第三種冷凍機械責任者冷媒・ブライン・冷凍機油」一問一答(全30問)

第三種冷凍機械責任者の「冷媒・ブライン・冷凍機油」分野の練習問題です。「答えと解説を見る」を開くと正解と解説を確認できます。資格試験ドリルの編集・運営設備資格ドリル編集部が作成。4択の演習モードで解きたい方は第三種冷凍機械責任者のドリルへ。

問題データ最終更新 2026-08-09

1フルオロカーボン冷媒(HFC)の一般的な性質について、正しいものはどれか。

  1. a地球温暖化係数(GWP)は二酸化炭素より小さい。
  2. b毒性・可燃性がともに強く、法令上すべて毒性ガスに区分される。
  3. c刺激臭が強いため、微量の漏れでも臭気で容易に検知できる。
  4. d塩素原子を含まないため、オゾン層を破壊しない。
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正解:d. 塩素原子を含まないため、オゾン層を破壊しない。

正解は、塩素原子を含まないためオゾン層を破壊しないとする記述。HFC(R134a、R410A等)は分子中に塩素を含まないため、オゾン層破壊係数(ODP)はゼロで、オゾン層を破壊しない。毒性・可燃性がともに強くすべて毒性ガスに区分されるとする記述は誤り——R134a等のHFCは基本的に不燃・低毒性であり、すべてが毒性ガスに区分されるわけではない。地球温暖化係数(GWP)が二酸化炭素より小さいとする記述も誤り——CO2のGWPを基準にとると、HFCのGWPは数百〜数千と著しく大きい。刺激臭が強く微量の漏れでも臭気で検知できるとする記述も誤り——フルオロカーボン冷媒はほぼ無臭に近く、漏れを臭気で検知するのは難しい(検知器やガス漏れ検査が必要)。

この問題のページ:HFC冷媒の環境への影響

2アンモニア(R717)冷媒の特徴について、誤っているものはどれか。

  1. a蒸発潜熱はフルオロカーボン冷媒に比べて著しく小さい。
  2. b水に非常によく溶ける。
  3. c毒性を有し、可燃性(燃焼範囲)ももつガスである。
  4. d銅および銅合金を侵すため、これらの材料は原則として使用できない。
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正解:a. 蒸発潜熱はフルオロカーボン冷媒に比べて著しく小さい。

誤っているのは、蒸発潜熱がフルオロカーボン冷媒に比べて著しく小さいとする記述。アンモニアの蒸発潜熱はフルオロカーボン冷媒に比べて著しく「大きい」ので、これが答え。毒性を有し可燃性(燃焼範囲)ももつとする記述は正しい——アンモニアは高圧ガス保安法上、毒性ガスかつ可燃性ガスに区分される。水に非常によく溶けるとする記述も正しい——アンモニアは水に極めてよく溶ける。その水溶性の高さゆえ微量水分では氷結しにくい一方、腐食等の問題を生む。銅および銅合金を侵すため原則として使用できないとする記述も正しい——アンモニアは銅および銅合金を腐食するため配管等に鋼が用いられる。

この問題のページ:アンモニア冷媒の特徴

3冷媒の物性(蒸発潜熱・臨界温度・飽和圧力)について、正しいものはどれか。

  1. a冷媒の飽和圧力は、温度が高くなるほど低くなる。
  2. b蒸発潜熱の大小は、必要な冷媒循環量とは無関係である。
  3. cアンモニアは蒸発潜熱が大きいので、同じ冷凍能力を得るための冷媒循環量が小さくてすむ。
  4. d臨界温度より高い温度では、圧力を十分高くすれば冷媒を凝縮(液化)させられる。
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正解:c. アンモニアは蒸発潜熱が大きいので、同じ冷凍能力を得るための冷媒循環量が小さくてすむ。

正しいのは、アンモニアは蒸発潜熱が大きいので同じ冷凍能力を得るための冷媒循環量が小さくてすむとする記述。冷凍能力は(冷媒循環量)×(冷凍効果、ほぼ蒸発潜熱に対応)で決まるため、蒸発潜熱の大きいアンモニアは同じ能力を少ない循環量で得られる。臨界温度より高い温度でも圧力を十分高くすれば凝縮(液化)させられるとする記述は誤り——臨界温度を超えると、いくら圧力を高めても気体を液化(凝縮)できない。飽和圧力は温度が高くなるほど低くなるとする記述も誤り——飽和圧力は温度が高くなるほど高くなる。蒸発潜熱の大小は必要な冷媒循環量とは無関係とする記述も誤り——蒸発潜熱が大きいほど必要循環量は小さく、両者は密接に関係する。

この問題のページ:冷媒の蒸発潜熱と循環量の関係

4二次冷媒(ブライン)について、正しいものはどれか。

  1. aブラインは相変化(蒸発・凝縮)の潜熱を利用して熱を運ぶ。
  2. b有機ブラインの代表例として、塩化ナトリウムや塩化カルシウムがある。
  3. c一般に無機ブラインは、有機ブラインに比べて金属腐食性が小さい。
  4. d塩化カルシウム水溶液は無機ブラインの代表で、金属腐食性がある。
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正解:d. 塩化カルシウム水溶液は無機ブラインの代表で、金属腐食性がある。

正しいのは、塩化カルシウム水溶液は無機ブラインの代表で金属に対する腐食性があるとする記述。塩化カルシウム(CaCl2)水溶液は無機ブラインの代表で、塩類を含むため金属腐食性がある。ブラインは相変化(蒸発・凝縮)の潜熱を利用して熱を運ぶとする記述は誤り——ブライン(二次冷媒)は相変化せず、温度変化に伴う顕熱で熱を運ぶ。塩化ナトリウムや塩化カルシウムを有機ブラインの代表例とする記述も誤り——これらは無機ブラインであり、有機ブラインはエチレングリコール等である。無機ブラインは有機ブラインに比べて金属腐食性が小さいとする記述も誤り——一般に無機ブラインのほうが有機ブラインより金属腐食性が大きい。

この問題のページ:塩化カルシウムブラインの腐食性

5ブラインの取り扱いおよび腐食について、誤っているものはどれか。

  1. a無機ブラインの腐食を防ぐため、防食剤(インヒビター)を添加する。
  2. bエチレングリコールやプロピレングリコールは有機ブラインである。
  3. cブライン中に空気(酸素)が溶け込むと、金属の腐食が促進される。
  4. d塩化カルシウムブラインは濃度を高くするほど凍結温度が下がり続け、下限(共晶点)は存在しない。
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正解:d. 塩化カルシウムブラインは濃度を高くするほど凍結温度が下がり続け、下限(共晶点)は存在しない。

誤っているのは、塩化カルシウムブラインは濃度を高くするほど凍結温度が下がり続け下限(共晶点)は存在しないとする記述。塩化カルシウムブラインには共晶点(共晶濃度)があり、その濃度(約30質量%、共晶温度およそ-55℃)で凍結温度は最低となる。それより濃度を高くしても凍結温度は下がらず、逆に上昇する。よって『下限がない』は誤り。ブライン中に空気(酸素)が溶け込むと金属の腐食が促進されるとする記述は正しい——溶存酸素は腐食を促進するので空気との接触を避ける。無機ブラインの腐食を防ぐため防食剤(インヒビター)を添加するとする記述も正しい。エチレングリコールやプロピレングリコールを有機ブラインとする記述も正しい——グリコール類は代表的な有機ブライン。

この問題のページ:ブラインの共晶点

6冷凍機油(潤滑油)の役割と性質について、正しいものはどれか。

  1. a粘度は高いほどよく、粘度に上限を設ける必要はない。
  2. b凝固点(流動点)が低く、低温でも流動性を保つことが求められる。
  3. cアンモニア冷媒は冷凍機油とよく溶け合う。
  4. d密閉型圧縮機用の冷凍機油には、電気絶縁性は不要である。
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正解:b. 凝固点(流動点)が低く、低温でも流動性を保つことが求められる。

正しいのは、凝固点(流動点)が低く低温でも流動性を保つことが求められるとする記述。冷凍機油は蒸発器など低温部でも流動性を失わないよう、凝固点(流動点)が低いことが求められる。粘度は高いほどよく上限を設ける必要はないとする記述は誤り——粘度は潤滑に適した適正値が必要で、高すぎると流動抵抗が増し不適切、粘度には適正範囲がある。アンモニア冷媒は冷凍機油とよく溶け合うとする記述も誤り——アンモニアは冷凍機油とほとんど溶け合わず、油は分離する(油分離器・油戻し対策が必要)。密閉型圧縮機用の冷凍機油に電気絶縁性は不要とする記述も誤り——密閉型(電動機一体)圧縮機では油がモータ巻線に触れるため、高い電気絶縁性が必要である。

この問題のページ:冷凍機油の凝固点特性

7冷媒と冷凍機油の溶解性および油の挙動について、誤っているものはどれか。

  1. aフルオロカーボン冷媒に油が溶け込んでも、冷媒の蒸発圧力や油の潤滑性能には全く影響しない。
  2. b蒸発器内に油が多量に溜まると伝熱を妨げ、冷凍能力が低下する。
  3. cアンモニアは冷凍機油とほとんど溶け合わず、油は分離しやすい。
  4. dフルオロカーボン冷媒には、冷凍機油と溶け合いやすいものが多い。
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正解:a. フルオロカーボン冷媒に油が溶け込んでも、冷媒の蒸発圧力や油の潤滑性能には全く影響しない。

誤っているのは、フルオロカーボン冷媒に油が溶け込んでも蒸発圧力や潤滑性能には全く影響しないとする記述。フルオロカーボン冷媒に冷凍機油が溶け込むと、油希釈により見かけの粘度が下がって潤滑性能に影響し、また溶解量に応じて蒸発圧力(飽和特性)にも影響する。よって『全く影響しない』は誤り。フルオロカーボン冷媒には冷凍機油と溶け合いやすいものが多いとする記述は正しい——多くのフルオロカーボン冷媒は油と相溶性がある(油戻りしやすい)。アンモニアは冷凍機油とほとんど溶け合わず油が分離しやすいとする記述も正しい——アンモニアは油と難溶で分離する。蒸発器内に油が多量に溜まると伝熱を妨げ冷凍能力が低下するとする記述も正しい——油膜が伝熱を阻害し能力低下を招く。

この問題のページ:冷凍機油の溶解性と挙動

8冷凍装置への水分・不凝縮ガスの混入による障害について、正しいものはどれか。

  1. a装置内に不凝縮ガス(主に空気)がたまると、凝縮圧力は低下する。
  2. b混入した水分を除去するには、ドライヤ(乾燥器)ではなく油分離器を用いる。
  3. cフルオロカーボン冷凍装置に水分が侵入すると、膨張弁部で氷結して冷媒の流れを阻害することがある。
  4. dフルオロカーボン冷媒は水分をよく溶かすため、水分混入による障害はほとんど起こらない。
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正解:c. フルオロカーボン冷凍装置に水分が侵入すると、膨張弁部で氷結して冷媒の流れを阻害することがある。

正しいのは、フルオロカーボン冷凍装置に水分が侵入すると膨張弁部で氷結して冷媒の流れを阻害することがあるとする記述。フルオロカーボン冷媒は水分をほとんど溶かさないため、遊離した水分が膨張弁の絞り部で氷結(氷詰まり)し、冷媒流れを阻害することがある。不凝縮ガス(主に空気)がたまると凝縮圧力は低下するとする記述は誤り——不凝縮ガスが凝縮器上部にたまると、その分圧が加わって凝縮圧力は『上昇』し、能力低下や吐出しガス温度上昇を招く。フルオロカーボン冷媒は水分をよく溶かすため水分混入による障害はほとんど起こらないとする記述も誤り——フルオロカーボン冷媒は水分をほとんど溶かさない(だからこそ氷結障害が問題になる)。水分の除去に油分離器を用いるとする記述も誤り——水分除去にはドライヤ(フィルタドライヤ/乾燥剤)を用い、油分離器は油の分離用である。

この問題のページ:水分・不凝縮ガス混入の障害

9冷媒の番号(冷媒番号)の表し方について、正しいものはどれか。

  1. aフルオロカーボン冷媒の番号は、分子構造中の炭素・水素・フッ素の原子数に基づいて定められる。
  2. b無機化合物冷媒には番号は用いられず、化学式のみで表記することが法令で定められている。
  3. c冷媒番号の下2桁は、その冷媒の許容濃度(TLV-TWA)の値を直接表している。
  4. d冷媒番号は製造会社が任意に割り当てる商品名であり、分子構造とは無関係である。
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正解:a. フルオロカーボン冷媒の番号は、分子構造中の炭素・水素・フッ素の原子数に基づいて定められる。

フルオロカーボン冷媒の番号(例:R22、R134aなど)は、分子中の炭素・水素・フッ素原子の数に基づく規則的な命名法によって付けられており、番号から分子構造をある程度推定できる。番号は商品名ではなく国際的な命名規則に基づくため、会社が任意に割り当てるものではない。無機化合物冷媒にも冷媒番号は存在し(700番台)、化学式のみに限定されるという規定はない。冷媒番号の下2桁は分子構造上の規則から導かれるものであり、許容濃度の値を表すものではない。

この問題のページ:冷媒番号の表し方に関する規定

10無機化合物冷媒の冷媒番号について、正しいものはどれか。

  1. a無機化合物冷媒の番号は700番台とし、分子量に700を加えた数値を用いる(アンモニアはR717)。
  2. b無機化合物冷媒の番号は100番台とし、炭素原子の数を基準に定める。
  3. c二酸化炭素冷媒には冷媒番号が存在せず、化学式CO2で表記することのみが認められている。
  4. d無機化合物冷媒の番号は、その冷媒の沸点(℃)の値をそのまま用いたものである。
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正解:a. 無機化合物冷媒の番号は700番台とし、分子量に700を加えた数値を用いる(アンモニアはR717)。

無機化合物冷媒には700番台の冷媒番号が割り当てられ、分子量に700を加えた数値で表される。アンモニア(NH3、分子量約17)はR717、二酸化炭素(CO2、分子量約44)はR744となり、いずれも冷媒番号を持つ。100番台は炭素を含むフルオロカーボン系冷媒に用いられる番号帯であり、無機化合物冷媒には該当しない。番号は沸点の値ではなく分子量に基づくものである。

この問題のページ:無機化合物冷媒の番号表記

11共沸混合冷媒について、正しいものはどれか。

  1. a2種以上の冷媒を一定割合で混合すると、一定温度・一定圧力で蒸発・凝縮するものをいう。
  2. b共沸混合冷媒は、蒸発中に温度が連続的に変化する温度勾配(グライド)を必ず生じる。
  3. c共沸混合冷媒は、漏えいなどにより一部が気化すると残りの液の組成が大きく変化してしまう。
  4. d共沸混合冷媒は必ず可燃性を有し、単一冷媒として扱うことはできない。
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正解:a. 2種以上の冷媒を一定割合で混合すると、一定温度・一定圧力で蒸発・凝縮するものをいう。

共沸混合冷媒は、特定の混合比率において単一冷媒のように一定の温度・圧力で相変化するため、実用上単一冷媒とほぼ同様に扱うことができる。温度勾配(グライド)を生じるのは非共沸(ゼオトロピック)混合冷媒の特徴であり、共沸混合冷媒には基本的に生じない。組成が大きく変化しにくい点も共沸混合冷媒の特徴であり、非共沸混合冷媒との違いである。可燃性の有無は個々の成分冷媒によるものであり、共沸であることと可燃性は直接関係しない。

この問題のページ:共沸混合冷媒の性質

12非共沸混合冷媒(ゼオトロピック混合冷媒)の性質として、正しいものはどれか。

  1. a一定圧力のもとで蒸発・凝縮する間、温度が連続的に変化する温度勾配(グライド)を生じる。
  2. b非共沸混合冷媒は、単一冷媒と全く同じ一定温度で蒸発・凝縮する。
  3. c非共沸混合冷媒は、装置から漏えいしても液相と気相の組成は常に等しく保たれる。
  4. d非共沸混合冷媒は、成分数にかかわらず必ず2種類の冷媒のみで構成される。
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正解:a. 一定圧力のもとで蒸発・凝縮する間、温度が連続的に変化する温度勾配(グライド)を生じる。

非共沸混合冷媒は、成分ごとに沸点が異なるため、一定圧力下で蒸発・凝縮する間に温度が連続的に変化する温度勾配(グライド)が生じる点が特徴である。これは単一冷媒のように一定温度で相変化する性質とは異なる。漏えい時には気化しやすい成分が先に抜けるため液相と気相の組成が変化し、残留冷媒の組成が当初と変わってしまう。非共沸混合冷媒は2成分に限らず3成分以上のものも存在する。

この問題のページ:非共沸混合冷媒の温度変化特性

13フルオロカーボン冷媒の分類(CFC・HCFC・HFC)について、正しいものはどれか。

  1. aCFC(クロロフルオロカーボン)は水素原子を含むため、大気中で分解されやすくオゾン層への影響が小さい。
  2. bHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)は塩素原子を含まず、オゾン層を破壊しない冷媒である。
  3. cHFC(ハイドロフルオロカーボン)は塩素原子を含まないため、オゾン層破壊係数はゼロとされる。
  4. dフルオロカーボン冷媒はすべて同一の分子構造を持ち、CFC・HCFC・HFCの違いは沸点のみである。
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正解:c. HFC(ハイドロフルオロカーボン)は塩素原子を含まないため、オゾン層破壊係数はゼロとされる。

HFCは分子中に塩素原子を含まないため、オゾン層破壊係数(ODP)はゼロとされ、この点でCFCやHCFCと区別される。CFCは水素原子を含まず塩素原子を多く含むため大気中で安定して成層圏まで達しやすく、オゾン層破壊性が大きい。HCFCは塩素原子を含んでおり、CFCよりは小さいもののオゾン層破壊性を有する。CFC・HCFC・HFCは含まれる塩素・水素・フッ素の原子構成が異なる別の分子群であり、違いは沸点だけではない。

この問題のページ:フルオロカーボン冷媒の分類と特性

14アンモニア(R717)冷媒の漏えい検知について、正しいものはどれか。

  1. aアンモニアは強い刺激臭を持つため、微量の漏えいでも臭気によって比較的容易に検知できる。
  2. bアンモニアはほとんど無臭であるため、漏えいの検知にはハロゲンランプを用いる方法が最も有効である。
  3. cアンモニアの漏えい検知には、専ら赤色リトマス試験紙を青変させることのみが用いられ、他の方法は利用できない。
  4. dアンモニアは空気より重いため、必ず低い場所に滞留し、天井付近の検知は不要である。
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正解:a. アンモニアは強い刺激臭を持つため、微量の漏えいでも臭気によって比較的容易に検知できる。

アンモニアは強い刺激臭を有するため、微量の漏えいであっても臭気で気づきやすく、これは安全上の利点の一つとされる。ハロゲンランプによる検知法は塩素を含むフルオロカーボン冷媒の漏えい検知に用いられる方法であり、アンモニアには適さない。アンモニアの漏えい検知には臭気のほか湿らせた赤色リトマス紙の青変や検知器なども用いられ、リトマス紙のみに限定されるものではない。アンモニアは空気より軽いため上方に滞留しやすく、天井付近の検知も重要である。

この問題のページ:アンモニアの臭気による漏えい検知

15フルオロカーボン冷媒が装置内の材料に及ぼす影響について、正しいものはどれか。

  1. aフルオロカーボン冷媒は天然ゴムを侵すことがなく、パッキン材料として天然ゴムを問題なく使用できる。
  2. bフルオロカーボン冷媒はマグネシウムや、マグネシウムを多く含むアルミニウム合金を侵すことがある。
  3. cフルオロカーボン冷媒はいかなる金属・非金属材料とも反応せず、材料選定上の制約は一切ない。
  4. dフルオロカーボン冷媒は銅および銅合金を著しく腐食するため、配管には使用できない。
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正解:b. フルオロカーボン冷媒はマグネシウムや、マグネシウムを多く含むアルミニウム合金を侵すことがある。

フルオロカーボン冷媒はマグネシウムやマグネシウムを多く含むアルミニウム合金を侵すことがあるため、これらの材料の使用には注意が必要である。一方で天然ゴムはフルオロカーボン冷媒により膨潤・劣化しやすく、パッキン材料には適さないとされる。銅や銅合金を著しく侵すのはアンモニア冷媒の特徴であり、フルオロカーボン冷媒は銅系材料と広く併用されている。フルオロカーボン冷媒にも使用材料上の制約はあり、材料選定に注意が必要である。

この問題のページ:フルオロカーボン冷媒とマグネシウム合金

16冷凍機油の種類について、正しいものはどれか。

  1. a冷凍機油には鉱油(鉱物油)のみが用いられ、合成油が使われることはない。
  2. bHFC冷媒には、鉱油ではなく相溶性の良いポリオールエステル油などの合成油が用いられることが多い。
  3. cアンモニア冷凍装置には、フルオロカーボン用の合成油と全く同じ油をそのまま使用することが標準とされる。
  4. d冷凍機油の種類は冷媒の種類にかかわらず常に同一のものが使用される。
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正解:b. HFC冷媒には、鉱油ではなく相溶性の良いポリオールエステル油などの合成油が用いられることが多い。

HFC冷媒は従来の鉱油との相溶性に乏しいため、ポリオールエステル油などの合成油が広く用いられている。冷凍機油には鉱油のほか合成油も用いられており、鉱油のみに限定されるものではない。使用する冷媒の性質(フルオロカーボン系かアンモニアかなど)に応じて適した冷凍機油の種類は異なり、常に同一というわけではない。アンモニア冷凍装置には従来から鉱油系の冷凍機油が用いられることが多く、HFC専用の合成油をそのまま流用することは標準とはされていない。

この問題のページ:冷媒種類と冷凍機油の適合性

17油分離器(オイルセパレータ)の役割について、正しいものはどれか。

  1. a圧縮機の吐出ガスに混入した冷凍機油を分離し、圧縮機のクランクケースなどへ戻す役割を持つ。
  2. b油分離器は、装置内に侵入した水分を除去するために設けられる機器である。
  3. c油分離器は、冷媒液中の不凝縮ガス(空気)を除去するために設けられる。
  4. d油分離器は圧縮機の吸込み側に設置し、冷媒ガス中の液滴を除去するために用いられる。
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正解:a. 圧縮機の吐出ガスに混入した冷凍機油を分離し、圧縮機のクランクケースなどへ戻す役割を持つ。

油分離器は圧縮機の吐出側に設けられ、吐出ガスに同伴して流出した冷凍機油を分離し、圧縮機側へ戻すことで圧縮機内の油量を確保し、蒸発器などへの油の持ち出しを減らす役割を持つ。水分の除去はドライヤ(乾燥器)の役割であり、油分離器の機能ではない。不凝縮ガスの除去はガスパージャなどの機器が担うものであり、油分離器の役割ではない。液滴の除去を目的とするのは吸込み側に設けるアキュムレータ(液分離器)であり、油分離器とは設置位置・目的が異なる。

この問題のページ:油分離器の役割

18冷媒の漏えい検知に用いられる方法について、正しいものはどれか。

  1. a塩素を含むフルオロカーボン冷媒の漏えい検知には、ハロゲンランプ(バーナー式検知器)による炎色の変化を利用する方法がある。
  2. bすべての冷媒の漏えい検知には、冷媒の種類を問わず共通して、赤色リトマス試験紙が青色に変化することを確認する方法のみを用いる。
  3. c冷媒の漏えい検知は、配管の接続部等に生じる油だまりを目視によって確認する方法のみで行うものと定められている。
  4. d電子式の漏えい検知器はアンモニア冷媒専用の機器であり、フルオロカーボン冷媒に対しては原理上一切反応しない。
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正解:a. 塩素を含むフルオロカーボン冷媒の漏えい検知には、ハロゲンランプ(バーナー式検知器)による炎色の変化を利用する方法がある。

塩素を含むフルオロカーボン冷媒は、ハロゲンランプの炎に触れると炎色が変化する性質を利用して漏えいを検知できる。アンモニアの漏えい検知には赤色リトマス紙の青変や臭気などが用いられ、塩素を含まないためハロゲンランプでは検知できない。したがってすべての冷媒に共通して赤色リトマス紙のみを用いるわけではなく、冷媒の種類に応じて適した検知方法を選ぶ必要がある。電子式検知器もフルオロカーボン冷媒の漏えい検知に広く用いられており、反応しないというのは誤りである。

この問題のページ:冷媒漏えいの検知方法

19フルオロカーボン冷媒中に水分が混入した場合に生じる現象として、正しいものはどれか。

  1. a水分混入によって冷媒の蒸発潜熱が大きく増加し、冷凍能力が向上する。
  2. b生成した酸は冷凍機油の劣化を防止する働きをもち、装置の保護に役立つ。
  3. c冷媒中の水分は温度にかかわらず常に完全に冷媒に溶解し、遊離水として存在することは一切ない。
  4. d冷媒が水分と反応して加水分解を起こし、フッ化水素や塩化水素などの酸を生成することがある。
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正解:d. 冷媒が水分と反応して加水分解を起こし、フッ化水素や塩化水素などの酸を生成することがある。

フルオロカーボン冷媒は水分をほとんど溶解しないため、混入した水分の一部は遊離水として存在し、冷媒や配管材料と反応して加水分解を起こし、フッ化水素・塩化水素などの酸を生成することがある。この酸は金属や絶縁材料を腐食・劣化させる要因となるため、酸を防止する働きがあるとする記述は誤りである。水分は低温部では溶解しきれず遊離水として析出しやすく、常に完全に溶解するわけではない。水分混入は冷凍能力の向上とは無関係であり、蒸発潜熱を増加させる効果はない。

この問題のページ:フルオロカーボン冷媒への水分混入の影響

20アンモニア冷凍装置における水分の影響について、正しいものはどれか。

  1. aアンモニアは水によく溶けるため、混入した水分は冷媒に溶け込み、膨張弁の氷結は起こりにくい。
  2. bアンモニアに溶け込んだ水分は圧縮機の潤滑油と同一の働きをし、油の代替として利用できる。
  3. cアンモニアは水と全く反応・溶解しないため、混入した水分はそのまま遊離水として配管内に残留し続ける。
  4. dアンモニア装置では水分が混入すると必ず爆発的な化学反応を起こし、装置が破損する。
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正解:a. アンモニアは水によく溶けるため、混入した水分は冷媒に溶け込み、膨張弁の氷結は起こりにくい。

アンモニアは水との親和性が非常に高く、混入した水分は冷媒中に溶け込みやすいため、フルオロカーボン冷媒のように水分が遊離して膨張弁部で氷結するといった障害は起こりにくいとされる。アンモニアと水は反応・溶解しないとする記述は事実と逆である。水分混入によって直ちに爆発的反応が生じるという事実はなく、根拠のない記述である。水分は潤滑作用を持たず、冷凍機油の代替にはならない。

この問題のページ:アンモニアの水分溶解性と膨張弁氷結

21冷媒の標準沸点(大気圧下での沸点)と飽和圧力の関係について、正しいものはどれか。

  1. a標準沸点が低い冷媒ほど、同一温度での飽和圧力は高くなる傾向がある。
  2. b標準沸点は冷媒の種類によらず、すべての冷媒でほぼ同じ値をとる。
  3. c冷媒の飽和圧力は標準沸点とは無関係に定まり、両者の間に相関はない。
  4. d標準沸点が低い冷媒ほど、同一温度における飽和圧力は低くなる傾向がある。
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正解:a. 標準沸点が低い冷媒ほど、同一温度での飽和圧力は高くなる傾向がある。

標準沸点が低い冷媒は、常温付近でも蒸気圧が高くなりやすく、同一温度で比較すると飽和圧力が高くなる傾向がある。逆に標準沸点が高い冷媒は同一温度での飽和圧力が低くなる傾向を示すため、標準沸点が低い冷媒ほど飽和圧力が低くなるとする記述は誤りである。標準沸点は冷媒の分子構造によって大きく異なり、冷媒ごとに固有の値をとるため、すべての冷媒でほぼ同じ値をとるとする記述も誤りである。標準沸点と飽和圧力には明確な相関があり、両者は無関係で相関がないとする記述も誤りである。

この問題のページ:標準沸点と飽和圧力の関係

22代表的なフルオロカーボン冷媒であるR134aとR410Aの組成について、正しいものはどれか。

  1. aR410Aは3種類以上の異なる冷媒を混合したものであり、単一成分の冷媒は含まれていない。
  2. bR134aとR410Aは、いずれも同一の単一成分からなる全く同じ冷媒である。
  3. cR134aは複数成分を混合した冷媒であり、R410Aは単一成分のHFC冷媒である。
  4. dR134aは単一成分のHFC冷媒であるのに対し、R410AはR32とR125を混合した冷媒である。
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正解:d. R134aは単一成分のHFC冷媒であるのに対し、R410AはR32とR125を混合した冷媒である。

R134aは単一成分のHFC冷媒であり、単独で用いられる。一方R410AはR32とR125をほぼ等質量で混合した冷媒であり、単一成分ではない。したがってR134aを混合冷媒、R410Aを単一成分とする組成が逆の記述や、両者を同一の冷媒とする記述は誤りである。R410Aは二成分の混合冷媒であり、三種類以上を混合したものとする記述も誤りである。

この問題のページ:R134aとR410Aの組成の違い

23アンモニア(R717)冷媒の環境特性について、正しいものはどれか。

  1. aアンモニアはフルオロカーボン冷媒と同様に塩素原子を含むため、オゾン層破壊係数は大きな値をもつ。
  2. bアンモニアはオゾン層破壊係数(ODP)はゼロで、地球温暖化係数(GWP)も極めて小さい。
  3. cアンモニアはオゾン層は破壊しないが、地球温暖化係数は二酸化炭素の数千倍に達する。
  4. dアンモニアの地球温暖化係数(GWP)は、代表的なHFC冷媒よりも著しく大きい。
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正解:b. アンモニアはオゾン層破壊係数(ODP)はゼロで、地球温暖化係数(GWP)も極めて小さい。

アンモニアは炭素・塩素・フッ素を含まない自然冷媒であり、オゾン層破壊係数(ODP)はゼロ、地球温暖化係数(GWP)も極めて小さいことから環境負荷の小さい冷媒として評価されている。塩素原子を含むためオゾン層破壊係数が大きいとする記述は誤りで、アンモニアの分子内に塩素は存在しない。GWPがHFC冷媒より著しく大きいとする記述は事実と逆であり、アンモニアのGWPは多くのHFC冷媒より小さい。GWPが二酸化炭素の数千倍に達するとする記述も誤りで、アンモニアのGWPはごくわずかな値である。

この問題のページ:アンモニア冷媒のODPとGWP

24二酸化炭素(R744)冷媒の特徴について、正しいものはどれか。

  1. a二酸化炭素はオゾン層破壊係数・地球温暖化係数がともにフルオロカーボン冷媒より著しく大きい冷媒である。
  2. b二酸化炭素は可燃性・毒性がともに強く、法令上は毒性ガスに区分される冷媒である。
  3. c臨界温度が約31℃と低く、常温付近では超臨界域で運転されることが多いため、装置は高い圧力に耐える設計が必要となる。
  4. d臨界温度が非常に高いため、常温付近でも低圧のまま運転でき、装置の耐圧設計は他の冷媒より緩やかでよい。
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正解:c. 臨界温度が約31℃と低く、常温付近では超臨界域で運転されることが多いため、装置は高い圧力に耐える設計が必要となる。

二酸化炭素の臨界温度は約31℃と他の冷媒に比べて低いため、常温での使用では超臨界状態となる運転域を含み、装置は高圧に耐える設計が必要となる。臨界温度が低いことがこの冷媒の運転圧力を高める要因であり、臨界温度が非常に高く常温でも低圧のまま運転でき耐圧設計が緩やかでよいとする記述は誤りである。二酸化炭素はオゾン層破壊係数がゼロで地球温暖化係数もフルオロカーボン冷媒より著しく小さい自然冷媒であり、これらの係数がフルオロカーボン冷媒より著しく大きいとする記述は事実と逆である。二酸化炭素は不燃性・低毒性の冷媒であり、可燃性・毒性がともに強く毒性ガスに区分されるとする記述も誤りである。

この問題のページ:二酸化炭素冷媒の臨界温度と超臨界運転

25自然冷媒として用いられる炭化水素冷媒(プロパン等)の特徴について、正しいものはどれか。

  1. a炭化水素冷媒はオゾン層破壊係数・地球温暖化係数がフルオロカーボン冷媒より著しく大きい。
  2. b炭化水素冷媒は毒性が非常に強く、法令上は毒性ガスにのみ区分される冷媒である。
  3. c炭化水素冷媒は不燃性であり、可燃性に関する注意は一切不要である。
  4. dオゾン層破壊係数・地球温暖化係数はともに小さいが、可燃性を有するため取り扱いや充填量に注意が必要である。
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正解:d. オゾン層破壊係数・地球温暖化係数はともに小さいが、可燃性を有するため取り扱いや充填量に注意が必要である。

プロパンなどの炭化水素冷媒は自然冷媒としてオゾン層破壊係数・地球温暖化係数がともに小さい点が長所であるが、可燃性を有するため漏えい時の着火防止や充填量の制限など取り扱い上の注意が必要である。不燃性であり可燃性に関する注意は一切不要とする記述は事実と逆であり、可燃性ガスとしての管理が求められる。炭化水素冷媒の環境負荷はフルオロカーボン冷媒より小さく、これらの係数がフルオロカーボン冷媒より著しく大きいとする記述は誤りである。炭化水素冷媒は毒性よりも可燃性が主な危険性であり、毒性が非常に強く毒性ガスにのみ区分されるとする記述も誤りである。

この問題のページ:炭化水素冷媒の可燃性と環境特性

26ブラインの濃度と凍結温度の関係について、正しいものはどれか。

  1. aブラインの凍結温度は、ブラインの種類によらず水の凝固点(0℃)と常に一致する。
  2. bブラインは濃度にかかわらず、常に同一の温度で凍結する。
  3. cブラインの濃度を高くすると、必ず粘度が下がり熱伝達性能が向上する。
  4. d濃度が低すぎると凍結温度が運転温度より高くなり、ブラインが凍結する。
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正解:d. 濃度が低すぎると凍結温度が運転温度より高くなり、ブラインが凍結する。

ブラインは共晶点(共晶濃度)までの範囲では濃度が高くなるほど凍結温度が低下する性質をもつ(共晶点を超えると逆に上昇する)。そのため、運転温度に対して濃度管理が不十分で濃度が低すぎると凍結温度が運転温度を上回り、装置内でブライン自体が凍結してしまうおそれがある。凍結温度は濃度によって変化するものであり、濃度にかかわらず常に同一の温度で凍結するとする記述は誤りである。濃度を高くすると一般に粘度は増加する傾向があり、濃度を高くすれば必ず粘度が下がって熱伝達性能が向上するとする記述のようにはならない。ブラインの凍結温度は溶質の種類・濃度によって水の凝固点より低い値をとるため、種類によらず水の凝固点と常に一致するとする記述も誤りである。

この問題のページ:ブライン濃度と凍結温度の関係

27有機ブライン(エチレングリコール等)と無機ブライン(塩化カルシウム等)の性質比較について、正しいものはどれか。

  1. a有機ブラインと無機ブラインは、化学的性質・腐食性がすべて同一であり、両者に区別はない。
  2. b無機ブラインは同程度の凍結温度に必要な濃度が低く、有機ブラインは金属腐食性が小さい。
  3. c無機ブラインは可燃性を有するため、食品工場などでは使用が禁止されている。
  4. d有機ブラインは水に溶解しないため、ブラインとして使用する際は必ず単体のまま用いる。
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正解:b. 無機ブラインは同程度の凍結温度に必要な濃度が低く、有機ブラインは金属腐食性が小さい。

塩化カルシウムなどの無機ブラインは比較的低い濃度でも凍結温度を大きく下げられる一方、金属腐食性が大きい傾向があり、エチレングリコールなどの有機ブラインは無機ブラインに比べて金属腐食性が小さい傾向をもつなど、両者には明確な性質の違いがある。したがって化学的性質・腐食性がすべて同一で両者に区別はないとする記述は誤りである。無機ブラインは不燃性であり、可燃性を理由に食品工場での使用が禁止されるとする記述も誤りである。有機ブラインの多くは水と任意の割合で溶解する性質をもち水溶液として用いられるため、水に溶解せず必ず単体のまま用いるとする記述も誤りである。

この問題のページ:有機ブラインと無機ブラインの性質比較

28冷媒の毒性(許容濃度)による性質の比較について、正しいものはどれか。

  1. aアンモニアは毒性を有するのに対し、フルオロカーボン冷媒の多くは毒性が低い。
  2. bアンモニアとフルオロカーボン冷媒は、毒性の程度が常に等しく区別されない。
  3. c冷媒の毒性の強さは、その冷媒の可燃性の強さと常に比例する。
  4. dアンモニアは無毒性の冷媒であり、フルオロカーボン冷媒は毒性が高い冷媒に区分される。
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正解:a. アンモニアは毒性を有するのに対し、フルオロカーボン冷媒の多くは毒性が低い。

アンモニアは毒性を有する冷媒として扱われ、取り扱いには漏えい対策などの注意が必要であるのに対し、代表的なフルオロカーボン冷媒の多くは毒性が低い冷媒に区分される。アンモニアを無毒性、フルオロカーボン冷媒を毒性が高い冷媒とする記述は事実と逆である。両者の毒性区分は明確に異なっており、毒性の程度が常に等しく区別されないとする記述も誤りである。毒性の強さと可燃性の強さは冷媒ごとに独立した性質であり、両者が常に比例するとする記述も誤りである。

この問題のページ:アンモニアとフルオロカーボンの毒性区分

29冷凍装置に設けられる乾燥器(ドライヤ)に用いられる乾燥剤について、正しいものはどれか。

  1. a乾燥器の乾燥剤には、必ず塩化カルシウムなどの無機ブラインと同一の物質が用いられる。
  2. b乾燥剤は一度使用すると際限なく水分を吸着し続けるため、交換や再生は一切不要である。
  3. cシリカゲルや合成ゼオライトなどの乾燥剤が用いられ、冷媒中に混入した微量の水分を吸着して除去する。
  4. d乾燥器は冷媒中の油分を除去するために設けられる機器であり、水分除去には用いられない。
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正解:c. シリカゲルや合成ゼオライトなどの乾燥剤が用いられ、冷媒中に混入した微量の水分を吸着して除去する。

冷凍装置のドライヤ(乾燥器)には、シリカゲルや合成ゼオライトなどの吸着性の高い乾燥剤が用いられ、冷媒中に混入した微量の水分を吸着して除去する役割を持つ。乾燥剤にブラインと同一の物質が用いられるという事実はなく、必ず塩化カルシウムなどの無機ブラインと同一の物質が用いられるとする記述は誤りである。乾燥器は水分除去を目的とする機器であり、油分の除去は油分離器の役割であるため、油分を除去するための機器で水分除去には用いられないとする記述も誤りである。乾燥剤の吸着能力には限界があり、水分を吸着しきると効果が低下するため交換や再生が必要であり、際限なく水分を吸着し続けるので交換や再生は一切不要とする記述も誤りである。

この問題のページ:冷凍装置の乾燥器に用いる乾燥剤

30冷凍機油の低温における流動性について、正しいものはどれか。

  1. a冷凍機油から低温でろう(ワックス)分が析出しても、それは油中に浮遊するにとどまり、油の流動性や粘度にはいかなる影響も及ぼさない。
  2. b冷凍機油の低温における流動性は、圧縮機の潤滑にのみ関係する性質であって、蒸発器内での油の滞留や伝熱性能とは全く無関係である。
  3. c温度が低下すると油中のろう(ワックス)分が析出し始める温度があり、これより低い温度では油の流動性が損なわれるおそれがある。
  4. d冷凍機油は、蒸発温度のような低温下に置かれても性状が変化することはなく、温度にかかわらず常に一定の粘度・流動性を保つ性質をもつ。
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正解:c. 温度が低下すると油中のろう(ワックス)分が析出し始める温度があり、これより低い温度では油の流動性が損なわれるおそれがある。

冷凍機油を冷却していくと、ある温度でろう(ワックス)分が析出し始め、これより低い温度になると油が濁ったり流動性が損なわれたりするおそれがあるため、使用温度域に応じて低温流動性の良い冷凍機油を選定する必要がある。冷凍機油の粘度・流動性は温度によって変化する性質であり、温度にかかわらず常に一定の粘度・流動性を保つとする記述は誤りである。ろう分の析出は油の流動性を悪化させる要因であり、流動性にいかなる影響も及ぼさないとする記述も誤りである。析出したろう分が蒸発器の伝熱面に付着すると伝熱性能を低下させるおそれがあり、低温流動性は蒸発器の伝熱性能と全く無関係とする記述も誤りである。

この問題のページ:冷凍機油の低温流動性とろう分析出

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