第三種冷凍機械責任者冷凍の原理・熱力学」一問一答(全8問)

第三種冷凍機械責任者の「冷凍の原理・熱力学」分野の練習問題です。「答えと解説を見る」を開くと正解と解説を確認できます。資格試験ドリルの編集・運営設備資格ドリル編集部が作成。4択の演習モードで解きたい方は第三種冷凍機械責任者のドリルへ。

1蒸気圧縮冷凍サイクルにおける冷媒の流れる順序として、正しいものはどれか。

  1. a蒸発器 → 圧縮機 → 凝縮器 → 膨張弁
  2. b圧縮機 → 蒸発器 → 膨張弁 → 凝縮器
  3. c凝縮器 → 膨張弁 → 圧縮機 → 蒸発器
  4. d圧縮機 → 凝縮器 → 蒸発器 → 膨張弁
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正解:a. 蒸発器 → 圧縮機 → 凝縮器 → 膨張弁

冷媒は蒸発器で周囲から熱を奪って蒸発(低温低圧の蒸気)→圧縮機で高温高圧の蒸気に圧縮→凝縮器で熱を放出して液化→膨張弁で減圧されて低温低圧の湿り蒸気となり、再び蒸発器へ戻る。選択肢1・2・3はいずれも凝縮器と蒸発器の位置や膨張・圧縮の前後関係が入れ替わっており誤り。特に膨張弁は必ず凝縮器(高圧側)と蒸発器(低圧側)の間に位置する。

2p-h線図(モリエル線図)上で、冷媒1kgあたりの冷凍効果(冷凍能力)を表す量として、正しいものはどれか。

  1. a蒸発器出口と入口の比エンタルピー差
  2. b圧縮機出口と入口の比エンタルピー差
  3. c凝縮器入口と出口の比エンタルピー差
  4. d膨張弁前後の比エンタルピー差
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正解:a. 蒸発器出口と入口の比エンタルピー差

冷凍効果は蒸発器で冷媒1kgが吸収する熱量で、p-h線図上では蒸発器出口(乾き飽和蒸気付近)の比エンタルピーから蒸発器入口(膨張弁出口の湿り蒸気)の比エンタルピーを引いた水平方向の差で表される。選択肢1は圧縮仕事、選択肢2は凝縮器の放熱量(凝縮熱量)を表す。選択肢4の膨張弁前後は等エンタルピー変化(絞り膨張)であり比エンタルピー差は理論上ゼロなので冷凍効果ではない。

3冷凍サイクルの成績係数(COP)の定義として、正しいものはどれか。

  1. a冷凍効果 ÷ 圧縮仕事
  2. b圧縮仕事 ÷ 冷凍効果
  3. c凝縮熱量 ÷ 冷凍効果
  4. d冷凍効果 ÷ 凝縮熱量
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正解:a. 冷凍効果 ÷ 圧縮仕事

成績係数(COP)は「得られた冷凍効果(冷凍能力)」を「投入した圧縮仕事(動力)」で割った値で、値が大きいほど効率が良い。通常1より大きい。選択肢1は分母分子が逆で誤り。選択肢2・3は分母や分子に凝縮熱量を用いており定義と異なる。COP=冷凍効果/圧縮仕事が基本式である。

4冷凍能力の単位である「1日本冷凍トン」の熱量として、最も適切なものはどれか。

  1. a約3320 kcal/h(約3.86 kW)
  2. b約3024 kcal/h(約3.52 kW)
  3. c約1000 kcal/h(約1.16 kW)
  4. d約860 kcal/h(約1.00 kW)
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正解:a. 約3320 kcal/h(約3.86 kW)

1日本冷凍トンは0℃の水1トンを24時間で0℃の氷にするのに必要な除去熱量で、約3320 kcal/h(約3.86 kW)に相当する。選択肢1が正しい。選択肢2の3024 kcal/h(12000 BTU/h)は米国冷凍トンで日本冷凍トンより小さく、混同を狙ったひっかけ。選択肢4の860 kcal/hは1kW相当の熱量であり冷凍トンとは無関係。なお法定冷凍能力は冷凍保安規則により圧縮機の押しのけ量と冷媒定数Cから算定される。

5顕熱と潜熱に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. a潜熱は物質の状態変化(相変化)に使われ、その間の温度は変化しない
  2. b顕熱は物質の温度を変化させるのに使われる熱である
  3. c水が0℃で氷に凝固するときに放出される熱は潜熱である
  4. d過熱蒸気をさらに加熱して温度を上げるのに要する熱は潜熱である
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正解:d. 過熱蒸気をさらに加熱して温度を上げるのに要する熱は潜熱である

誤りは選択肢3。過熱蒸気(すでに気体)を加熱して温度を上げるのに要する熱は温度変化を伴うので顕熱であり、潜熱ではない。選択肢0は正しく、潜熱は蒸発・凝縮・凝固などの相変化に費やされ温度は一定に保たれる。選択肢1の顕熱の定義も正しい。選択肢2の凝固熱(潜熱)も正しい。相変化を伴わず温度が変わる=顕熱、温度一定で相が変わる=潜熱、と区別する。

6過冷却液および過熱蒸気に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. a過冷却液とは、その圧力における飽和温度より低い温度の液である
  2. b過熱蒸気とは、その圧力における飽和温度より低い温度の蒸気である
  3. c飽和液をさらに冷却しても過冷却液になることはない
  4. d過冷却度が大きいほど、その液は蒸発しやすい状態にある
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正解:a. 過冷却液とは、その圧力における飽和温度より低い温度の液である

正しいのは選択肢0。過冷却液はある圧力の飽和(沸騰)温度より低い温度まで冷やされた液で、凝縮器出口でこの状態にすると冷凍効果が増す。選択肢1は誤りで、過熱蒸気は飽和温度より「高い」温度の蒸気である。選択肢2も誤りで、飽和液を飽和温度以下に冷却したものがまさに過冷却液である。選択肢3も誤りで、過冷却度が大きい液は飽和温度から遠く、むしろ蒸発しにくい(安定な液)状態にある。

7熱交換器における熱通過率と対数平均温度差に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. a熱交換器の伝熱量は、熱通過率×伝熱面積×対数平均温度差で表される
  2. b熱通過率が大きいほど、熱は伝わりにくくなる
  3. c対数平均温度差は、算術平均温度差より常に大きい
  4. d対数平均温度差の単位はW/(m²·K)である
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正解:a. 熱交換器の伝熱量は、熱通過率×伝熱面積×対数平均温度差で表される

正しいのは選択肢0で、伝熱量 Q = K・A・Δtm(K:熱通過率、A:伝熱面積、Δtm:対数平均温度差)。選択肢1は誤りで、熱通過率が大きいほど熱は伝わりやすい。選択肢2も誤りで、対数平均温度差は算術平均温度差以下(常に小さいか等しい)になる。選択肢3も誤りで、対数平均温度差は温度差なので単位はK(または℃)であり、W/(m²·K)は熱通過率の単位である。

8定常運転している冷凍サイクルにおいて、凝縮器で冷媒が放出する熱量(凝縮熱量)に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. a凝縮器の放熱量は、冷凍効果と圧縮仕事の和に等しい
  2. b凝縮器の放熱量は、冷凍効果に等しい
  3. c凝縮器の放熱量は、圧縮仕事に等しい
  4. d凝縮器の放熱量は、冷凍効果から圧縮仕事を引いた値に等しい
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正解:a. 凝縮器の放熱量は、冷凍効果と圧縮仕事の和に等しい

正しいのは選択肢0。エネルギー保存より、凝縮器で放出する熱量=蒸発器で吸収した熱量(冷凍効果)+圧縮機で加えた仕事(圧縮仕事)となる。したがって凝縮熱量は冷凍効果より必ず大きい。選択肢1・2は一方のみで不足、選択肢3は和でなく差としており誤り。p-h線図上でも凝縮器の比エンタルピー差=冷凍効果分+圧縮仕事分となっていることと整合する。

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