問1容積式圧縮機と遠心式圧縮機の違いについて、正しいものはどれか。
- a遠心式圧縮機は容積式であり、シリンダ内の容積変化で圧縮する
- b往復式圧縮機は非容積式であり、小容量には向かない
- cスクリュー圧縮機は非容積式で、遠心式と同じ原理で圧縮する
- d遠心式(ターボ)圧縮機は非容積式であり、大容量に適する
答えと解説を見る
正解:d. 遠心式(ターボ)圧縮機は非容積式であり、大容量に適する
正しいのは、遠心式(ターボ)圧縮機は羽根車の高速回転で冷媒に運動エネルギーを与えて圧力を高める非容積式で大容量に適するとする記述。遠心式圧縮機は羽根車(インペラ)を高速回転させ、冷媒に速度エネルギーを与え、それを圧力に変換する非容積式で、大容量・低圧縮比の用途に適する。往復式・回転式・スクリュー式はいずれも密閉空間の容積を機械的に変化させて圧縮する容積式であるから、往復式を非容積式とする記述も、スクリュー圧縮機を非容積式で遠心式と同じ原理とする記述も誤り。また遠心式は容積式ではないので、遠心式をシリンダ内の容積変化で圧縮する容積式とする記述も誤り。
この問題のページ:容積式と遠心式圧縮機の違い →
問2往復式(レシプロ)圧縮機に関する記述として、正しいものはどれか。
- a回転式に比べて構造上、必ず振動が小さい
- b羽根車の遠心力で圧力を高めるため吸込弁・吐出弁を持たない
- cピストンとシリンダを使い、吸込弁・吐出弁で冷媒の出入りを制御する容積式である
- d1回転あたり必ず4回の吐出行程がある
答えと解説を見る
正解:c. ピストンとシリンダを使い、吸込弁・吐出弁で冷媒の出入りを制御する容積式である
正しいのは、ピストンとシリンダを使い吸込弁・吐出弁で冷媒の出入りを制御する容積式であると述べる記述。往復式圧縮機はピストンのシリンダ内往復運動で容積を変化させ、吸込弁と吐出弁の開閉により冷媒を吸込み・吐出す容積式である。吸込弁・吐出弁を持たないのは遠心式であるから、羽根車の遠心力で圧力を高めるため吸込弁・吐出弁を持たないとする記述は誤り。吐出回数はシリンダ数・行程で決まるため、一回転あたり必ず四回の吐出行程があるとする記述も誤り。往復運動を伴うため一般に回転式より振動は大きい傾向で、回転式に比べて構造上必ず振動が小さいとする記述も誤り。
この問題のページ:往復式(レシプロ)圧縮機の構造 →
問3スクリュー圧縮機の特徴として、誤っているものはどれか。
- a羽根車の遠心力で冷媒を圧縮する非容積式であり、大容量には不向きである
- b容量制御にスライド弁(スライドバルブ)を用いることができる
- c吸込・圧縮・吐出が連続的に行われ、往復式のような吸込・吐出弁を原理的に必要としない
- d雄雌のロータのかみ合いで冷媒を圧縮する容積式である
答えと解説を見る
正解:a. 羽根車の遠心力で冷媒を圧縮する非容積式であり、大容量には不向きである
誤っているのは、羽根車の遠心力で冷媒を圧縮する非容積式であり大容量には不向きだとする記述。スクリュー圧縮機は雄・雌一対のスクリューロータのかみ合いで気体空間を縮小して圧縮する容積式であり、羽根車の遠心力を用いる非容積式ではなく、比較的大容量に適する。残りの記述はいずれも正しい。ロータのかみ合いで圧縮する容積式であること、連続的に圧縮するため往復式のような吸込・吐出弁を原理的に必要としないこと、スライド弁で無段階の容量制御ができることは、いずれもスクリュー圧縮機の特徴である。
この問題のページ:スクリュー圧縮機の特徴 →
問4水冷横形シェルアンドチューブ凝縮器に関する記述として、正しいものはどれか。
- a冷媒を管内に、冷却水を管外(胴側)に流すのが標準的な構造である
- b冷却水を用いず、外気の顕熱のみで冷媒を凝縮させる空冷式である
- c凝縮した冷媒液は胴の最上部にたまるため、そこから液を取り出す
- d円筒胴内に多数の伝熱管を通し、管内に冷却水を流して管外の冷媒蒸気を凝縮させる
答えと解説を見る
正解:d. 円筒胴内に多数の伝熱管を通し、管内に冷却水を流して管外の冷媒蒸気を凝縮させる
水冷横形シェルアンドチューブ凝縮器は、円筒胴(シェル)内に多数の伝熱管(チューブ)を配し、管内に冷却水を通し、管外(胴側)の高温高圧の冷媒蒸気を冷却・凝縮させる。よって、円筒胴内に多数の伝熱管を通し管内に冷却水を流して管外の冷媒蒸気を凝縮させるとする記述が正しい。冷却水を管内、冷媒を胴側に流すのが標準であるから、冷媒を管内に冷却水を胴側に流すのが標準的な構造だとする記述は逆で誤り。水冷であり空冷ではないので、冷却水を用いず外気の顕熱のみで凝縮させる空冷式だとする記述も誤り。凝縮液は重力で胴の下部にたまり下部から取り出すため、凝縮液が胴の最上部にたまりそこから取り出すとする記述も誤り。
この問題のページ:水冷シェルアンドチューブ凝縮器 →
問5凝縮負荷(凝縮器で放出する熱量)に関する記述として、正しいものはどれか。
- a凝縮負荷は冷媒の種類によらず常に冷凍能力の2倍である
- b凝縮負荷は蒸発器の冷凍能力に等しく、圧縮仕事は含まれない
- c凝縮負荷は圧縮仕事から冷凍能力を差し引いた値に等しい
- d凝縮負荷は、蒸発器で得た冷凍能力に圧縮機の圧縮仕事に相当する熱量を加えたものにほぼ等しい
答えと解説を見る
正解:d. 凝縮負荷は、蒸発器で得た冷凍能力に圧縮機の圧縮仕事に相当する熱量を加えたものにほぼ等しい
定常運転では、凝縮器が放出する熱量(凝縮負荷)は、蒸発器で冷媒がくみ上げた熱量(冷凍能力)と、圧縮機が冷媒に加えた圧縮仕事に相当する熱量の和にほぼ等しい(エネルギー保存)。よって、冷凍能力に圧縮仕事に相当する熱量を加えたものにほぼ等しいとする記述が正しい。凝縮負荷には圧縮仕事が含まれるため、冷凍能力に等しく圧縮仕事は含まれないとする記述や、圧縮仕事から冷凍能力を差し引いた値に等しいとする記述は誤り。両者の比は運転条件で変わるため、冷媒の種類によらず常に冷凍能力の二倍だとする記述も誤り。
この問題のページ:凝縮負荷の求め方 →
問6蒸発式凝縮器(エバポレイティブコンデンサ)に関する記述として、正しいものはどれか。
- a冷却水を一切用いず、外気の顕熱のみで凝縮させる
- b冷媒を大気中に蒸発させて冷却する構造である
- c水冷横形シェルアンドチューブ凝縮器と全く同一の構造である
- d伝熱管に散布した水の蒸発潜熱を利用して冷媒を凝縮させ、送風機で空気を通す
答えと解説を見る
正解:d. 伝熱管に散布した水の蒸発潜熱を利用して冷媒を凝縮させ、送風機で空気を通す
蒸発式凝縮器は、冷媒が流れる伝熱管の外面に水を散布し、送風機で空気を通して水を蒸発させ、その蒸発潜熱で冷媒蒸気を凝縮させる。よって、伝熱管に散布した水の蒸発潜熱を利用して冷媒を凝縮させ送風機で空気を通すとする記述が正しい。水の蒸発潜熱を使うため、冷却水を一切用いず外気の顕熱のみで凝縮させるとする記述は誤り。シェルアンドチューブとは構造が異なるので、水冷横形シェルアンドチューブ凝縮器と全く同一の構造だとする記述も誤り。冷却するのは冷媒であり冷媒自体を大気に蒸発させるわけではないので、冷媒を大気中に蒸発させて冷却する構造だとする記述も誤り。
この問題のページ:蒸発式凝縮器の仕組み →
問7満液式蒸発器と乾式蒸発器の違いについて、正しいものはどれか。
- a満液式蒸発器は出口で必ず大きな過熱度をとり、液分離器を必要としない
- b乾式蒸発器は蒸発器内をほぼ液で満たすため、出口は湿り蒸気である
- c乾式蒸発器は冷媒充填量が満液式より必ず多い
- d満液式は液中で蒸発させ、乾式は管内で蒸発し出口は過熱蒸気となる
答えと解説を見る
正解:d. 満液式は液中で蒸発させ、乾式は管内で蒸発し出口は過熱蒸気となる
満液式蒸発器は蒸発器を冷媒液で満たし、伝熱管を液に浸して蒸発させる方式。乾式蒸発器は膨張弁で絞った冷媒を管内で流しながら蒸発させ、出口ではほぼ過熱蒸気(乾いた状態)にする。よって、この両者の違いをそのとおりに述べる記述が正しい。乾式は液で満たさないので、乾式が蒸発器内をほぼ液で満たし出口が湿り蒸気だとする記述は誤り。満液式は液面制御が必要で過熱度は小さく液戻り対策(液分離器等)を要するため、満液式が出口で必ず大きな過熱度をとり液分離器を必要としないとする記述も誤り。冷媒充填量は一般に満液式のほうが多く、乾式のほうが必ず多いとする記述は逆で誤り。
この問題のページ:満液式蒸発器と乾式蒸発器の違い →
問8温度自動膨張弁(TEV)に関する記述として、正しいものはどれか。
- a開度が固定で調節機能を持たないキャピラリチューブと同一のものである
- b蒸発器出口の圧力を一定に保つことを直接の目的とする定圧膨張弁である
- c蒸発器出口冷媒の過熱度を一定に保つように弁開度を調節する
- d感温筒を凝縮器出口に取り付けて凝縮温度を制御する
答えと解説を見る
正解:c. 蒸発器出口冷媒の過熱度を一定に保つように弁開度を調節する
温度自動膨張弁(TEV)は感温筒を蒸発器出口に取り付け、蒸発器出口冷媒の過熱度を検知して、その過熱度が一定になるよう弁開度を自動調節する。よって、蒸発器出口冷媒の過熱度を一定に保つように弁開度を調節するとする記述が正しい。過熱度制御であって定圧制御ではないので、蒸発器出口の圧力を一定に保つことを直接の目的とする定圧膨張弁だとする記述は誤り。感温筒は蒸発器出口に付けるものであり、感温筒を凝縮器出口に取り付けて凝縮温度を制御するとする記述も誤り。キャピラリチューブは細管の抵抗で絞る開度固定の膨張機構でTEVとは別物であるから、両者を同一のものだとする記述も誤り。
この問題のページ:温度自動膨張弁TEVの制御機能 →
問9キャピラリチューブ(毛細管)を膨張機構として用いる場合の特徴として、誤っているものはどれか。
- a負荷変動に応じて自動的に開度を変え、過熱度を一定に保つ制御機能を持つ
- b内径や長さで絞り量が決まり、冷媒充填量の管理が重要となる
- c細い管の流動抵抗によって冷媒を減圧・絞り膨張させる
- d構造が簡単で可動部がなく、小形の冷凍装置に多く用いられる
答えと解説を見る
正解:a. 負荷変動に応じて自動的に開度を変え、過熱度を一定に保つ制御機能を持つ
誤りは、負荷変動に応じて自動的に開度を変え、過熱度を一定に保つ制御機能を持つとする記述。キャピラリチューブは細管の流動抵抗で冷媒を絞る固定絞りで、TEVのような可動弁・感温筒による過熱度一定の自動制御機能は持たない。細い管の流動抵抗によって減圧・絞り膨張させるとする記述、構造が簡単で可動部がなく小形の冷凍装置に多く用いられるとする記述、内径や長さで絞り量が決まり冷媒充填量の管理が重要となるとする記述はいずれも正しく、可動部がなく構造が簡単で家庭用冷蔵庫など小形機に多用され、内径・長さで絞り量が決まるため冷媒充填量の適正管理が重要となる。
この問題のページ:キャピラリチューブの特徴 →
問10冷凍装置の附属機器に関する記述として、正しいものはどれか。
- a受液器は圧縮機吸込側に設け、冷媒蒸気を貯留する容器である
- bドライヤ(乾燥器)は冷媒中の潤滑油を除去することを主目的とする
- c液分離器(アキュムレータ)は凝縮器出口に設け、凝縮した液を過冷却する
- d油分離器は圧縮機吐出側に設け、冷媒とともに吐き出された潤滑油を分離して圧縮機へ戻す
答えと解説を見る
正解:d. 油分離器は圧縮機吐出側に設け、冷媒とともに吐き出された潤滑油を分離して圧縮機へ戻す
正しいのは、油分離器を圧縮機吐出側に設け、冷媒とともに吐き出された潤滑油を分離して圧縮機へ戻すとする記述。油分離器(オイルセパレータ)は圧縮機の吐出配管に設け、冷媒ガスに同伴して出た潤滑油を分離し圧縮機クランクケースへ戻す。受液器は凝縮器の後(高圧液側)に設け冷媒液を貯留するので、受液器を圧縮機吸込側に設けて冷媒蒸気を貯留する容器だとする記述は誤り。液分離器(アキュムレータ)は蒸発器と圧縮機吸込の間に設け、液が圧縮機へ戻る液戻り(液圧縮)を防ぐもので凝縮器出口の過冷却器ではないため、液分離器を凝縮器出口に設けて凝縮した液を過冷却するとする記述は誤り。ドライヤは冷媒系統中の水分を除去するもので油除去ではないため、ドライヤが潤滑油の除去を主目的とするとする記述も誤り。
この問題のページ:冷凍装置の附属機器の役割 →
問11液ガス熱交換器の作用について、正しいものはどれか。
- a凝縮器を出た高圧液冷媒どうしを内部で混合し、系統ごとの圧力差をなくして圧力を均一化するための装置である
- b圧縮機から吐き出された高温の冷媒ガスを冷却水と直接接触させて冷却し、凝縮液化させるための装置である
- c蒸発器内に残った冷媒液を外部の温水などで加熱し、その蒸発を促進することだけを目的として設けられる装置である
- d凝縮器出口の高温液冷媒と蒸発器出口の低温ガス冷媒を熱交換させ、液を過冷却するとともに吸込ガスを適度に過熱させる
答えと解説を見る
正解:d. 凝縮器出口の高温液冷媒と蒸発器出口の低温ガス冷媒を熱交換させ、液を過冷却するとともに吸込ガスを適度に過熱させる
正しいのは、凝縮器出口の高温液冷媒と蒸発器出口の低温ガス冷媒を熱交換させ、液を過冷却するとともに吸込ガスを適度に過熱させるとする記述。液ガス熱交換器は、凝縮器を出た高温の液冷媒と、蒸発器を出た低温の吸込ガス冷媒とを熱交換させる。これにより液側は過冷却されて膨張弁前のフラッシュガス発生を抑え、ガス側は適度に過熱されて圧縮機への液戻りを防ぐ。高圧液冷媒どうしを混合して圧力を均一化する装置だとする記述や、冷媒ガスを冷却水で直接冷却して凝縮させる装置だとする記述は、いずれも液ガス熱交換器の働きとは無関係で誤り。蒸発器内の冷媒液を加熱して蒸発を促進するためだけの装置だとする記述も誤り。
この問題のページ:液ガス熱交換器の作用 →
問12凝縮温度・蒸発温度と圧力の関係について、正しいものはどれか。
- a凝縮圧力は凝縮温度と無関係に一定である
- b蒸発圧力は蒸発温度が上がるほど低くなる
- c凝縮温度が高くなるほど、その温度に対応する飽和圧力である凝縮圧力(高圧側圧力)は高くなる
- d蒸発温度が低くなるほど、蒸発圧力(低圧側圧力)は高くなる
答えと解説を見る
正解:c. 凝縮温度が高くなるほど、その温度に対応する飽和圧力である凝縮圧力(高圧側圧力)は高くなる
正しいのは、凝縮温度が高くなるほど、その温度に対応する飽和圧力である凝縮圧力(高圧側圧力)は高くなるとする記述。冷媒は凝縮器内で飽和状態にあり、凝縮温度が高いほどその温度に対応する飽和蒸気圧が高くなるため、凝縮圧力(高圧側)は上昇する。蒸発側も同様に飽和関係にあり、蒸発温度が低いほど飽和圧力は低くなるので、蒸発温度が低くなるほど蒸発圧力が高くなるとする記述も、蒸発温度が上がるほど蒸発圧力が低くなるとする記述も誤り。凝縮圧力は凝縮温度に依存して変化するため、凝縮圧力は凝縮温度と無関係に一定であるとする記述も誤り。
この問題のページ:凝縮温度と凝縮圧力の関係 →
問13往復式(レシプロ)圧縮機の容量制御に用いられるアンローダ機構に関する記述として、正しいものはどれか。
- a凝縮器側の電磁弁を開閉して冷媒の流れを止めることで圧縮機の容量を制御する機構である
- b吸込弁を強制的に開放状態に保持し、該当シリンダを無負荷運転として段階的に容量を制御する
- c圧縮機の回転数をインバータで連続的に変化させることで容量を制御する機構である
- d吐出弁を強制的に開放状態に保持し、圧縮ガスをそのまま吸込側へ逃がして容量を制御する
答えと解説を見る
正解:b. 吸込弁を強制的に開放状態に保持し、該当シリンダを無負荷運転として段階的に容量を制御する
アンローダは往復圧縮機の代表的な容量制御装置で、特定シリンダの吸込弁を油圧や電磁力などで強制的に開放状態に保持する。吸い込んだガスは圧縮されずに開いたままの吸込弁から吸込側へ押し戻されるため、そのシリンダは実質的に仕事をしない無負荷運転となり、作動シリンダ数に応じて段階的に容量を減らせる。吐出弁を開放する方式はアンローダではなく、高圧の吐出ガスがシリンダへ逆流して撹拌され過熱を招くだけで容量制御には用いられない。回転数を変える制御はインバータ制御であり、アンローダとは別方式である。凝縮器側の弁開閉は圧縮機の容量制御機構ではない。
この問題のページ:アンローダ機構による容量制御 →
問14空冷凝縮器に関する記述として、正しいものはどれか。
- a水を用いる凝縮器と全く同じ伝熱管構造で、冷却水の代わりに海水を通す方式である
- b伝熱管とフィンに送風機で外気を通し、外気の顕熱によって冷媒蒸気を凝縮させる
- c散布水の蒸発潜熱を利用して冷媒を凝縮させるため、水の供給が不可欠である
- d冷媒を大気中へ直接放出しながら冷却する開放型の凝縮器である
答えと解説を見る
正解:b. 伝熱管とフィンに送風機で外気を通し、外気の顕熱によって冷媒蒸気を凝縮させる
空冷凝縮器はフィン付き伝熱管に送風機で外気を通し、外気の顕熱で冷媒蒸気の凝縮熱を奪う方式で、冷却水を必要としない。水冷凝縮器とは構造も伝熱の仕組みも異なるため同一とする記述は誤り。蒸発潜熱を利用する方式は蒸発式凝縮器の説明であり空冷式とは別物である。冷媒を大気中に放出する構造ではなく、閉回路内で凝縮させる。
この問題のページ:空冷凝縮器による顕熱凝縮 →
問15水冷凝縮器の伝熱管内面に生じる水あか(スケール)の影響として、正しいものはどれか。
- a伝熱管の熱通過率が向上し、凝縮圧力が低下する
- b伝熱抵抗が増して熱通過率が低下し、凝縮圧力・凝縮温度が上昇する
- c蒸発器側の伝熱にのみ影響し、凝縮圧力には影響しない
- d圧縮機の吐出ガス温度と圧縮動力をともに低下させる
答えと解説を見る
正解:b. 伝熱抵抗が増して熱通過率が低下し、凝縮圧力・凝縮温度が上昇する
水あかは熱伝導率が小さく、伝熱管内面に付着すると断熱層として働いて伝熱を妨げるため、凝縮器の熱通過率が低下する。その結果、同じ冷却水温・水量でも凝縮に必要な温度差が広がり、凝縮温度・凝縮圧力が上昇する。熱通過率が向上して凝縮圧力が下がるという記述は逆であり誤り。水あかは水冷凝縮器の管内に生じるものであり、蒸発器側の伝熱には直接関係しない。凝縮圧力の上昇に伴い圧縮比が増すため、吐出ガス温度・圧縮動力はむしろ増加する。
この問題のページ:水冷凝縮器のスケール付着の影響 →
問16冷凍装置の冷媒系統に不凝縮ガス(空気など)が混入した場合の影響として、正しいものはどれか。
- a不凝縮ガスの混入により凝縮圧力はかえって低下し、装置効率が向上する
- b不凝縮ガスは凝縮器上部に滞留して分圧を生じ、凝縮圧力を上昇させる
- c不凝縮ガスは蒸発器内でのみ作用し、凝縮器の圧力には無関係である
- d不凝縮ガスは凝縮器内で冷媒とともに液化し、系外へ自然に排出される
答えと解説を見る
正解:b. 不凝縮ガスは凝縮器上部に滞留して分圧を生じ、凝縮圧力を上昇させる
不凝縮ガスは冷媒のように凝縮せず気体のまま残るため凝縮器の上部などに滞留し、その分圧が加わることで全圧である凝縮圧力を押し上げる。液化しないため自然に系外へ排出されることはなく、ガスパージャなどで人為的に排出する必要がある。凝縮圧力が上昇すれば圧縮比が増して装置効率はむしろ悪化するため、効率が向上するという記述は誤り。不凝縮ガスは主に高圧側の凝縮器に滞留し、凝縮圧力に直接影響する。
この問題のページ:不凝縮ガス混入による凝縮圧力上昇 →
問17ホットガスデフロスト(ホットガス除霜)に関する記述として、正しいものはどれか。
- a圧縮機吐出側の高温高圧ガスの一部を蒸発器に導入して霜を融かす方式である
- b圧縮機を停止して自然対流のみで霜を融かすオフサイクルデフロストの別名である
- c蒸発器コイルに温水を散布し、水の顕熱で霜を融かす方式である
- d蒸発器出口の低温低圧ガスを蒸発器入口へ戻して霜を融かす方式である
答えと解説を見る
正解:a. 圧縮機吐出側の高温高圧ガスの一部を蒸発器に導入して霜を融かす方式である
ホットガスデフロストは圧縮機吐出側の高温高圧冷媒ガスの一部をバイパスさせて蒸発器に導入し、そのガスが持つ熱で霜を融解させる除霜方式である。蒸発器出口は低温低圧のガスであり、これを戻しても霜を融かす熱源にはならない。水を散布して融かす方式は散水式除霜であり、ホットガス方式とは熱源が異なる。圧縮機を停止し自然対流のみで霜を融かすのはオフサイクルデフロストであり、ホットガスデフロストとは別の方式である。
この問題のページ:ホットガスデフロストの仕組み →
問18散水式除霜に関する記述として、正しいものはどれか。
- a圧縮機を運転したまま送風機だけを強めて霜を吹き飛ばす方式である
- b冷媒液をそのまま蒸発器表面に散布して霜を昇華させる方式である
- c蒸発器コイルに水を散布し、水の顕熱によって霜を融かす方式である
- d圧縮機吐出ガスの熱を利用して霜を融かす方式であり、水は使用しない
答えと解説を見る
正解:c. 蒸発器コイルに水を散布し、水の顕熱によって霜を融かす方式である
散水式除霜は蒸発器コイルに外部から水を散布し、水が持つ顕熱によって表面の霜を融解させる方式で、冷蔵庫のユニットクーラーなどで用いられる。圧縮機吐出ガスの熱を利用する方式はホットガスデフロストであり、散水式とは熱源が異なるため誤り。冷媒液を散布する方式ではなく、除霜に使うのは別途供給する水である。送風だけで霜を吹き飛ばす操作は融解による除霜ではなく、散水式除霜の説明として誤り。
この問題のページ:散水式除霜の仕組み →
問19受液器(レシーバ)に関する記述として、正しいものはどれか。
- a凝縮器で凝縮した高圧液冷媒を一時的に貯留し、負荷変動時の冷媒量を調整する容器である
- b圧縮機吸込側に設けられ、冷媒蒸気を一時的に貯留する容器である
- c冷媒中の水分を除去することを主目的とした容器である
- d蒸発器の一部として、冷媒液を蒸発させるための容器である
答えと解説を見る
正解:a. 凝縮器で凝縮した高圧液冷媒を一時的に貯留し、負荷変動時の冷媒量を調整する容器である
受液器は凝縮器出口から膨張弁までの高圧液配管に設けられ、凝縮した液冷媒を一時貯留することで、負荷変動などによる装置内の冷媒循環量の過不足を吸収する役割を持つ。圧縮機吸込側でガスを貯留する容器という記述は液分離器(アキュムレータ)の役割と混同したものであり誤り。水分除去を主目的とする機器はドライヤであり、受液器の機能ではない。蒸発器の一部でもなく、高圧側の液貯留容器である点で明確に区別される。
この問題のページ:受液器(レシーバ)の役割 →
問20液配管に設けるサイトグラス(のぞきガラス)に関する記述として、正しいものはどれか。
- a蒸発器表面の着霜状況を目視するために取り付ける窓である
- b凝縮器内部の圧力を数値で表示する圧力計の一種である
- c圧縮機内の潤滑油量を直接確認するための窓である
- d冷媒液の流れやフラッシュガスの発生を目視確認できる
答えと解説を見る
正解:d. 冷媒液の流れやフラッシュガスの発生を目視確認できる
サイトグラスは液配管の途中に設け、冷媒液が正常に流れているか、気泡(フラッシュガス)が発生していないかを目視でき、水分指示薬入りのものでは色の変化から冷媒系統の乾燥状態も確認できる。圧縮機の油量確認は油面計(オイルサイトグラス)の役割であり、液配管のサイトグラスとは設置目的・場所が異なる。圧力を数値表示する計器ではなく、あくまで目視確認用の窓である。蒸発器の着霜確認のための窓ではない。
この問題のページ:サイトグラスによる冷媒状態確認 →
問21冷媒液配管に設けるドライヤ(乾燥器)に関する記述として、正しいものはどれか。
- a冷媒中に混入した不凝縮ガスを系外へ排出することを主目的とする機器である
- bシリカゲル等の乾燥剤を内蔵し、冷媒中の水分を除去して膨張弁の氷結などを防止する
- c圧縮機吐出ガスの脈動や騒音を減衰させることを主目的とする機器である
- d冷媒とともに循環する潤滑油を除去することを主目的とする機器である
答えと解説を見る
正解:b. シリカゲル等の乾燥剤を内蔵し、冷媒中の水分を除去して膨張弁の氷結などを防止する
ドライヤはシリカゲルなどの乾燥剤を内蔵し、冷媒系統中に残留・混入した水分を吸着除去することで、膨張弁部での氷結による詰まりや冷媒・油の加水分解を防ぐために液配管に設置される。潤滑油の除去を主目的とする機器ではなく、油分離器の役割と混同した誤りである。吐出ガスの脈動減衰はマフラーなどの役割であり、ドライヤの機能ではない。不凝縮ガスの排出はガスパージャの役割であり、ドライヤが行うものではない。
この問題のページ:液配管ドライヤによる水分除去 →
問22満液式蒸発器における潤滑油の挙動に関する記述として、正しいものはどれか。
- a油はほとんど蒸発せずに液中に滞留しやすいため、油戻し装置により圧縮機へ戻す必要がある
- b油は冷媒液より密度が小さく蒸発器内の液中にとどまりにくいため、乾式より油戻しが容易である
- c乾式蒸発器の方が満液式より油が滞留しやすく、油戻し装置を必須とする
- d満液式蒸発器では油の滞留は原理的に起こらず、油戻しの対策は不要である
答えと解説を見る
正解:a. 油はほとんど蒸発せずに液中に滞留しやすいため、油戻し装置により圧縮機へ戻す必要がある
満液式蒸発器は伝熱管を冷媒液に浸して使うため、冷媒とともに循環してきた油は、冷媒だけが蒸発して油自身はほとんど蒸発せず、蒸発器内の液中に濃縮・滞留しやすい。放置すると圧縮機側の油量不足を招くため、油戻し装置(油抜き管など)を設けて圧縮機へ戻す必要がある。油が液中にとどまりにくく油戻しが容易という記述は実際の傾向と逆であり誤り。油の滞留が原理的に起こらないという記述も誤りで、満液式では特に油戻しへの配慮が重要となる。乾式蒸発器では冷媒蒸気とともに油が圧縮機へ運ばれやすく、満液式の方が油が滞留しやすい点でも記述は逆である。
この問題のページ:満液式蒸発器での油戻し →
問23回転式圧縮機のうちローリングピストン形(ロータリー圧縮機)の特徴として、正しいものはどれか。
- a偏心したロータがシリンダ内面に接しながら回転し、ブレード(仕切り板)で吸込側と吐出側を区画して容積式に圧縮する
- b羽根車を高速で回転させて冷媒ガスに速度エネルギーを与え、これを圧力に変換して圧縮する非容積式の構造である
- c雄雌一対のロータのかみ合いによって、吸い込んだ冷媒ガスの空間を連続的に縮小しながら圧縮する構造である
- dピストンのシリンダ内での往復運動と、吸込弁及び吐出弁の開閉とによって冷媒ガスを圧縮する構造である
答えと解説を見る
正解:a. 偏心したロータがシリンダ内面に接しながら回転し、ブレード(仕切り板)で吸込側と吐出側を区画して容積式に圧縮する
正しいのは、偏心したロータがシリンダ内面に接しながら回転し、ブレード(仕切り板)で吸込側と吐出側を区画して容積式に圧縮するとする記述。ローリングピストン形ロータリー圧縮機は、偏心したロータがシリンダ内壁に沿って回転し、ブレードが吸込空間と圧縮・吐出空間を仕切ることで容積を変化させて圧縮する容積式である。羽根車を高速回転させ速度エネルギーを与えて圧縮する非容積式とする記述は遠心式(ターボ)圧縮機の説明であり誤り。雄雌一対のロータのかみ合いで気体空間を連続的に縮小するとする記述は、雄雌ロータのかみ合いを用いるスクリュー圧縮機の説明で誤り。ピストンのシリンダ内往復運動と吸込弁・吐出弁の開閉により圧縮するとする記述は往復式(レシプロ)圧縮機の説明であり、ロータリー圧縮機とは構造が異なるため誤り。
この問題のページ:ローリングピストン形圧縮機の構造 →
問24スクロール圧縮機の特徴として、正しいものはどれか。
- a雄雌一対のヘリカルロータのかみ合いで容積を変化させる圧縮機である
- b吸込弁・吐出弁の開閉タイミングにより1シリンダあたりの吐出量が決まる往復式の一種である
- c渦巻き状の固定スクロールと旋回スクロールの間に形成される三日月状の空間を中心へ移動させながら容積を縮小して圧縮する
- d羽根車の遠心力により冷媒に圧力を与える非容積式の圧縮機である
答えと解説を見る
正解:c. 渦巻き状の固定スクロールと旋回スクロールの間に形成される三日月状の空間を中心へ移動させながら容積を縮小して圧縮する
正しいのは、渦巻き状の固定スクロールと旋回スクロールの間に形成される三日月状の空間を中心へ移動させながら容積を縮小して圧縮するとする記述。スクロール圧縮機は渦巻き状の固定スクロールに対し旋回スクロールを偏心運動させ、両者の間にできる三日月形の空間を外周から中心へ送りながら次第に容積を縮小して圧縮する容積式である。羽根車の遠心力により冷媒に圧力を与える非容積式とする記述は遠心式圧縮機の説明であり誤り。吸込弁・吐出弁の開閉タイミングにより吐出量が決まる往復式の一種とする記述は往復式(レシプロ)圧縮機の説明で、スクロール圧縮機には吸込弁・吐出弁の開閉による圧縮機構はなく誤り。雄雌一対のヘリカルロータのかみ合いで容積を変化させるとする記述は雄雌ロータを用いるスクリュー圧縮機の説明であり、スクロール圧縮機とは構造原理が異なるため誤り。
この問題のページ:スクロール圧縮機の圧縮方式 →
問25二段圧縮冷凍装置における中間冷却器の役割として、正しいものはどれか。
- a低段・高段の両圧縮機を一体化し、単段圧縮と同じ圧縮比で運転させるための装置である
- b低段圧縮機の吐出ガスを冷却して高段圧縮機の吸込ガス温度を下げ、高段吐出ガス温度の過度な上昇を抑える
- c蒸発器出口の冷媒液を過冷却するためだけに用いられ、圧縮機とは無関係の装置である
- d高段圧縮機の吐出ガスを再加熱して凝縮器へ送る前に温度を上げる装置である
答えと解説を見る
正解:b. 低段圧縮機の吐出ガスを冷却して高段圧縮機の吸込ガス温度を下げ、高段吐出ガス温度の過度な上昇を抑える
正しいのは、低段圧縮機の吐出ガスを冷却して高段圧縮機の吸込ガス温度を下げ、高段吐出ガス温度の過度な上昇を抑えるとする記述。二段圧縮では低段圧縮機の吐出ガスをそのまま高段圧縮機に吸い込ませると吐出ガス温度が過度に上昇するため、中間冷却器で低段吐出ガスの過熱を除去してから高段圧縮機へ吸い込ませ、高段吐出ガス温度の異常な上昇や潤滑油の劣化を防ぐ。なお中間冷却器には、凝縮器出口の冷媒液を過冷却して冷凍能力を増す働きもある。高段圧縮機の吐出ガスを再加熱して凝縮器へ送る前に温度を上げる装置とする記述は、冷却とは逆の説明で誤り。蒸発器出口の冷媒液を過冷却するためだけに用いられ圧縮機とは無関係とする記述は、圧縮機と無関係とする点が誤りで、中間冷却器の主目的は低段吐出ガスの冷却である。両圧縮機を一体化して単段圧縮と同じ圧縮比で運転させるための装置とする記述も誤りで、二段圧縮はそもそも全体の圧縮比を低段・高段で分担させ、各段の圧縮比を小さくする方式であり、単段と同じ圧縮比で運転させる装置ではない。
この問題のページ:二段圧縮装置における中間冷却器の役割 →
問26プレート形熱交換器の特徴として、正しいものはどれか。
- a管内を流れる冷媒蒸気を、管外面に散布した水の蒸発潜熱を主として利用して凝縮させる構造である
- b波形に成形した多数の薄い伝熱板を重ねて流路を形成し、シェルアンドチューブ形に比べ小型で高い伝熱性能が得られる
- c円筒胴内に多数の丸管を配置し、管内外に流体を通す構造で、プレート形もこれと全く同一の構造である
- d伝熱面を持たず、二つの流体を直接混合させることで熱交換する方式である
答えと解説を見る
正解:b. 波形に成形した多数の薄い伝熱板を重ねて流路を形成し、シェルアンドチューブ形に比べ小型で高い伝熱性能が得られる
正しいのは、波形に成形した多数の薄い伝熱板を重ねて流路を形成し、シェルアンドチューブ形に比べ小型で高い伝熱性能が得られるとする記述。プレート形熱交換器は波形にプレス成形した薄い金属板を多数重ね合わせ、板と板の間に二つの流体を交互に流す構造で、伝熱面積を大きく取りやすく、同能力のシェルアンドチューブ形に比べて小型・軽量で高い伝熱性能が得られる。円筒胴内に多数の丸管を配置する構造とプレート形が全く同一とする記述は、シェルアンドチューブ形の構造の説明であり、同一の構造とする点が誤り。伝熱面を持たず二つの流体を直接混合させて熱交換するとする記述は直接接触式の説明で、プレート形は伝熱板を介した間接熱交換であるため誤り。管外面に散布した水の蒸発潜熱を主に利用して管内の冷媒蒸気を凝縮させるとする記述は蒸発式凝縮器の説明であり、プレート形熱交換器の特徴ではないため誤り。
この問題のページ:プレート形熱交換器の伝熱構造 →
問27温度自動膨張弁の内部均圧形と外部均圧形の使い分けについて、正しいものはどれか。
- a内部均圧形は蒸発器出口の圧力を専用の均圧管で弁本体まで導く構造で、圧力降下の大きい蒸発器に適する
- b外部均圧形は蒸発器出口の圧力を均圧管で導くため、圧力降下の大きい蒸発器でも過熱度制御の精度が保たれる
- c外部均圧形は感温筒を持たず、弁入口の圧力のみで開度を決定する方式である
- d内部均圧形と外部均圧形は均圧の方式が異なるだけで、どちらも蒸発器の圧力降下の大小によらず制御精度は同一である
答えと解説を見る
正解:b. 外部均圧形は蒸発器出口の圧力を均圧管で導くため、圧力降下の大きい蒸発器でも過熱度制御の精度が保たれる
正しいのは、外部均圧形が蒸発器出口付近の圧力を均圧管でパワーエレメントのダイアフラム下面に導くため圧力降下が大きくても過熱度制御の精度が保たれる、と述べる記述。外部均圧形は均圧管で蒸発器出口付近(感温筒取付位置付近)の圧力をダイアフラム下面に導くため、蒸発器内での圧力降下(圧損)が大きい場合でもその影響を補正でき、過熱度制御の精度を保てる。一方、内部均圧形は弁出口(蒸発器入口)の圧力を弁内部の通路でダイアフラム下面に導く構造のため、蒸発器の圧力降下が大きいと過熱度を実際より小さく見積もる誤差が生じ、不向きである。内部均圧形が専用の均圧管で蒸発器出口の圧力を弁本体まで導き圧力降下の大きい蒸発器に適するとする記述は、内部均圧形と外部均圧形の説明が逆で誤り。外部均圧形は感温筒を持たず弁入口の圧力のみで開度を決定するとする記述も誤りで、外部均圧形も内部均圧形と同様に感温筒で蒸発器出口の冷媒温度を検知して過熱度を制御する。均圧の方式が異なるだけで圧力降下の大小によらず制御精度は同一とする記述も誤りで、蒸発器の圧力降下が大きい場合には内部均圧形の制御精度が低下するため、両者の制御精度が常に同一とはいえない。
この問題のページ:温度自動膨張弁の内部均圧形と外部均圧形 →
問28電子膨張弁に関する記述として、正しいものはどれか。
- a細管の流動抵抗だけで冷媒を絞る固定絞りであり、負荷変動に応じた開度調節はできない
- b圧縮機吐出側に設置し、吐出ガスの圧力を一定に保つことを目的とした弁である
- c電気信号によりモータ等で弁開度を制御し、感温筒に代えて温度センサの信号で開度を調節する
- d感温筒とパワーエレメントの内部圧力のみで開度が決まり、電気配線を一切必要としない機械式の弁である
答えと解説を見る
正解:c. 電気信号によりモータ等で弁開度を制御し、感温筒に代えて温度センサの信号で開度を調節する
正しいのは、電気信号によりモータ等で弁開度を制御し、感温筒による機械的な過熱度検知に代えて温度センサ等の電気信号で開度を調節できる、と述べる記述。電子膨張弁はステッピングモータなどのアクチュエータで弁体を駆動し、蒸発器出口などに取り付けた温度センサ・圧力センサの電気信号に基づいて制御装置が開度を調節する方式で、温度自動膨張弁の感温筒・パワーエレメントによる機械的な検知に代わる電気的な制御を行う。感温筒とパワーエレメントの内部圧力のみで開度が決まり電気配線を一切必要としない機械式の弁とする記述は、感温筒・パワーエレメントのみで作動する温度自動膨張弁の説明であり、電気信号を用いる電子膨張弁とは異なるため誤り。細管の流動抵抗だけで冷媒を絞る固定絞りで負荷変動に応じた開度調節ができないとする記述はキャピラリチューブの説明であり、電子膨張弁は負荷変動に応じて開度を能動的に変えられるため誤り。圧縮機吐出側に設置し吐出ガスの圧力を一定に保つ弁とする記述は膨張弁一般の設置位置・目的として誤りで、膨張弁は高圧液配管から蒸発器入口にかけて設け冷媒を減圧するものであり、圧縮機吐出側の圧力保持を目的とはしない。
この問題のページ:電子膨張弁による弁開度制御 →
問29複数の蒸発器やコイル回路に冷媒液を分配するディストリビュータ(分配器)の役割として、正しいものはどれか。
- a圧縮機吐出ガスに同伴する潤滑油を分離し、圧縮機へ戻すための機器である
- b凝縮器で凝縮した高圧液冷媒を一時的に貯留し、循環冷媒量の過不足を調整する容器である
- c冷媒中の水分を吸着除去し、膨張弁部の氷結を防止するための機器である
- d膨張弁で減圧された気液二相の冷媒を、蒸発器の複数の並列回路へ均等に分配する
答えと解説を見る
正解:d. 膨張弁で減圧された気液二相の冷媒を、蒸発器の複数の並列回路へ均等に分配する
正しいのは、膨張弁で減圧された気液二相の冷媒を蒸発器の複数の並列回路へできるだけ均等に分配する、と述べる記述。ディストリビュータは膨張弁の直後に設け、減圧されて気液二相となった冷媒を、フィンコイルなど複数に分かれた蒸発器回路へできるだけ均等に分配する役割を持つ。分配が偏ると回路ごとに冷媒流量の差が生じ、過熱度のばらつきや着霜の偏りが起こり、蒸発器全体の能力低下の原因になる。圧縮機吐出ガスに同伴する潤滑油を分離して圧縮機へ戻すとする記述は油分離器の役割であり誤り。冷媒中の水分を吸着除去して膨張弁部の氷結を防止するとする記述はドライヤ(乾燥器)の役割であり誤り。凝縮した高圧液冷媒を一時的に貯留して循環冷媒量の過不足を調整するとする記述は受液器(レシーバ)の役割であり、いずれもディストリビュータの機能とは異なる。
この問題のページ:ディストリビュータによる冷媒分配 →
問30圧縮機クランクケースに取り付けるクランクケースヒータの目的として、正しいものはどれか。
- a蒸発器の着霜を防止するために、蒸発器コイルを直接加熱する目的で設けられる
- b冷媒液配管内に生じたフラッシュガスを加熱して再凝縮させるために用いられる
- c停止中に冷媒が油に溶け込むのを抑え、起動時のオイルフォーミングの発生を防止する
- d運転中の吐出ガス温度を意図的に上昇させ、油分離器での油分離効率を高めるために用いる
答えと解説を見る
正解:c. 停止中に冷媒が油に溶け込むのを抑え、起動時のオイルフォーミングの発生を防止する
正しいのは、停止中に冷媒がクランクケース内の油に溶け込むのを抑え、起動時のオイルフォーミングを防止する、と述べる記述。クランクケースヒータは圧縮機停止中にクランクケース内の油を加温し、油に冷媒が溶け込む(冷媒の油への溶解)量を抑える。これにより、起動時に圧力が急低下して溶け込んだ冷媒が急激に発泡し、油を泡立てて圧縮機外へ吐き出すオイルフォーミングや、それに伴う油枯渇・焼付きを防止する。運転中の吐出ガス温度を上昇させて油分離器での油分離効率を高めるとする記述は、油分離効率とは無関係で誤り。着霜防止のため蒸発器コイルを直接加熱するとする記述は、蒸発器コイルの加熱とは無関係で誤り。冷媒液配管内のフラッシュガスを加熱して再凝縮させるとする記述は、クランクケースヒータの設置位置・目的と異なり、フラッシュガスの再凝縮を目的とするものではないため誤り。
この問題のページ:クランクケースヒータの設置目的 →