二級ボイラー技士燃料及び燃焼に関する知識」一問一答(全12問)

二級ボイラー技士の「燃料及び燃焼に関する知識」分野の練習問題です。「答えと解説を見る」を開くと正解と解説を確認できます。資格試験ドリルの編集・運営設備資格ドリル編集部が作成。4択の演習モードで解きたい方は二級ボイラー技士のドリルへ。

1液体燃料(重油)の成分について、正しいものはどれか。

  1. a主成分は炭素と水素であり、そのほかに硫黄、酸素、窒素などを少量含む。
  2. b主成分は炭素と窒素であり、水素はほとんど含まない。
  3. c硫黄分は燃焼に有効な発熱成分で、多いほど良質な重油とされる。
  4. d炭素をほとんど含まず、大部分が水素で構成されている。
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正解:a. 主成分は炭素と水素であり、そのほかに硫黄、酸素、窒素などを少量含む。

重油などの液体燃料は主成分が炭素(約85〜87%)と水素(約10〜13%)で、残りに硫黄・酸素・窒素などを少量含む。よって0が正しい。1は主成分に窒素を挙げ水素を否定しており誤り。2の硫黄分は低温腐食・SOxの原因となる有害成分で多いほど悪質、良質ではないため誤り。3は炭素が主成分であることに反し誤り。

2燃料の発熱量について、誤っているものはどれか。

  1. a高発熱量は、燃焼で生じた水蒸気の潜熱を含んだ発熱量である。
  2. b低発熱量は、水蒸気の潜熱を差し引いた発熱量である。
  3. c高発熱量と低発熱量の差は、燃料中の水分および水素分に関係する。
  4. d高発熱量と低発熱量の差はごくわずかで、両者は実質的に同じ値とみなせる。
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正解:d. 高発熱量と低発熱量の差はごくわずかで、両者は実質的に同じ値とみなせる。

高発熱量(総発熱量)は生成水蒸気の潜熱を含み、低発熱量(真発熱量)はそれを差し引いた値で、差は水蒸気の凝縮潜熱=燃料中の水分と燃焼で水になる水素分に依存する。水素分の多い燃料では両者の差は無視できないため、3が誤り。0・1・2は正しい記述。

3燃料の引火点と着火温度について、正しいものはどれか。

  1. a引火点は、液体を加熱し、その蒸気に小さな炎を近づけたとき燃え出す最低の温度である。
  2. b着火温度は、外部から点火源を近づけたときに引火する最低の温度である。
  3. c一般に引火点は着火温度より常に高い。
  4. d着火温度が高い燃料ほど、自然に発火しやすい。
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正解:a. 引火点は、液体を加熱し、その蒸気に小さな炎を近づけたとき燃え出す最低の温度である。

引火点は、加熱した液体の蒸気に小炎を近づけると瞬間的に燃え出す最低温度で、0が正しい。着火温度(発火温度)は点火源なしで空気中の加熱だけで自然に燃え始める最低温度なので1は誤り。一般に引火点は着火温度より低いため3(常に高い)は誤り。着火温度が高いほど発火しにくいため4も誤り。

4重油の分類や性質について、誤っているものはどれか。

  1. a重油は動粘度によってA重油・B重油・C重油に分類され、C重油が最も粘度が高い。
  2. b一般に比重の大きい重油ほど、単位質量当たりの発熱量は小さくなる傾向がある。
  3. c粘度の高い重油は、噴霧を良好にするため加熱して粘度を下げて使用する。
  4. dC重油はA重油に比べて粘度が低く、予熱をせずに使用できる。
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正解:d. C重油はA重油に比べて粘度が低く、予熱をせずに使用できる。

JISでは動粘度によりA・B・C重油に分類され、C重油が最も高粘度。C重油は粘度が高く、噴霧のため加熱予熱が必要なので、粘度が低く予熱不要とする4が誤り。0は正しい分類。比重の大きい重油ほど炭素/水素比が大きく質量当たり発熱量は小さめになる傾向で2は正しい。高粘度油は加熱して粘度を下げる3も正しい。

5重油に含まれる成分や性状の影響について、誤っているものはどれか。

  1. a硫黄分は燃焼して硫黄酸化物となり、低温腐食や大気汚染の原因となる。
  2. b残留炭素分の多い重油ほど、ばいじんやすすを発生しやすい。
  3. c流動点は、重油が流動することのできる最低の温度である。
  4. d水分が多い重油ほど発熱量が増加し、燃焼がより安定する。
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正解:d. 水分が多い重油ほど発熱量が増加し、燃焼がより安定する。

水分が多いと発熱量は低下し、いきづき燃焼や火炎の不安定・消火の原因となるため、4が誤り。硫黄分はSOx化して低温腐食・大気汚染の原因となり0は正しい。残留炭素分が多いとばいじん・すすが増え2は正しい。流動点は油が流動できる最低温度で3は正しい。

6油だきバーナの霧化(微粒化)方式について、誤っているものはどれか。

  1. a圧力噴霧式は、油に高い圧力を加えてノズルから噴出させ微粒化する方式である。
  2. b回転式(ロータリバーナ)は、高速回転する円すい形のカップにより油を微粒化する。
  3. c蒸気噴霧式は、蒸気の運動エネルギーを利用して油を微粒化する方式である。
  4. d圧力噴霧式は油量を絞っても霧化が良好で、ターンダウン比が非常に大きい。
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正解:d. 圧力噴霧式は油量を絞っても霧化が良好で、ターンダウン比が非常に大きい。

単純な圧力噴霧式は負荷を絞ると油圧が下がって霧化が悪化し、ターンダウン比(油量調整範囲)が小さい方式なので、4が誤り。0の圧力噴霧式、1の回転式(高速回転カップ)、2の蒸気噴霧式(蒸気の運動エネルギーで微粒化)はいずれも正しい説明。

7ボイラーの燃焼用空気に関する用語について、正しいものはどれか。

  1. a理論空気量は、燃料を完全に燃焼させるために理論上必要な最小の空気量である。
  2. b空気比は、理論空気量を実際空気量で割った値で、常に1より小さい。
  3. c過剰空気量は、理論空気量から実際空気量を差し引いた量である。
  4. d実際に供給する空気量は、理論空気量より少なくして運転するのが普通である。
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正解:a. 理論空気量は、燃料を完全に燃焼させるために理論上必要な最小の空気量である。

理論空気量は完全燃焼に理論上必要な最小空気量で、0が正しい。空気比=実際空気量÷理論空気量で常に1より大きいため1は誤り。過剰空気量=実際空気量−理論空気量なので、引く順が逆の2は誤り。実際は理論空気量より多い空気を供給(空気比>1)して運転するため4も誤り。

8ボイラーの通風方式について、誤っているものはどれか。

  1. a自然通風は、煙突によって生じる通風力(浮力)を利用する方式である。
  2. b押込通風は、ファンで燃焼用空気を炉内に押し込む方式で、炉内は正圧となる。
  3. c誘引通風は、煙道にファンを設けて燃焼ガスを吸い出す方式で、炉内は負圧となる。
  4. d平衡通風は、押込ファンだけを用いて炉内を大きな正圧に保つ方式である。
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正解:d. 平衡通風は、押込ファンだけを用いて炉内を大きな正圧に保つ方式である。

平衡通風は押込ファンと誘引ファンを併用し、炉内をほぼ大気圧(わずかに負圧)に保つ方式なので、押込ファンだけで大きな正圧にするとした4が誤り。0の自然通風(煙突の浮力)、1の押込通風(炉内正圧)、2の誘引通風(炉内負圧)はいずれも正しい。

9排ガス分析による燃焼状態の判定について、正しいものはどれか。

  1. a空気比が大きくなると、排ガス中の酸素(O2)の割合は増加する。
  2. b空気比が大きくなると、排ガス中の二酸化炭素(CO2)の割合は増加する。
  3. c排ガス中のCO2は、空気比が大きいほど最大値に近づく。
  4. d完全燃焼していれば、排ガス中に酸素は全く残らない。
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正解:a. 空気比が大きくなると、排ガス中の酸素(O2)の割合は増加する。

空気比を大きくすると余分な空気(酸素)が増えるため排ガス中のO2割合は増加し、0が正しい。逆にCO2割合は薄まって減少するので1は誤り。CO2が最大になるのは理論空気量(空気比1付近)のときで、大きいほど減るため3は誤り。過剰空気で運転すればO2が残るので4も誤り。

10燃焼により発生する大気汚染物質について、誤っているものはどれか。

  1. aSOx(硫黄酸化物)は、燃料中の硫黄分が燃焼して生じる。
  2. bNOx(窒素酸化物)は、燃焼用空気中の窒素や燃料中の窒素分が酸化して生じる。
  3. c燃焼温度を高くするほど、サーマルNOxの発生は抑制される。
  4. dばいじんには、すす(未燃炭素)などの固体微粒子が含まれる。
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正解:c. 燃焼温度を高くするほど、サーマルNOxの発生は抑制される。

サーマルNOxは高温ほど空気中の窒素と酸素の反応が進んで増加するため、高温ほど抑制されるとした2が誤り(NOx低減には燃焼温度を下げる・二段燃焼・排ガス再循環などが有効)。0のSOx(硫黄分由来)、1のNOx(空気中窒素+燃料中窒素の酸化)、3のばいじん(すす等の固体微粒子)はいずれも正しい。

11ボイラーの低温腐食について、正しいものはどれか。

  1. a燃料中の硫黄分から生じた三酸化硫黄が水蒸気と結びついて硫酸蒸気となり、露点以下となる低温の伝熱面で凝縮して腐食を起こす。
  2. b低温腐食は、炉内で最も高温となる火炎近傍の伝熱面で起こりやすい。
  3. c燃料中の硫黄分を増やすほど、低温腐食は起こりにくくなる。
  4. dエコノマイザや空気予熱器は高温部にあるため、低温腐食とは無関係である。
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正解:a. 燃料中の硫黄分から生じた三酸化硫黄が水蒸気と結びついて硫酸蒸気となり、露点以下となる低温の伝熱面で凝縮して腐食を起こす。

硫黄分→SO2の一部がSO3となり、水蒸気と反応して硫酸蒸気を生じ、酸露点以下となる低温伝熱面(エコノマイザ・空気予熱器など)で凝縮して腐食するので0が正しい。低温部で起きるため火炎近傍(高温)とする1は誤り。硫黄分が多いほど腐食しやすく3は誤り。エコノマイザ・空気予熱器はガス出口の低温部で低温腐食を受けやすく4も誤り。

12気体燃料(都市ガス・LPガスなど)の性質について、誤っているものはどれか。

  1. a気体燃料は、液体・固体燃料に比べて少ない過剰空気で完全燃焼させやすい。
  2. b一般に硫黄分をほとんど含まず、ばいじんやすすの発生が少ない。
  3. cLPガス(液化石油ガス)は空気より軽く、漏れると天井付近に滞留する。
  4. d漏えいすると空気と混合して爆発の危険があり、取扱いに注意が必要である。
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正解:c. LPガス(液化石油ガス)は空気より軽く、漏れると天井付近に滞留する。

LPガス(主成分プロパン・ブタン)は空気より重く、漏れると床面など低所に滞留するため、空気より軽く天井付近に滞留するとした3が誤り(都市ガス/天然ガスは空気より軽い)。0の少ない過剰空気で完全燃焼しやすい、1の硫黄分がほとんどなくばいじんが少ない、4の漏えい時の爆発危険はいずれも正しい。

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