——低音域から障害されるのではなく、まず高音域(約4000Hz)が障害され初期には自覚しにくい。手腕への局所振動を長期に受けても血行障害は生じないとする記述は誤り——チェーンソー等による手腕系の局所振動障害では末梢の血行障害である白ろう病(振動障害によるレイノー現象)が生じ得る。全身振動が周波数と無関係で共振も起こらないとする記述は誤り——全身振動では人体が数Hz(縦方向でおおむね4〜8Hz)で共振し、この帯域で不快感や内臓への影響が大きくなる。

この問題のページ:騒音・振動による健康影響

35紫外線および赤外線の性質と健康影響に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. a殺菌灯に利用される紫外線の波長は約254nmであり、この付近で殺菌効果が最も高い。
  2. b波長が最も長いUV-Cはオゾン層を透過して地表に多く到達し、日焼けや皮膚がんの主因となる。
  3. c赤外線は電離作用が強い放射線であり、DNAを直接電離させて皮膚がんを引き起こす主要因である。
  4. d紫外線は人体に有害な作用のみをもち、生体にとって有益な作用はまったくない。
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正解:a. 殺菌灯に利用される紫外線の波長は約254nmであり、この付近で殺菌効果が最も高い。

正しいのは、殺菌灯に用いる紫外線の波長を約254nmとする記述。殺菌用紫外線はUV-C域の約254nmが用いられ、この波長付近で殺菌効果が最も高い。UV-Cは波長が最も長くオゾン層を透過して地表に多く到達するとする記述は誤り——UV-Cは紫外線の中で波長が最も『短く』、大気中のオゾン層等でほとんど吸収されて地表にはほぼ到達しない(地表の日焼けの主因は主にUV-B)。赤外線を電離作用の強い放射線とし皮膚がんの主要因とする記述は誤り——赤外線は非電離放射線で主作用は熱作用(温熱効果)であり、DNAを電離させて皮膚がんを起こす主因ではない。紫外線に有益な作用はまったくないとする記述は誤り——紫外線には皮膚でのビタミンD合成の促進など生体に有益な作用もある。

この問題のページ:殺菌灯の紫外線波長

36水道法に基づく水道水の水質基準における化学物質等の項目に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. a総トリハロメタンは、その量が0.1mg/L以下であることと定められている。
  2. bトリハロメタンは原水中にもともと含まれる物質であり、塩素消毒とは無関係に存在する。
  3. c鉛及びその化合物は、1.0mg/L以下であればよいと定められている。
  4. dフッ素及びその化合物は人体に必須の元素であるため、水質基準に上限値の定めはない。
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正解:a. 総トリハロメタンは、その量が0.1mg/L以下であることと定められている。

正しいのは、総トリハロメタンを0.1mg/L以下と定めるとする記述。総トリハロメタンの水質基準は0.1mg/L以下である。トリハロメタンが原水中にもともと含まれ塩素消毒とは無関係とする記述は誤り——トリハロメタンは塩素消毒の際に原水中の有機物(フミン質等の前駆物質)と塩素が反応して生成する消毒副生成物であり、塩素消毒と無関係ではない。鉛及びその化合物を1.0mg/L以下でよいとする記述は誤り——鉛及びその化合物の基準は0.01mg/L以下であり、1.0mg/Lではない。フッ素及びその化合物に上限値の定めはないとする記述は誤り——フッ素及びその化合物にも0.8mg/L以下という上限が定められている。

この問題のページ:水道水質基準の化学物質項目

37細菌性・ウイルス性の食中毒に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. a黄色ブドウ球菌による食中毒は、菌が産生する毒素(エンテロトキシン)が原因で、この毒素は耐熱性が高く通常の加熱調理では失活しにくい。
  2. b腸炎ビブリオは淡水(真水)を好む細菌であり、主に井戸水を介して冬季に食中毒を起こす。
  3. cノロウイルスによる食中毒は、気温の高い夏季(7〜9月)に集中して発生する。
  4. dカンピロバクターは毒素型食中毒の代表で、食品中であらかじめ増殖した毒素の摂取により発症する。
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正解:a. 黄色ブドウ球菌による食中毒は、菌が産生する毒素(エンテロトキシン)が原因で、この毒素は耐熱性が高く通常の加熱調理では失活しにくい。

正しいのは、黄色ブドウ球菌食中毒の原因を耐熱性の高いエンテロトキシンとする記述。黄色ブドウ球菌食中毒は菌が食品中で産生するエンテロトキシンによる毒素型で、この毒素は耐熱性が高く通常の加熱では分解されにくい。腸炎ビブリオを淡水好性で井戸水由来・冬季発生とする記述は誤り——腸炎ビブリオは好塩性(3%前後の食塩を好む)の細菌で、海水中や海産魚介類に由来し、主に夏季に発生する。ノロウイルスが夏季に集中して発生するとする記述は誤り——ノロウイルスは冬季(おおむね11〜2月)に多発する。カンピロバクターを毒素型食中毒の代表とする記述は誤り——カンピロバクターは主に鶏肉等から生体内に入って発症する感染型で、食品中で毒素を作って摂取させる毒素型ではない。

この問題のページ:細菌性・ウイルス性食中毒の特徴

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