第三種冷凍機械責任者冷媒・ブライン・冷凍機油」一問一答(全8問)

第三種冷凍機械責任者の「冷媒・ブライン・冷凍機油」分野の練習問題です。「答えと解説を見る」を開くと正解と解説を確認できます。資格試験ドリルの編集・運営設備資格ドリル編集部が作成。4択の演習モードで解きたい方は第三種冷凍機械責任者のドリルへ。

1フルオロカーボン冷媒(HFC)の一般的な性質について、正しいものはどれか。

  1. a塩素原子を含まないため、オゾン層を破壊しない。
  2. b毒性・可燃性がともに強く、法令上すべて毒性ガスに区分される。
  3. c地球温暖化係数(GWP)は二酸化炭素より小さい。
  4. d刺激臭が強いため、微量の漏れでも臭気で容易に検知できる。
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正解:a. 塩素原子を含まないため、オゾン層を破壊しない。

正解は0。HFC(R134a、R410A等)は分子中に塩素を含まないため、オゾン層破壊係数(ODP)はゼロで、オゾン層を破壊しない。1は誤り——R134a等のHFCは基本的に不燃・低毒性であり、すべてが毒性ガスに区分されるわけではない。2は誤り——CO2のGWPを1とすると、HFCのGWPは数百〜数千と著しく大きい。3は誤り——フルオロカーボン冷媒はほぼ無臭に近く、漏れを臭気で検知するのは難しい(検知器やガス漏れ検査が必要)。

2アンモニア(R717)冷媒の特徴について、誤っているものはどれか。

  1. a毒性を有し、可燃性(燃焼範囲)ももつガスである。
  2. b水に非常によく溶ける。
  3. c銅および銅合金を侵すため、これらの材料は原則として使用できない。
  4. d蒸発潜熱はフルオロカーボン冷媒に比べて著しく小さい。
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正解:d. 蒸発潜熱はフルオロカーボン冷媒に比べて著しく小さい。

誤っているのは3。アンモニアの蒸発潜熱はフルオロカーボン冷媒に比べて著しく「大きい」。したがって3が誤り。1は正しい——アンモニアは高圧ガス保安法上、毒性ガスかつ可燃性ガスに区分される。2は正しい——アンモニアは水に極めてよく溶ける。3の水溶性の高さゆえ微量水分では氷結しにくい一方、腐食等の問題を生む。3(選択肢のうち銅の記述)……訂正:選択肢3(銅)は正しい——アンモニアは銅および銅合金を腐食するため配管等に鋼が用いられる。

3冷媒の物性(蒸発潜熱・臨界温度・飽和圧力)について、正しいものはどれか。

  1. aアンモニアは蒸発潜熱が大きいので、同じ冷凍能力を得るための冷媒循環量が小さくてすむ。
  2. b臨界温度より高い温度では、圧力を十分高くすれば冷媒を凝縮(液化)させられる。
  3. c冷媒の飽和圧力は、温度が高くなるほど低くなる。
  4. d蒸発潜熱の大小は、必要な冷媒循環量とは無関係である。
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正解:a. アンモニアは蒸発潜熱が大きいので、同じ冷凍能力を得るための冷媒循環量が小さくてすむ。

正解は0。冷凍能力は(冷媒循環量)×(冷凍効果、ほぼ蒸発潜熱に対応)で決まるため、蒸発潜熱の大きいアンモニアは同じ能力を少ない循環量で得られる。1は誤り——臨界温度を超えると、いくら圧力を高めても気体を液化(凝縮)できない。2は誤り——飽和圧力は温度が高くなるほど高くなる。4は誤り——0で述べたとおり、蒸発潜熱が大きいほど必要循環量は小さく、両者は密接に関係する。

4二次冷媒(ブライン)について、正しいものはどれか。

  1. a塩化カルシウム水溶液は無機ブラインの代表で、金属に対する腐食性がある。
  2. bブラインは相変化(蒸発・凝縮)の潜熱を利用して熱を運ぶ。
  3. c有機ブラインの代表例として、塩化ナトリウムや塩化カルシウムがある。
  4. d一般に無機ブラインは、有機ブラインに比べて金属腐食性が小さい。
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正解:a. 塩化カルシウム水溶液は無機ブラインの代表で、金属に対する腐食性がある。

正解は0。塩化カルシウム(CaCl2)水溶液は無機ブラインの代表で、塩類を含むため金属腐食性がある。1は誤り——ブライン(二次冷媒)は相変化せず、温度変化に伴う顕熱で熱を運ぶ。2は誤り——塩化ナトリウム・塩化カルシウムは無機ブラインであり、有機ブラインはエチレングリコール等である。3は誤り——一般に無機ブラインのほうが有機ブラインより金属腐食性が大きい。

5ブラインの取り扱いおよび腐食について、誤っているものはどれか。

  1. aブライン中に空気(酸素)が溶け込むと、金属の腐食が促進される。
  2. b無機ブラインの腐食を防ぐため、防食剤(インヒビター)を添加する。
  3. c塩化カルシウムブラインは濃度を高くするほど凍結温度が下がり続け、下限(共晶点)は存在しない。
  4. dエチレングリコールやプロピレングリコールは有機ブラインである。
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正解:c. 塩化カルシウムブラインは濃度を高くするほど凍結温度が下がり続け、下限(共晶点)は存在しない。

誤っているのは2。塩化カルシウムブラインには共晶点(共晶濃度)があり、その濃度(約30質量%、共晶温度およそ-55℃)で凍結温度は最低となる。それより濃度を高くしても凍結温度は下がらず、逆に上昇する。よって『下限がない』は誤り。1は正しい——溶存酸素は腐食を促進するので空気との接触を避ける。2は正しい——無機ブラインには防食剤を添加する。4は正しい——グリコール類は代表的な有機ブライン。

6冷凍機油(潤滑油)の役割と性質について、正しいものはどれか。

  1. a凝固点(流動点)が低く、低温でも流動性を保つことが求められる。
  2. b粘度は高いほどよく、粘度に上限を設ける必要はない。
  3. cアンモニア冷媒は冷凍機油とよく溶け合う。
  4. d密閉型圧縮機用の冷凍機油には、電気絶縁性は不要である。
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正解:a. 凝固点(流動点)が低く、低温でも流動性を保つことが求められる。

正解は0。冷凍機油は蒸発器など低温部でも流動性を失わないよう、凝固点(流動点)が低いことが求められる。1は誤り——粘度は潤滑に適した適正値が必要で、高すぎると流動抵抗が増し不適切、粘度には適正範囲がある。2は誤り——アンモニアは冷凍機油とほとんど溶け合わず、油は分離する(油分離器・油戻し対策が必要)。3は誤り——密閉型(電動機一体)圧縮機では油がモータ巻線に触れるため、高い電気絶縁性が必要である。

7冷媒と冷凍機油の溶解性および油の挙動について、誤っているものはどれか。

  1. aフルオロカーボン冷媒には、冷凍機油と溶け合いやすいものが多い。
  2. bアンモニアは冷凍機油とほとんど溶け合わず、油は分離しやすい。
  3. c蒸発器内に油が多量に溜まると伝熱を妨げ、冷凍能力が低下する。
  4. dフルオロカーボン冷媒に油が溶け込んでも、冷媒の蒸発圧力や油の潤滑性能には全く影響しない。
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正解:d. フルオロカーボン冷媒に油が溶け込んでも、冷媒の蒸発圧力や油の潤滑性能には全く影響しない。

誤っているのは3。フルオロカーボン冷媒に冷凍機油が溶け込むと、油希釈により見かけの粘度が下がって潤滑性能に影響し、また溶解量に応じて蒸発圧力(飽和特性)にも影響する。よって『全く影響しない』は誤り。1は正しい——多くのフルオロカーボン冷媒は油と相溶性がある(油戻りしやすい)。2は正しい——アンモニアは油と難溶で分離する。3(蒸発器内の油溜まり)は正しい——油膜が伝熱を阻害し能力低下を招く。

8冷凍装置への水分・不凝縮ガスの混入による障害について、正しいものはどれか。

  1. aフルオロカーボン冷凍装置に水分が侵入すると、膨張弁部で氷結して冷媒の流れを阻害することがある。
  2. b装置内に不凝縮ガス(主に空気)がたまると、凝縮圧力は低下する。
  3. cフルオロカーボン冷媒は水分をよく溶かすため、水分混入による障害はほとんど起こらない。
  4. d混入した水分を除去するには、ドライヤ(乾燥器)ではなく油分離器を用いる。
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正解:a. フルオロカーボン冷凍装置に水分が侵入すると、膨張弁部で氷結して冷媒の流れを阻害することがある。

正解は0。フルオロカーボン冷媒は水分をほとんど溶かさないため、遊離した水分が膨張弁の絞り部で氷結(氷詰まり)し、冷媒流れを阻害することがある。1は誤り——不凝縮ガスが凝縮器上部にたまると、その分圧が加わって凝縮圧力は『上昇』し、能力低下や吐出しガス温度上昇を招く。2は誤り——フルオロカーボン冷媒は水分をほとんど溶かさない(だからこそ氷結障害が問題になる)。3は誤り——水分除去にはドライヤ(フィルタドライヤ/乾燥剤)を用い、油分離器は油の分離用である。

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