二級ボイラー技士燃料及び燃焼に関する知識」一問一答(全37問)

二級ボイラー技士の「燃料及び燃焼に関する知識」分野の練習問題です。「答えと解説を見る」を開くと正解と解説を確認できます。資格試験ドリルの編集・運営設備資格ドリル編集部が作成。4択の演習モードで解きたい方は二級ボイラー技士のドリルへ。

問題データ最終更新 2026-08-09

1液体燃料(重油)の成分について、正しいものはどれか。

  1. a硫黄分は燃焼に有効な発熱成分で、多いほど良質な重油とされる。
  2. b主成分は炭素と窒素であり、水素はほとんど含まない。
  3. c炭素をほとんど含まず、大部分が水素で構成されている。
  4. d主成分は炭素と水素であり、硫黄、酸素、窒素などを少量含む。
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正解:d. 主成分は炭素と水素であり、硫黄、酸素、窒素などを少量含む。

重油などの液体燃料は主成分が炭素(約85〜87%)と水素(約10〜13%)で、残りに硫黄・酸素・窒素などを少量含む。よって「主成分は炭素と水素であり、硫黄、酸素、窒素な…」が正しい。主成分に窒素を挙げ水素を否定しており誤り。硫黄分は低温腐食・SOxの原因となる有害成分で多いほど悪質、良質ではないため誤り。炭素が主成分であることに反し誤り。

この問題のページ:重油の主成分

2燃料の発熱量について、誤っているものはどれか。

  1. a低発熱量は、水蒸気の潜熱を差し引いた発熱量である。
  2. b高発熱量と低発熱量の差は、燃料中の水分および水素分に関係する。
  3. c高発熱量は、燃焼で生じた水蒸気の潜熱を含んだ発熱量である。
  4. d高発熱量と低発熱量の差はごくわずかで、同じ値とみなせる。
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正解:d. 高発熱量と低発熱量の差はごくわずかで、同じ値とみなせる。

高発熱量(総発熱量)は生成水蒸気の潜熱を含み、低発熱量(真発熱量)はそれを差し引いた値で、差は水蒸気の凝縮潜熱=燃料中の水分と燃焼で水になる水素分に依存する。水素分の多い燃料では両者の差は無視できないため、「高発熱量と低発熱量の差はごくわずかで同じ値とみなせる」とする記述が誤り。高発熱量が潜熱を含むとする記述、低発熱量が潜熱を差し引いたものとする記述、両者の差が燃料中の水分および水素分に関係するとする記述は正しい。

この問題のページ:高発熱量と低発熱量の差

3燃料の引火点と着火温度について、正しいものはどれか。

  1. a着火温度は、外部から点火源を近づけたときに引火する最低の温度である。
  2. b着火温度が高い燃料ほど、自然に発火しやすい。
  3. c一般に引火点は着火温度より常に高い。
  4. d引火点は、液体の蒸気に小炎を近づけたとき燃え出す最低温度である。
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正解:d. 引火点は、液体の蒸気に小炎を近づけたとき燃え出す最低温度である。

引火点は、加熱した液体の蒸気に小炎を近づけると瞬間的に燃え出す最低温度なので、引火点を蒸気に小さな炎を近づけたとき燃え出す最低の温度とする記述が正しい。着火温度(発火温度)は点火源なしで空気中の加熱だけで自然に燃え始める最低温度なので、着火温度を外部から点火源を近づけたときに引火する最低の温度とする記述は誤り。一般に引火点は着火温度より低いため、引火点が着火温度より常に高いとする記述も誤り。着火温度が高いほど発火しにくいため、着火温度が高い燃料ほど自然に発火しやすいとする記述も誤り。

この問題のページ:燃料の引火点の定義

4重油の分類や性質について、誤っているものはどれか。

  1. a一般に比重の大きい重油ほど、単位質量当たりの発熱量は小さくなる傾向がある。
  2. b重油は動粘度によってA重油・B重油・C重油に分類され、C重油が最も粘度が高い。
  3. c粘度の高い重油は、噴霧を良好にするため加熱して粘度を下げて使用する。
  4. dC重油はA重油に比べて粘度が低く、予熱をせずに使用できる。
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正解:d. C重油はA重油に比べて粘度が低く、予熱をせずに使用できる。

JISでは動粘度によりA・B・C重油に分類され、C重油が最も高粘度。C重油は粘度が高く、噴霧のため加熱予熱が必要なので、C重油はA重油に比べて粘度が低く予熱をせずに使用できるとする記述が誤り。動粘度によってA重油・B重油・C重油に分類されC重油が最も粘度が高いとする記述は正しい分類。比重の大きい重油ほど炭素/水素比が大きく質量当たり発熱量は小さめになる傾向で、比重の大きい重油ほど単位質量当たりの発熱量が小さくなるとする記述は正しい。高粘度油は加熱して粘度を下げるとする記述も正しい。

この問題のページ:C重油とA重油の粘度比較

5重油に含まれる成分や性状の影響について、誤っているものはどれか。

  1. a硫黄分は燃焼して硫黄酸化物となり、低温腐食や大気汚染の原因となる。
  2. b流動点は、重油が流動することのできる最低の温度である。
  3. c残留炭素分の多い重油ほど、ばいじんやすすを発生しやすい。
  4. d水分が多い重油ほど発熱量が増加し、燃焼がより安定する。
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正解:d. 水分が多い重油ほど発熱量が増加し、燃焼がより安定する。

水分が多いと発熱量は低下し、いきづき燃焼や火炎の不安定・消火の原因となるため、水分が多い重油ほど発熱量が増加し燃焼がより安定するとする記述が誤り。硫黄分はSOx化して低温腐食・大気汚染の原因となるとする記述は正しい。残留炭素分が多いとばいじん・すすが増えるとする記述は正しい。流動点は油が流動できる最低温度とする記述は正しい。

この問題のページ:重油の水分含有と発熱量の関係

6油だきバーナの霧化(微粒化)方式について、誤っているものはどれか。

  1. a回転式(ロータリバーナ)は、高速回転する円すい形のカップにより油を微粒化する。
  2. b蒸気噴霧式は、蒸気の運動エネルギーを利用して油を微粒化する方式である。
  3. c圧力噴霧式は油量を絞っても霧化が良好で、ターンダウン比が非常に大きい。
  4. d圧力噴霧式は、油に高い圧力を加えてノズルから噴出させ微粒化する方式である。
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正解:c. 圧力噴霧式は油量を絞っても霧化が良好で、ターンダウン比が非常に大きい。

単純な圧力噴霧式は負荷を絞ると油圧が下がって霧化が悪化し、ターンダウン比(油量調整範囲)が小さい方式なので、「圧力噴霧式は油量を絞っても霧化が良好で、ター…」が誤り。圧力噴霧式、回転式(高速回転カップ)、蒸気噴霧式(蒸気の運動エネルギーで微粒化)はいずれも正しい説明。

この問題のページ:油だきバーナの霧化方式

7ボイラーの燃焼用空気に関する用語について、正しいものはどれか。

  1. a実際に供給する空気量は、理論空気量より少なくして運転するのが普通である。
  2. b理論空気量は、燃料を完全燃焼させるのに理論上必要な最小の空気量である。
  3. c過剰空気量は、理論空気量から実際空気量を差し引いた量である。
  4. d空気比は、理論空気量を実際空気量で割った値で、常に1より小さい。
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正解:b. 理論空気量は、燃料を完全燃焼させるのに理論上必要な最小の空気量である。

理論空気量は完全燃焼に理論上必要な最小空気量であり、そう述べる記述が正しい。空気比=実際空気量÷理論空気量で常に1より大きいため、理論空気量を実際空気量で割った値で常に1より小さいとする記述は誤り。過剰空気量=実際空気量−理論空気量なので、理論空気量から実際空気量を差し引いた量とする、引く順が逆の記述は誤り。実際は理論空気量より多い空気を供給(空気比>1)して運転するため、理論空気量より少なくして運転するのが普通とする記述も誤り。

この問題のページ:理論空気量の定義

8ボイラーの通風方式について、誤っているものはどれか。

  1. a誘引通風は、煙道にファンを設けて燃焼ガスを吸い出す方式で、炉内は負圧となる。
  2. b平衡通風は、押込ファンだけを用いて炉内を大きな正圧に保つ方式である。
  3. c押込通風は、ファンで燃焼用空気を炉内に押し込む方式で、炉内は正圧となる。
  4. d自然通風は、煙突によって生じる通風力(浮力)を利用する方式である。
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正解:b. 平衡通風は、押込ファンだけを用いて炉内を大きな正圧に保つ方式である。

平衡通風は押込ファンと誘引ファンを併用し、炉内をほぼ大気圧(わずかに負圧)に保つ方式なので、押込ファンだけで大きな正圧にするとした「平衡通風は、押込ファンだけを用いて炉内を大き…」が誤り。自然通風(煙突の浮力)、押込通風(炉内正圧)、誘引通風(炉内負圧)はいずれも正しい。

この問題のページ:ボイラー通風方式の特徴

9排ガス分析による燃焼状態の判定について、正しいものはどれか。

  1. a空気比が大きくなると、排ガス中の酸素(O2)の割合は増加する。
  2. b完全燃焼していれば、排ガス中に酸素は全く残らない。
  3. c排ガス中のCO2は、空気比が大きいほど最大値に近づく。
  4. d空気比が大きくなると、排ガス中の二酸化炭素(CO2)の割合は増加する。
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正解:a. 空気比が大きくなると、排ガス中の酸素(O2)の割合は増加する。

空気比を大きくすると余分な空気(酸素)が増えるため排ガス中のO2割合は増加し、そう述べる記述が正しい。逆にCO2割合は薄まって減少するので、空気比が大きくなるとCO2の割合が増加するとする記述は誤り。CO2が最大になるのは理論空気量(空気比1付近)のときで、大きいほど減るため、空気比が大きいほどCO2が最大値に近づくとする記述は誤り。過剰空気で運転すればO2が残るので、完全燃焼していれば排ガス中に酸素は全く残らないとする記述も誤り。

この問題のページ:空気比と排ガス中酸素濃度の関係

10燃焼により発生する大気汚染物質について、誤っているものはどれか。

  1. aNOx(窒素酸化物)は、燃焼用空気中の窒素や燃料中の窒素分が酸化して生じる。
  2. bSOx(硫黄酸化物)は、燃料中の硫黄分が燃焼して生じる。
  3. c燃焼温度を高くするほど、サーマルNOxの発生は抑制される。
  4. dばいじんには、すす(未燃炭素)などの固体微粒子が含まれる。
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正解:c. 燃焼温度を高くするほど、サーマルNOxの発生は抑制される。

サーマルNOxは高温ほど空気中の窒素と酸素の反応が進んで増加するため、高温ほど抑制されるとした「燃焼温度を高くするほど、サーマルNOxの発生…」が誤り(NOx低減には燃焼温度を下げる・二段燃焼・排ガス再循環などが有効)。SOx(硫黄分由来)、NOx(空気中窒素+燃料中窒素の酸化)、ばいじん(すす等の固体微粒子)はいずれも正しい。

この問題のページ:燃焼で生じる大気汚染物質

11ボイラーの低温腐食について、正しいものはどれか。

  1. a燃料中の硫黄分から生じた三酸化硫黄が水蒸気と結びついて硫酸蒸気となり、露点以下となる低温の伝熱面で凝縮して腐食を起こす。
  2. b低温腐食は、燃焼ガスの温度が低くなる部分ではなく、炉内で最も高温となる火炎近傍の伝熱面において最も起こりやすい腐食である。
  3. c燃料中に含まれる硫黄分の割合を増やすほど硫酸蒸気は生じにくくなるため、低温腐食は起こりにくくなり、燃料の低硫黄化は不要である。
  4. dエコノマイザや空気予熱器は燃焼ガスの温度が高い高温部にあり、伝熱面が露点以下となることはないため、低温腐食とは無関係である。
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正解:a. 燃料中の硫黄分から生じた三酸化硫黄が水蒸気と結びついて硫酸蒸気となり、露点以下となる低温の伝熱面で凝縮して腐食を起こす。

硫黄分→SO2の一部がSO3となり、水蒸気と反応して硫酸蒸気を生じ、酸露点以下となる低温伝熱面(エコノマイザ・空気予熱器など)で凝縮して腐食するので、三酸化硫黄が水蒸気と結びついて硫酸蒸気となり露点以下の低温の伝熱面で凝縮して腐食を起こすとする記述が正しい。低温部で起きるため、火炎近傍の伝熱面で起こりやすいとする記述は誤り。硫黄分が多いほど腐食しやすいので、硫黄分を増やすほど低温腐食が起こりにくくなるとする記述は誤り。エコノマイザ・空気予熱器はガス出口の低温部で低温腐食を受けやすく、これらは高温部にあるため低温腐食と無関係とする記述も誤り。

この問題のページ:低温腐食の発生メカニズム

12気体燃料(都市ガス・LPガスなど)の性質について、誤っているものはどれか。

  1. a一般に硫黄分をほとんど含まず、ばいじんやすすの発生が少ない。
  2. bLPガス(液化石油ガス)は空気より軽く、漏れると天井付近に滞留する。
  3. c漏えいすると空気と混合して爆発の危険があり、取扱いに注意が必要である。
  4. d気体燃料は、液体・固体燃料に比べて少ない過剰空気で完全燃焼させやすい。
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正解:b. LPガス(液化石油ガス)は空気より軽く、漏れると天井付近に滞留する。

LPガス(主成分プロパン・ブタン)は空気より重く、漏れると床面など低所に滞留するため、空気より軽く天井付近に滞留するとした「LPガス(液化石油ガス)は空気より軽く、漏れ…」が誤り(都市ガス/天然ガスは空気より軽い)。少ない過剰空気で完全燃焼しやすい、硫黄分がほとんどなくばいじんが少ない、漏えい時の爆発危険はいずれも正しい。

この問題のページ:LPガスの空気に対する比重

13固体燃料の工業分析について、正しいものはどれか。

  1. a工業分析では、燃料中の炭素・水素・酸素・窒素・硫黄の質量割合を元素ごとに求める。
  2. b工業分析では、水分・灰分・揮発分・固定炭素の4成分の質量割合を求める。
  3. c揮発分は灰分と同一の成分であり、両者は区別されない。
  4. d工業分析は主に液体燃料(重油)を対象とし、固体燃料には適用されない。
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正解:b. 工業分析では、水分・灰分・揮発分・固定炭素の4成分の質量割合を求める。

固体燃料(石炭など)の工業分析は、水分・灰分・揮発分・固定炭素の4成分の質量割合を求める分析であり、燃料の性状把握や取扱いの基礎資料となる。炭素・水素などの元素ごとの割合を求めるのは元素分析であり、工業分析とは異なる。工業分析は固体燃料を対象とする分析であり、液体燃料専用ではない。揮発分と灰分は加熱時の挙動が異なる別成分であり、同一ではない。

この問題のページ:工業分析の4成分

14燃料の元素分析について、誤っているものはどれか。

  1. a元素分析は、水分・灰分・揮発分・固定炭素の質量割合を求める分析である。
  2. b元素分析の結果から、理論空気量や理論燃焼ガス量を算定することができる。
  3. c液体燃料についても、固体燃料と同様に元素分析が行われる。
  4. d元素分析では、燃料中の炭素・水素・酸素・窒素・硫黄などの質量割合を求める。
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正解:a. 元素分析は、水分・灰分・揮発分・固定炭素の質量割合を求める分析である。

元素分析は燃料中の炭素・水素・酸素・窒素・硫黄などの含有割合を求める分析であり、その結果は理論空気量や理論燃焼ガス量の算定に利用される。液体燃料についても、固体燃料と同様に元素分析が行われる(気体燃料の組成は体積割合による成分分析で表す)。水分・灰分・揮発分・固定炭素の割合を求めるのは工業分析であり、これは元素分析とは異なる分析であるため、誤り。

この問題のページ:元素分析と工業分析の違い

15燃焼の三要素として、正しい組合せはどれか。

  1. a酸素供給体・圧力・湿度
  2. b可燃物・酸素供給体(空気など)・点火源(温度)
  3. c点火源・比重・粘度
  4. d可燃物・水分・触媒
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正解:b. 可燃物・酸素供給体(空気など)・点火源(温度)

燃焼が成立するためには、燃える物質である可燃物、それを燃やすための酸素供給体(空気など)、燃焼を開始させる点火源(一定以上の温度)の3つがそろう必要があり、これを燃焼の三要素という。水分や触媒は燃焼の三要素には含まれない。圧力・湿度・比重・粘度はいずれも燃焼の三要素を構成する要素ではない。

この問題のページ:燃焼の三要素

16ボイラーの不完全燃焼について、正しいものはどれか。

  1. a不完全燃焼が起きても燃料の発熱量を有効に利用できるため、熱効率は低下しない。
  2. b一酸化炭素は無色・刺激臭を有するため、漏れても容易に気付くことができる。
  3. c不完全燃焼は、空気比を大きくしすぎたときにのみ発生する。
  4. d燃焼用空気が不足すると不完全燃焼となり、排ガス中の一酸化炭素が増加する。
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正解:d. 燃焼用空気が不足すると不完全燃焼となり、排ガス中の一酸化炭素が増加する。

燃焼用空気が不足すると燃料が完全に酸化されず不完全燃焼となり、有毒なCOが排ガス中に増加する。空気比を大きくしすぎることは不完全燃焼の直接原因ではなく、むしろ排ガス熱損失増加につながる。一酸化炭素は無色・無臭の気体であり、漏れても人が気付きにくく中毒事故の原因となる。不完全燃焼は燃料の未燃分を生じさせるため、熱効率はむしろ低下する。

この問題のページ:空気不足による不完全燃焼とCO増加

17重油だきボイラーの空気比について、正しいものはどれか。

  1. a空気比は、ボイラーの種類によらず常に2.0以上に保つ必要がある。
  2. b空気比は燃料の種類にかかわらず一定の値をとり、調整の必要はない。
  3. c一般に重油だきボイラーの適正な空気比は、おおむね1.1~1.3程度である。
  4. d空気比を1.0未満にするほど完全燃焼に近づき、熱効率が向上する。
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正解:c. 一般に重油だきボイラーの適正な空気比は、おおむね1.1~1.3程度である。

重油や気体燃料をたくボイラーでは、燃焼用空気と燃料の混合が比較的良好であるため、適正な空気比はおおむね1.1~1.3程度とされている。空気比を常に2.0以上とする必要はなく、過大な空気比は排ガス熱損失を増大させる。空気比が1.0未満では空気不足となり不完全燃焼を招くため、熱効率が向上するというのは誤りである。燃料の種類やバーナ形式により適正な空気比は異なり、調整が必要である。

この問題のページ:重油ボイラーの空気比設定

18高圧気流噴霧式バーナについて、正しいものはどれか。

  1. a高速回転するカップの遠心力によって油を微粒化する方式である。
  2. b電気ヒータで油を直接加熱し、霧状の蒸気として燃焼させる方式である。
  3. c油自体に高い圧力を加えてノズルから噴出させることで微粒化する方式である。
  4. d高圧の空気又は蒸気の噴射エネルギーを利用して油を微粒化する方式であり、油量の調節範囲(ターンダウン比)が広い。
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正解:d. 高圧の空気又は蒸気の噴射エネルギーを利用して油を微粒化する方式であり、油量の調節範囲(ターンダウン比)が広い。

高圧気流噴霧式は、高圧の空気又は蒸気を噴射させるエネルギーを利用して油を微粒化する方式であり、油量を絞っても良好な霧化が得られるため油量調節範囲(ターンダウン比)が広いという特長がある。円すいカップの遠心力を利用するのは回転式(ロータリバーナ)である。油自体に圧力を加えて噴出させ微粒化するのは圧力噴霧式であり、方式が異なる。電気ヒータで油を直接加熱し霧状の蒸気として燃焼させる方式は存在しない。

この問題のページ:高圧気流噴霧式バーナの特徴

19ガスバーナについて、正しいものはどれか。

  1. aガス火炎は油の火炎より輝度が高く、放射伝熱量が大きい。
  2. bガスは液体燃料より着火しにくく、点火に大きな熱源を必要とする。
  3. cガス火炎はすすを生じにくく、燃焼用空気量の調節が容易である。
  4. dガスバーナは霧化装置を用いて燃料を微粒化してから燃焼させる。
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正解:c. ガス火炎はすすを生じにくく、燃焼用空気量の調節が容易である。

気体燃料は液体燃料に比べて燃焼用空気との混合が容易であり、すすの発生が少なく、空気量の調節がしやすいという特徴がある。ガスは液体燃料より着火しやすく、大きな点火熱源を必要としない。気体燃料はもともと気体であるため、油のような霧化(微粒化)の工程を必要としない。ガス火炎は一般に油の火炎より輝度が低く、放射による伝熱量は小さい傾向がある。

この問題のページ:ガスバーナの燃焼特性

20微粉炭燃焼について、正しいものはどれか。

  1. a微粉炭は液体燃料の一種であり、噴霧ノズルを用いて燃焼させる。
  2. b石炭を微粉砕し、燃焼用空気とともに炉内に吹き込んで、気体燃料に近い状態で燃焼させる方式である。
  3. c微粉炭燃焼では、灰分やばいじんは全く発生しない。
  4. d微粉炭は粒径が大きいほど燃焼が速く、完全燃焼しやすくなる。
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正解:b. 石炭を微粉砕し、燃焼用空気とともに炉内に吹き込んで、気体燃料に近い状態で燃焼させる方式である。

微粉炭燃焼は、石炭を微細な粉末に粉砕して燃焼用空気とともに炉内に吹き込み、気体燃料に近い状態で燃焼させる方式である。粒径は小さいほど表面積が大きくなり燃焼が速くなるため、粒径が大きいほど燃焼が速いというのは誤り。石炭を燃料とするため、灰分やばいじんの発生は避けられない。微粉炭は固体燃料であり、噴霧ノズルで霧化して燃焼させる液体燃料とは方式が異なる。

この問題のページ:微粉炭燃焼の方式

21燃焼室(火炉)の燃焼室熱負荷について、正しいものはどれか。

  1. a燃焼室熱負荷は、燃焼室容積当たりの燃焼熱量(発生熱量)を表す指標である。
  2. b燃焼室熱負荷が高いほど、燃焼室内の温度は必ず低くなる。
  3. c燃焼室熱負荷は、伝熱面積当たりの蒸発量を表す指標である。
  4. d燃焼室熱負荷は、燃料の発熱量にかかわらず一定の値をとる。
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正解:a. 燃焼室熱負荷は、燃焼室容積当たりの燃焼熱量(発生熱量)を表す指標である。

燃焼室熱負荷は、燃焼室の単位容積当たりに発生する燃焼熱量を表す指標であり、燃焼室の設計や燃焼状態の評価に用いられる。伝熱面積当たりの蒸発量を表す指標は別の概念(伝熱面蒸発率)であり、燃焼室熱負荷とは異なる。燃焼室熱負荷が高いほど一般に燃焼室内の温度は上昇する傾向にあり、必ず低くなるというのは誤り。燃焼室熱負荷は燃料の発熱量や燃焼量によって変化する値であり、一定ではない。

この問題のページ:燃焼室熱負荷の意味

22低圧気流噴霧式バーナについて、正しいものはどれか。

  1. a高速回転する円すいカップの遠心力を利用して油を微粒化する方式である。
  2. b比較的低い圧力の空気を利用して油を微粒化する方式で、送風機から送られる空気を用いることが多い。
  3. c数十~百気圧程度の非常に高い油圧を加えて油を微粒化する方式である。
  4. d燃料をまったく微粒化せず、液体のまま炉内に投入して燃焼させる方式である。
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正解:b. 比較的低い圧力の空気を利用して油を微粒化する方式で、送風機から送られる空気を用いることが多い。

低圧気流噴霧式は、送風機などから送られる比較的低い圧力の空気を利用して油を微粒化する方式である。非常に高い油圧を利用して微粒化するのは圧力噴霧式であり、方式が異なる。円すいカップの遠心力を利用するのは回転式(ロータリバーナ)であり、低圧気流噴霧式とは異なる方式である。油だきバーナはいずれも霧化(微粒化)を行うことで燃焼を良好にしており、液体のまま投入する方式ではない。

この問題のページ:低圧気流噴霧式バーナの特徴

23燃焼によるNOx発生を抑制する方法として、正しいものはどれか。

  1. a燃焼室内の温度をできるだけ高く保ち、空気比を大きくして酸素濃度を高めるほど、燃焼ガス中のNOxの生成量は減少するため、高温高酸素の運転が有効である。
  2. b燃料中の硫黄分を減らして低硫黄の燃料に切り替えることによって、燃焼で生じる窒素酸化物そのものの生成量を直接抑制することができ、NOxを低減できる。
  3. c燃焼用空気を数段に分けて供給する二段燃焼や、排ガスの一部を燃焼用空気に混合させる排ガス再循環などにより、燃焼温度のピークを下げてNOxを低減する。
  4. d排ガス中のばいじんを除去する電気式集じん装置やサイクロンを設置すれば、ばいじんとともに気体であるNOxも同時に捕集され、排ガスから除去される。
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正解:c. 燃焼用空気を数段に分けて供給する二段燃焼や、排ガスの一部を燃焼用空気に混合させる排ガス再循環などにより、燃焼温度のピークを下げてNOxを低減する。

NOxは燃焼温度が高いほど発生しやすいため、二段燃焼や排ガス再循環などにより燃焼温度のピークを抑えることがNOx低減の代表的な方法である。燃焼温度や酸素濃度を高くすることはNOx(特にサーマルNOx)の発生を助長するため誤り。燃料中の硫黄分はSOxの発生要因であり、NOxの抑制とは直接関係しない。集じん装置は固体粒子であるばいじんを除去するものであり、気体であるNOxの除去はできない。

この問題のページ:燃焼によるNOx発生抑制策

24燃料を完全燃焼させるための一般的な3条件(いわゆる3T)として、正しいものはどれか。

  1. a燃焼ガス中の酸素・窒素・二酸化炭素の三成分の割合を互いに均等にすることが、いわゆる3Tと呼ばれる完全燃焼の条件とされる。
  2. b温度(Temperature)・時間(Time)・混合(Turbulence)を適正に保つことが、完全燃焼の条件とされる。
  3. c温度(Temperature)・圧力(Pressure)・比重(Gravity)を一定に保つことが、完全燃焼の条件とされる。
  4. d燃料の引火点・着火温度・発熱量という三つの性質をできるだけ高めることが、いわゆる3Tと呼ばれる完全燃焼の条件とされる。
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正解:b. 温度(Temperature)・時間(Time)・混合(Turbulence)を適正に保つことが、完全燃焼の条件とされる。

燃料を完全に燃焼させるためには、燃焼に適した温度(Temperature)、燃焼が完結するまでの十分な時間(Time)、燃料と空気を十分に混合させる撹拌(Turbulence)の3条件が必要とされ、これらは3Tと呼ばれる。温度・圧力・比重を一定に保つことは完全燃焼の条件として一般化されたものではない。引火点・着火温度・発熱量は燃料固有の性質であり、これらを高めること自体が完全燃焼の条件ではない。排ガス中の各成分割合を均等にすることは完全燃焼の条件として用いられる考え方ではない。

この問題のページ:完全燃焼の3T条件

25重油だきボイラーにおける重油の加熱(予熱)について、正しいものはどれか。

  1. a加熱温度を高くするほど噴霧粒径は必ず大きくなり、燃焼効率は低下し続ける。
  2. b加熱温度が高すぎると、油の一部が気化・分解してバーナ先端に炭化物(コークス)を生成し、ノズルの閉塞や火炎の乱れを招くことがある。
  3. c重油の加熱温度は、油種にかかわらず一定の温度で管理すればよく、粘度に応じて調整する必要はない。
  4. d加熱温度が低すぎると、油の粘度が低下しすぎて霧化が良好になりすぎるため、できるだけ低温で使用するのがよい。
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正解:b. 加熱温度が高すぎると、油の一部が気化・分解してバーナ先端に炭化物(コークス)を生成し、ノズルの閉塞や火炎の乱れを招くことがある。

重油の加熱(予熱)は霧化に適した粘度まで下げるために行うが、温度が高すぎると油が炉内に入る前に一部気化・分解し、バーナ先端にコークス(炭化物)を生成して閉塞や火炎の乱れの原因となるため、加熱温度が高すぎると炭化物を生じるとする記述が正しい。加熱温度が低すぎる場合は逆に粘度が高いままで霧化不良となるため、低すぎると霧化が良好になりすぎるとする記述は誤り。加熱温度は油種や粘度により適正値が異なり調整が必要なので、油種にかかわらず一定温度で管理すればよいとする記述は誤り。適正範囲内では加熱するほど霧化が良好(噴霧粒径は小さく)なるため、加熱温度を高くするほど噴霧粒径が必ず大きくなるとする記述も誤り。

この問題のページ:重油の加熱(予熱)による弊害

26重油に含まれる灰分について、正しいものはどれか。

  1. a灰分は燃焼により完全に燃え尽きるため、燃焼後の炉内やガス通路に残留することはない。
  2. b灰分は主に燃焼用空気中に含まれる水蒸気が凝縮して生じる成分である。
  3. c灰分は可燃性成分であり、含有量が多いほど発熱量が増加する。
  4. d灰分の多い重油を燃焼させると、伝熱面に付着物(クリンカなど)を生じたり、高温腐食を助長したりすることがある。
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正解:d. 灰分の多い重油を燃焼させると、伝熱面に付着物(クリンカなど)を生じたり、高温腐食を助長したりすることがある。

灰分は燃料中の不燃性の鉱物質成分で、燃焼後も灰として残留し、バナジウムやナトリウム化合物などを含む場合は伝熱面に付着して高温腐食を助長するため、伝熱面の付着物や高温腐食の原因となるとする記述が正しい。灰分は不燃性であり発熱には寄与せず、多いほど発熱量はむしろ低下する傾向があるため、可燃性成分で発熱量が増すとする記述は誤り。灰分は燃え尽きずに残留物として残るため、完全に燃え尽きて残留しないとする記述は誤り。灰分は燃料自体に由来する鉱物質成分であり、空気中の水蒸気の凝縮とは無関係なので、水蒸気の凝縮で生じるとする記述も誤り。

この問題のページ:重油の灰分による障害

27重油中のスラッジ分について、正しいものはどれか。

  1. aスラッジは重油の主成分である炭化水素そのものであり、燃焼性を高める有効成分である。
  2. bスラッジは重油中に含まれる異物や沈殿物であり、多く含まれるとろ過器・ポンプ・噴射弁などの閉塞の原因となる。
  3. cスラッジは気体状の成分であり、ろ過によって除去することはできない。
  4. dスラッジは重油を加熱するほど必ず減少するため、除去のための対策は不要である。
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正解:b. スラッジは重油中に含まれる異物や沈殿物であり、多く含まれるとろ過器・ポンプ・噴射弁などの閉塞の原因となる。

スラッジは重油中に混入する異物・劣化生成物・沈殿物などを指し、量が多いとろ過器・移送ポンプ・噴射弁(ノズル)などの閉塞や作動不良を招くため、ろ過器やポンプ・噴射弁の閉塞の原因となるとする記述が正しい。スラッジは燃焼に有効な炭化水素成分ではなく障害の原因となる不要物であるため、主成分の炭化水素そのもので燃焼性を高める有効成分とする記述は誤り。加熱によって粘度は下がるがスラッジそのものが除去されるわけではなく、ろ過器等による除去対策が必要なので、加熱すれば必ず減るから対策不要とする記述は誤り。スラッジは固形・半固形の沈殿物であり、ろ過によって除去可能な成分なので、気体状でろ過では除去できないとする記述も誤り。

この問題のページ:重油中のスラッジの影響

28ボイラーの燃焼における一次空気・二次空気について、正しいものはどれか。

  1. a二次空気とは、燃料が着火する前にあらかじめバーナ内で燃料と混合しておく空気のことをいう。
  2. b一次空気と二次空気は全く同じ役割を持ち、供給の時期や目的による区別はない。
  3. c一次空気・二次空気の区分は気体燃料についてのみ用いられ、油だき燃焼には存在しない概念である。
  4. d一次空気は燃料と混合されて着火・初期の燃焼を担う空気であり、二次空気は火炎の周囲から供給されてその後の燃焼を完結させる空気である。
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正解:d. 一次空気は燃料と混合されて着火・初期の燃焼を担う空気であり、二次空気は火炎の周囲から供給されてその後の燃焼を完結させる空気である。

燃焼用空気は供給する段階・目的によって一次空気(着火・初期燃焼を担う)と二次空気(その後の燃焼を完結させるため火炎周囲から供給)に区分され、この役割分担を述べる記述が正しい。両者は供給時期・役割が異なるため、全く同じ役割で区別はないとする記述は誤り。着火前にバーナ内で燃料と混合される空気は一次空気の説明であり、これを二次空気とする記述は誤り。一次空気・二次空気の区分は油だき・ガスだきなど燃焼方式全般で用いられる概念であり、気体燃料に限られ油だきには存在しないとする記述も誤り。

この問題のページ:一次空気と二次空気の役割

29固体燃料の火格子燃焼(ストーカ燃焼)について、正しいものはどれか。

  1. a火格子燃焼では、燃焼用空気は火格子の上方からのみ供給され、下方から供給されることはない。
  2. b火格子の上に石炭などの固体燃料層を形成し、下方から燃焼用空気を供給しながら燃焼させる方式である。
  3. c火格子燃焼は、燃料をあらかじめ微粉状に砕いてから炉内に吹き込み、気体燃料に近い状態で燃焼させる方式である。
  4. d火格子燃焼は液体燃料専用の燃焼方式であり、固体燃料の燃焼には用いられない。
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正解:b. 火格子の上に石炭などの固体燃料層を形成し、下方から燃焼用空気を供給しながら燃焼させる方式である。

火格子(ストーカ)燃焼は、火格子上に固体燃料の層を形成し、主に下方から燃焼用空気を通気させて燃焼させる方式であり、火格子上の燃料層に下方から空気を供給するとする記述が正しい。微粉状に砕いて気体燃料に近い状態で燃焼させる方式は微粉炭燃焼であり、火格子燃焼とは異なるため、微粉状にして炉内に吹き込む方式とする記述は誤り。火格子燃焼では燃焼用空気は主に火格子下方から供給されるため、上方からのみ供給され下方からは供給されないとする記述は誤り。火格子燃焼はもともと石炭などの固体燃料を対象とする燃焼方式であるため、液体燃料専用で固体燃料には用いないとする記述も誤り。

この問題のページ:固体燃料の火格子燃焼方式

30ボイラーの高温腐食について、正しいものはどれか。

  1. a重油の灰分に含まれるバナジウムやナトリウムの化合物が高温の伝熱面に付着・溶融し、金属を腐食させる現象である。
  2. b高温腐食は、伝熱面の温度が低いほど発生しやすくなる現象である。
  3. c高温腐食は、燃料中の硫黄分が露点以下となった低温の伝熱面で凝縮して起こる現象である。
  4. d高温腐食は、水分を多く含む燃料を使用した場合にのみ発生する現象である。
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正解:a. 重油の灰分に含まれるバナジウムやナトリウムの化合物が高温の伝熱面に付着・溶融し、金属を腐食させる現象である。

高温腐食は、重油灰分中のバナジウム化合物やナトリウム化合物が高温の伝熱面(過熱器管など)に付着して低融点の溶融塩を生じ、金属を腐食させる現象であり、バナジウム・ナトリウム化合物が高温の伝熱面に付着・溶融して腐食させるとする記述が正しい。硫黄分が露点以下の低温伝熱面で凝縮して起こるのは低温腐食であり、これを高温腐食の説明とする記述は誤り。高温腐食は伝熱面の温度が高い部位で起こりやすい現象であるため、伝熱面の温度が低いほど発生しやすいとする記述は誤り。高温腐食は灰分中の付着成分に起因する現象であり、水分の多寡のみで発生する現象ではないため、水分の多い燃料を使用した場合にのみ発生するとする記述も誤り。

この問題のページ:高温腐食が起こる仕組み

31自然通風について、正しいものはどれか。

  1. a自然通風は、煙突内外の温度差や煙突の高さによらず、押込ファンによって燃焼用空気を強制的に炉内へ送り込む方式であり、大容量のボイラーでも十分な通風力が得られる。
  2. b自然通風は、押込ファンと誘引ファンを併用し、炉内の圧力を大気圧よりわずかに低く保ちながら大きな通風力を得る方式で、平衡通風とも呼ばれる方式である。
  3. c煙突内外の温度差による浮力(通風力)を利用する方式で、煙突を高くするほど通風力は増すが、得られる通風力には限度があり大容量のボイラーでは不十分な場合が多い。
  4. d自然通風は、煙突内外の温度差や煙突の高さにかかわらず常に一定の十分な通風力が得られる方式であり、大容量のボイラーであっても通風力が不足することはない。
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正解:c. 煙突内外の温度差による浮力(通風力)を利用する方式で、煙突を高くするほど通風力は増すが、得られる通風力には限度があり大容量のボイラーでは不十分な場合が多い。

自然通風は煙突内のガスと外気との温度差(密度差)による浮力を利用するもので、煙突を高くするほど通風力は増すが、その通風力には限度があり、大容量のボイラーでは自然通風だけでは不足しやすいため、温度差による浮力を利用し通風力に限度があるとする記述が正しい。ファンで空気を強制的に送り込むのは押込通風であり、これを自然通風の説明とする記述は誤り。自然通風の通風力は煙突高さや外気温との差によって変化するため、煙突の高さにかかわらず常に一定で十分な通風力が得られるとする記述は誤り。押込ファンと誘引ファンを併用するのは平衡通風の説明であり、自然通風とは異なるため、両ファンを併用する方式とする記述も誤り。

この問題のページ:自然通風の原理と限界

32ボイラーの通風に用いる遠心式ファンについて、正しいものはどれか。

  1. a遠心式ファンには、羽根の枚数が多く前向きに湾曲した多翼形(シロッコ形)、羽根が後ろ向きに湾曲した後向き形、羽根が放射状に配置されたラジアル形などがある。
  2. b遠心式ファンは、羽根車に入った空気を回転軸と同じ方向にそのまま送り出す構造のものをいい、プロペラ形の羽根をもつ軸流式ファンと構造も名称も同一のものである。
  3. c多翼形(シロッコ形)ファンは、羽根が丈夫で高い風圧を出せることから大容量・高圧力の大型ボイラー専用として用いられ、小型のボイラーには使用されない。
  4. dラジアル形ファンは、羽根が放射状で摩耗やダストの付着に弱いという欠点があるため、粉じんを多く含むガスの送風には全く使用できず、清浄な空気の送風に限られる。
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正解:a. 遠心式ファンには、羽根の枚数が多く前向きに湾曲した多翼形(シロッコ形)、羽根が後ろ向きに湾曲した後向き形、羽根が放射状に配置されたラジアル形などがある。

ボイラーの通風に使われる遠心式ファンには、羽根が多数で前向きに湾曲した多翼形(シロッコ形)、羽根が後ろ向きに湾曲した後向き形、羽根が放射状の平板状に配置されたラジアル形などがあり、これらの形式を挙げる記述が正しい。空気を回転軸方向に送り出すのは軸流式ファンであり、遠心式とは構造が異なるため、遠心式ファンを軸流式ファンと同一とする記述は誤り。多翼形は比較的小型・低圧の用途にも広く使われるので、多翼形を大型ボイラー専用とする記述は誤り。ラジアル形は羽根形状が単純で摩耗・付着に強く、粉じんを含むガスの送風にも用いられるため、ラジアル形は粉じんを含むガスに全く使用できないとする記述も誤り。

この問題のページ:遠心式ファンの種類

33燃焼安全装置の火炎検出器(フレームアイ)について、正しいものはどれか。

  1. a火炎を検出できなくなった場合でも、燃料の供給をそのまま継続させるのが正しい安全対策である。
  2. bボイラー水位を検出するための装置であり、火炎の有無とは無関係である。
  3. c燃焼用空気の風圧を測定するための装置であり、火炎の検出は行わない。
  4. dバーナの火炎の有無を検出し、失火(消火)した場合に燃料の供給を自動的に遮断する燃焼安全装置の一つである。
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正解:d. バーナの火炎の有無を検出し、失火(消火)した場合に燃料の供給を自動的に遮断する燃焼安全装置の一つである。

火炎検出器(フレームアイ)は、バーナの火炎の有無を光や熱などにより検出し、何らかの原因で失火した際に燃料の供給を自動的に遮断して未燃ガスの滞留・爆発を防ぐ燃焼安全装置であり、火炎の有無を検出して失火時に燃料を遮断すると述べる記述が正しい。ボイラー水位の検出には水位検出器が用いられるので、火炎検出器をボイラー水位検出用の装置とする記述は誤り。失火時には直ちに燃料供給を遮断する必要があり、火炎を検出できなくなっても燃料供給を継続させるとする記述は誤り。風圧の測定を行う装置(圧力スイッチなど)とは役割が異なるため、燃焼用空気の風圧を測定する装置とする記述も誤り。

この問題のページ:フレームアイによる火炎検出

34燃焼安全装置のスタックスイッチについて、正しいものはどれか。

  1. a煙道内に感熱部(バイメタルなど)を設け、燃焼ガス(煙道ガス)の熱による温度変化を利用して火炎の有無を検出する燃焼安全装置である。
  2. bボイラー本体の蒸気圧力を検出し、その値に応じて燃料の供給量を増減させ、圧力を設定範囲内に自動的に調整するための装置である。
  3. cバーナに送られる燃料油の粘度を検出し、噴霧に適した粘度となるよう油加熱器の加熱量を調節するための装置である。
  4. d給水ポンプの吐出圧力や回転状態を監視してその故障の有無を検出し、異常があるときに警報を発するための装置である。
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正解:a. 煙道内に感熱部(バイメタルなど)を設け、燃焼ガス(煙道ガス)の熱による温度変化を利用して火炎の有無を検出する燃焼安全装置である。

スタックスイッチは、煙道内に設けた感熱部(バイメタルなど)が、通過する燃焼ガス(煙道ガス)の熱による温度変化を検知することで火炎の有無を判定する燃焼安全装置であり、煙道内の感熱部で温度変化から火炎の有無を検出すると述べる記述が正しい。蒸気圧力を検出して調整するのは圧力調節器の役割であり、蒸気圧力を検出して自動調整する装置とする記述は誤り。燃料油の粘度検出は粘度計など別の機器の役割であるため、燃料油の粘度を検出する装置とする記述は誤り。給水ポンプの故障検出は別系統の保護装置の役割であり、給水ポンプの故障を検出する装置とする記述も誤り。

この問題のページ:スタックスイッチの検出原理

35燃焼装置におけるプレパージ・ポストパージについて、正しいものはどれか。

  1. aプレパージ・ポストパージは、いずれもバーナに点火する動作そのものを指す用語であり、炉内の換気とは関係のない操作である。
  2. bポストパージとは、ボイラーの停止中に燃料タンクの内部に残った燃料を抜き取り、タンク内部を洗浄する操作のことをいう。
  3. cプレパージとは、バーナに点火した直後に炉内の燃焼を促進する目的で、燃料を通常よりも大量に炉内へ供給する操作のことをいう。
  4. dプレパージは点火前に、ポストパージは消火後に、それぞれ燃焼用空気などを炉内・煙道に送って残留する可燃性ガスを排出する操作である。
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正解:d. プレパージは点火前に、ポストパージは消火後に、それぞれ燃焼用空気などを炉内・煙道に送って残留する可燃性ガスを排出する操作である。

プレパージは点火に先立って、ポストパージは消火の後に、送風機などにより燃焼用空気を炉内・煙道に送り込み、残留する可燃性ガスを排出して爆発を防止する操作であり、点火前と消火後に炉内・煙道の可燃性ガスを排出する操作と述べる記述が正しい。プレパージは点火前の換気操作であるから、プレパージを点火直後に燃料を大量供給する操作とする記述は誤り。ポストパージは炉内・煙道の換気操作であるから、ポストパージを燃料タンク内部の洗浄とする記述は誤り。パージは点火動作そのものではなく、その前後に行う換気操作であるため、パージを点火動作そのものを指す用語とする記述も誤り。

この問題のページ:プレパージとポストパージの目的

36ボイラーにおけるばいじん(すす)の発生要因について、誤っているものはどれか。

  1. a燃料と燃焼用空気の混合が不十分な場合も、ばいじんが発生しやすくなる。
  2. b空気比を理論値よりわずかに大きくして完全燃焼させると、ばいじんの発生量はかえって著しく増加する。
  3. c燃焼用空気が不足したり、燃料の霧化(微粒化)が不良であったりすると、ばいじんやすすが発生しやすくなる。
  4. d燃焼室内の温度が低すぎる場合も、不完全燃焼によりばいじんが発生しやすくなる。
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正解:b. 空気比を理論値よりわずかに大きくして完全燃焼させると、ばいじんの発生量はかえって著しく増加する。

ばいじん・すすは空気不足や霧化不良、燃焼室温度の低下、空気と燃料の混合不良などによる不完全燃焼で発生しやすくなる。空気比を理論値よりわずかに大きくして完全燃焼に近づけることは、むしろ未燃分を減らしばいじんの発生を抑える方向に働くため、空気比をわずかに大きくするとばいじんの発生量がかえって著しく増加するとした記述が誤りである。燃焼用空気の不足や霧化不良を挙げる記述、燃焼室内の温度が低すぎることを挙げる記述、燃料と燃焼用空気の混合不十分を挙げる記述は、いずれもばいじん発生の正しい要因である。

この問題のページ:ばいじん発生と空気比の関係

37固体燃料である石炭の性状について、正しいものはどれか。

  1. a灰分や水分が多い石炭ほど、単位質量当たりの発熱量は増加する傾向がある。
  2. b石炭には灰分も水分も全く含まれていない。
  3. c石炭の発熱量は、灰分・水分の割合にかかわらず常に一定である。
  4. d一般に灰分や水分の多い石炭ほど、単位質量当たりの発熱量は低くなる。
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正解:d. 一般に灰分や水分の多い石炭ほど、単位質量当たりの発熱量は低くなる。

石炭中の灰分・水分は可燃分ではないため、これらの割合が多いほど単位質量当たりの可燃分割合が減り、発熱量は低くなる傾向にあり、灰分や水分の多い石炭ほど単位質量当たりの発熱量が低くなるとする記述が正しい。灰分・水分は不燃性・非発熱性の成分であるため、これらが多いほど発熱量が増加するとした記述は誤り。石炭は炭素・水素などの可燃分のほか灰分・水分も含む燃料であり、灰分も水分も全く含まれていないとした記述は誤り。発熱量は灰分・水分の割合によって変化する値であるから、割合にかかわらず常に一定とする記述も誤り。

この問題のページ:石炭の灰分・水分と発熱量

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